交換レンズ図鑑
【連載】交換レンズ図鑑 第6回

“世界最広角”を実現! キヤノンの超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4L USM」

キヤノンは、EFレンズの新モデルとして超広角ズームレンズ「EF11-24MM F4L USM」を2015年2月下旬より発売する。2月6日のリリース時点では、魚眼レンズを除いた35mmフルサイズ対応のズームレンズとして、焦点距離11mmの世界最広角を実現した注目製品だ。価格は450,000円(税別)で、超広角ズームレンズとして最高レベルの性能を持つ1本となっている。今回、開発中のベータ機をいち早く試すことができた。

※本記事は「EF11-24MM F4L USM」のベータ機での情報をまとめています。製品版では仕様が変更になる場合がありますのでご了承ください。

※レンズの外観画像は「EOS 5Ds R」と組み合わせたものになります。ページ下部に掲載する実写作例(縮小画像のみの掲載)は、EOS 5Ds Rが実写不可のベータ機であったため、「EOS 6D」で撮影しています。

世界最広角を実現したEF11-24MM F4L USMを、有効約5060万画素の超高画素を実現したEOS 5Ds R(2015年6月の発売予定)に装着

キヤノンの光学技術が集結したスーパー広角レンズ

EF11-24MM F4L USMの最大の特徴は、35mmフルサイズ対応のズームレンズ(魚眼レンズを除く)として、世界最広角を実現したこと。広角端の焦点距離は11mm(望遠端24mm)で、その画角は水平方向117度10分、対角線方向126度05分。撮影できる範囲は16mmの2倍以上で、人間の視界のほとんどをワンショットで収められる超ワイドな画角となっている。魚眼レンズと異なるのは、超広角ながら周辺の歪曲を抑えた描写であること。「今までは撮れなかったような広い範囲を捉える」「限られた撮影ポジションから大きな被写体を自然に記録する」「対象に肉迫し、かつ周囲の状況も写し込む」「強烈な遠近感で超現実的な映像を作り出す」といったように、超広角における新しい表現を提案するレンズとなっている。

なお、これまでの35mmフルサイズ対応ズームレンズの最広角モデルは、シグマの「12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM」であった。キヤノン純正のEFレンズでは、16mmスタートの2本「EF16-35mm F2.8L II USM」「EF16-35mm F4L IS USM」が最広角となっていた。EFレンズ全体では、単焦点レンズ「EF14mm F2.8L II USM」の14mmが最広角であったので、EF11-24MM F4L USM は、EFレンズの最広角にも位置付けられるモデルである(いずれも魚眼レンズ、超広角アオリレンズ「TS-E17mm F4L」を除く)。

対応する焦点距離は11mm〜24mm。3群ズーム+リアフォーカス方式を採用している

サイズは108(最大径)×132mm(長さ)で、重量は約1180g。AF/MF切り替えスイッチを装備し、フルタイムマニュアルフォーカスにも対応する

EF11-24MM F4L USMは、描写性能や操作性に加えて、堅牢性・耐久性にもこだわった高性能な「L(Luxury)レンズ」だ。特に、超広角化でトレードオフになりがちな描写にこだわって設計されており、3群ズーム+リアフォーカス方式で、11群16枚のレンズ構成からなる新開発の光学系には、蛍石レンズ以外でキヤノンが持つあらゆるレンズ技術(特殊レンズならびにコーティング)が集結している。超広角ズームレンズとしてはもっとも高性能なものの1つであることは間違いない。

光学設計では、焦点距離11mmの画角を実現するために、交換レンズ用の非球面レンズとしては世界最大口径となる外径87mmの研削非球面レンズなど、計4枚の非球面レンズを採用したのが大きなポイント。前玉(第1レンズ)に外径87mmの研削非球面レンズを、第2/第3/第16レンズにそれぞれガラスモールド非球面レンズを採用することで(※第2レンズは世界最大口径のガラスモールド非球面レンズ)、11mmの超広角を実現しただけでなく、ズーム全域で歪曲収差を良好に補正。像面歪曲と非点収差も大幅に抑制し、周辺部も含めた全画面での高画質化を実現している。

