【新製品レポート No.681】

キヤノンの新型エントリー一眼レフ「EOS 8000D」「EOS Kiss X8i」の違いまとめ

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2015年2月6日のキヤノン新製品発表では、多数のニューモデルが登場した。レンズ交換式カメラでは、有効約5060万画素の超高画素デジタル一眼レフ「EOS 5Ds/5Ds R」や、ミラーレス一眼上位モデル「EOS M3」とともに、エントリー向け一眼レフの新モデル「EOS 8000D」「EOS Kiss X8i」もリリースされた。EOS 8000Dは、ワンランク上のエントリーモデルとして新提案のカメラとなる。ここでは、基本スペックでは似たところの多い両モデルの違いと共通点をまとめてみた。キヤノンオンラインショップでのボディ単体の価格は、EOS 8000Dが97,800円、EOS Kiss X8i が92,800円(いずれも税別)。

※本記事は「EOS 8000D」「EOS Kiss X8i」のベータ機での情報をまとめています。製品版では仕様が変更になる場合がありますのでご了承ください。

左が上位モデルのEOS 8000D(EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM装着)、右がEOS Kiss X8i(EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM装着)。EOS 8000Dには、高倍率ズームレンズEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMが付属するレンズキットが用意される

サブ液晶&サブ電子ダイヤルを搭載する「EOS 8000D」
従来のEOS Kissシリーズの操作性を継承した「EOS Kiss X8i」

EOS 8000DとEOS Kiss X8iは、有効約2420万画素のCMOSセンサー(APS-Cサイズ)や、最新の映像エンジン「DIGIC 6」、オールクロス仕様の19点オートフォーカスシステムなど、基本的な性能に変わりはない。違いがあるのは操作性。EOS 8000Dのボディサイズは約131.9(幅)×100.9(高さ)×77.8(奥行)mmで、重量は約565g(CIPAガイドラインによる)/約520g(本体のみ)。EOS Kiss X8iは、約131.9(幅)×100.7(高さ)×77.8(奥行)mmで約555g(CIPAガイドラインによる)/約510g(本体のみ)とほぼ同等のサイズ感だが、EOS 8000Dのほうが、より本格的なカメラ操作が可能となっている。

EOS 8000Dは、ボディ上部の左肩に、ロック付きの撮影モードダイヤルを採用。右肩には、EOSシリーズのエントリーモデルとしては初めて、各種撮影設定を確認できるサブ液晶パネルをボディ上部に装備する。さらに、背面には、EOSシリーズの中級以上のモデルではおなじみのサブ電子ダイヤルを搭載し、中級機の操作性を取り込んだボディとなっている。いっぽうのEOS Kiss X8iは、EOS Kissシリーズの従来モデルと同様、撮影モードダイヤルを右肩に配置し、背面には十字ボタンを採用している。

左がEOS 8000D、右がEOS Kiss X8i。ボディ正面からのプロポーションを見ると、EOS 8000Dは、上面の左右がやや盛り上がっていて筋肉質な印象を受ける。堅牢性や信頼感を意識してデザインされたとのことだ。EOS Kiss X8iは、従来のEOS Kissシリーズと同じく、エッジ感を抑えた、丸みのあるフォルムとなっている

ボディ背面の注目点は、EOS 8000Dのサブ電子ダイヤル。クルクルと回すことで露出補正などの操作を行えるEOSシリーズ中級機定番の操作性だ。サブ電子ダイヤルの下にはロックスイッチも搭載している

両モデルとも、3.0型(3:2、約104万ドット)のバリアングル液晶モニターを採用。タッチパネル操作にも対応している

底面のデザインはほとんど変わらない。対応バッテリーも共通で新型の「LP-E17」となっている。両モデルともに撮影可能枚数は約440枚

ボディ上部のデザインは大きく異なる。EOS 8000Dは、左肩に、ロック付きの撮影モードダイヤルを、右肩に、サブ液晶パネルを採用。EOS Kiss X8iは、右肩に撮影モードダイヤルが配置されている。細かいところでは、左側のストラップ取り付け部の位置も異なっている

