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シグマが完全ユニボディ「BF」を発表! シンプルさを極めたフルサイズミラーレス

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シグマは2025年2月24日、Lマウントを採用するフルサイズミラーレスカメラの新モデル「Sigma BF」(以下、「BF」)を発表した。カメラとして初めてユニボディを実現するなど、シグマらしい斬新なスタイルのカメラに仕上がっている。その特徴を紹介しよう。

超シンプルなデザインを採用した「BF」(この画像はシルバーカラーモデル)

超シンプルなデザインを採用した「BF」(この画像はシルバーカラーモデル)

アルミ削り出しの高品位なユニボディを実現

シグマは、「デジタルカメラの再構築」をテーマに、2019年よりミラーレスカメラ「fpシリーズ」を展開している。このシリーズは、メーカー発想のカテゴリーやヒエラルキーではなく、「使うひと本位のデジタルカメラ」を目指して設計されているのが特徴。メカシャッターレス仕様の小型・軽量なフルサイズシステムという、それまでにはなかった新しいカメラとして写真愛好家を中心に高く評価されている。

今回発表された「BF」は、「デジタルカメラの再構築」という点では「fpシリーズ」の延長線上にあると言えるが、さらに「カメラの本質」を追求した製品だ。「創造性を刺激する、日常使いのシステムカメラ」をコンセプトに、カメラの起源である「カメラ・オブスクラ」を設計思想に掲げ、徹底的にむだをそぎ落としたスタイルのカメラに仕上がっている。

そのコンセプトを象徴しているのが、非常にシンプルかつ高品位なボディ。アルミニウムインゴットの削り出しによって、従来のカメラにはなかった、ネジやつなぎ目のないユニボディ構造を実現しているのだ。ちなみに、アルミ削り出しボディはパーツの加工に7時間以上かかるとのこと。非常に贅沢な作りのボディと言える。

アルミ削り出しのユニボディを実現。7時間以上かけて仕上げる高品位ボディだ

アルミ削り出しのユニボディを実現。7時間以上かけて仕上げる高品位ボディだ

上面。シャッターボタンと内蔵マイクのみのシンプルな仕様だ

上面。シャッターボタンと内蔵マイクのみのシンプルな仕様だ

右側面にはストラップホールのみ。左側面にはUSB-C端子(USB 3.2、10Gbps対応)を装備する

右側面にはストラップホールのみ。左側面にはUSB-C端子(USB 3.2、10Gbps対応)を装備する

むだをそぎ落とすという点ではメモリーカードスロットを省略し、内蔵ストレージを搭載するのもポイント。内蔵ストレージの容量は230GBで、最高画質設定でJPEGファイルなら14000枚以上、RAWファイルなら4300枚以上の記録が可能だ。

正面。右手側に小さい凹凸加工が施されている

正面。右手側に小さい凹凸加工が施されている

底面。対応バッテリーは新型の「BP-81」。レバー操作で本体から直接取り出すタイプだ

底面。対応バッテリーは新型の「BP-81」。レバー操作で本体から直接取り出すタイプだ

ボディサイズは約130.1(幅)×72.8(高さ)×36.8(奥行)mmで、重量は約446g(バッテリーを含む)。「fp」の112.6(幅)×69.9(高さ)×45.3奥行mm/重量422g(SDメモリーカード、バッテリーを含む)と比べると、幅は少し大きいものの、ヒートシンクを省略することでよりスリムなボディに仕上がっている。

シンプルなメタルボディキャップを採用

シンプルなメタルボディキャップを採用

ブラックカラーも用意されている

ブラックカラーも用意されている

ブラックカラーにはブラックのメタルボディキャップが付属する

ブラックカラーにはブラックのメタルボディキャップが付属する

ハプティックボタン・ダイヤルによるシンプルな操作性

「BF」は操作性も非常にシンプルだ。モードダイヤルなどはなく、背面には、3つのボタンと1つのダイヤルのみを搭載する。これらのボタン・ダイヤルは感圧式でフィードバックのあるハプティック仕様。物理的な摩耗がないため、長期にわたって快適な操作感を持続できるという。

