テッピーが行く! 旅カメラ周遊記

シグマの個性派フルサイズ「fp L」で神奈川県逗子・葉山の夏色を写す

旅とカメラは人生を彩るスパイスのようなもの。そして、旅とカメラは相性も抜群。旅を楽しむ、カメラを楽しむことをコンセプトに、フォトグラファーの河野鉄平(通称テッピー)が、カメラ片手に旅に出る連載企画。今回は波音が聞こえる逗子・葉山の海岸沿いを、のんびり写真散歩していきます。

今回の旅のお供は、シグマのフルサイズミラーレスカメラ「fp L」と標準・単焦点レンズ「50mm F1.4 DG DN」。この1択でスナップしていきます。「fp L」が小さいため、「50mm F1.4 DG DN」が少し大ぶりに見えますね

今回の旅のお供は、シグマのフルサイズミラーレスカメラ「fp L」と標準・単焦点レンズ「50mm F1.4 DG DN」。この1択でスナップしていきます。「fp L」が小さいため、「50mm F1.4 DG DN」が少し大ぶりに見えますね

掲載する写真作例について
写真はすべてJPEG形式のFINE(最高画質)で撮影。レンズ光学補正は歪曲:オート、倍率色収差:オート、回折:オフ、周辺光量:オート、カラーシェーディング:オートに設定しています。

落ち着いた雰囲気の逗子・葉山界隈をスナップする

こんにちは、テッピーです。

三浦半島の西に位置する神奈川県の逗子市と葉山町。何だかとてもおしゃれで洗練された響きがあります。葉山は御用邸があることでも有名ですね。余談ですが、葉山は逗子駅に近いため、てっきり逗子市の中に葉山というエリアがあるのだと勝手に思っていたのですが、大きな間違いでした……。葉山は三浦郡にある唯一の町(自治体)なのですね!

ということで、今回は山と海に囲まれた美しいこの海浜エリアを徒歩でテクテク巡っていくことにします。

逗子駅から旅をスタート! スナップしながら海を目指しますfp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2

逗子駅から旅をスタート! スナップしながら海を目指します
fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:3:2

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:3:2

撮影した日は梅雨明け前でしたが暑かった……fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2

撮影した日は梅雨明け前でしたが暑かった……
fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2

写欲をかき立ててくれる斬新ボディ「fp L」

今回使用したシグマ「fp L」は、2021年4月発売のフルサイズミラーレスカメラです。この小ささ(幅112.6×高さ69.9×奥行45.3mm)でフルサイズセンサー搭載なのも驚きですが、さらに注目すべきはこのコンパクトボディに有効約6100万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載していること。後述しますが、有効画素数に余裕があるため、気軽にクロップズームを試せたり、アスペクト比を変更したりして撮影が楽しめます。

そして、斬新すぎるこのフォルムもやはり大きな特徴です。“普通の”デジタル一眼に慣れ親しんでいる人からすると、ボタンやダイヤルの配置が大きく違うので、最初はとまどいます。しかし、それが扱いにくさに直結しないところがすばらしいです。ボタンがシンプルにまとまっていて操作性は良好。使いこなせるようになるのに、そう時間はかかりません。

ちなみに、「fp L」には、液晶モニターをぐるっと囲むように放熱用のヒートシンクが搭載されています。この形状も特徴的で目をひきます。バリアングル液晶のようにも見えますが、モニターの角度は変えられません。

操作しやすいダイヤルを上面と背面に計2つ搭載。電源スイッチも大きくて切り替えがしやすいです

操作しやすいダイヤルを上面と背面に計2つ搭載。電源スイッチも大きくて切り替えがしやすいです

背面。ボタン類は下に並んでいますが、この配置が絶妙。コントラストを調整できる「TONE」やカラーモードを変更できる「COLOR」といった、利用頻度の高い画作りに関わる機能をここから気軽に選択・変更できます