センサー、映像エンジン、AFシステム、ファインダーなどの基本性能は同等

EOS 8000DとEOS Kiss X8iは、ほぼ同じ基本性能を搭載している。ここでは両モデルの共通スペックの詳細を紹介しよう。

両モデルとも、撮像素子には、有効約2420万画素のCMOSセンサー(APS-Cサイズ)を採用。意外に思うかもしれないが、EOSシリーズのエントリーモデルは、2010年モデルの「EOS Kiss X4」以降、有効約1800万画素のセンサーを採用してきた(センサーの性能はアップしてきている)。EOS 8000DとEOS Kiss X8i は、EOSシリーズのエントリーモデルとして約5年ぶりの画素数アップとなっている。さらに、このセンサーは、ライブビュー撮影時の高速・高精度オートフォーカスを実現する新しい「ハイブリッドCMOS AF III」に対応。従来の「ハイブリッドCMOS AF II」と同様、センサー上に位相差AF画素を配置し、位相差AFとコントラストAFを組み合わせてオートフォーカスを行うシステムだが、位相差AFの画素(縦線検出センサーを採用)の配置を水平方向に高密度化することで、位相差AFの精度を高めたのが特徴だ。シーンによっては位相差AFのみで合焦するようになり、ライブビュー撮影時のオートフォーカス速度は、ハイブリッドCMOS AF IIを採用する「EOS Kiss X7」と比べて、最大約4.8倍の高速化を達成している(※EOS Kiss X7iはさらに一世代前の「ハイブリッド CMOS AF」を採用)。

映像エンジンは最新の「DIGIC 6」で、感度は常用でISO100〜ISO12800に対応(拡張でISO25600相当も選択可能)。光学ファインダー撮影時の位相差AFには、上位モデルで中級機の「EOS 70D」と同等となる、オールクロス仕様の19点システムを採用している。光学ファインダーは視野角約95%・倍率約0.82倍のペンタダハミラー。EOSシリーズの最新モデルで採用されている「インテリジェントビューファインダー」で、ファインダー内に各種情報を表示することができる。連写性能も両モデル同スペックで、最高5コマ/秒に対応。連続撮影可能枚数は、JPEGラージ/ファインで180枚(UHS-I 対応、8GBカード使用時:940枚) RAW:7枚(同:8枚) RAW+JPEGラージ/ファイン:6枚(同:6枚)で、こちらもスペックは同じだ。シャッタースピードは1/4000秒対応となっている。

ハイブリッドCMOS AF III対応の有効約2420万画素CMOSセンサーを採用

ハイブリッドCMOS AF III対応の有効約2420万画素CMOSセンサーを採用

感度はISO100〜ISO12800に対応する。拡張設定のH(ISO25600相当)も用意されている

感度はISO100〜ISO12800に対応する。拡張設定のH(ISO25600相当)も用意されている

EOS 70Dと同じオールクロス仕様の19点オートフォーカスシステムを搭載。ファインダーには、測距エリアモードやアスペクト比などを確認できる「インテリジェントビューファインダー」を採用している(※画像はファインダー内をデジカメで撮影したものになります。実際のファインダーの見え方を撮影できているわけではありません)

測光システムも刷新されており、夕景や屋外の緑を高精度に検知するIR画素(近赤外光検知)を備えた、7560画素 RGB+IR 測光センサーを搭載。色情報を加味した測光アルゴリズムも採用し、より精度の高い露出制御を実現している。この新センサーは、人の顔や色、明るさ、動き、コントラスト、距離などの情報をもとに自動的に撮影状況を解析する「新EOSシーン解析システム」のシーン判別と、オートフォーカス精度の向上にも貢献しているとのこと。さらに、このセンサーの色検知機能を応用し、ファインダー撮影時に肌色を検知して人物に優先的に合焦する「色検知AF」という新機能も利用できるようになった(※19点自動選択AFとゾーンAFのワンショット時に有効)。フリッカー検知も可能になり、EOS 7D Mark IIなどに採用されたフリッカーレス撮影にも対応する。

