軽自動車で培った利便性と、コンパクトカーとしては静かな室内空間が魅力

ダイハツのトールワゴン「トール」&トヨタ「ルーミー」「タンク」レポート

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ダイハツ工業が2016年11月9日に発表した、トールワゴン「トール(THOR)」は、5ナンバーに収まるボディに、スライドドアやさまざまなギミックが施された便利な室内空間が特徴。トヨタブランドからでも「ルーミー(ROOMY)」や「タンク(TANK)」として発売されるほか、スバルからも「ジャスティ」の新モデルとしてOEM供給される。そんな「トール」の注目ポイントや、試乗レポートを届けしよう。

ダイハツ「トール」は、豊富な収納を備えた快適な室内空間が特徴。トヨタやスバルからもOEMモデルが発売される

居住性と取り回しのよさが特徴のトールワゴン

「トール」のボディは、全長3700×全幅1670×全高1735mmで、5ナンバーに収まる横幅と、大人の背丈ほどもある全高が特徴。ハッチゲートを持つ2列シートの5ドアボディで、リアのドアは左右ともスライド式だ。デザインは、標準系とカスタム系の2つに大別できる。カスタム系の「トール カスタム」「ルーミー カスタム」、「タンク カスタム」は、LEDヘッドランプや外装にメッキパーツを施したことなどから、押し出し感が強いデザインだ。また、内装では、インパネ周りのカラーリングが標準系の「オレンジ」ではなく「テックブルー」になっている点も異なっている。

2列シートの5人乗りトールワゴンで、リアのドアは両面がスライドドア

2列シートの5人乗りトールワゴンで、リアのドアは両面がスライドドア

リアゲートは樹脂製。軽いので開閉が楽に行えるうえに、複雑なデザインを作りやすいというメリットもある

リアゲートは樹脂製。軽いので開閉が楽に行えるうえに、複雑なデザインを作りやすいというメリットもある

「トール カスタム」は、メッキパーツが多く採用され、見た目の迫力が増している

「トール カスタム」は、メッキパーツが多く採用され、見た目の迫力が増している

カスタム系のインパネは、テックブルーと呼ばれる青いカラーリングが施されている

カスタム系のインパネは、テックブルーと呼ばれる青いカラーリングが施されている

カスタム系のテールランプには、光源が立体的に見える「3D LED」ランプが採用されている

カスタム系のテールランプには、光源が立体的に見える「3D LED」ランプが採用されている

カスタム系はヘッドランプもLED。なお、写真はトヨタの「ルーミー カスタム」のもの

カスタム系はヘッドランプもLED。なお、写真はトヨタの「ルーミー カスタム」のもの

パワートレインは、3気筒1.0リッター インタークーラー付きターボエンジン「1KR-VET」と、同じく3気筒1.0リッター自然吸気エンジン「1KR-FE」の2種類が用意される。トランスミッションはいずれもCVTだが、1KR-VET搭載車にはスポーツモードが搭載されている。なお、FFモデルのほかにフルタイム4WDモデルもラインアップされている。

ターボエンジン「1KR-VET」は、72kW(98馬力)、最大トルク140Nmを発生。燃費は、21.8km/l(JC08モード)

ターボエンジン「1KR-VET」は、72kW(98馬力)、最大トルク140Nmを発生。燃費は、21.8km/l(JC08モード)

自然吸気エンジン「1KR-FE」は、51kW (69馬力)、最大トルク92Nmを発生。燃費は、24.6km/l(JC08モード)

自然吸気エンジン「1KR-FE」は、51kW (69馬力)、最大トルク92Nmを発生。燃費は、24.6km/l(JC08モード)

横幅にも余裕がある室内空間

トール最大の特徴と言ってもいい室内の居住性についてみてみよう。運転席に座ったトールの印象だが、全高の高さによって頭部に余裕があるのは当然だが、類似の軽自動車よりも余裕のある横幅を生かし、運転席と助手席の間を通ってウォークスルーも行える。また、最小回転半径が4.6mと小さく、運転席からの視界も良好でサイズ感がつかみやすい。さらに、試乗車にはオプションのパノラマモニターも搭載されていたため、狭い場所での取り回しもとてもラクだった。軽自動車のサイズに慣れた人でも、すぐにサイズ感を把握できるだろう。

