ニュース

変わった!? 変わってない!? スバル 新型「フォレスター」がまもなく発売

2018年4月9日、スバルはニューヨークモーターショー2018で世界初公開された新型「フォレスター」を、日本国内において報道陣向けに初披露した。

スバル 新型「フォレスター」(米国仕様)

スバル 新型「フォレスター」(米国仕様)

日本では「インプレッサ」や「XV」が主力車種となっているスバルだが、同社の世界的な販売状況を見ると、フォレスターは米国を中心として高い人気を誇っている。一例として、スバルが2017年に米国で最も多く販売したのは「アウトバック」(188,886台)だが、次に販売台数が多かったのが「フォレスター」(177,563台)だ。また、2015年にいたってはアウトバックを抜き、販売数ナンバー1を獲得している。

スバル 新型「フォレスター」

スバル 新型「フォレスター」

そんなフォレスターが、5代目へとフルモデルチェンジされた。新型フォレスターの特徴は、インプレッサで初採用されたスバルの新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」(SGP)が採用されていることだ。これにより、クラストップレベルの快適性と安全性を実現している。

また、スバル初の装備となる「ドライバーモニタリングシステム」にも注目したい。このシステムは、ドライバーの顔を認識することで、視線移動などをモニタリングして安全性を高めてくれるほか、ドライバー1人ひとりに合わせた快適な設定が提供されるというものだ。

さらに、米国仕様では新たに直噴化された2.5L水平対向4気筒エンジンが搭載されるほか、悪路走破性を高める「X-MODE」も進化するなど、さまざまな点において改良が施されている。

現時点で公開されている新型フォレスターのスペックについては、以下の通りとなる。

【スバル 新型フォレスター(米国仕様)の主なスペック】

ボディサイズ:4,625×1,815×1,730mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:220mm
エンジン:FB25型 2.5L水平対向4気筒DOHC 16バルブAVCS直噴
排気量:2498cc
出力:182hp / 5800rpm
トルク:176lb-ft / 4400rpm
燃料タンク容量:63L(16.6gal)
トランスミッション:リニアトロニック
駆動方式:シンメトリカルAWD
タイヤサイズ:225/60 R17、225/55 R18
乗車定員:5名

※当記事の新型フォレスターの画像は、すべて米国仕様となります

新型フォレスターの外観は“キープコンセプト”

スバル 新型「フォレスター」SPORTグレード

スバル 新型「フォレスター」SPORTグレード

4代目フォレスター

4代目フォレスター

スバル 新型「フォレスター」SPORTグレード

スバル 新型「フォレスター」SPORTグレード

4代目フォレスター

4代目フォレスター

新型フォレスターの外観は、フォグランプを含むフロントフェンダーやテールライトなどに変更を受けているものの、基本的にはキープコンセプトだ。

スバル 新型「フォレスター」のフロントシート

スバル 新型「フォレスター」のフロントシート

スバル 新型「フォレスター」のリアシート。リアシートはスペースが先代より33mm拡大されて、より快適になっている

だが、新型フォレスターのボディサイズには変更が施されている。全長は4,625mm、全幅は1,815mm、全高は1,730mmとなった。先代(4代目)のフォレスターと比較すると、全長は15mm、全幅は20mm拡大され、全高は5mm低くなっている。

これらの変更によって、前席の快適さはそのままに後席スペースが33mm広げられて、先代と比べて快適な後席の居住空間が提供されている。

使い勝手が向上したラゲッジルーム

1,300mmもの大開口のラゲッジルーム

1,300mmもの大開口のラゲッジルーム

リアゲートはドアロック連動スイッチが新たに備わった

リアゲートはドアロック連動スイッチが新たに備わった

ラゲッジルームにおいては、開口幅がこれまでの1,166mmから1,300mmへと拡大された。これにより、ゴルフバッグを横にしたまま積み込むことができるようになった。また、電動リアゲートに加えてドアロック連動スイッチが搭載されているので、リアゲートが閉まるのを待たずにクルマを施錠して離れることができる。さらに、一部グレードにはリアゲートを開けた際に連動してリアゲートに備え付けられている作業灯が点灯するようになっている。

