今年のボーナスの使い道は決まっただろうか? まとまった金額が懐に入るタイミングだからこそ、自分のライフスタイルを変えるような買い物をしたいところだ。
使い道の有力な選択肢と言えるのが、古くから“男に許される唯一のアクセサリー”とされてきた腕時計。毎日腕にはめて苦楽をともにする相棒だからこそ、ステータス性のあるモデルでオーナーとなる自分の価値も高めたい。本記事では2つのカテゴリに分けて、今購入したい傑作を計20本ご紹介。各ブランドの特徴やコンセプトを理解して、よりよい腕時計ライフの第一歩としてほしい。
若いころは高くても数万円の腕時計をローテーションしていたかもしれないが、いい大人ともなると、身に着ける小物ひとつにもセンスがにじみ出てくる。何本もいたずらに手を出すより、これぞという傑作を1本確保しておきたいものだ。その堅実な姿勢こそがよい大人の生き様であり、長い目で見ると最大の倹約にもなる。ここで取り上げるのは、ある程度腕時計に触れてきた大人にすすめたい、時代を超えたマスターピース。今手にするべき憧れの一本を見つけよう。
出典:楽天市場
ダイバーズウォッチの憧れは? と聞けば、多くの人々から名前があがるであろう「サブマリーナ」。1953年に登場した同モデルは、1926年に発表されたオイスターケースに代表されるロレックスの高い防水性を、スペックでもデザインでも体現したものだ。視認性の高いドットマーカーやベンツ針など、オーセンティックなダイバーズウォッチの王道とも言えるデザインは、半世紀以上大きな変更が加えられていない。
しかしながらそのいっぽうで、実用時計の王として君臨するロレックスらしくムーブメントやディテールは合理的かつ最新のものを搭載。クロマライトの夜光塗料にパラクロムヒゲゼンマイ、セラミック製のベゼルと、実利と高級感に訴求するポイントをきっちり押さえている。
出典:楽天市場
セイコーの最高峰モデルと言えばグランドセイコー。きめ細やかな筋目仕上げや、日本人の手首に収まりのよい計算し尽くされたケース径……と長所をあげれば枚挙に暇がない。だが、最大の魅力はその機能性にある。セイコーが独自に開発した「9Rスプリングドライブムーブメント」は、機械式とクォーツ式のハイブリッド的な存在。ローターが回ることで発生した動力を、電気エネルギーに変換してクォーツを振動させる機構は、圧倒的な精度を実現している。シンプルでむだをそぎ落としたクリエーションの中には、世界最高峰の技術が宿っているのだ。
そして今グランドセイコーを選ぶなら、ブランドとして力を入れているスポーツモデルが旬。マットなセラミックベゼルに深紅のGMT針を備えたこちらの一本からは、ただ品がよいだけではない、国産時計を代表して世界に挑戦する力強さが感じられる。
表面|出典:楽天市場
裏面|出典:楽天市場
1930年代にポロ競技中にケースを反転させて風防を破損から守るという発想から作られた角型時計「レベルソ」は、昔ながらのデザインに、名門の技術力が融合したジャガー・ルクルト定番中の定番。スマートでシンプル、20世紀前半のアールデコの香りもたっぷりでクラシックの極みとも言えるこの一本には、その機能を超えた魅力が詰まっている。
なお、この「ラージデュオ」は反転した裏面にもブラックダイヤルの2針が控えているワザありなモデル。反転するケースに新たな意味を見出した、ユニークかつセンスが光る逸品だ。
出典:楽天市場
空の「パイロットウォッチ」に海の「ポルトギーゼ」。IWCの全コレクションの中でも人気を二分する両モデルから、今回は特にスーツスタイルにも相性のよい後者にスポットを当てたい。新世界発見に挑んだ船乗りたちが使用していた、精密な航海用計器をデザインソースとする「ポルトギーゼ」。そのなかでも、縦目のツーカウンタークロノグラフは人気が高いモデルだ。その理由は、インダイヤルの積算計、アラビア数字、リーフ型のおもむきある時分針が文字板上に完璧な調和を保って配置された美しさにある。
