交換レンズ図鑑

ナチュラルな色描写やボケ味を楽しめるカールツァイス新レンズ「Loxia 2/35」

※以下に掲載する作例は、Loxia 2/35とα7Sを使って、JPEG形式の最高画質(エクストラファイン)で撮影したものになります。いずれも、撮影後に画像編集を行っていない撮影写真(JPEG撮って出し写真)になります。なお、α7Sのレンズ補正機能(周辺光量、倍率色収差、歪曲収差)については、すべて「オート」を選択しています。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺960ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F11、1/400秒、EV+1.0、測光:マルチ、ホワイトバランス:オート、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F2、1/1250秒、EV+1.3、測光:マルチ、ホワイトバランス:オート、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F2、1/2000秒、EV+1.70、測光:マルチ、ホワイトバランス:太陽光、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ライト、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO400、F2、1/400秒、EV0.0、測光:マルチ、ホワイトバランス:太陽光、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:クリア、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

2832×4240(撮影写真)
α7S、ISO100、F2、1/200秒、EV+0.7、測光:マルチ、ホワイトバランス:オート、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO160、F2、1/60秒、EV+1.0、測光:マルチ、ホワイトバランス:オート、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ライト、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F2.5、1/60秒、EV+0.7、測光:マルチ、ホワイトバランス:太陽光、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO125、F8、1/60秒、EV+1.3、測光:マルチ、ホワイトバランス:太陽光、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F8、1/100秒、EV+1.3、測光:マルチ、ホワイトバランス:太陽光、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

4240×2832(撮影写真)
α7S、ISO100、F6.3、0.8秒、EV0.0、測光:マルチ、ホワイトバランス:蛍光灯(温白色)、高感度ノイズリダクション:標準、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:クリア、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オート、歪曲収差補正:オート、JPEG

描写力と操作感をレビュー

Loxia 2/50のレビュー時と同様、今回も、α7Sと組み合わせてLoxia 2/35を試してみた。色描写については、カールツァイスのレンズらしく、高コントラストで抜けがよく、独特の色描写が得られるが、Loxia 2/50とは少し違っていて、よりナチュラルな発色傾向にあると感じた。表現するのが難しいが、単に淡い仕上がりになるのではなく、色の乗り方のバランスが絶妙なのだ。α7Sのダイナミックレンジの広さもあるのだろうが、写真の仕上がり設定を鮮やかめにしても色飽和するようなことが少ないので、明るくかつ鮮やかな描写が得やすいのも、このレンズの魅力だと感じた。

さらに、自然なボケ方をするのも、このレンズの特徴だ。前ボケがやや独特で、ピント位置近くでのボケ量は比較的少ないように思うが、全体的にはやわらかなボケが得られる。最短撮影距離(30cm)付近だと、かなり大きなボケが得られるのも面白いところだ。ボケ味のやわらかさで言えば、Loxia 2/50よりも良質な結果が得られることが多いように感じた。

細かい描写を見ていくと、カメラ側のレンズ補正機能をオンにした状態であれば、周辺光量落ち、色収差、歪曲収差はかなり抑えられる。周辺光量については、開放付近だと低下するが、気になるような落ち方はしない。開放時に輝度差のあるところではフリンジがわずかに発生するものの、色収差もよく抑えられており、ピント位置では開放からシャープな描写を発揮する。周辺部はわずかに流れることがあるが、気にならないレベルだ。歪曲収差も少なく、非常にすぐれた描写力を持つレンズだと思う。

操作感については、Loxia 2/50と同様、フォーカスリングのトルク感がよく、均一でなめらかなリング操作が行える。Loxia 2/50のレビューでもレポートしたが、絞りリングのクリック感が若干弱いのが気になったが、操作しにくいということはない。

まとめ

Loxia 2/35は、カールツァイスの新しい35mm単焦点レンズ。金属製の高品位な作りのうえ、描写力も高く、α7シリーズのユーザーにとってはまた魅力的なカールツァイスレンズが登場したと言えるだろう。写りについては、カールツァイスらしい、コントラストの高さ、抜けのよさ、発色のよさはそのままに、よりナチュラルな色が得られるのが特徴だと思う。コントラストが高くなるとこってりとした色になりがちだが、このレンズはそういった感じはない。他にはないような、絶妙なバランスの色描写が得られる35mm単焦点レンズではないだろうか。

また、Loxia 2/35は、他マウントのレンズにはなるものの、Biogon T*2/35 ZMと似たようなレンズ構成を採用しているが、α7シリーズに装着して使用するという条件では、両者の写りは異なっていると思う。ボディ側のレンズ補正機能も大きいのだろうが、Loxia 2/35のほうが、周辺光量落ち、周辺部の流れ、歪曲収差が少なく、画面全体で安定した描写が得られる。トータルでの描写性能はLoxia 2/35に軍配が上がると思う。

なお、カールツァイスブランドのフルサイズ対応Eマウントレンズとしては、同じ画角に、ソニーのSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAが用意されている。ただ、Loxia 2/35とSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAは、同じカールツァイスブランドのレンズではあるが、価格が違ううえ(Loxia 2/35は136,300円、Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZAは84,000円。いずれも税抜)、使い勝手や描写も異なっている。Loxia 2/35は、開放F2のマニュアルフォーカスレンズで、非球面レンズを使わない対称型のレンズ構成を採用している。いっぽうのSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAは、開放F2.8のオートフォーカス対応レンズで、非球面レンズを3枚使ったレンズ構成だ。どちらも開放から解像力の高いレンズだが、特に、ボケの大きさや自然さではLoxia 2/35に軍配が上がる。Loxia 2/35のほうが、より立体感の得やすいレンズだと思う。

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