背面。ボタン類は下に並んでいますが、この配置が絶妙。コントラストを調整できる「TONE」やカラーモードを変更できる「COLOR」といった、利用頻度の高い画作りに関わる機能をここから気軽に選択・変更できます

利用頻度の高い機能は、後ダイヤル左上のQS(クイックセット)ボタンから呼び出して設定できます。この項目はカスタマイズできます

利用頻度の高い機能は、後ダイヤル左上のQS(クイックセット)ボタンから呼び出して設定できます。この項目はカスタマイズできます

「fp L」のボディが小さくてホールドしにくいと感じる人は、ハンドグリップ「HG-11」(別売)を装着することをおすすめします。グリップ力が増します。また、屋外での視認性を高める、外付けのビューファインダー「EVF-11」(別売)も一緒に使ってみたいアイテムです。

「fp L」に関しては、以下の記事で詳しくレビューしているので、ぜひ参考にしてみてください。

逗子海岸に到着! 海岸沿いを南下する

今回の旅は、まず逗子駅から商店街を抜け、逗子海岸へ。写真を撮りながらゆっくり歩いて20分ほどの距離です。平日の午前中だったこともあって、浜辺はとても静か。波の音が心地よかったです。ここから海岸沿いを葉山方面に南下。森戸海岸線を行き、森戸海岸を目指します。

海の家越しから、海を臨む。この日は風が強かったです。潮騒が心を落ち着かせてくれますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2

海の家越しから、海を臨む。この日は風が強かったです。潮騒が心を落ち着かせてくれます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2

休日ともなるとまた違った風景が広がるのかもしれませんが、それでも江ノ島や鎌倉に比べると、この界隈は人が少なくおすすめのスポットと言えるでしょうfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、25.3MB)

休日ともなるとまた違った風景が広がるのかもしれませんが、それでも江ノ島や鎌倉に比べると、この界隈は人が少なくおすすめのスポットと言えるでしょう
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、25.3MB)

カラーモードやアスペクト比を変えながら、「fp L」らしい描写を楽しむ

「fp L」で効果的に活用したい機能はやはりカラーモードでしょう。「fp L」ならではのこだわりの描写にチャレンジしたいですね。加えて、アスペクト比やFill Lightといった機能も描写性にアクセントが加えられてオススメです。

アスペクト比は7種類ありますが、ほかのカメラではあまり馴染みのない「21:9」や「A判」(√2:1)、「7:6」といった比率が選択できます。「21:9」は映画のワイドスクリーンとほぼ同じ縦横比。横構図だけでなく縦構図でも、新鮮なフレーミングで情景が切り取れます。

Fill Lightは暗部の明るさを調整できる機能ですが、独特のトーンを演出できて、“遊び”で利用するのにもいいです。適用の仕方で、不自然な描写になることもありますが、それも味。意外性が楽しいです。ただ、Fill Light はHDRを適用したときのように記録に時間がかかります。タイムラグを意識しながら利用する必要があります。

「COLOR」ボタンから設定できるカラーモード。項目ごとに効果の強弱やパラメーターを調整できます。シーンや被写体に合わせて、自分好みのテイストを付加できるのが魅力。ぜひ効果的に活用したい機能です

「COLOR」ボタンから設定できるカラーモード。項目ごとに効果の強弱やパラメーターを調整できます。シーンや被写体に合わせて、自分好みのテイストを付加できるのが魅力。ぜひ効果的に活用したい機能です

アスペクト比は7種類から選択できます。通常はMENU画面から設定しますが、利用頻度が高ければQSメニューに項目をカスタム登録するといいです

アスペクト比は7種類から選択できます。通常はMENU画面から設定しますが、利用頻度が高ければQSメニューに項目をカスタム登録するといいです

ちなみに、アスペクト比を変更した際のフレームは通常黒く表示されますが、これは半透明に変更可能。周囲の様子を視認しながら撮りたいときに有効です。MENU内「ライブビュー設定」から変更できます

ちなみに、アスペクト比を変更した際のフレームは通常黒く表示されますが、これは半透明に変更可能。周囲の様子を視認しながら撮りたいときに有効です。MENU内「ライブビュー設定」から変更できます