加えて本作は、「ポルトギーゼ」の中でもスポーツテイストが特に強い「ポルトギーゼ ヨットクラブ」。夜行性の針とインデックスを有しており、さりげなくアクティブな空気を醸成してくれる。
出典:楽天市場
グランメゾンであるカルティエが時計事業への進出を図ったのは19世紀末。3代目のルイ・カルティエ氏が経営参画したことに端を発している。1900年代に入り、後のジャガー・ルクルト代表であるエドモンド・ジャガー氏と出会い、1904年に飛行家アルベルト・サントス=デュモン氏の依頼で世界初の男性用腕時計「サントス」を開発するに至る。
こちらのモデルは、そんなブランドオリジンともなる「サントス」の100周年を記念して作成されたもの。マニッシュな角型ケースの背景には、長いブランドの歴史が垣間見える。
出典:楽天市場
ゼニスと言えば1969年に登場した草創期の自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」があまりにも有名。一時期生産停止の危機もささやかれたが、いまだに36,000振動という世界最速クラスの超ハイビートを維持しており、その精度には目を見張るものがある。同ムーブメントを存分に楽しむための意匠として、「クロノマスター」シリーズにはオープンハートが主に採用されている。しかし、こちらはオープンハートならぬ“フルオープン”。表からも裏からも緻密な職人技術を楽しめるスケルトン仕様は、昨今のトレンドにもかなっている。
出典:楽天市場
「クロノマット」に代表される、無骨で男らしいイメージが先行するブライトリングのクロノグラフ。そのなかでも、これぞ、という一本をお探しならやはり「ナビタイマー」が間違いない選択だろう。特徴的なのは、ベゼルにぐるりと配された回転計算尺。1942年に1度、初代「クロノマット」に搭載されたのち、1952年に航空用にリファインされ「ナビタイマー」として世に送り出された。航空機の計器を連想させるルックスは今なお男心をくすぐる。心臓部にはブライトリングが自社開発したムーブメント「ブライトリング01」を搭載。もちろんC.O.S.C.(スイスクロノメーター検定協会)認定だ。
出典:楽天市場
第二次世界大戦のころからイタリア海軍特殊潜水部隊が愛用していた門外不出の軍用モデルというミステリアスな歴史と、その大型で分厚いケーススタイルで大人気となったパネライ。ひと昔前のデカ厚時計ブームをけん引したトレンドセッターとしての一面も持っており、ほかの追随を許さない個性的な面持ちから世界中にファンを持っている。
大きなリューズガードを持たない「ラジオミール」もラインアップされているが、この「ルミノール」は「ラジオミール」の進化系として発売されたモデル。よりモダンな表情を求めるなら、こちらを推奨したい。2005年以降は自社ムーブメントのスペックも充実しており、搭載されている「P.9010」も3日間のパワーリザーブを実現。また、こちらはデカ厚がメインのパネライにおいてある種“らしくない”薄型自動巻きに仕上がっている。
出典:楽天市場
主張の強いメカニカルな時計もよいが、超薄型のものを探しているのであればブランパンのこちらがおすすめ。ダイバーズウォッチの名作「フィフティファゾムズ」が有名だが、「ヴィルレ」もまた複雑機構や薄型モデルで高い評価を得ているモデルだ。この時計は超薄型の自動巻きで、約100時間連続駆動が可能。世界最古のブランドの名にふさわしい、ただクラシカルなだけではない実用性も兼ね備えている。メッシュブレスと見まがうほど精緻な17連ブレスの磨き込まれた輝きも、実にエレガントだ。
出典:楽天市場
