ニュース

「ヒョンデ(旧ヒュンダイ)」が日本再上陸!ZEVとFCEVの2車種を発売

韓国の自動車メーカー、ヒョンデ(Hyundai Motor Company)の100%⼦会社であるヒョンデモータージャパン(Hyundai Mobility Japan)は、日本の乗⽤⾞市場への再参⼊を発表した。

2009年に一度撤退していたヒョンデ(Hyundai Motor Company)が、新車種の投入や新サービスの拡充などのため、日本の乗用車市場へ再参入を果たした

2009年に一度撤退していたヒョンデ(Hyundai Motor Company)が、新車種の投入や新サービスの拡充などのため、日本の乗用車市場へ再参入を果たした

ZEV(電気自動車)の「IONIQ5(アイオニック5)」(479万円〜)と、FCEV(水素自動車)の「NEXO(ネッソ)」の2⾞種のオーダー受付が、⾃社ウェブサイト(www.hyundai.com/jp)およびアプリにおいて、2022年5月から開始される。デリバリーは、2022年7⽉からが予定されている。ちなみに、以前の同社の呼称は「ヒュンダイ」であったが、2020年に現地での呼称「ヒョンデ」に統一されている。

ヒョンデは、2009年12月に日本の乗用車市場から一度撤退したのだが、グローバルではビジネスを拡大し、デザインや性能、品質などさまざまな面で進化を重ねてきた。そして今回、日本社会の変化に対応する車種としてアイオニック5とネッソの2台を日本市場へ投入するとともに、新しいビジネスモデルを展開していくという。

>>価格.comでヒョンデ(旧ヒュンダイ)の自動車カタログを見る

フルEVの「アイオニック5」

ヒョンデ「アイオニック5」のフロントエクステリア

ヒョンデ「アイオニック5」のフロントエクステリア

ヒョンデ「アイオニック5」のリアエクステリア

ヒョンデ「アイオニック5」のリアエクステリア

まず、アイオニック5からだが、同モデルはジョルジェット・ジウジアーロがデザインした1974年型の「ポニー」をオマージュしたZEVだ。ヒョンデの過去と現在、そして未来をつなぐ“Timeless value、時間を超えた価値”というコンセプトから生まれたそのデザインは、独創的な「パラメトリックピクセル」と呼ばれるデザインキーが採り入れられるなど、先進的なエクステリアデザインが採用されている。

ヒョンデ「アイオニック5」のヘッドライトやテールランプなどには、「パラメトリックピクセル」と呼ばれる、コンピュータ画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けたデザインが採用されている

ヒョンデ「アイオニック5」のヘッドライトやテールランプなどには、「パラメトリックピクセル」と呼ばれる、コンピュータ画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けたデザインが採用されている

「デジタル画像を構成する最小単位であるピクセルにアナログ的な感性を加え、独創的なヴィジュアルを完成させました。このパラメトリックピクセルは、アイオニック5のヘッドランプやテールランプ、ホイールなどに採用され、先進的なイメージを形成しています」と説明するのは、Hyundai Mobility Japan R&D centerデザインチーム チーム長の占部貴生さん。

ヒョンデ「アイオニック5」のサイドイメージ

ヒョンデ「アイオニック5」のサイドイメージ

ヒョンデ「アイオニック5」のフロントシートとリアシートには、前後移動が可能な電動スライドシートが採用されている

ヒョンデ「アイオニック5」のフロントシートとリアシートには、前後移動が可能な電動スライドシートが採用されている

また、アイオニック5は短いオーバーハングと3メートルにも及ぶ長いホイールベースを有しており、特にこのホイールベースの長さによって、くつろげる室内空間を実現しているという。具体的には、フロアはフラットで運転席や助手席には「電動リラクゼーションコンフォートシート」を採用。さらに、後部座席にも電動スライドシートが採用されており、電動で前後スライドさせることができる。シニアプロダクトスペシャリストの佐藤健さんによると、「運転席、助手席のシートは、ゼログラビティ、無重力をコンセプトに、リラックスできる角度までたおすことが可能です。また、後部座席を前方にスライドさせれば、後部座席のお子様とのコミュニケーションも容易になります」と説明する。