スバル 新型「フォレスター」のリアドアは開口角度が広がった

スバル 新型「フォレスター」のリアドアは開口角度が広がった

ルーフレールにはタイダウンホールが設けられている

ルーフレールにはタイダウンホールが設けられている

そのほか、細かな点としてはリアドアの開口角度が広がったこととリアドア床面に大型ステップが装備されたこと、さらにルーフレールがタイダウンホール付きとなったことによって、ルーフ作業がしやすくなったことなどが挙げられる。

スバル 新型「フォレスター」のエンジンルーム。画像は米国仕様に搭載されている2.5L水平対向4気筒直噴エンジン

搭載エンジンは、北米仕様のフォレスターには従来の2.5Lエンジンから約90%もの部品が刷新された、新開発の2.5L水平対向4気筒直噴エンジンが搭載されている。また、CVTは7速化され、スポーツグレードのSI-DRIVEには新たに「S#モード」が追加された。

なお、日本仕様に搭載されるエンジンについては現時点では未公表なので、メーカーからの新たな情報を待ちたい。

プラットフォームの刷新と「X-MODE」の進化

前述のとおり、新型フォレスターには新プラットフォームのSGPが採用されている。これによって車体剛性が向上しているほか、サスペンション周りにも改良が施されたことなどによって、スムーズで気持ちのよいドライビングと乗り心地のよさを実現しているという。

スバル 新型「フォレスター」のセンターコンソールに装備されている「X-MODE」スイッチ

スバル 新型「フォレスター」のセンターコンソールに装備されている「X-MODE」スイッチ

悪路における走破性の高さが好評なフォレスターにおいて、重要な機能のひとつである「X-MODE」についても進化を遂げた。これまでのX-MODEでは、スイッチのオン/オフしか操作できなかったが、新型フォレスターのX-MODEでは「SNOW・DIRT」「D SNOW・MUD」の2種類の道路状況を選択することができるようになっている。

「SNOW・DIRT」では、雪道やアイスバーンなどの滑りやすい路面や、砂利、河川敷などの未舗装路で使用し、「D SNOW・MUD」は、深雪や泥などのぬかるみ、砂地などタイヤが埋まってしまうような路面で使用することで、悪路の走破力が高まる。また、X-MODEのエンジン、トランスミッション、ブレーキなどのコントロール制御も最適化されており、悪路走破性そのものも高められているという。

スバルの新たな安全技術「ドライバーモニタリングシステム」

スバル 新型「フォレスター」には顔を認識する機能「ドライビングモニターシステム」が備わる

スバル 新型「フォレスター」には顔を認識する機能「ドライビングモニターシステム」が備わる

「ドライビングモニターシステム」では、脇見や居眠りなどを認識するとメーター上などでドライバーへ警告をうながしてくれる

安全装備としては、スバルの運転支援システム「アイサイト」が全車に標準装備されている。また、スバル初の「ドライバーモニタリングシステム」は、ドライバーの顔を認識することによって、ドライバーの脇見や居眠りを推定して注意をうながしてくれるほか、ドライバーのシート位置の設定なども座っただけで変更してくれるなど、自動車における新たな安全性を示唆してくれるシステムとなっている。

日本における発売日や、日本仕様の搭載エンジンはどうなる!?

スバル 新型「フォレスター」

スバル 新型「フォレスター」

新型フォレスターは、米国では2018年秋に販売が開始される。また、気になる日本での発売日やスペックについては未定ではあるが、2018年夏頃に正式に発表されるのではないかと考えられる。さらに、前述のとおり米国仕様には2.5リッターエンジンが搭載されるが、日本向けには別途2リッターエンジンが搭載されるのではという噂もある。日本において、2.5リッターエンジンのみのラインアップというのはかなり考えづらいこともあり、別エンジンの存在は可能性が高いといえるだろう。

新型フォレスターは、外観こそキープコンセプトではあるが、その中身は大きく進化している。さらに、新型フォレスターの魅力が増すであろう新エンジンに情報については、メーカーからの続報を待ちたい。

スバル 新型フォレスター フォトギャラリー

桜庭智之(編集部)
Writer / Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×