交換レンズ図鑑
【連載】交換レンズ図鑑 第5回

EF-S版の“撒き餌レンズ”になるか!? 人気のパンケーキレンズ「EF-S24mm F2.8 STM」実写レポート

今回は、「交換レンズ図鑑」の第3回で取り上げた、キヤノンの新型パンケーキレンズ「EF-S24mm F2.8 STM」の追加レポートとして、実写作例を用いたレビューをお届けしよう。EF-S24mm F2.8 STMは、価格.com「レンズ」カテゴリーで売れ筋ランキング2位、注目ランキング3位(いずれも12月18日時点)と、ランキング上位をキープする人気レンズとなっている。

なお、EF-S24mm F2.8 STMの特徴は、「交換レンズ図鑑」の第3回「EF-Sレンズ初のパンケーキレンズ「EF-S24mm F2.8 STM」登場!」をご確認いただきたい。

EF-S24mm F2.8 STMは、APS-Cセンサーを搭載するキヤノン製デジタル一眼レフ用に設計されたEF-Sレンズ初のパンケーキレンズ。35mm判換算で38mm相当の画角で、開放F値はF2.8。今回、このレンズをEOS Kiss X7に装着して撮影した

最大径68.2×厚さ22.8mmで重量125gの薄型・軽量レンズ

レンズの厚さは22.8mmで、100円硬貨の直径とほぼ同じ

マウントは金属製

実写作例

※以下に掲載する作例は、EOS Kiss X7とEF-S24mm F2.8 STMを使って、JPEG形式の最高画質(L/ファイン)で撮影したもの(JPEG撮って出し)、もしくは、RAW形式のデータをJPEG形式に変換したもの(Digital Photo Professional 3.14でRAW現像)になります。撮影時点ではEF-S24mm F2.8 STMの補正データが用意されていなかったため、ボディ(EOS Kiss X7)のレンズ光学補正(周辺光量補正、色収差補正)、ならびにDigital Photo Professional 3.14のレンズ収差補正はオフになっています。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺960ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO200、F2.8、1/250秒、EV+0.3、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO320、F5.6、1/40秒、EV-0.3、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:風景、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F6.3、1/30秒、EV-0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F2.8、1/200秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F2.8、1/160秒、EV0.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F4、1/200秒、EV+0.3、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

3456×5184(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F2.8、1/30秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、JPEG

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO200、F8、1/640秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(トーンカーブ調整:RGBタブでトーンカーブの明るさを+12/コントラストを+2に変更。ノイズリダクション設定:輝度ノイズ緩和レベル4/色ノイズ飽和レベル4に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO100、F8、1/80秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(シャープネス設定:アンシャープマスクの強さを1に、RGBタブのシャープネスを+70に変更。ノイズリダクション設定:輝度ノイズ緩和レベル0/色ノイズ飽和レベル3に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

3456×5184(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO160、F2.8、1/40秒、EV+0.3、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(明るさ調整:RAWタブで明るさ調整を+1.0に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO200、F2.8、1/800秒、EV-1.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(トーンカーブ調整:RGBタブでトーンカーブの明るさを+6/コントラストを+10に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO200、F8、1/320秒、EV-1.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(シャープネス設定:アンシャープマスクからシャープネスに変え、強さを3に変更。トーンカーブ調整:RGBタブでトーンカーブのコントラストを+4に。オートライティングオプティマイザ:効果を「弱め」に変更。ノイズリダクション設定:輝度ノイズ緩和レベル0/色ノイズ飽和レベル3に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

5184×3456(撮影写真)
EOS Kiss X7、絞り優先AE、ISO2500、F6.3、1/40秒、EV+1.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、RAW(ノイズリダクション設定:輝度ノイズ緩和レベル11/色ノイズ飽和レベル11に変更。その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)

描写力をレビュー

2014年12月18日時点では、EF-S24mm F2.8 STM用のレンズ補正データは用意されていない(レンズ補正データは、通常、レンズが発売されてしばらく経ってから更新されるため、発売1か月の時点でデータが用意されていないのは特別なことではない)。そのため、今回の検証では、ボディ(EOS Kiss X7)内のレンズ光学補正(周辺光量補正と色収差補正)はオフの状態で撮影を行った。あわせて、純正のRAW現像ソフトのDigital Photo Professional 3.14を使った作例でも、レンズ収差補正はオフとなっている。

各種収差のデジタル補正を行わない状態ではあるが、EF-S24mm F2.8 STMは、色収差がかなり抑えられており、絞り開放でもピント面ではシャープな写りとなる。像面湾曲収差は多少発生するように感じるが、周辺でも、気になるようなにじみはなく、隅が大きく流れるようなこともない。絞り開放から安心して使えるレンズだ。

色味については、どちらかというとすっきりとした発色だと思う。極端にコントラストが高いわけではないが、単焦点レンズらしい、クリアな描写だ。実焦点距離24mm(35mm判換算38mm相当の画角)の広角レンズとしては、ボケ味も自然。点光源の渦巻きボケもよく抑えられている。

使っていて少し気になったのは歪曲収差と周辺光量落ち。歪曲収差についてはよく抑えられているとは思うが、建築物など直線が多い被写体を撮影すると気になることがあった。周辺光量については、レンズ補正データがないこともあってか、開放付近ではやや落ち込む。F4あたりにまで絞れば気にならなくなる。

まとめ

EF-S24mm F2.8 STMは、APS-Cセンサーを搭載するキヤノン製デジタル一眼レフ用に設計されたEF-Sレンズの新モデル。薄型・軽量で携帯性にすぐれるのが魅力のパンケーキレンズだが、性能も高く、絞り開放から安定した描写を楽しめる。最短撮影距離は16cm(レンズ面からは約9cm)で、クローズアップに強いのも面白いところだ。EOS Kiss X7など小型のAPS-Cデジタル一眼レフと組み合わせて、スナップやテーブルフォト用として活用するのに適したレンズだと思う。

しかも、このレンズは、価格.com最安価格(2017年7月14日時点)で17,000円を切っており、かなりお買い得な製品となっている。価格.com最安価格で比較する限りでは、純正のEF-Sレンズの中でもっとも安い。レンズキットに付属するズームレンズの単品よりも低価格なのだから驚かされる。「はじめての単焦点レンズ」にもってこいではないだろうか。

キヤノンは、交換レンズの楽しさを手軽に体験できる製品として、これまでに、EF50mm F1.8 IIやEF40mm F2.8 STMといった、コストパフォーマンスにすぐれる小型のEFレンズ(35mmフルサイズ対応レンズ)をラインアップしてきた。特にEF50mm F1.8 IIについては、1万円を切る圧倒的な低価格を実現しており、キヤノンの“撒き餌レンズ”と呼ばれ、長年にわたって多くのユーザーに愛されてきた。低価格で写りのよいEF-S24mm F2.8 STMは、EF-S版の高コストパフォーマンスモデルとして、EF50mm F1.8 IIのように高い人気を集め続けるレンズになりそうだ。

別売オプションのパンケーキレンズ用レンズフードES-52を装着したイメージ。ES-52の価格は2,000円(税抜)

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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