Fill LightはQSメニューから選択できます。0.2ステップ、±5段階で調整可能

Fill LightはQSメニューから選択できます。0.2ステップ、±5段階で調整可能

Fill Lightは実際の効果をAELボタンからプレビューできるのも便利。事前に確認のうえ、効果を適用できます

Fill Lightは実際の効果をAELボタンからプレビューできるのも便利。事前に確認のうえ、効果を適用できます

海辺の情景をFill Lightを適用して撮影。暗部が起こされ、独特の透明感が演出されています。なお、ここまでの作例は開放絞り値F1.4で撮っているものが多く、いずれも周辺光量が低下しています。しかし、逆にこれがスポット効果になっていて、いい雰囲気に仕上がっていますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:16:9、Fill Light:+1

海辺の情景をFill Lightを適用して撮影。暗部が起こされ、独特の透明感が演出されています。なお、ここまでの作例は開放絞り値F1.4で撮っているものが多く、いずれも周辺光量が低下しています。しかし、逆にこれがスポット効果になっていて、いい雰囲気に仕上がっています
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:16:9、Fill Light:+1

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:FOV クラシックブルー、アスペクト比:16:9、Fill Light:+1

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B4、G6)、カラーモード:FOV クラシックブルー、アスペクト比:16:9、Fill Light:+1

海を見ながら海岸線を行き、葉山町に入りますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:風景、アスペクト比:1:1撮影写真(6328×6328、18.5MB)

海を見ながら海岸線を行き、葉山町に入ります
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:風景、アスペクト比:1:1
撮影写真(6328×6328、18.5MB)

カラーモードはユニークな仕上がり設定も多く、いろいろ試したくなります。ここではデュオトーンを設定。デュオトーンは色調の変化に応じて10種類のプリセットが用意されていますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、ISO100、1/2000秒、カラーモード:デュオトーン B2、アスペクト比:1:1撮影写真(6328×6328、17.3MB)

カラーモードはユニークな仕上がり設定も多く、いろいろ試したくなります。ここではデュオトーンを設定。デュオトーンは色調の変化に応じて10種類のプリセットが用意されています
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、ISO100、1/2000秒、カラーモード:デュオトーン B2、アスペクト比:1:1
撮影写真(6328×6328、17.3MB)

もうひとつカラーモードではまったのが、パウダーブルー。さわやかなブルートーンで情景を仕上げてくれますfp L、50mm F1.4 DG DN、F5.6、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、33.4MB)

もうひとつカラーモードではまったのが、パウダーブルー。さわやかなブルートーンで情景を仕上げてくれます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F5.6、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、33.4MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、21.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、21.1MB)

森戸海岸線は昔ながらの狭い山道。車の行き来も多く、バスも乗用車も譲り合いながら先を行きますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、29.5MB)

森戸海岸線は昔ながらの狭い山道。車の行き来も多く、バスも乗用車も譲り合いながら先を行きます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、29.5MB)

「21:9」の比率で撮影。パターン化したものを横長の比率で強調してみましたfp L、50mm F1.4 DG DN、F2、1/5000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9撮影写真(9520×4080、20.1MB)

「21:9」の比率で撮影。パターン化したものを横長の比率で強調してみました
fp L、50mm F1.4 DG DN、F2、1/5000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9
撮影写真(9520×4080、20.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9撮影写真(9520×4080、21.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9
撮影写真(9520×4080、21.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9撮影写真(9520×4080、17.6MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:21:9
撮影写真(9520×4080、17.6MB)

森戸海岸に到着! 森戸海岸をさらに南下した先にあるのが森戸神社(森戸大明神)で、その裏山から眼下を撮影。ここでも横長の[21:9]で。この比率は雄大な景観にもよく合いますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:21:9

森戸海岸に到着! 森戸海岸をさらに南下した先にあるのが森戸神社(森戸大明神)で、その裏山から眼下を撮影。ここでも横長の[21:9]で。この比率は雄大な景観にもよく合います
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:21:9

