新製品レポート
グローバルで15万台を販売する世界で人気のセダン&ワゴン

マツダ 新型「アテンザ」フラッグシップならではの改良で魅力アップ

2018年5月24日、マツダは「アテンザ」の商品改良モデルを発表した。発表同日から予約受注が開始されており、発売は6月21日を予定している。

マツダ 新型「アテンザ」セダン(左奥)とマツダ 新型「アテンザ」ワゴン(右手前)

マツダ 新型「アテンザ」セダン(左奥)とマツダ 新型「アテンザ」ワゴン(右手前)

2012年に、SKYACTIV技術と魂動デザインを採用して発売された、3代目アテンザ。現行アテンザは、これまでも安全装備の充実やデザイン変更など、3度の改良を実施しており、今回で4度目の改良となる。

今回のアテンザ商品改良においては、走行性能やデザイン、安全性能にいたるまで、あらゆる個所に改善が加えられている。

“CX-5顔”になった新型アテンザ

マツダ 新型「アテンザ」セダン

マツダ 新型「アテンザ」セダン

マツダ 新型「アテンザ」ワゴン

マツダ 新型「アテンザ」ワゴン

アテンザには、セダンとワゴンの2種類のボディタイプが存在するが、今回の商品改良ではどちらもデザインに変更が施された。

マツダ 新型「アテンザ」のフロントフェイス

マツダ 新型「アテンザ」のフロントフェイス

フロントフェイスは、新型「CX-5」と同様の変更となり、フロントグリルは従来のフィンタイプからメッシュタイプへと刷新され、グリルの縦面積が拡大。また、シグネチャーウイングは、これまでヘッドライト上を通るデザインとなっていたものが、ヘッドランプ下を通すデザインへと変更された。これにより、低重心で左右に広がるイメージが強調されている。

ヘッドライトは先代アテンザよりも薄くなり、LED化されたターンランプはヘッドライト上部に配置。また、フォグランプはヘッドライトに統合されたため、バンパー下部のフォグランプはなくなって新たに水平基調のシルバー加飾が追加されている。そのシルバー加飾のすぐ下には、フロントタイヤへ気流を送るエアカーテンが設定されており、空力性能の向上に貢献している。

マツダ 新型「アテンザ」セダンのリアイメージ

マツダ 新型「アテンザ」セダンのリアイメージ

リアデザインは、これまでバンパー下部がブラック塗装であったものが、ボディカラーと同色の塗装へと変更されている。また、セダンのリアデザインは、左右のテールランプ間を貫くシルバーガーニッシュの造形が水平基調のものへと変更されているほか、エキゾーストパイプは先代よりも外側へと配置されることで、リアビューのワイド感と低重心を強調。なお、ワゴンについてはこれまでのデザインが踏襲されている。

直線基調のインパネ採用で、室内空間の広がりが増したインテリア

マツダ 新型「アテンザ」L Packageのインテリア

マツダ 新型「アテンザ」L Packageのインテリア

インテリアにおいては、インパネ中央から左右へと伸びていくルーバーが直線基調となったことなどにより、広がり感を強調。インパネ中央にある「センターディスプレイ」は、これまで7インチであったが、新型アテンザでは1インチアップの8インチディスプレイが採用されている。

マツダ 新型「アテンザ」のフロント&リアシート

マツダ 新型「アテンザ」のフロント&リアシート

フロントシートは、素材や形状を一新。座面は、新たに低反発で振動を吸収するウレタン材が採用されており、太ももの支持部分の形状も大きくするなどによって、座り心地を向上。また、シートバックの形状が変更されて、ウレタンも肉厚化することで、背中周りがしっかりと支えられるようなシートへと改善されている。さらに、ヘッドレストは体に沿うような形にすることで、よりフィット感が高められた。

リアシートも、フロントシートと同様に形状を変更するとともに、座面にはフロントシートと同様の低反発・振動吸収ウレタン材が採用されており、リラックスしながらも安定して座ることのできる、快適な乗り心地を実現している。

マツダ 新型「アテンザ」L Packageに採用されている「ウルトラスエードヌー」

マツダ 新型「アテンザ」L Packageに採用されている「ウルトラスエードヌー」

最上級の「L Package」グレードのインテリアには、インパネとドアパネルに東レが開発した新素材「ウルトラスエードヌー」を採用している。このウルトラスエードヌーは、量産車としては世界で初採用となり、スエードの質感や風合い、そして車の内装に求められる耐久性を両立させている。

