スマホでも映画のような滑らかな映像が撮れる!

専用アプリでスマホと連携! スマホ装着型3軸電動スタビライザー「Osmo Mobile」を使ってみた

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ドローン(マルチコプター)の「Phantom」シリーズや「DJI Mavic Pro」などの開発・販売を手がけていることでお馴染みのDJI社。2015年には、ドローンに搭載された3軸電動スタビライザーの技術を活かし、ハンディータイプのカメラ搭載型3軸電動スタビライザー「Osmo」を発売して大きな話題となった。そんなOsmoシリーズのラインアップに2016年10月、待望の新製品「Osmo Mobile」が加わった。新製品では、スマートフォンを装着し、映画のような滑らかな映像をスマホのカメラで撮影できるのが大きな特徴だ。ここでは新製品をレビューしつつ、その特徴を紹介していこう。

スマホとスタビライザーだけで手ブレの少ない滑らかな映像を簡単に撮れる!

Osmo Mobileは、スマホ撮影に特化したスタビライザーだ。仕組みとしては、3軸のジンバルに装着されたスマホの傾きや向き、動きなどを感知し、スマホのカメラを水平に保つように自動補正することで、スマホで簡単に揺れの少ない動画を撮影できる。映画やドラマの撮影現場では、滑らかな映像を撮影するためにレール上を移動する台車にカメラを乗せたり、クレーンを使ったりしているが、Osmo Mobileならこういった大がかりな撮影機材がなくても、スマホとスタビライザーだけで手ブレの少ない滑らかな映像を片手で簡単に撮ることができるというわけだ。

昨今、動画撮影のニーズが高まってきていることもあって、同様の商品が各社から販売されている。スタビライザーには、センサーで傾きを感知してモーターによってカメラを安定させてブレを抑える「電動式」と、振り子の原理を用いてブレを制御する「機械式」の2種類がある。ブレの補正力という点では、前者のほうがより強力だ。また、制御できる軸数にも違いがあり、3軸のものと2軸のものがある。2軸だとカメラの上向き下向き(チルト)と、カメラの傾き(ロール)を水平に保つだけだが、3軸になるとカメラの左右の向き(パン)も制御でき、より安定した映像を撮れる。

今回取り上げるOsmo Mobileは、3軸に対応した電動式の製品となっている。下記に実際に撮影した映像を掲載するが、非常に安定した滑らかな映像となっている。本体を左右に揺らしてもカメラを水平に保つように各軸が制御してくれるため、映像では揺らしていることがほとんどわからないほどだ。

「Osmo」のカメラ部分がスマホに切り替わり、お手軽に使えるスタビライザー

Osmoのシリーズ製品というだけあり、下部のハンドル(ハンドグリップ)や操作部分はまったく同じだ。そして上部は、カメラの代わりにスマホを取り付けられる機器が取り付けられている。今回は5.5インチのiPhone 7 Plusを組み合わせて使用したが、ケースを付けた状態でも問題なく装着することができた。

なお、初代Osmoでは、カメラとジンバル部分をハンドルから取り外して、別のカメラに変えられる構造になっていたが、Osmo Mobileはスマホを取り付けられる上部分は外せない構造となっている。上部だけをOsmoシリーズのカメラに付け替えて利用できないのは残念なところではあるが、カメラ部分がなくなったことで製品の価格も抑えられており、スタビライザーを試してみたいと思っていた人にとってはお買い求めやすくなっている。

「Osmo」同様にホールド感が高く、片手でしっかりと持ちながら操作できる。コンパクトな本体なので、狭いところに入っていく動画撮影にも向いている。これだけ小さいのに、しっかりと手ブレを抑え、滑らかな映像を撮れるというのはうれしいものだ

ハンドル(ハンドグリップ)の手前側には、録画やシャッターなどのボタンがあり、録画のオンオフや写真撮影(録画中も可)が可能。さらにゲーム機のコントローラーにあるようなジョイスティックも用意されており、これを上下左右に操作することでカメラの向き(チルトやパン、ロール)も自由にコントロールできるようになっている。ちなみにカメラの操作可能範囲は、チルトが-125°〜+35°、パンが±150°、ロールが±25°で、各操作の回転速度はアプリ側で設定可能となっている。

また、ハンドルの背面側にはトリガーがあり、これを押さえることでスマホの向きを固定して水平を保つ「Lock Mode」となる。トリガーを押したままジョイスティックを上下に動かせば、カメラのズーム・イン/アウトも片手で操作可能だ。さらに、トリガーを2回連続で押すことで、瞬時にスマホが正面の位置に補正される。正面向きの映像撮りに重宝する機能だ。このほか、トリガーを連続3回押した場合は、スマホの背面と正面のカメラを瞬時に切り替えてくれる。こちらは実況中継などで撮影者の顔を映すのにかなり使えそうだ。