旅スナップによくなじむ「50mm F1.4 DG DN」

今回の旅では、2023年2月発売の新しい標準・単焦点レンズ「50mm F1.4 DG DN」1本で撮影に臨んでいます。

ここまで見てきて明らかなように、このレンズは、F1.4という明るい開放絞り値が、とろけるような美しいボケを見事に演出してくれます。開放付近の画質もよく、高解像。素直な視点で、見たままを気持ちよく撮影できます。「fp L」と同様、デザイン性も高く、ずっと触って持っていたくなる見た目のフォルムがまたよいです。

Lマウント用のサイズは78.2(最大径)×109.5(長さ)mmで、重量は670g。フィルター径は72mmです。レンズフードは同梱。逆光耐性にすぐれていますが、レンズフードは必ず付けて利用したいです

Lマウント用のサイズは78.2(最大径)×109.5(長さ)mmで、重量は670g。フィルター径は72mmです。レンズフードは同梱。逆光耐性にすぐれていますが、レンズフードは必ず付けて利用したいです

絞りリングを搭載。このあたりもマニア好み。オートポジション(A)とマニュアルポジション(F1.4〜F16)から選択できます

絞りリングを搭載。このあたりもマニア好み。オートポジション(A)とマニュアルポジション(F1.4〜F16)から選択できます

絞りリングのクリック感をオン/オフできる絞りリングクリックスイッチが、左側面に搭載されています。オフにするとクリック感がなくなります。動画撮影時に便利です

絞りリングのクリック感をオン/オフできる絞りリングクリックスイッチが、左側面に搭載されています。オフにするとクリック感がなくなります。動画撮影時に便利です

右側面に絞りリングロックスイッチが搭載されています。オートポジションでのみ撮影を行いたいとき、またはマニュアルポジションでのみ撮影を行いたいときにロックをして誤作動を防ぎます。こうした細かい部分もしっかり配慮されています

右側面に絞りリングロックスイッチが搭載されています。オートポジションでのみ撮影を行いたいとき、またはマニュアルポジションでのみ撮影を行いたいときにロックをして誤作動を防ぎます。こうした細かい部分もしっかり配慮されています

AFLボタン、AFとMFを切り替えるスイッチも左側面に搭載されています

AFLボタン、AFとMFを切り替えるスイッチも左側面に搭載されています

開放絞り値F1.4で撮影。前後ボケが非常にドラマチックで美しいです。目で見たままを素直な視点で切り取れますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/800秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、25.4MB)

開放絞り値F1.4で撮影。前後ボケが非常にドラマチックで美しいです。目で見たままを素直な視点で切り取れます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/800秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、25.4MB)

こちらも開放絞り値F1.4で撮影。開放だと玉ボケに多少口径食が現れますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、25.8MB)

こちらも開放絞り値F1.4で撮影。開放だと玉ボケに多少口径食が現れます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、25.8MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2撮影写真(6328×9520、29.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2
撮影写真(6328×9520、29.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.6、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、24.4MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.6、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、24.4MB)

森戸海岸線はそのまま海につながる細い路地が多く、とてもフォトジェニックですfp L、50mm F1.4 DG DN、F5.6、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:7:6撮影写真(6328×7856、26.9MB)

森戸海岸線はそのまま海につながる細い路地が多く、とてもフォトジェニックです
fp L、50mm F1.4 DG DN、F5.6、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:7:6
撮影写真(6328×7856、26.9MB)

絞り値F8で撮影。このあたりの全域で解像感のある描写性は圧巻。6000万画素センサーの能力が存分に発揮されていますfp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:スタンダード、アスペクト比:1:1撮影写真(6328×6328、22.7MB)

絞り値F8で撮影。このあたりの全域で解像感のある描写性は圧巻。6000万画素センサーの能力が存分に発揮されています
fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:スタンダード、アスペクト比:1:1
撮影写真(6328×6328、22.7MB)

