レビュー
注目は、日本初導入の電気自動車を含む3種類のパワートレイン

シトロエン 新型「C4」「E-C4」に速試乗! あまりの乗り心地のよさに驚く

2022年1月7日、グループPSAジャパンはシトロエン「C4」とBEV(電気自動車)の「E-C4 ELECTRIC」(以下、E-C4)を、同年の1月22日から販売開始すると発表した。

シトロエン「C4」「E-C4 ELECTRIC」がフルモデルチェンジされ、2022年1月22日から販売開始される。日本には、1.2L 直3ガソリンターボエンジン、1.5L直4ターボディーゼルエンジン、BEVの3種類のパワートレインをラインアップ。注目は、コンセプトカー「CITROEN CXPERIENCE」にインスパイアされたエクステリアや、「PHC(プログレッシブ・ハイドロ―リック・クッション)」におけるやわらかな乗り心地などだ

シトロエン「C4」「E-C4 ELECTRIC」がフルモデルチェンジされ、2022年1月22日から販売開始される。日本には、1.2L 直3ガソリンターボエンジン、1.5L直4ターボディーゼルエンジン、BEVの3種類のパワートレインをラインアップ。注目は、コンセプトカー「CITROEN CXPERIENCE」にインスパイアされたエクステリアや、「PHC(プログレッシブ・ハイドロ―リック・クッション)」におけるやわらかな乗り心地などだ

C4の製品画像
シトロエン
5.00
(レビュー21人・クチコミ176件)
新車価格:290〜465万円 (中古車:1〜198万円

今回、新型C4とE-C4の発売を前に、プリプロダクションモデル(認証や日本仕様のテスト向け車両)を試乗車として借り出すことができたので、その印象をレポートしたい。なお、テスト車両へ試乗したため、日本仕様とは一部差異があることをあらかじめお伝えしておきたい。

シトロエン 新型「C4」のフロントエクステリア

シトロエン 新型「C4」のフロントエクステリア

シトロエン 新型「C4」のリアエクステリア

シトロエン 新型「C4」のリアエクステリア

まず、新型C4のエクステリアは、最新のシトロエンのデザインが踏襲されており、特にフロントフェイスに関しては、「C3」や「C5エアクロスSUV」などに通じる、ひと目見てシトロエンとわかる造形となっている。また、先代などと比較すると、より精悍になった印象を受ける。全体のシルエットは、いま流行りのSUVとクーペが融合されているようなスタイルで、下回りのガーニッシュなどによってSUVライクな印象がより強調されている。

シトロエン 新型「C4」のインテリア

シトロエン 新型「C4」のインテリア

シトロエン 新型「C4」のフロントシート

シトロエン 新型「C4」のフロントシート

インテリアは、分厚いフロントシートが目を引く。新型C4に採用されている「アドバンストコンフォートシート」は、シート生地裏のフォームのボリュームをこれまでの2mmから15mmへとアップさせるなどによって、しっとりとしたやわらかな座り心地を実現しているという。また、6ライト(サイド後端のウィンドゥ)やAピラーを細く見せるような工夫などによって、視界はとても良好だ。また、デジタルメーターとともにせり出し式のヘッドアップディスプレイが装備されている点なども特徴的だ。センターディスプレイは、角度を若干ドライバー側へと向けることで、ドライバーオリエンテッドなコックピットが演出されている。さらに、その下にある空調類には物理スイッチが採用されているなど、使いやすく配慮されている点も見逃せない。インテリアの質感は、先代よりもはるかに高くなっているのは間違いないだろう。

そして、新型C4における最大のポイントは、ガソリン、ディーゼル、BEVと3つのパワートレインが選べることだ。これが可能になったのは、最新世代のプラットフォームである「CMP(コンパクト・モジュール・プラットフォーム)」のおかげだ。CMPは、内燃機関からBEVまで、さまざまなパワートレインを想定して設計されていたことから、3種類のパワートレインの搭載が実現できたのである。新型C4、E-C4のラインアップや特徴、価格については以下の通りだ。

■シトロエン 新型「C4」「E-C4」におけるグレードごとの特徴や価格
※価格はすべて税込

-C4 FEEL/SHINE(290万円/325万円)-
搭載されているPureTech1.2リッター直3ターボエンジンは、最高出力96kW、最大トルク230Nmを発揮。トランスミッションは、8速ATが組み合わされている。燃費性能は、WLTCモードで17.7km/L。

-C4 SHINE BlueHDi(345万円)-
1.5リッター直4ターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力96kW、最大トルク300Nmを発揮。欧州排出ガス規制の、EURO6.3をクリアしているパワーユニットだ。組み合わされるトランスミッションは、ガソリンエンジンと同様に8速ATになる。燃費は、WLTCモードで22.6km/L。