7560画素 RGB+IR 測光センサー

7560画素 RGB+IR 測光センサー

色検知AFに対応

色検知AFに対応

フリッカーレス撮影に対応

フリッカーレス撮影に対応

このほか、レンズ光学補正に、APS-C機のフラッグシップ「EOS 7D Mark II」と同じく、歪曲収差補正が加わった。MP4形式での1920×1080/30p記録に対応する動画撮影機能では、高速・高精度なハイブリッドCMOS AF IIIの採用で、よりなめらかな動画サーボAFが可能に。風の音を低減するオートウィンドカットも搭載されている。付加機能では、Wi-Fi/NFCを内蔵しており、スマートフォンやプリンター、カメラなどとの連携が可能だ。

レンズ光学補正に歪曲収差補正を追加

レンズ光学補正に歪曲収差補正を追加

Wi-Fi/NFC機能も搭載

Wi-Fi/NFC機能も搭載

「EOS 8000D」は水準器表示やHDR動画撮影が可能

最後に、機能面の違いをまとめておこう。EOS Kiss X8iには非搭載で、EOS 8000Dに搭載される機能は以下のとおり。

・ライブビュー撮影時のサーボ連写(サーボAF+約3コマ/秒の連写)
・電子水準器
・HDR動画
・動画デジタルズーム

電子水準器はモニター上だけでなく、ファインダー内にも表示することが可能。標準露出とアンダー露出の画像を交互に撮影・合成して1フレームにすることで白とびを抑える「HDR動画」や、動画撮影中に約3〜10倍に拡大して撮影ができる「動画デジタルズーム」にも対応する。

EOS 8000Dは、電子水準器の表示が可能

EOS 8000Dは、電子水準器の表示が可能

ファインダー内にも表示できる(※右画像はファインダー内をデジカメで撮影したものになります。実際のファインダーの見え方を撮影できているわけではありません)

HDR動画に対応

HDR動画に対応

動画デジタルズームに対応

動画デジタルズームに対応

まとめ

EOS 8000DとEOS Kiss X8iは、画質やオートフォーカス、ファインダー、連写性能、バッテリー性などの基本性能に違いはない。操作性と機能性が異なっており、EOS 8000Dはサブ液晶&サブ電子ダイヤルを装備し、EOSシリーズの中級機以上のモデルに似た操作が可能なモデルとなっている。いっぽうのEOS Kiss X8iは、EOS Kissシリーズらしくシンプルな操作性を継承している。機能性の違いはいくつかあるが、特に電子水準器の有無がポイントになるのではないだろうか。両モデルの価格差は約5,000円。中級機に似た操作性で撮影がしたい場合は、EOS 70Dよりも安価な設定のEOS 8000Dに魅力を感じるだろう。また、初めての一眼レフとして使う場合など、操作性にそれほどこだわらないのであれば、EOS Kiss X8iはベターな選択になるのではないだろうか。

EOS 8000DとEOS Kiss X8iの追加によって、キヤノンのエントリー向けデジタル一眼レフのラインアップは、EOS 8000D、EOS Kiss X8i、EOS Kiss X7i、EOS Kiss X7、EOS Kiss X70と計5モデルとなった。中級機の操作性を取り入れたニューフェイスのEOS 8000D、EOS Kissシリーズの最新モデルとなるEOS Kiss X8i、コストパフォーマンスにすぐれたEOS Kiss X7i、小型・軽量なEOS Kiss X7、低価格なEOS Kiss X70と、それぞれキャラクターが異なっており、予算やニーズに合わせて最適なモデルを選べるラインアップと言えるだろう。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

製品 価格.com最安価格 備考
EOS 8000D EF-S18-135 IS STM レンズキット 82,576 エントリー向けデジタル一眼レフカメラ
EOS 8000D EF-S18-135 IS STM レンズキット 82,576 エントリー向けデジタル一眼レフカメラ
EOS 8000D ダブルズームキット 80,425 エントリー向けデジタル一眼レフカメラ
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2016.11.25 更新
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