植物を接写してみました。本レンズの最短撮影距離は45cm。50mm単焦点レンズとしては標準的なスペックと言えますfp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/1000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:16:9撮影写真(9520×5352、22.8MB)

植物を接写してみました。本レンズの最短撮影距離は45cm。50mm単焦点レンズとしては標準的なスペックと言えます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/1000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:ビビッド、アスペクト比:16:9
撮影写真(9520×5352、22.8MB)

最終地点の森戸神社を参拝

森戸神社(森戸大明神)は源頼朝が創建に関わったとされる歴史ある神社。すでに見ていただいたように、神社の裏からは相模湾を一望できますし、ここから海岸に降りることも可能です。逗子・葉山を巡る際に多くの人が立ち寄るパワースポットで、私も今回の旅の最終地点と考えていたのでした。

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、30.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、30.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.6、1/800秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、29.6MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.6、1/800秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、29.6MB)

赤い欄干(らんかん)が鮮やかな「みそぎ橋」。鎌倉時代、この橋を渡っておはらいやみそぎがさかんに行われたのだとかfp L、50mm F1.4 DG DN、F2.5、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(6328×9520、20.8MB)

赤い欄干(らんかん)が鮮やかな「みそぎ橋」。鎌倉時代、この橋を渡っておはらいやみそぎがさかんに行われたのだとか
fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.5、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(6328×9520、20.8MB)

神社の裏には松の木がたくさん。源頼朝が建てた三島神社の若木がここまで飛来し、岩壁に根付いたものと言われているそうですfp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2撮影写真(3840×2552、5.8MB)

神社の裏には松の木がたくさん。源頼朝が建てた三島神社の若木がここまで飛来し、岩壁に根付いたものと言われているそうです
fp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2
撮影写真(3840×2552、5.8MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:3:2

石原裕次郎の碑もあります!fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:1:1

石原裕次郎の碑もあります!
fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ウォームゴールド、アスペクト比:1:1

クロップズームで名島の鳥居越しに江ノ島を撮る

クロップズームはセンサーの記録範囲を変化させてズーム効果を得る機能。つまり、デジタルズームです。撮影後にトリミングして切り取ってもいいのですが、撮影時にクロップしたほうが、最終的な仕上がりがよりイメージしやすくなります。

フルサイズ機であり、かつ6000万画素クラスの「fp L」であれば、高画質を維持したまま気軽にクロップズームが試せます。今回は、「50mm F1.4 DG DN」では寄り切れない被写体に対し、デジタルズームを活用してみました。

クロップズームの設定はMENU内から行います。倍率やズームステップなどかなり細かく設定できます

クロップズームの設定はMENU内から行います。倍率やズームステップなどかなり細かく設定できます

クロップズーム自体は、通常撮影時にピンチアウト、またはピンチインで撮影領域を直感的に決められます。この操作性が非常に便利です

クロップズーム自体は、通常撮影時にピンチアウト、またはピンチインで撮影領域を直感的に決められます。この操作性が非常に便利です

ヨットを楽しむ人にクローズアップ。焦点距離50mmでは寄り切れないため、クロップズームを最大の5倍にして引き寄せましたfp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2、クロップズーム5倍撮影写真(1920×1280、1.5MB)

ヨットを楽しむ人にクローズアップ。焦点距離50mmでは寄り切れないため、クロップズームを最大の5倍にして引き寄せました
fp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2、クロップズーム5倍
撮影写真(1920×1280、1.5MB)

クロップズームせずに撮影。通常だとこの程度までしか寄れませんfp L、50mm F1.4 DG DN、ISO100、1/8000秒、F1.4、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、26.7MB)

クロップズームせずに撮影。通常だとこの程度までしか寄れません
fp L、50mm F1.4 DG DN、ISO100、1/8000秒、F1.4、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、26.7MB)