モンブランは名作「マイスターシュトック」に代表される万年筆メーカーとして1906年に創業した。ステーショナリーからトータルブランドへ発展する過程で、1990年代から時計事業に参入。スイス国内に製造拠点を持ち、いまやオリジンである文房具に勝るとも劣らない地位を獲得している。2006年にすぐれたムーブメントの開発で名高い名門・ミネルバ社を傘下に収め、2008年にこの「ニコラ リューセック クロノグラフ」を開発。同モデルにおいてモンブランは自社ムーブメントを完成させ、マニュファクチュールの仲間入りを果たすことになる。以後はレベルの高い複雑モデルも数多く世に放っており、時計業界にしっかり地歩を固めるに至った。
本モデルも、ワンプッシュクロノグラフに、GMT、ナイト&デイ表示と複雑機構のオンパレード。触れているだけで男心が満たされていく一本が100万円以下というのも、なかなか貴重だ。
出典:楽天市場
モータースポーツとともに成長を続けてきた、タグ・ホイヤーの歴史を象徴する「カレラ」。同ブランドが核心的なムーブメントを開発するたびに惜しげもなく搭載されてきた「カレラ」だが、こちらの一本も自社開発のクロノグラフムーブメント「ホイヤー02」が内蔵されている。高級クロノグラフの証とされるコラムホイールと垂直クラッチを採用しており、パワーリザーブも80時間を確保。今モデルではケースにセラミックが採用されており、腕なじみのよい軽さを実現している点にも注目したい。
たまには自分へのご褒美としてよい腕時計は欲しい。でも、まだ自分の人生を預けるべき一生モノに何を買うべきかわからない……。ということであれば、ミドルプライスの比較的お手頃な名作たちを手に入れてみるのも賢い選択だ。ここでご紹介したアイテム群を足がかりとして、いつかのボーナスで手に入れるべき腕時計に出会うまで審美眼を研ぎ澄ませておこう。
出典:楽天市場
2020年の新作ながら、すでに定番の風格を備えているのがこちらの「ロンジン スピリット」。オーセンティックなアビエーターウォッチの顔には、ロンジンが3世紀にまたがり蓄積してきたアーカイブのエッセンスが詰まっている。ゆえに漂う普遍的な空気は、老舗ならではのものだろう。ポリッシュとの組み合わせによりあくまで現代的な高級感に訴求したケースの中には、最長64時間のパワーリザーブを有する自社ムーブメント「L888.4」を搭載。自分の定番となる一本にお悩みなら、まず間違いない選択肢といえるだろう。
出典:楽天市場
創業100年以上の名門、オリスが手掛けるダイバーズウォッチは、他社のそれと比べると比較的小ぶりで腕なじみがよい。「ダイバーズ65」はその名のとおり、約50年前となる1965年にオリスが世に送り出したダイバーズが基。100m防水、逆回転防止ベゼル、蓄光性のインデックスを備えた同モデルは当時としては非常にモダンで、満を持して現代によみがえらせるに当たってはその空気が忠実に表現されている。ドーム型のサファイアガラスや、小ぶりなドットインデックスなどは、その現れだろう。加えて誠実な価格設定も好まれ、すっかりメジャーなモデルとして認識されているが、差を付けるならこんなブロンズモデルも面白い。普遍的な顔ゆえに、ブロンズならではの経年変化がまた一段となじむことだろう。
出典:楽天市場
ハミルトンにおいて、ミリタリー色の強い「カーキ」、都会的な意匠で魅せる「ジャズマスター」など、古きよきアメリカの空気をモダンに解釈したラインアップを揃えるのが「アメリカンクラシック」コレクションだ。
特に今注目を集めているのが、スポーティーさとレトロさが高い次元で結実した「イントラマティック オートクロノ」。トレンドのパンダ顔もキャッチーながら、よい意味で飾り気のないクラシックなケースやプッシャーには老舗にしか出せない風格が漂う。そのいっぽう、ムーブメントには60時間のパワーリザーブを備えた最新鋭のものを搭載。2021年年明けにはメッシュブレスモデルも登場し、続くハンドワインドモデルなども注目を浴びている。
出典:楽天市場
