レビュー

バイク用インカム国内シェアNo.1!“B+COM”のフラッグシップモデル「SB6X」レビュー

暖かくなって、バイクツーリングには最高の季節になってきました。友人や家族などと会話を楽しみながらツーリングができるバイク用インカムは、若い世代のライダーを中心にスマホと並ぶほどの必需品になりつつあります。そこで今回は、10年以上前からインカム開発を続ける老舗バイク用インカムメーカーのSYGN HOUSE(サインハウス)が手がける「B+COM(ビーコム)」シリーズに注目してみました。

国内シェアNo.1のシリーズなので、使ったことはなくともその名を知っているライダーも多いのでは? なかでも今回は、「B+COMシリーズ」のフラッグシップモデル「B+COM SB6X」(以下、SB6X)を実際にツーリングで使ってみたので、その使い勝手を5つのポイントに分けてレビューします。

【チェック1】まずはヘルメットに装着

上述の通り、バイク用のインカムとは、ともにツーリングしているライダー同士で通信して会話を楽しめるアイテム。基本的にヘルメットに取り付けて使用します。今回取り上げるSB6Xは、本体むき出しの過酷な状態でも安定した通話品質と簡単な操作を行えるようにイチから開発された、B+COMのハイエンドモデルとなります。

「B+COM CB6X」シングルUNIT 40,700円(税込)/ペアUNIT 79,200円(税込)

「B+COM CB6X」シングルUNIT 40,700円(税込)/ペアUNIT 79,200円(税込)

さて、インカムを使用するうえでまず重要となるのは「ヘルメットに簡単に装着できるのか」という点。SB6Xの場合、製品に付属する取り付け説明書のほか、公式サイトでも手順を確認できるようになっているので、組み立ても取り付けも迷うことなくスムーズにできました。

ちなみに私はヘルメットにベースプレートを直接シールで貼り付けるのが嫌だったため、今回はクリップ式で装着することにしました。

このようにヘルメット筐体に差し込んで使うので粘着剤が残ることなく、いつでも取り外しが可能です

このようにヘルメット筐体に差し込んで使うので粘着剤が残ることなく、いつでも取り外しが可能です

また、国内シェアNo.1シリーズというだけあって、動画サイトを探すと一般ユーザーによる手順解説動画が複数投稿されています。自分のヘルメットに合わせた具体的な取り付け工程を行っている動画を見つけ出して、参考にするとよりよいでしょう。

スピーカーなどの配線類も、シンプルで手間取ることなく取り付けができましたが、何より注目していただきたいのがマイク部の仕様。「さすがハイエンド!」と思えるすばらしいものでした。通常、インカムのマイクは走行音などを拾わないような指向性の高い集音マイクが採用されていることが多く、当然、口元に設置することが前提です。

しかしSB6Xは、マイクではなく、インカム本体がノイズキャンセルを行って声だけを聞き取りやすいようにしてから相手に届ける仕組みなんです。そのため、マイクに指向性を持たせる必要がなく、その恩恵でマイクの装着場所に細かな指定がありません。極端な話をすると、額のあたりにマイクを貼り付けたとしても、相手にはしっかりと聞き取れます。

ちなみに私は配線がヘルメット内でゴチャゴチャと見えるのが嫌なので、チークパッドに入れ込んで使用することに。左頬のチークパッド裏からマイクを通して、ズレがなくしっかりと隠せる位置に設置しました

ちなみに私は配線がヘルメット内でゴチャゴチャと見えるのが嫌なので、チークパッドに入れ込んで使用することに。左頬のチークパッド裏からマイクを通して、ズレがなくしっかりと隠せる位置に設置しました

なお、唯一設置の際に詰まった工程は、ベースプレートの組み立てです。これだけは付属品だけで組み立てることができず、別途精密ドライバーを用意する必要がありました。たまたま私はサイズの合う精密ドライバーを所持していましたが、バイクのメンテナスで精密ドライバーを使うことはあまりなく、日常的に使う工具でもないため、ここはぜひ対応するドライバーを製品に付属してほしいところです。

下のピン間にある小さいネジ2つは、組み立てる際に必ず外さなければならない関門

下のピン間にある小さいネジ2つは、組み立てる際に必ず外さなければならない関門

というわけで、取り付け完了!

というわけで、取り付け完了!

