旅とカメラは人生を彩るスパイスのようなもの。そして、旅とカメラは相性も抜群。旅を楽しむ、カメラを楽しむことをコンセプトに、フォトグラファーの河野鉄平(通称テッピー)が、カメラ片手に旅に出る連載企画。
今回は東京観光の代名詞、東京スカイツリーと浅草を巡ります。
今回の旅のお供は、フルサイズながらコンパクトなソニー「α7C」と最新の標準ズームレンズ「FE20-70mm F4 G」(2023年2月発売)の組み合わせ。気軽なスナップ撮影に最適なレンズです。レンズフードが付属します
掲載する写真作例について
JPEG形式(エクストラファイン)で撮影。すべての作例で、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オートに設定しています。
こんにちは、テッピーです。
今回は外国人にも大人気の東京のシンボル的存在、東京スカイツリーと浅草界隈を巡ります。
ご存知の人も多いかと思いますが、東京スカイツリーは世界でいちばん高い電波塔で、地上634mの高さを誇ります。普通に建物としても世界第3位の高さというのですから驚きです(※2023年7月10日時点)。
実は私、東京出身ながら東京スカイツリーにはいまだのぼったことがなく、今回初めて展望台からの眺めを堪能することになったのでした。
そんなわけで、まずは東京メトロ半蔵門線の押上駅から、東京スカイツリーに向かっていきます。
正面エントランスの広場から東京スカイツリーを見上げました。東京スカイツリーのようなシンボリックな被写体は、副題を周囲にうまく入れ込むと単調さを軽減できます。ちなみに、「α7C」の仕上がり設定「クリエイティブスタイル」の「紅葉」は、赤や黄色をより鮮やかに強調できるモード。ちょっと間違えて適用してしまいました。悪しからず(以下、同じ……)
α7C、FE20-70mm F4 G、24mm、F8、1/125秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(標準)、クリエイティブスタイル:紅葉
撮影写真(6000×4000、19.2MB)
エントランススペースではイベントの準備中。新型コロナウイルス感染症が一段落し、こうした催しも増えてきました
α7C、FE20-70mm F4 G、53mm、F4、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(標準)、クリエイティブスタイル:紅葉
撮影写真(6000×4000、16.0MB)
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F4、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(標準)、クリエイティブスタイル:白黒
撮影写真(6000×4000、7.7MB)
今回の旅で使用した「α7C」は、より気軽に持ち運べるフルサイズ機として、ソニーが2020年10月にリリースしたコンパクトなフルサイズミラーレスカメラです。
ちなみに「α7C」のCはCompactから取ったもの。スペック的には「α7 III」を踏襲。デザインはAPS-Cミラーレスカメラ「α6000シリーズ」のようにフラットなフォルムが特徴的です。
ボディサイズは約124.0(幅)×71.1(高さ)×59.7(奥行)mmで、重量は約509g(バッテリー、メモリーカードを含む)。このコンパクトなサイズ感でボディ内5軸手ブレ補正を搭載しています。今回使用したレンズ「FE20-70mm F4 G」は約488gなので、あわせて約997gという身軽さがうれしいです
操作性では露出補正ダイヤルのデザインが好みです。このメタリックな感じがいいです。外観的にはボタンやダイヤルを必要最低限に抑えている印象。難しいことを考えずに、撮影に集中できる仕様と言えます
なお、「α7C」は以下の記事でも詳しくレビューしているので、ぜひ参考にしてみてください。
今回使用した標準ズームレンズ「FE20-70mm F4 G」についても解説しておきます。
本レンズはズーム全域で開放絞り値F4のいわゆる“小三元レンズ”ですが、ポイントは標準ズームながら焦点距離20mmまでの超広角域をカバーするところにあるでしょう。
これは端的に動画撮影を意識したものと言えそうですが、標準ズームで広く使われる焦点距離24mmに対し、広角側に強いこの仕様は、当然ながら静止画撮影でも大きな役割を果たします。
今回のような街中スナップでは特にそう。パースを強調しながら力強く情景を切り取ることができます。
広角端の焦点距離20mmで撮影。地上から高さ350m、東京スカイツリー「天望デッキ」にあがったところ。行き交う人々の様子を超広角でダイナミックに記録できました
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F4、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(標準)、クリエイティブスタイル:白黒