このトリガーでスマホやカメラの向きを瞬時に切り換えられる。しかもトリガーとジョイスティックでカメラのズーム・イン/アウトを片手で操作できるので、動画撮影時には重宝しそうだ

本体の手前側にある赤丸ボタンは動画の録画ボタンで、大きい丸ボタンは写真撮影のシャッターボタン。このボタンを長押しすれば、連続撮影も可能だ

同梱物に本体専用のケースが用意されている。本体をそのままカバンに入れてしまうと、ジンバルが動いてしまい不安だが、ケースに入れておけば安心。ポケットもあるので、予備バッテリーや充電用ケーブルもしまっておける

Osmoシリーズだけあって、関連製品のアクセサリーを利用することも可能。本体の左側面に、専用のネジ穴があり、「DJIロゼットマウント」を取り付けられる。また、「延長ロッド」を取り付けにも対応しており、高いアングルからの撮影も可能だ。ただし、その場合はスマホの画面が見られなくなり、撮影状況がわからなくなってしまう

テーブルなどにOsmo Mobileを自立させることができる「Osmoベース」も利用可能だ

テーブルなどにOsmo Mobileを自立させることができる「Osmoベース」も利用可能だ

本体にバッテリーを入れたまま充電可能! Osmoと同じバッテリーなのに最大4.5時間も使える

Osmo Mobileが初代Osmoと違う点は、装着したスマホのカメラで撮影できることだが、ほかにもうれしいポイントがある。それはバッテリーの持続時間だ。Osmoでは、稼動時間は1時間ほどで、アレコレと撮影していると物足りなさを感じるところだった。それがOsmo MobileだとOsmoと同じバッテリーを使っていながら最大4.5時間も使えるのだ。本体のジンバルを駆動させることにしかバッテリーを消費していないため、駆動時間が増えるのは当たり前なのだが、やはりバッテリーの持ちを気にせずに使えるのはうれしい。

また、本体にバッテリーを内蔵したまま専用の充電USBケーブルを使ってバッテリー充電が行える点も便利だ。モバイルバッテリーがあればいつでも充電ができるので、これまでのように予備バッテリーをいくつも携帯しなくてもよさそうだ。

バッテリーは本体の底から挿入する。Osmoシリーズは、バッテリーが統一されているので、別売の充電器を使って充電することもできるが、Osmo Mobileは、バッテリーを入れたまま専用のUSBケーブルで充電することも可能だ

Osmo Mobileのバッテリー充電には専用の充電ケーブルを使用。ハンドル部分をOsmoと流用しているため、Osmoのマイク入力端子があった位置に充電端子は用意されている。部品を流用しているため、バッテリー充電に専用ケーブルが必要になってしまったのは仕方がない部分ではあるが、microUSBケーブルを使うタイプだったらもっと使い勝手がよくなるのにと思ってしまう

DJI製品共通の進化するアプリ「DJI GO」で、撮影や設定が快適に行える!

Osmo Mobileでは、DJI製品共通のスマホ専用アプリ「DJI GO」を使って、撮影や各種設定を行っていく。本体とスマホはBluetoothで常時接続する形になっており、Osmo Mobileでの操作はリアルタイムに反映される仕組みになっている。

ちなみに、初代Osmoでは、本体のカメラで撮影している映像をWi-Fiで飛ばしてスマホに表示させていた。その関係で、どうしても映っている映像に若干の遅延が発生してしまっていた。ところがOsmo Mobileの場合は、装着したスマホで撮影するので、当たり前だが遅延することなく、スマホにリアルタイムな映像が表示される。このおかげでカメラ操作がダイレクトに行えるので、撮影もしやすくなっている。Osmoを使っていて、遅延が気になる人はOsmo Mobileを使ってみるのもいいだろう。

DJI GOアプリについては、iOSデバイス向けとAndroidデバイス向けのそれぞれに配信されている。iOSデバイス版では、YouTube Liveを使って、スマホ映像のリアルタイム配信も可能となっている。アプリの設定画面には、カメラやジンバルなどの撮影に関する設定項目が用意されており、カメラの設定では、ビデオ解像度(装着したスマホで変わるが、最大3840×2160、30fps)やホワイトバランス、グリッドなどを設定可能。ジンバルの設定では、ジンバルロールの調整やキャブレーション、ジョイスティックを操作したときのカメラの回転方向や速度などを変更することができる。