【チェック2】操作のしやすさ

続いては、インカムに求められる操作性について見ていきましょう。ライダーは運転中、基本的にグローブを着けていますし、さらにインカム本体を視認することもできません。素手よりも不器用になるグローブ越しでの見えない操作をいかにやりやすくするかは、どのインカムとっても課題です。

SB6Xでは、本体にボタンを3つ装備。そのボタンは「上下同じ大きさのボタン」と「真ん中の丸いボタン」で、感触と位置だけで確実にわかるようになっており、単純かつ確実な方法で操作性を担保しています。実際のツーリングで使用しても、どのボタンを触っているかわからないといったことがなく、これは非常によい点でした。

グローブを着用した状態でもしっかり押せる大きめのボタンがイイ!

グローブを着用した状態でもしっかり押せる大きめのボタンがイイ!

【チェック3】通話のセットアップと接続のしやすさ

いよいよ本体も設定できたところで、通話設定について見ていきましょう。B+COMシリーズ同士で通話する場合、「B+LINK(ビーリンク)」という独自の通話機能が使えることがポイントです。インカムあるあるで、「最初の登録ができない」「つながらない」「ひとりだけつながらない」といった感じで、設定だけで何十分もかかってしまうなんてことも起きがちですよね。しかし、B+LINKはそのトラブルがかなり少ないんです! 少なくとも私が使用している限りは、設定がうまくできないなんていう事態には一度も陥りませんでした。

全員が同じボタンを押して誰かがサーチを開始すれば、勝手に全員分つながっていく。他社のインカムを使用したときは3人以上になると、「これのボタン押して」「この状態で待っていて」といった具合に、ホストが指示を出すのはかなり大変。それが、全員が同じ動作でつながることができるのは非常に魅力的で、「30秒ペアリング」といううたい文句にも納得です。

また、自動の通信復帰機能もすぐれもの。ツーリングでは、渋滞や信号待ちによって仲間同士の距離が離れてしまうことも多々ありますが、その際に通信が切れてしまっても通信範囲内に戻ってくれば自動的に復帰できます。特別操作をすることなく、放っておけば自動で通信が復活するのです。

B+LINK中は緑の光でサーチを知らせてくれる。見た目にもわかりやすいです

B+LINK中は緑の光でサーチを知らせてくれる。見た目にもわかりやすいです

【チェック4】他社製品との通信品質

上述の通り、B+COMシリーズ同士で通話する場合は「B+LINK」のおかげでスムーズな通話が行えるのですが、現実的にはツーリング仲間全員が同じメーカーのインカムを使っているとは限りません。インカム製品は全体として他社製品との通信を苦手としているという事情もある中、このSB6Xはほかにはない、相手からの通信を受けとる専門の機能「ユニバーサルインターコール・レシーブ」を備えているんです。

B+COMシリーズを含む最大3社まで接続が可能! B+LINKと併用できるので、4台以上つなぐことも可能です。

B+COMシリーズを含む最大3社まで接続が可能! B+LINKと併用できるので、4台以上つなぐことも可能です。

発信側が他社製品に向けて通信を認識させるという方法はほかにもあるのですが、他社製品からの信号をスムーズに受け取るほうの機能も付いているのはB+COMシリーズだけ。おかげで汎用性が高く、より多くの他社製インカムと通信しやすいほか、それぞれのインカム機能を制限せずに異なるメーカー間のインカムで通話することが可能です。

また、よくありがちなユニバーサルモードでは、バックグラウンド再生ができない等の事象も回避できます。ナビ音声や音楽が聞きたいからとホストの取り合いをせずにすみますね。またメーカーが3社以上でバラバラなんてときにも、SB6Xをハブにすることで通話をすることが可能です。

【チェック5】音質・安定性・使用感

SB6Xを実際に使用してみて最も感じたことは、通話音質が他社と比べ非常によいということ。現行で発売中のインカムをいくつか試しましたが、走行中の通話音質がダントツで安定していたのがSB6Xでした。

バイク走行中は、風切音やタイヤの音、ほかの車両の走行音といった、さまざまな環境音で音声がかき消されやすいです。実際、他社製のインカムでは、静止時(アイドリング時)に問題なくとも、走り出すと通話音声が聞こえなくなってしまうことも多々あります。SB6Xは安定した通信もさることながら、上述のノイズキャンセラーが抜群の性能を発揮していて、ヘルメットのスポイラーからくる風切り音や走行ノイズは、実用上感じられないといったレベルにまで低減されていました。SYGN HOUSEの底力が最も顕著に出た部分だと感じます。そもそもツーリング中に仲間と会話を楽しむのがインカムの大前提であり、いちばんの購入理由。通話品質が安定しているSB6Xには、かなり信頼が持てます。