ヒョンデ「アイオニック5」のインテリア

ヒョンデ「アイオニック5」のインテリア

さらに、インテリアはリサイクルペットボトルを粉砕して作られた糸やバイオペイントなど環境にやさしい素材、環境負荷を低減した工程で製造されたレザーなどとともに、温かなカラートーンが「まるで、自然の中にいるような心地よさを感じさせます」と占部さんはコメントする。

安全・先進機能においては、「ヒョンデスマートセンス」を採用。佐藤さんによると、「自動車線変更やコーナー進入時の減速、前方衝突防止などの機能を備えており、リモートスマートパーキングアシスト機能によって、縦列駐車と並列駐車の両方をサポートします。また、必要に応じて車外からの操作も可能です。さらに、運転席と助手席の間を含めた合計7つのエアバッグシステムが搭載されており、全方位における衝突から乗客の安全を保護します」と高い安全性を強調する。

また、「ARヘッドアップディスプレイ」も採用されている。これは、走行情報などをフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレイにAR拡張現実の技術を採用したもので、ナビゲーションの走行ガイドなどを前方の風景に重ねて表示し、運転する人の視線を分散させず、より高い安全性と利便性を提供するものだ。さらに、リモートスマートパーキングアシストやサラウンドビューモニターを搭載するとともに、日本仕様としてはウインカーレバーが右側に装着されているのが特徴的だ。また、ビルトインタイプのドライブレコーダーも装着されている。

プラットフォームはEV専用に開発された「E-GMP(Electric Global Modular Platform)」を採用。72.6kWの大容量バッテリー搭載モデルでは、1充電あたりの航続距離が618kmを実現(WLTCモード/自社測定値)。また、車両の電源を電気製品に供給するV2L(Vehicle to Load)や、自宅に電力を供給するV2H(Vehicle to Home)を搭載。同時に、急速充電システムCHAdeMOにも対応しており、90kW級の充電器を使用した場合には約32分で10%から80%まで充電が可能となっている。

FCEVの「ネッソ」

ヒョンデ「ネッソ」のフロントエクステリア

ヒョンデ「ネッソ」のフロントエクステリア

もう一台は、FCEVのネッソだ。ヒョンデ独自の技術で開発されたFCEV専用システムは、2019年にアメリカの“Wards Auto10ベストエンジン”に選定され、クリーンであるとともに安全性や耐久性なども評価されている。水素タンクの衝突安全性を確保するために、タンク周辺部には衝撃に強い高強度構造が採用されている。

ネッソは、水素と大気中の酸素で電気を生成し、モーターで走行することによって汚染物質を排出しないZero Emission Vehicleだ。佐藤さんによると、「動力源となる電気を生成するために、走行中に大気中の酸素を取り込みますが、内部に3つの空気浄化システムを持つことで走行中に大気汚染を除去し、走りながら空気をきれいにしていきます。いわば、走る空気清浄機です」と、環境性能の高さを述べる。航続距離は、156.6リットルの水素タンク1回分の充填によって、約820キロ(WLTCモード/自社測定値)を実現している。

ヒョンデ「ネッソ」のリアエクステリア

ヒョンデ「ネッソ」のリアエクステリア

ネッソのデザインは、川の流れによって角が削がれ、丸みを帯びた石=”リバーストーン”からインスピレーションを得た、流麗なデザインが採用されている。「躍動感あふれる澄んだ自然の中で、私たち本来の自由な姿を取り戻すことは、先進技術によって実感できる最大の価値です。ネッソのデザインは、本質的な形をしたリバーストーンからインスピレーションを得ています。長い間、自然の力で磨かれた石は、自然がもたらした最も理想的な形であり、純粋でダイナミックな優雅さが感じられます」と占部さんは説明する。そして、リバーストーンのナチュラルな曲面をモチーフにデザインされたボディサイドは、「美しく滑らかであるとともに、フローティングルーフは車体の上に浮いているような視覚的効果ももたらしています。リアデザインは、LEDリアコンビランプ、フルコンシールドリアワイパーによって、シンプルに、かつフロントデザインとの調和も図られています」と話す。