軽自動車に比べて横幅に余裕があるので、運転席と助手席の間には適度な距離感があり、ウォークスルーも可能

軽自動車に比べて横幅に余裕があるので、運転席と助手席の間には適度な距離感があり、ウォークスルーも可能

サイズを把握しやすいボディに加えて、オプションとしてパノラマモニターも用意されている

サイズを把握しやすいボディに加えて、オプションとしてパノラマモニターも用意されている

シートはフラットにもでき、いざとなれば車内泊も可能だ

シートはフラットにもでき、いざとなれば車内泊も可能だ

2列目シートを倒せば、奥行き1500mmのラゲッジスペースが出現。防汚シートもあるので、汚れた自転車などでも気にせず搭載できる

もうひとつ室内装備で特徴的なのは、オプションで用意される9インチの大画面を備えた専用カーナビと、一部グレードを除いて標準装備される、ダッシュボード上の4.2インチのインフォメーションディスプレイだ。カーナビの9インチディスプレイは1280×720という高い解像度のため、表示が緻密で美しい。後席からの視認性もよいので、子ども向けのDVDなどを流せる。いっぽうの4.2インチインフォメーションディスプレイは、時計や燃費情報などを表示するほか、運転のエコ度をわかりやすく表示するエコキャラモードもあり、エンターテインメント要素も取り入れられている。

オプションで用意される9インチディスプレイのカーナビは、1280×720表示に対応。美しい表示が魅力だ

オプションで用意される9インチディスプレイのカーナビは、1280×720表示に対応。美しい表示が魅力だ

ダッシュボード上に備わるインフォメーションディスプレイ。通常は時計や燃費などの情報を表示するが、オリジナルのキャラクターが現れるなどエンターテインメントの要素もある

水平基調のインパネは機能性を追及している。ダッシュボードの表面は樹脂性だが感触がやわらかく質感も良好だ

また、室内には、収納などさまざまな工夫が施されている。カップホルダーは車内に6個用意されているし、着脱可能で水洗いもできる大容量のゴミ箱や、ティッシュペーパーの箱を置くスペースもある。なお、前席に備わるカップホルダーは、スマートフォンを立てかけることも可能だ。このカップホルダーは以前から開発はしていたのだが、室内空間に限りのある軽自動車では設置できず、トールで始めて搭載されることになったものだという。

カップホルダーは500mlの紙パック飲料に対応するほか、スマートフォンの立てかけも可能。なお、大型の「iPhone 6S Plus」も立てかけられる

着脱可能で水洗いもできる大容量のゴミ箱も用意。車内のゴミをスッキリまとめておける

着脱可能で水洗いもできる大容量のゴミ箱も用意。車内のゴミをスッキリまとめておける

リアシートには、カップホルダーのほか、ティッシュペーパーの箱を置くスペースも用意されている

リアシートには、カップホルダーのほか、ティッシュペーパーの箱を置くスペースも用意されている

乗り降りに便利なグリップは、上半分が大人向けに太めに、下半分は子ども向けに細めに作られている

乗り降りに便利なグリップは、上半分が大人向けに太めに、下半分は子ども向けに細めに作られている

静かな室内、ターボモデルは加速感も十分

短時間だが試乗も行った。最初に乗った自然吸気モデルは、エンジン音も小さめで、ロードノイズも抑えられており、遮音にも気を使っていることがわかる。ハンドリングはトールワゴンらしくマイルドで、乗り心地も低速時では凹凸をしっかりといなしつつ、中・高速域では左右のふらつきや上下の挙動も抑えられている。総じて、街中を快適に流すのに向いた走行感覚だ。

いっぽう、乗り換えたターボモデルは、ハンドリングや乗り心地は大筋で自然吸気モデルと共通だが、エンジンのフラットなトルク特性や余裕のあるパワーのおかげで、アクセルを深く踏み込まなくても必要な加速が得られる。また、スポーツモードを使えば、よりきびきびとした加速感も味わえるので、走りにもこだわりたいお父さんにとっても魅力的だろう。

トールは、車内空間の快適さや利便性といった、ダイハツが軽自動車で培ってきたノウハウを生かしつつ、横幅に余裕を持たせた空間や、静かなエンジン音など、軽自動車では実現できなかったメリットを多く持っている。軽自動車では物足りなくなってきた方の、コンパクトカーへの乗り換えにぴったりだ。自然吸気エンジンとターボエンジンのどちらを選ぶか悩みどころだが、街乗りが多い場合や、子どもを乗せてゆったりと走るのであれば自然吸気エンジンで十分だろう。ターボエンジンは、レジャーなどで遠出する機会が多く、高速道路の合流や巡航をスムーズに行いたい場合に選ぶのがよさそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.6.22 更新
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