フレデリック・コンスタントは“ごく限られた一部の時計愛好家だけでなく、高品質の時計をより多くの方々に楽しんでいただくこと”をブランド理念に掲げ、高品質かつ価格帯を抑えたラインアップを展開し続けている。中の機構が正面から楽しめるハートビート仕様の「カレ」は、レクタンギュラー型ケースのクラシックで端正な顔立ちが腕時計にこだわりのある男を演出する定番中の定番。緻密なギョーシェが施されたダイヤル、控えめながら洗練されたブレゲ針が実に美しい。
出典:楽天市場
アドルフ・ランゲ氏に代表されるように、ドイツから輩出された高名な職人は数知れず。そのドイツの質実剛健な面を色濃く体現するブランドがジンだ。航空飛行の極限状態を想定して作られた精度の高いアイテムが特徴で、ツールとしての腕時計にこだわり続ける一本気な姿勢には根強いファンも多い。「556」はジンの入門機として名高いモデルで、簡素なブランド表記や一切のむだを排したインデックスが特徴的。シースルーバックながら200m防水を実現している点にも注目したい。
出典:楽天市場
フレンチ腕時計ブランドの雄、ベル&ロスの代名詞と言えば、2005年に発表された「BR01」および「BR03」。まるで航空機の計器板からそのまま引き抜いてきたかのようなインパクト抜群の角型ケースが話題を呼び、多くの時計ファンが引きつけられた。そのベル&ロス近年のヒット作は、腕時計の過去回帰のトレンドともうまく合致した「ヴィンテージ」コレクション。1940年代当時のパイロットウォッチをベースとし、大きくせり出したドーム型風防や、蓄光塗料が陽に焼けたようなブラウンカラーのインデックスなど、コレクション名どおり古きよき時代のデザインを再現している。過去の時計への深い理解が表れた、趣のある一本だ。
出典:楽天市場
ドイツブランドの中でも随一の知名度を誇るのがユンハンスだ。同ブランドはドイツ最大の時計メーカーとして知られており、日本ではシンプルな「マックス・ビル」シリーズが人気を集めている。だが「マックス・ビル」以前よりリリースされている「マイスター」も忘れてはいけない。1930年代から60年代までのデザインを務めたアントン・ツィーグラー氏によるコレクションをベースとしたクラシックな面持ちのシリーズで、「マックス・ビル」にも連なる視認性にすぐれた工業的な美しさを宿している。その種類も多岐にわたっており、上記のようなパイロットウォッチから、ドライバーウォッチモチーフまで男心をくすぐるラインアップが揃う。
出典:楽天市場
有名ブランド各社の時計製造に携わっていた歴史を持つモーリス・ラクロア。メッシュ状のインダイヤル内を秒針が周回する「ミステリアスセコンド」などの確かな技術力から発信される複雑機構にも定評があるが、ここ数年におけるヒット作と言えばやはり「アイコン」シリーズだろう。かつて同ブランドのクォーツモデルで人気を博した「カプリソ」を踏襲し、磨きの仕上げを変えつつ、6本のツメをベゼルに配置。ストラップも直線的でエッジを立たせたスタイリッシュなデザインに仕上がっており、プライス以上の作り込みを感じさせる。これだけのデザインを詰め込みつつ、決して華美に魅せない手腕には脱帽するばかりだ。
出典:楽天市場
ティソは1853年にスイスで創業した老舗。ヨーロッパでは日本で言うところのセイコーやシチズン並みに知名度が高いメジャーブランドだ。そんなティソが近年、打ち出しているのがこちらの「ジェントルマン」シリーズ。腕時計の真を突いたような圧倒的普遍性をまとう40mm径のルックスに、80時間のロングパワーリーザーブ、そして磁力の影響を抑えるシリコン製ヒゲぜんまいであるシリシウムを備えたムーブメントを搭載しており、機能性においては同価格帯の中では頭1つ抜きんでている。傷防止加工無反射コーティングドーム型サファイアクリスタルの採用による、視認性の高さも売りだ。スーツ、カジュアルを問わず品格を宿してくれるカラーは、1本持っておいて損はない。