さらに、第5レンズにスーパーUDレンズを、第14レンズにUDレンズを採用し、超広角レンズで発生しやすい倍率色収差を大幅に低減。画面の周辺部でも色ずれの少ないシャープな画質を達成しているという。コーティングも充実しており、第1レンズと第2レンズの後面に、入射角が大きな光(横から入ってくる光)に対してすぐれた反射防止効果を発揮する特殊コーティング「SWC(Subwavelength Structure Coating)」を、第4レンズの前面に、垂直に近い角度で入ってくる光に対して高い反射防止効果を持つ「ASC(Air Sphere Coating)」を採用することで、ゴーストやフレアの発生を抑制。SWCをレンズ2面に採用するのは、EFレンズとして初めてだ。前玉と後玉には、撥油性・撥水性が高いフッ素コーティングが施されている。

前玉に、交換レンズ用の非球面レンズとしては世界最大口径となる外径87mmの研削非球面レンズを採用

下・左が前玉の外径87mm研削非球面レンズ(世界最大口径)、下・右が第2レンズのガラスモールド非球面レンズ(世界最大口径)、中・左が第3レンズのガラスモールド非球面レンズ、中・右が第5レンズのスーパーUDレンズ、上・左が第14レンズのUDレンズ、上・右が第16レンズのガラスモールド非球面レンズ

レンズのサイズは108(最大径)×132(長さ)mmで、重量は約1180g。開放絞り値はズーム全域でF4。絞り羽根は、9枚羽根の円形絞り(EMD:電磁駆動絞り)だ。最短撮影距離は11mm時で0.32m、16mm時で0.29m、24mm時で0.28m。リアフォーカス方式にあわせて、超音波モーターの「リングUSM」も採用し、高速・高精度で静粛性の高いオートフォーカスを実現している。フルタイムマニュアルフォーカスにも対応する。また、重量のある第1群レンズをスムーズかつ高精度に動かすために、メカ構造を大幅に見直すことで、ズームの耐久性と鏡筒部の耐振動衝撃性が向上。マウント部、スイッチパネル、ズームリング、フォーカスリングは防塵・防滴構造となっている。

マウント部など各所に防塵・防滴構造を採用。マウント部には、ゼラチンフィルターを挟み込めるホルダー(後部挟み込み式)が用意されている

専用のレンズキャップが付属する

実写作例(※今回、等倍での掲載はありません)

※以下に掲載する作例は、EOS 6DとEF11-24MM F4L USM(ベータ機)を使って、JPEG形式の最高画質(L:ラージ/ファイン)で撮影したものになります。今回、EF11-24MM F4L USMのベータ機を使用したため、撮影写真の等倍掲載ならびに、描写力の評価は行いません。また、ボディ(EOS 6D)のレンズ光学補正(周辺光量補正、色収差補正)は、レンズが発売前で補正データが用意されていないため「補正なし」になっています。製品版で撮影した作例ではないため、参考程度にチェックしていただければと思います。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺960ピクセルに縮小した画像が開きます。

焦点距離11mm、ISO2000、F8、1/30秒、EV+1.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、IS100、F8、1/200秒、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、マニュアル露出、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO100、F8、1/200秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO800、F4、1/30秒、EV+1.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO100、F4、1/640秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS

※2015年2月16日修正:上の作例の撮影情報で、絞り値をF2.8からF4に修正いたしました。誤った情報を掲載し、申し訳ありませんでした。

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO100、F8、1/320秒、EV+1.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO160、F8、1/40秒、EV+1.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO100、F8、1/800秒、EV0.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO200、F8、1/40秒、EV0.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離24mm、絞り優先AE、ISO125、F4、1/40秒、EV+0.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離11mm、絞り優先AE、ISO100、F8、1/80秒、EV+2.0、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

焦点距離24mm、ISO100、F4、1/60秒、EV+1.7、測光:中央部重点平均測光、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、高輝度側・階調優先:しない、レンズ光学補正(補正データがないため補正なし)、絞り優先AE、JPEG、EOS 6D

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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