なお、DJI GOアプリはアップデートの度に機能や設定が進化している。実際、発売当初は、カメラの回転スピードが2種類だけだったが、いまでは「低速」、「中」、「高速」の3種類が選べるようになっている。今後も進化していくみたいなので、こちらにも期待しておこう。

画面の左側に並んでいるのが撮影に関するアイコンで、右側に並んでいるのが設定に関するアイコンだ。まずは、設定でカメラやジンバルの設定を行ってから撮影に取りかかろう

カメラの回転速度は、「設定」の「ジンバル」内にある「クイック設定」で3段階に切替ができる。「ジンバル」設定の「シーンモード」でも回転速度の切り替えが可能で、「ウォーク」だと低速、「スポーツ」だと高速になる

iOSデバイスなら、YouTube Liveを使ったライブ配信も可能。Osmo Mobileを使うと、ブレのない滑らかな動画を配信できる

モーションタイムラプスや長時間露光、アクティブトラック機能で追尾撮影もできる

DJI GOアプリは撮影モードも充実しており、普通の写真や動画撮影はもちろんのこと、特殊な撮影も簡単に行うことができる。

例えば写真撮影では、タイマー撮影やHDRのほか、パノラマ(180°、330°、9枚をつなぎ合わせ)や長時間露光撮影まで行える。通常、長時間露光撮影を行う場合、三脚などでカメラを固定する必要があるが、Osmo Mobileなら手持ちでもカメラが安定するため、簡単に撮ることができる。

また動画撮影では、スローモーションやタイムラプス撮影のほか、一定間隔でスマホを動かしながらタイムラプス撮影を行えるモーションタイムラプス撮影まで用意されている。さらに、ドローンの撮影機能に搭載されているアクティブトラック機能もあり、動いている被写体を追尾してフォーカスし続けながら撮影もできる。単に手ブレの少ない映像が撮れるだけではなく、いろいろな機能を使って凝った映像が簡単に撮れてしまうのだ。

モーションタイムラプス撮影では、複数の撮影アングルと撮影時間を設定すると、あとは自動的にカメラが動いてタイムラプス撮影をしてくれる

アクティブトラック撮影では、撮影前に追尾する人物や被写体を設定すると、その被写体を追いかけて撮影してくれる。最近のドローンに搭載されている機能が、ハンディータイプのスタビライザーで利用できるのだ

スマホが横でも縦でも、さまざまな向きの持ち方で撮影できる

スタビライザーを使う場合、ハンドル(ハンドグリップ)を立てるようにして持ち、スマホを横向き(横画面)で撮影するのが一般的だ。ところがOsmo Mobileでは、その標準モードの撮影スタイル以外にもさまざまな持ち方で撮影できる。

例えば「ポートレートモード」では、ハンドルを横にして持ち、スマホを縦向きの状態(縦画面)で撮るといったこともできる。最近では、スマホを縦にして持って縦画面で動画撮影することも多いので、そのような場合でも手ブレの少ない映像が撮れる。ほかにも標準モードの撮影スタイルを天地逆にした「釣り下げモード」や、ハンドルを水平に持って撮影する「ペンライトモード」といったものもある。一般的な撮影スタイルにとらわれず、自由なスタイルで撮影できるのはかなり便利だ。

「ポートレートモード」だと、このような持ち方で縦画面の撮影ができる。ただし、このスタイルでの撮影は、ハンドルを横向きで持つために、長時間の撮影だと腕が疲れてしまうことも……

昨今、手ブレの少ない映像をスマホで簡単に撮るために各社からスマホ用スタビライザーが出てきているが、ドローンやカメラ搭載型スタビライザーを開発したDJI社から満を持して登場したスタビライザーだけあって完成度はかなり高い。特に専用アプリを使ったスマホとの連携機能は、Osmo Mobileならではの魅力だ。つねに持ち歩くには若干大きいのが難点ではあるが、スマホを使ってブレのない本格的な映像を撮りたいこだわり派の人は、ぜひ注目したい製品だ。

川村和弘

川村和弘

新しモノ好きで、元ゲーム雑誌の編集者。玩具の攻略本を出版した経験もアリ。現在は、iPhone関連の情報メディアなどで編集・ライターとして活躍中!

製品 価格.com最安価格 備考
OSMO MOBILE 37,690 専用アプリでスマホと連携するスマホ装着型3軸電動スタビライザー
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2017.3.24 更新
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