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「OM SYSTEM OM-3」速攻レポート! こだわりが詰まった高品位ミラーレス

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OMデジタルソリューションズは2025年2月6日、マイクロフォーサーズシステム規格のミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-3」を発表した。デザイン、性能・機能、操作性のすべてにこだわって設計された注目製品だ。実機の外観画像を掲載しながら、その特徴を紹介しよう。

「OM SYSTEM」ブランドの新モデル「OM-3」が登場。この画像では、同じく新発売の単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」を組み合わせている

「OM SYSTEM」ブランドの新モデル「OM-3」が登場。この画像では、同じく新発売の単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」を組み合わせている

「OLYMPUS OM-1」をモチーフにした高品位デザイン

「OM-3」の特徴としてまず押さえておきたいのが外観デザイン。フィルム一眼レフの名機「OLYMPUS OM-1」をモチーフに、普遍的な美しさを感じる上質なボディに仕上がっている。三角形の形状が特徴的なペンタ部や、ボディ両サイドのデルタカット、上面のダイヤル形状などディテールにもこだわったデザインだ

小型・軽量と信頼性を両立しているのも「OM SYSTEM」ブランドらしい点で、マグネシウム合金を使用したボディは、フラッグシップモデル「OM-1 Mark II」と比べて約100gの軽量化と約25%の小型化(体積比)を実現。「OM-1 Mark II」と同じ防塵・防滴等級IP53にも対応している。

「OM-3」のサイズ・重量
約139.3(幅)×88.9(高さ)×45.8(奥行)mm
496g

「OM-1 Mark II」のサイズ・重量
約134.8(幅)×91.6(高さ)×72.7(奥行)mm
599g

※重量は付属バッテリーおよびメモリーカードを含む、アイカップなし

三角形のペンタ部、両サイドのデルタカットなどディテールを追求したデザインを採用

三角形のペンタ部、両サイドのデルタカットなどディテールを追求したデザインを採用

存在感のあるダイヤルが並ぶ上面

存在感のあるダイヤルが並ぶ上面

背面。3.0型(約162万ドット)のバリアングル液晶モニターを採用している

背面。3.0型(約162万ドット)のバリアングル液晶モニターを採用している

底面。対応バッテリーは「OM-1 Mark II」と同じ「BLX-1」

底面。対応バッテリーは「OM-1 Mark II」と同じ「BLX-1」

左が「OM-3」で、右が「OM-1 Mark II」。高さと奥行きは「OM-3」のほうが短く、ボディ全体でもひと回りコンパクトだ

左が「OM-3」で、右が「OM-1 Mark II」。高さと奥行きは「OM-3」のほうが短く、ボディ全体でもひと回りコンパクトだ

キットレンズの標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」と組み合わせたイメージ

キットレンズの標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」と組み合わせたイメージ

「OM-1 Mark II」の基本性能・機能を継承

「OM-3」は、フィルム一眼レフ「OLYMPUS OM-1」からデザインのみを参考に設計されたカメラではない。「小型・軽量と高性能・高機能を両立する」という「OLYMPUS OM-1」の設計思想も継承しているのがポイントだ。

撮像素子と画像処理エンジンは「OM-1 Mark II」と同じで、有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーと「TruePic X」を搭載。画質とAFの性能は「OM-1 Mark II」と同等だ。AFは人物/モータースポーツ/飛行機/鉄道/鳥/動物(犬・猫)に対応する「AI被写体認識AF」も利用できる。

有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーを搭載

有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーを搭載

「AI被写体認識AF」に対応

「AI被写体認識AF」に対応

高感度(ISO3200)で撮影した作例

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II、25mm(35mm判換算50mm相当)、F2.8、1/80秒、ISO3200、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural撮影写真(5184×3888、10.9MB)

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II、25mm(35mm判換算50mm相当)、F2.8、1/80秒、ISO3200、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural
撮影写真(5184×3888、10.9MB)