操作感は、慣れてしまえば簡単といった感じです。ボタンが3つしかないので、「電話に出る」「音量を上げる」などの一般的な操作は使えばすぐに覚えられるレベルでしたが、逆にボタンが少ない関係上、Bluetooth周りの設定がややこしい印象です。私は、「どのボタンを長押しするのか」「どのボタンを同時押しするのか」を覚えるのに少々時間がかかりました。

しかしこちらも、専用のアプリを使いスマホで設定してしまえば、覚えなくてもできるという救済措置があります。一度設定をすれば、その後はワンタッチで通話が始まるので、実際に使用しているときに気になる不便な点はありませんでした。

設定はスマホアプリで行うほうが、表示を見て判断できるので正確かも? つなぎ方はお好みでOK

設定はスマホアプリで行うほうが、表示を見て判断できるので正確かも? つなぎ方はお好みでOK

そのほか、オーディオ関連機能としては、「聴きトーク」という機能に対応しており、通話中にナビ音声や音楽などをバックグラウンドで聴くことができるようになっています。バックグラウンド音声は専用アプリがプロファイルで判別し、ナビアプリの音だけ上げる、通話の音量だけ上げるなど細かく設定ができます。かゆいところに手が届く、しっかりとライダーの声が反映された設定だと感じます。

なお、この「聴きトーク」機能はこのSB6Xにだけ搭載されているもので、ほかのB+COMシリーズには残念ながら搭載されていません。ナビ音声や音楽を通話中に楽しみたい場合は、SB6X一択で決まりでしょう。

通常の音楽再生も、搭載されるD級アンプと40φドライバーでしっかりと低音から鳴る心地よいサウンドが楽しめます。耳をふさぐことなく安全に音楽が楽しめるので、インカム機能だけではなくバイク専用の音楽プレーヤーとしても価値があります。

通話音声中はナビが聞こえないことが多いので、この調整機能はいちばん重宝しています!

通話音声中はナビが聞こえないことが多いので、この調整機能はいちばん重宝しています!

最後に電池について。バッテリー持ちはかなり良好。超長時間と言って差し支えないレベルです。通勤などで音楽だけ聴いているような状況なら、1日1時間使用しても1週間は充電がいらないと思われます。1泊2日でツーリングにいった際も、朝から夜までつないで余裕で丸2日持ちました。長時間走ることが多い私には、かなりうれしいポイントです。

しかし、充電方式がかなりのネック。USB Type-Cケーブルで充電するタイプなのですが、その充電用ジャックがスピーカーと併用で、充電のたびに必ずケーブルを外さなければならないわずらわしさがあります。これは正直使いにくいと言わざるを得ないです。他社製品では、ドックからワンタッチで外して充電する形式が多い中、SB6Xではドックから外すのにスピーカーケーブルをまず抜く必要があり、しかもマイクケーブルはまた別なので完全に外そうとすると毎回2本抜かなければなりません。ヘルメットに着けたまま充電でもよいのですが、場所を取るのでできれば本体を外して充電したいところ。ここまでほぼ100点の使い心地だっただけに、気になってしまいました。

ボタン下側が充電とスピーカーのジャック。毎回充電のたびに付け外しするのは少々おっくう

ボタン下側が充電とスピーカーのジャック。毎回充電のたびに付け外しするのは少々おっくう

とはいえ、バイク用インカムとしては「SB6X」を選んで間違いなし

というわけで、充電が少々やりづらいという欠点はあるものの、SB6Xのインカムとしての機能はかなり高いものがあります。ハイエンドモデルをうたっているだけあり、他社製品と比べても圧倒的に高品質で使いやすく、特に本質である通話という部分では他社製品よりも一歩進んでいると素直に思える出来でした。

しっかりとライダーの意見が反映されていることが伺える仕様で、使えば使うほど感心する操作性と、どんな状況でもしっかりと声が聞こえる安定性は4万円でも決して高くないと思わせました。仲間内で会話しながらのツーリングは、黙々と走るツーリングとはまた違った楽しみがあります。ぜひSB6Xを使って、「しゃべれるツーリング」を楽しんでみてください。

戸井田満樹

戸井田満樹

平成生まれ。趣味で生きてきたい系男子。東京都出身。学生時代はアメリカの音楽学校にてドラムを専攻。母の影響で家電を使った料理を提案中。料理、ドラム、バイク、スノーボード、犬が生きてく糧です。

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