森戸海岸から見える名島の鳥居。背後に江ノ島を入れ込み、クロップズームで撮影しました。天気がよければ、富士山も一緒に入れられる撮影スポットです。今回は曇っていたのでFill Lightを使い、個性的な描写を目指してみましたfp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2、Fill Light:+2、クロップズーム5倍撮影写真(1920×1280、1.7MB)

森戸海岸から見える名島の鳥居。背後に江ノ島を入れ込み、クロップズームで撮影しました。天気がよければ、富士山も一緒に入れられる撮影スポットです。今回は曇っていたのでFill Lightを使い、個性的な描写を目指してみました
fp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、1/6000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2、Fill Light:+2、クロップズーム5倍
撮影写真(1920×1280、1.7MB)

クロップズームせずに撮影。焦点距離50mmでは鳥居が小さすぎますfp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、ISO100、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、30.4MB)

クロップズームせずに撮影。焦点距離50mmでは鳥居が小さすぎます
fp L、50mm F1.4 DG DN、F4.0、ISO100、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、30.4MB)

そのほかの作例

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.8、ISO100、1/1600秒、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:風景、アスペクト比:1:1

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.8、ISO100、1/1600秒、ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:風景、アスペクト比:1:1

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:7:6撮影写真(7856×6328、20.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/4000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:7:6
撮影写真(7856×6328、20.1MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2撮影写真(6328×9520、28.7MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:パウダーブルー、アスペクト比:3:2
撮影写真(6328×9520、28.7MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.5、1/125秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2撮影写真(6328×9520、21.5MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F2.5、1/125秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2
撮影写真(6328×9520、21.5MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/5000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、23.0MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/5000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、23.0MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、ISO100、1/1250秒、F1.4、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2

fp L、50mm F1.4 DG DN、ISO100、1/1250秒、F1.4、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:風景、アスペクト比:3:2

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、24.7MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F1.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:ティールアンドオレンジ、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、24.7MB

fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:シネマ、アスペクト比:3:2撮影写真(9520×6328、25.7MB)

fp L、50mm F1.4 DG DN、F8、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ(B6、G8)、カラーモード:シネマ、アスペクト比:3:2
撮影写真(9520×6328、25.7MB)

旅のまとめと補足

今回の旅では、最後曇りましたが全体を通じて天気も穏やかで、海風を感じながらのんびりとスナップを楽しめました。逗子・葉山界隈は、神社やレトロな建物など、歴史を感じるものが点在しているいっぽうで、おしゃれでかわいらしい雑貨屋さんやカフェなどもあり、歩いているだけでも楽しかったです。

お供した「fp L」は、今回のような風景をのんびりスナップするのに最適なカメラでした。「50mm F1.4 DG DN」との相性も抜群で、とてもクリエイティブに、意欲的に写真が撮れました。外観のかっこよさだけでなく、中身がきちんとともなっているのです。

ただ、「fp L」に関しては、扱うのに注意したい点もいくつかありました。まず、AF機能。ほかのカメラに比べ、精度がそこまで高くないように感じました。スポーツや乗り物、動物の撮影には不向きかもしれません。シャッターが電子シャッターのみなので、動く被写体に対して高速シャッターを切ると、像が歪むローリング現象が起きやすくなることも覚えておきたいです。ボディ内には手ブレ補正機構もありませんから、手ブレに意識を向ける必要もあります。

そういった意味でも、やはりこのカメラは身近な被写体をクリエイティブに撮りたいときに重宝する1台だと感じます。“こういうカメラも必要だよな”と思わせてくれるいさぎよさがとてもいい。ふとした瞬間を味わい深く切り取ってくれます。ずっと近くに忍ばせておきたい、そんな個性的なカメラでした!

河野鉄平

河野鉄平

フォトグラファー。写真家テラウチマサト氏に師事後、2003年独立。ポートレートを中心に活動。2022年1月に新著『上手い写真は構図が9割』(玄光社)発売。ポーラミュージアムアネックス(2015年/銀座)など写真展も多数。Profoto公認トレーナー。
Instagram:teppei_kono_eye
Twitter:@teppei_kono

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