連写速度も「OM-1 Mark II」と同じで、電子シャッター時にAF追従で最高約50コマ/秒、AF1コマ目固定で最高約120コマ/秒に対応。最大70コマまでさかのぼって記録できるプロキャプチャー機能(RAW連写可能)も備わっている。さすがに「OM-1 Mark II」よりもバッファー容量が少ないため、「OM-1 Mark II」ほどの連写持続性ではないものの、十二分の連写性能と言えよう。

プロキャプチャー機能を利用できる

プロキャプチャー機能を利用できる

ボディ内5軸手ぶれ補正は、最大で中央6.5段、周辺5.5段の性能を誇る。対応レンズとの組み合わせで性能が向上するシンクロ手ぶれ補正にも対応。シンクロ手ぶれ補正時は最大で中央7.5段、周辺6.5段の補正効果を発揮する。

長秒シャッター(2.5秒)で撮影した作例

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、35mm(35mm判換算70mm相当)、F6.3、2.5秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Vivid撮影写真(5184×3888、11.0MB)

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、35mm(35mm判換算70mm相当)、F6.3、2.5秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Vivid
撮影写真(5184×3888、11.0MB)

SDメモリーカードスロットはシングル仕様(SDXC/UHS-II対応)

SDメモリーカードスロットはシングル仕様(SDXC/UHS-II対応)

左側面のインターフェイス部。マイク入力端子、ヘッドホン端子、HDMI端子(タイプD)、USB Type-C端子が並ぶ

左側面のインターフェイス部。マイク入力端子、ヘッドホン端子、HDMI端子(タイプD)、USB Type-C端子が並ぶ

機能面では、色別の彩度調整に加えてトーン/シェーディングなどの調整も可能な「カラープロファイルコントロール」と、カラーフィルター効果や粒状フィルム効果などを追加できる「モノクロプロファイルコントロール」を搭載。設定を細かく調整して仕上がりを追い込みながら撮影できる。

「カラープロファイルコントロール」の設定画面。色別に彩度を細かく調整できるのがポイントだ

「カラープロファイルコントロール」の設定画面。色別に彩度を細かく調整できるのがポイントだ

「モノクロプロファイルコントロール」の設定画面。カラーフィルター効果や粒状フィルム効果を使って、こだわりのモノクロ写真に仕上げられる

「モノクロプロファイルコントロール」の設定画面。カラーフィルター効果や粒状フィルム効果を使って、こだわりのモノクロ写真に仕上げられる

「モノクロプロファイルコントロール」を使って撮影した作例

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II、25mm(35mm判換算50mm相当)、F6.3、1/3200秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、モノクロプロファイルコントロール使用撮影写真(5184×3888、14.2MB)

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II、25mm(35mm判換算50mm相当)、F6.3、1/3200秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、モノクロプロファイルコントロール使用
撮影写真(5184×3888、14.2MB)

さらに、「OM SYSTEM」ならではの、高度な画像合成技術を使った撮影機能「コンピュテーショナル フォトグラフィ」も搭載。三脚利用時に約8000万画素相当の画像を生成する「ハイレゾショット」や、高輝度下でもスローシャッター効果が得られる「ライブND」(※ND64相当までの対応)などを選択できる。「OM-1 Mark II」で初めて採用された、グラデーションND(ハーフND)フィルター効果を再現する「ライブGND」も用意されている。

「ハイレゾショット」は「三脚ハイレゾショット」と「手持ちハイレゾショット」の2種類を選べる。「三脚ハイレゾショット」では約8000万画素相当の画像を生成する

「ハイレゾショット」は「三脚ハイレゾショット」と「手持ちハイレゾショット」の2種類を選べる。「三脚ハイレゾショット」では約8000万画素相当の画像を生成する

「ライブND」はND64相当までの減光効果を設定可能。なお、「OM-1 Mark II」ではND128相当まで用意されている

「ライブND」はND64相当までの減光効果を設定可能。なお、「OM-1 Mark II」ではND128相当まで用意されている

「ライブGND」のフィルター段数は「OM-1 Mark II」と同じ。「GND8」まで選べる

「ライブGND」のフィルター段数は「OM-1 Mark II」と同じ。「GND8」まで選べる

「ライブGND」を使って撮影した作例

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、35mm(35mm判換算70mm相当)、F8、1/320秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、カラープロファイルコントロール使用、ライブGND使用撮影写真(5184×3888、13.3MB)

OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、35mm(35mm判換算70mm相当)、F8、1/320秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、カラープロファイルコントロール使用、ライブGND使用
撮影写真(5184×3888、13.3MB)

直感的なダイヤル・ボタン操作が可能

小型・軽量ながら直感的な操作性が充実しているのも「OM-3」の特徴。注目したいのは、前面の「クリエイティブダイヤル」、背面の「CPボタン」、上面の「静止画/動画/S&Qダイヤル」の3つだ。

「クリエイティブダイヤル」は「PEN」シリーズで採用してきた操作系で、「カラープロファイルコントロール」や「モノクロプロファイルコントロール」など4つの機能にアクセスできる。

ボディ前面右手側に搭載する「クリエイティブダイヤル」

ボディ前面右手側に搭載する「クリエイティブダイヤル」

新設の「CPボタン」は、ボタンを押しながらダイヤルを操作することで、「ハイレゾショット」「ライブND」「ライブGND」などの「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能をダイレクトに呼び出せる。従来はメニュー画面で操作する必要があったので、かなり使いやすくなった。前ダイヤルと組み合わせることで、「ライブGND」のフィルタータイプ(Soft/Medium/Hard)を選択できるのが使いやすい。

「CPボタン」は「AELボタン」に代わって搭載される

「CPボタン」は「AELボタン」に代わって搭載される

「CPボタン」で設定画面を呼び出し、後ダイヤルで「ライブGND」の項目に移動すると、前ダイヤルでフィルタータイプ(Soft/Medium/Hard)を変更できる

「CPボタン」で設定画面を呼び出し、後ダイヤルで「ライブGND」の項目に移動すると、前ダイヤルでフィルタータイプ(Soft/Medium/Hard)を変更できる

「静止画/動画/S&Qダイヤル」は、静止画撮影、動画撮影、スロー&クイック動画撮影を切り替えるダイヤル。こちらも「CPボタン」と同様、新設の操作性だ。これまでは撮影モードダイヤルで動画モードを選択する必要があったが、「OM-3」では別ダイヤルで動画撮影に入れるようになった。このダイヤルの搭載によって、動画撮影時に撮影モードダイヤルを併用できるようになったのが便利だ。

独立したダイヤルで動画撮影を選択できるようになった

独立したダイヤルで動画撮影を選択できるようになった

【まとめ】「日常や旅先での発見」をサポートする新スタイルのカメラ

「OM-3」は、ラインアップ的には、フラッグシップ機「OM-1 Mark II」と下位機種「OM-5」の間に位置するモデルだが、そのどちらとも異なるスタイルを採用している。背面にサムグリップはあるものの前面にグリップはなく、また外付けグリップも用意されていない。可搬性を重視した仕様は、「とにかく軽快に撮影を楽しんでほしい」というメーカーからのメッセージを強く感じるところだ。ブラックのカラーバリエーションがないのもこだわりの部分である。

「OM SYSTEM」ブランドのタグラインは「人生にもっと冒険を」だ。“冒険”というと山や海、川などの大自然を思い浮かべがちだが、OMデジタルソリューションズによると、「OM SYSTEM」ブランドで示す“冒険”は、「大自然での決定的瞬間との出会い」だけでなく「日常や旅先での発見」も含まれているとのこと。普段の生活のなかにも唯一無二の撮影体験はあって、「OM-3」は、その体験をサポートするカメラという位置づけだ。

防塵・防滴等級IP53対応なので山や海などでも使用できるポテンシャルを持っているが、このカメラが真価を発揮するのは、やはりスナップや旅行などの“普段使い”だ。軽快に撮影できるスタイルは、「PEN」シリーズのユーザーからも注目を集めることだろう。

発売は2025年3月1日。発表と同時に予約受付も開始されている。市場想定価格はボディ単体が264,000円前後、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」が付属するレンズキットが297,000円前後(いずれも税込)。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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