また、L Packageには日本の伝統家具や楽器などにも使用されている、栓(セン)の木を用いた「本杢(ホンモク)」パネルがあしらわれることで、最上級グレードらしいモダンな空間が表現されている。

マツダ 新型「アテンザ」走行イメージ

マツダ 新型「アテンザ」走行イメージ

CX-8や新型CX-5のエンジン技術が早くもアテンザに導入

新型アテンザの走行性能の面では、マツダが掲げる次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブビークルアーキテクチャー)」の一部が取り入れられていることがトピックだ。

今回は、サスペンションシステムを基本構造まで変更するような大幅改良が施されるとともに、サスペンション特性に合わせた新開発タイヤが採用されている。これにより、市街地から郊外路、高速道路といったあらゆる場面において、滑らかな乗り心地と上質な走りを実現しているという。

また、ボディの各部剛性を強化することによって、細かな振動とロードノイズが低減されている。

新型アテンザでは、フラッグシップモデルとしての静粛性の向上、すべての席で快適に会話ができる「声が透る洗練された空間」を開発コンセプトに掲げて対策が施されている。具体的には、フロアパネルやホイールハウスの板厚増加によって、室内へタイヤ音が入るのを大幅に低減。さらに、前述の新開発タイヤの採用などによって静粛性は大幅に向上。結果として、前後席ともに会話明瞭度が大きくアップしている。

マツダ 新型「アテンザ」のリアイメージ

マツダ 新型「アテンザ」のリアイメージ

アテンザでは、従来から2.5Lガソリン、2.0Lガソリン、2.2Lクリーンディーゼルの3種類のエンジンがラインアップされているが、今回はその3種類すべてが進化を遂げている。

マツダ 新型「CX-5」のエンジンルーム

マツダ 新型「CX-5」のエンジンルーム

2.5Lガソリンエンジンでは、新型CX-5で初採用された「気筒休止技術」を搭載。この気筒休止技術は、巡航時など負荷が低いときに4気筒のうち2気筒を休止させて、残りの2気筒のみで走行させることで機械抵抗を減らすというもの。なお、2気筒走行時における不快な振動が室内に入らないように、6ATのトルクコンバーターに改良が加えられている。また、2.0Lガソリンエンジンにも改良が施されており、中低速域のトルクアップのほか、燃費が向上している。

2.2Lクリーンディーゼルエンジンについては、「CX-8」で採用された「急速多段燃焼技術」が、アテンザにも搭載された。

このクリーンディーゼルエンジンは、少量の燃料を多段かつ高圧で微細噴霧化して噴射する新たな燃焼技術を搭載することで燃費を向上させている。さらに、2ステージターボチャージャーが搭載されており、最高出力はこれまでの129kW(175PS)から140kW(190PS)へ、最大トルクは420N・m(42.8kgf・m)から450N・m(45.9kgf・m)へと高められた。

グローバルにおいてアテンザは重要な世界戦略車

SKYACTIVを投入してからのマツダは、常に最新、最良の技術を、マツダがラインアップするすべての車両に取り入れていくことを掲げている。

今回の新型アテンザも、CX-8やCX-5といった人気SUVから最新の技術を取り込みながらも、フラッグシップモデルならではの、より高い質感を目指す改良も多く施されている。

新型アテンザ開発主査の脇家氏は、「(新型アテンザは)ブランドのフラッグシップにふさわしい、最新、最良の「走る歓び」を具現化する志を持って、開発を進めてきました」と語る。

今回の大幅改良により、美しさと質感に磨きがかかった新型アテンザ。月間販売目標台数は500台と、日本でのセダンの売れ筋を考えた妥当な販売目標ではある。だが、マツダ 代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏によると、「アテンザは、昨年度(2017年)は、グローバルで15万台以上を販売しており、マツダの中でも1割以上を占める」と話し、戦略上重要な商品のひとつであると語る。

年次改良で、さらにセダンでここまでの力の入った改良を実施するのは、国産メーカーではもはやマツダだけといえる。今回も、着実に魅力をアップさせてきたマツダのフラッグシップモデルに、日本国内での販売増を期待したい。

桜庭智之(編集部)

桜庭智之(編集部)

PC、AV家電を中心に幅広く担当。クルマ好きのため、週末はフラフラと1000km超を運転する長距離ドライバーと化します。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
ページトップへ戻る