-E-C4 ELECTRIC(465万円)-
シトロエンが日本に導入するモデルとして、初のフルEV(BEV)。高効率の電動モーターによって、最高出力は100kW、最大トルクは260Nmを発生させる。ドライブモードによって、出力とトルクの値が変わってくるのも特徴のひとつだ。50kWの大容量リチウムイオンバッテリーが採用されており、航続距離はWLTCモードで405km。

実に秀逸な乗り心地のよさ

今回、試乗したのはディーゼルの「C4 SHINE BlueHDi」と、BEVの「E-C4 ELECTRIC」の2台だ。

シトロエン 新型「C4」のサイドイメージ

シトロエン 新型「C4」のサイドイメージ

まず、ステアリングを握ったのはC4 SHINE BlueHDi。ブランキャラメルと呼ばれるカッパー色のボディカラーは、新型C4のエクステリアにとても似合っており、クルマをひと回りしてデザインを眺めていると、このボディカラーのおかげで個性がひときわ際立っているようにも思える。

ドアを開けて室内へ乗り込むと、しっかりとしたドアの閉まり音やしなやかさのある大柄なシートのおかげで、1クラス上のクルマのような印象を与えてくれる。ただし、乗り降りに関しては、サイドシルの高さに気を付けたほうがいい。バッテリーを床面に置くことを想定して、安全性と剛性を高めるためにサイドシルが高くなっているのだが、それによって足を引っかけやすいのだ。これは、ほかのCMP採用モデルも同様ではあるのだが。

エンジンのスタート・ストップボタンを押してエンジンをかけると、わずかにエンジンの振動は伝わってくるが、それもすぐに気にならなくなった。静粛性の高さが、特筆ものなのだ。CMPのおかげで剛性が高くなり、遮音性も向上しているものと思える。

シトロエン 新型「C4」の走行イメージ

シトロエン 新型「C4」の走行イメージ

小さなスライド式のシフトセレクターでDを選び、アクセルを軽く踏み込むと、ディーゼルにもかかわらず軽快に街中へと走り出していく。静粛性の高さは相当なものだが、それ以上に驚いたのが乗り心地のよさだ。PHC(プログレッシブ・ハイドロ―リック・クッション)と呼ばれるダンパーを採用していることによって生み出された乗り心地のよさは、最初の段差をクリアした瞬間から「すばらしい!」と感じられるものだった。その原理は、ダンパーの中にもうひとつダンパーが入っているものと思ってもらえればいいだろう。大きな入力があった場合、通常のダンパーはショックを吸収するために縮むが、最終的にはバンプラバーに当たってそれが反発することで乗り心地が悪化してしまう。しかし、PHCの場合は内蔵されるもうひとつのダンパーも減衰力を発揮するので、そのような状況には陥りにくい。さらに、CMPによってボディ剛性が高まっているため、サスペンションセッティングの自由度はかなり高くなる。剛性が低いと、ボディ側でショックを受け止められないので足回りを硬くするしか方法がなく、結果として乗り心地の悪化につながってしまう。しかし、新型C4の場合はボディがしっかりしているので、サスペンションをやわらかくセッティングしてもボディがショックを吸収してくれ、何よりもサスペンションの取り付け部位の剛性が高く変なねじれなども生じないことから、素直なストロークを生み出すことができるのだ。

シトロエン 新型「C4」の走行イメージ

シトロエン 新型「C4」の走行イメージ

その印象は、高速道路に乗っても変わることはなかった。目地や段差などをフワッとクリアしてくれて、嫌なショックなどはほとんど伝わってこない。かといって、やわらかすぎることもなく、しっかりと減衰力は発生しているので、安心感がありながらもペースを上げた走りも楽しめるのだ。

また、高速道路においても静粛性はかなり高く、エンジンノイズはおろかロードノイズさえも気にならない。直進安定性も高く、軽くステアリングに手を添えているだけで、どこまでも走っていけそうな気持ちにさせてくれた。

そうは言っても、弱点がまったくないワケではない。ちりめん状の路面などでは、意外とショックが伝わってくる。だが、ハイドロニューマチックサスペンションを備えていたいにしえのシトロエンたちも実はこういった路面は苦手だったので、シトロエンのエンジニアはその点にはあまりこだわっていないのかもしれない。