こちらも広角端20mmで撮影。こちらもかなりダイナミック。「天望デッキ」からさらにあがったところにある「天望回廊」からの情景です。向こうに見えるのは隅田川。ツリーの影を入れ、眼下を撮影しました
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F5.6、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(標準)、クリエイティブスタイル:スタンダード、ピクチャーエフェクト:ハイコントラストモノクロ
撮影写真(4000×6000、19.8MB)
「FE20-70mm F4 G」は軽くてコンパクトなのですが、高い描写力を誇る「Gレンズ」シリーズであることも踏まえておきたい点です。
鏡筒には動画撮影にも対応できる絞りリングがあり、機能を割り当てて利用できるフォーカスホールドボタンも、横位置と縦位置の両方の撮影に対応できるよう2か所に搭載されています。
絞りリングは1/3段刻みで値を設定可能。「A」に合わせるとカメラ側の操作で絞り値を変更できます
鏡筒左側面に「IRIS LOCKスイッチ」を、右側面に「絞りリングクリック切り替えスイッチ」を搭載。「IRIS LOCKスイッチ」では、絞りリングの位置を「A」に固定するか、F4〜F22の間でのみ調整を行うかを切り替えられます。「絞りリングクリック切り替えスイッチ」は動画撮影時に便利。スイッチをオフにすると、無段階で絞りを調整し、操作音を気にせずに撮影できます
フォーカスホールドボタンは筐体上面と左側面に配置。このボタンに割り当てる機能は、自分の撮影スタイルにあわせてカスタマイズできます。初期設定では、その名のとおりフォーカスロックが適用されています
冒頭でも少し解説しましたが、東京スカイツリーの展望台は「天望デッキ」と「天望回廊」のふたつ。地上350mの位置に「天望デッキ」が、さらにそこから約100m上に「天望回廊」があります。
ちょっとケチな話かもしれませんが、デッキと回廊の両方を巡る場合と、デッキのみ(回廊は行かない)の場合とでは料金がおよそ1,000円違います。うーむ、迷う。写真撮影で100mの差はどれほど影響するのでしょうか?
ただ、初めて東京スカイツリーにあがるのであれば、やはり「天望回廊」まで行ってみたいところ。何と言っても、世界でいちばん高い電波塔です。あがれるところまであがっておくことにしました。
「天望デッキ」からの眺め。ここでは色を少し涼しげなトーンにしてみました
α7C、FE20-70mm F4 G、35mm、F8、1/100秒、ISO100、ホワイトバランス:蛍光灯、クリエイティブスタイル:ディープ
撮影写真(4000×6000、16.4MB)
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F8、1/80秒、ISO100、ホワイトバランス:蛍光灯、クリエイティブスタイル:ディープ
α7C、FE20-70mm F4 G、70mm、F8、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:蛍光灯、クリエイティブスタイル:ディープ
撮影写真(6000×4000、15.3MB)
「天望回廊」はスロープ状なのが特徴的
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F4、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:ディープ
「天望デッキ」も「天望回廊」も海外からの観光客の皆さんで大にぎわいでした。日本人のほうが少ないのではないかと思うほど。逆に私はプチ海外旅行の気分になりました。
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F5.6、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:蛍光灯、クリエイティブスタイル:ディープ
α7C、FE20-70mm F4 G、70mm、F5.6、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:ライト
撮影写真(6000×4000、18.8MB)
「天望デッキ」にあるガラス床。下までよく見えます。あなどっていましたが、結構怖かったです
α7C、FE20-70mm F4 G、20mm、F4.5、1/40秒、ISO100、ホワイトバランス:曇天、クリエイティブスタイル:ライト
α7C、FE20-70mm F4 G、38mm、F4、1/40秒、ISO320、ホワイトバランス:オート(ホワイト優先)、クリエイティブスタイル:スタンダード、ピクチャーエフェクト:ハイコントラストモノクロ
撮影写真(6000×4000、7.6MB)
「天望デッキ」のカフェでちょっと休憩。東京の街並みに目をやりながらパフェをいただきました。次は浅草に向かいます!
α7C、FE20-70mm F4 G、70mm、F4、1/80秒、ISO100、ホワイトバランス:曇天、クリエイティブスタイル:ライト
撮影写真(6000×4000、6.0MB)