ヒョンデ「ネッソ」のフロントフェイス

ヒョンデ「ネッソ」のフロントフェイス

フロントフェイスは、カスケーディンググリルとホリゾンタルLEDポジショニングランプが採用されており、未来志向をイメージしたデザインが採用されている。そして、ネッソの全体的なデザインは視覚的な効果だけでなく、技術的なメリットもある。空力向上のためのエアカーテンや、オートフラッシュドアハンドルが採用されているとともに、車体床面にフルアンダーカバーを採用することで、「走行安定性を向上させ、環境への負荷も低減させています。その結果、SUV特有の大きな前衛投影面積にもかかわらず、cd値0.32を達成しているのです」と占部さん。

ヒョンデ「ネッソ」のインテリア

ヒョンデ「ネッソ」のインテリア

インテリアは、「シンプルでわかりやすいレイアウトと、新しいアーキテクチャーを試みました。自然の暖かさと、先進技術の精巧さを融合させた斬新なデザインと言えるでしょう」と占部さん。「広がり感のある水平のインストルメントパネルと、ブリッジ型の高いコンソールを採用し、SUVならではの見晴らしのいいドライビングポジションと広い空間を確保しました。メーターやマルチメディアスクリーンをシームレスに統合した大型ディスプレイは、視認性や操作性にすぐれ、未来的なイメージを演出しています」とのこと。

また、内装には環境にやさしい素材が積極的に採用されている。「サンバイザーカバーやヘッドライニングなどの生地は、大豆や竹、サトウキビなどから抽出した繊維で作られています。また、ダッシュボードにはバイオペイントを使用しています」とのことで、「パワートレインだけでなく、内装部分まですべてが環境にやさしいクルマであってこそ、真のエコカーという考えからです」と語った。

装備においても、スマート駐車補助システムはサラウンドビューモニターなどを装備。また、ユニークな後進ガイドラインLEDランプによって、「車両の後退を周囲に知らせ、周辺のクルマや歩行者との接触を防ぐことができます」と佐藤さんは説明した。

オンラインでの販売・サービス

ヒョンデは、日本市場においてはオンラインサービスにて車両を販売するという。これは、昨今のコロナ禍による対面接客への懸念や、スマホネイティブな若年層へのコミュニケーションの観点などから、これまで以上にオンライン販売のニーズが高まっていることによるもの。時間や場所の制約を受けずに、車両をオンラインでスマートに購入することができる。また、車両選びから試乗予約、見積もり、注文、決済、配送情報の確認まですべてをオンラインで完結できる「One ID」と呼ばれる独自のプラットフォームが用意される。これによって、購入後の車両点検や整備のサポートまでを含めたさまざまなサービスが、1つのIDで利用できるようになる。

また、ZEVに特化したリアルな体験拠点として、試乗や購入相談、点検、整備がワンストップで提供される「Hyundaiカスタマーエクスペリエンスセンター」が、2022年夏に神奈川県横浜市に開業予定となっている。その後、全国の主要地域においては整備工場などと協力、連携して展開する計画だ。さらに、全国で対応可能なロードサービス体制によって、常に顧客サポートが可能な体制を構築していくという。

カーシェアとも連携

もうひとつ、展開予定の新たなビジネスモデルが、カーシェアプラットフォーム「Anyca(エニカ)」との協業だ。まず、2022年内にアイオニック5を100台、ネッソを20台、Anyca Officialシェアカーに投入する。ちなみに、アイオニック5は2022年2月下旬からサービス開始予定という。なお、キャンペーンとして1時間無料でシェアできるキャンペーンが2022年5月末まで実施される。

また、アイオニック5やネッソを購入したオーナーは、自身のクルマをAnycaでシェアすることによって、借りたユーザーがその後車両を購入した際に、オーナーと購入者の双方にインセンティブが得られるといったプログラムが予定されている。

環境への配慮を意識したZEVの展開や、Webサイトやアプリなどを使ったオンライン販売サービスなど、新たな切り口で日本の乗用車市場へ再参入を果たしたヒョンデ。今後のラインアップのさらなる拡充や、これまでにない新サービスの展開など今後が楽しみである。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る