ハプティック仕様のボタン・ダイヤルを採用。摩耗を防いで直感的な操作が可能とのことだ

ハプティック仕様のボタン・ダイヤルを採用。摩耗を防いで直感的な操作が可能とのことだ

ブラックカラーの背面

ブラックカラーの背面

操作性をここまでシンプルにできたのは、「デュアルレイヤーメニューシステム」という新しいユーザーインターフェイスを採用したことが大きい。この新しいメニューシステムは、シャッタースピードや絞り値、感度、露出補正値といった撮影に関わる主要な設定をライブビュー画面に、そのほかの設定をオプションメニューに格納するレイヤー構造を採用。ダイヤル上部にステータスモニターを配置しており、撮影時は選択した主要な設定をこのモニターで確認しながら操作できる。

基本的な性能面では、撮像素子に、有効約2460万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを採用。「fp」とは仕様が異なっており、「デュアルベースISO」には対応しておらず、ベース感度は静止画・動画ともISO320に変更されている。最高シャッタースピードは「fp」の1/8000秒から1/25600秒に向上。AFは最新のアルゴリズムを活用した像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドシステムで、人物に加えて犬・猫の被写体検出にも対応している。カラーモードは13種類で、16種類の「fp」から内容を変更。「ティールアンドオレンジ」「ウォームゴールド」「FOVクラシックブルー」などは継承しつつ、「リッチ」「カーム」といった新モードを搭載している。

動画撮影は6K/30p記録が可能。Log記録(L-Log)にも対応している。「fpシリーズ」の12bit RAW(CinemaDNG)記録は省略されている。

小型・軽量な単焦点レンズ「Iシリーズ」には、Lマウント用にシルバーカラーが追加される。「BF」にマッチするカラーリングだ。以前から用意されるブラックカラーも、ボディへのレーザー刻印やプロダクトラインバッジがリニューアルされる

小型・軽量な単焦点レンズ「Iシリーズ」には、Lマウント用にシルバーカラーが追加される。「BF」にマッチするカラーリングだ。以前から用意されるブラックカラーも、ボディへのレーザー刻印やプロダクトラインバッジがリニューアルされる

焦点距離17mmから90mmまで9種類が用意される「Iシリーズ」。リニューアルモデルはLマウント用が2025年4月以降、ソニーEマウント用が2025年5月以降に順次発売される予定だ

焦点距離17mmから90mmまで9種類が用意される「Iシリーズ」。リニューアルモデルはLマウント用が2025年4月以降、ソニーEマウント用が2025年5月以降に順次発売される予定だ

【まとめ】シグマにしか作れないユニークで高品位なカメラ

「BF」の製品ページを見ると、「過激なまでにシンプルなカメラ」というキャッチコピーが書かれているが、アルミ削り出しの完全ユニボディに、アクセサリーシューや拡張性を廃した思い切った仕様は、「まさにそのとおり」という印象。「ここまでやるか!」と思わせる、シグマにしか商品化できない製品だ。ほかにはない絶対的な魅力がある高品位なカメラと言えるだろう。

ラインアップはボディ単体のみで、シグマオンラインショップの価格は385,000円(税込)。ボディの作り込み度を考慮すると納得できる価格ではないだろうか。発売は2025年4月の予定だ。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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Sigma BF ボディの製品画像
  • シグマ
  • Sigma BF ボディ
  • 価格.com最安価格318,938 ( 発売日:2025年4月24日 )
  • 売れ筋ランキング60
  • 完全ユニボディを実現したフルサイズミラーレス
価格.comで見る
タイプ
ミラーレス
撮像素子種類
フルサイズ
付属レンズ
無(本体のみ)
レンズマウント
ライカLマウント
動画記録画素数
6K(6016x3384)29.97fps/4K(3840x2160)29.97fps
手ブレ補正機構
バリアングル
重量
388g
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