さて、フランス車の常で、前面に出てこない、主張のないエンジンだが、アクセルに対するレスポンスはなかなか良好で、トルク特性とトランスミッションとのマッチングも素直なことから、市街地から高速道路までストレスなく走らせることができる。また、シフトアップやダウンにおけるショックも感じられない。ただし、アクセルペダルの角度は少々アップライト気味なので、長く運転していると足首が疲れやすい傾向にあった。

ペダルといえば、これまでのPSAのクルマ達はブレーキペダルのタッチがオーバーサーボ気味で、停止寸前に食いつくような印象や、停止時のショックをやわらげようとわずかにブレーキペダルの踏力を緩めてもあまり効果がないなど、コントロール性にシビアなクルマが多かった。しかし、新型C4に限って言えば、そのあたりはかなり改善されているようで、自然にコントロールができるようになっていたのは喜ばしい限りだ。

また、エクステリアデザインで述べたように、SUVライクな印象はドライビングポジションにおいても同様だ。若干、ヒップポイントが高くて見晴らしがよく、視認性が非常に高いので、市街地でもラクに操ることができる。

燃費だが、今回はそれほど長距離を走ることができなかったので参考値としてだが、一般道で15km/L前後、高速道路では25km/Lほどを記録したことをお伝えしておきたい。

新型C4とは、少し異なる乗り心地とステアフィール

シトロエン「E-C4」のフロントエクステリア

シトロエン「E-C4」のフロントエクステリア

では、E-C4へと乗り換えてみよう。PSAが考えるEV(BEV)は、該当モデルのラインアップのひとつという位置付けであり、ことさらEVであることを大きくアピールしてこないことには、逆に好感が持てる。E-C4も同様に、内外装で大きく変更されているようなところはない。わずかに、エンブレムなどが異なっている程度である。

スタートするには、まずスタート・ストップボタンを押して電源をオンにする。そして、ディーゼルと同様のセレクトレバーでDを選べば、何の抵抗もなく走り始める。

シトロエン「E-C4」の走行イメージ

シトロエン「E-C4」の走行イメージ

新型C4からE-C4へと乗り換えて、最初に感じた大きな変化は乗り心地だった。重量が350kgほど重くなっているので、それに合わせたセッティングのためか、若干サスペンションに硬さが感じられたのだ。それは、特に高速道路の目地や段差などで顕著に感じられた。だが、そうは言ってもそれは比較したからであって、いきなりこのE-C4に乗れば、「なんてしなやかな足回りなのだろう」と感心したはずだ。

もうひとつ、E-C4に乗り換えて感じたのは、ステアリングフィールの違いだ。これも重量増の影響か、アシスト量が増えているようで、少々心もとない軽さになっていた。また、路面からのフィードバックもかなり減っている印象だ。これも重量増によって、ステアリングが重くなってしまうことを避けるためにアシスト量を変更した結果と考えられる。

さて、BEVならではの特徴はエンジン音がないこと。それだけエンジン以外の静粛性についてはシビアな評価になってしまう。しかし、その視点でも、E-C4はすばらしく、ロードノイズを含めてきれいに遮音されているのは見事と言うほかない。

シトロエン「E-C4」の走行イメージ

シトロエン「E-C4」の走行イメージ

新型C4で不満のなかった動力性能は、E-C4でも変わらない。市街地でも高速道路でも、十分な余力を残しながら走ることができるし、高速道路への合流や追い越しなどでもストレスはまったくなく、積極的に走らせたくなるほどだった。また、E-C4でもブレーキフィールに変化はほとんどなく、極めて自然なタッチでコントロールができたのも好印象だった。

さて、電費について、E-C4は500kmほど乗ることができたのだが、

市街地:5.45km/kWh
高速道路:6.53km/kWh
郊外路:7.5 km/kWh

という結果となった。ちなみに、以前1,000km以上にわたってテストしたプジョー「e2008」は、

市街地:7.2 km/kWh
高速道路:6.34km/kWh
郊外路:7.1 km/kWh

という結果だったので、若干市街地での電費は悪化しているものの、それ以外はほぼ同じような値となった。

新型C4は、先代と共通のほのぼのとした走りは継承されながら、ボディ剛性ははるかに高められ、質感も大きく向上している。そして、もともとしなやかだった乗り心地がさらに好ましい方向へと進化したのには、諸手を挙げて歓迎したい。ほかのフランス車はもとより、ドイツ車の乗り心地に少々不満を持っておられる方なども、ぜひ一度新型C4に試乗してほしいと思う。最初は、新型C4のフワッとした乗り心地に違和感を覚えるかもしれないが、少し時間をかけて乗れば、新型C4の絶妙な乗り心地のよさがじわじわと体に伝わってくるはずだ。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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