2013年の発売開始から5年目を迎え、今絶好調の「PS4」。大人気ゲームが次々と登場し、毎日ゲーム三昧という人も多いのではないでしょうか。実は、PS4は最新ゲームばかりが注目されがちですが、ブルーレイディスクの再生やAmazonプライム・ビデオ、Netflix、YouTubeといった各種動画ストリーミングサービスに対応するなど、メディアプレイヤーとしての機能も豊富に揃っています。
そんなPS4に映像コンテンツ関連で足りない要素があるとすれば、テレビ番組の録画機能ではないでしょうか? PS4でテレビ番組を録画できれば、ブルーレイレコーダーをわざわざ購入する必要はないのに……と考えたことがある人もいるはず。もちろん、専用のブルーレイレコーダーにはダビングや編集機能が搭載されているため、メリットも多いのですが、テレビ番組の録画・再生だけなら、PS4の周辺機器である「nasne」があればひと通りの用はこなせます。
ただ、「nasne」は知っているけど、接続するのがややこしそう……と思っている人かもしれません。そこで本記事では、実際に「nasne」をPS4に接続するところからセットアップ、テレビ番組の録画までを徹底解説します。
「nasne」は、簡単に言うと地上/BS/110度デジタル3波に対応したシングルチューナーと1TBのHDDを内蔵したネットワークレコーダーです。テレビ番組を録画するレコーダー機能に加えて、画像や動画、音楽などを保存するメディアストレージ機能も備えています。同一ネットワークに接続したパソコンやスマートフォンから画像や音楽などを保存し、DLNAクライアント機器を使ってテレビで閲覧できるほか、外出先からスマートフォン(専用アプリ使用)経由でも再生できます。なお、本記事では、テレビ番組の録画にフォーカスしてレビューしています。
テレビ番組の録画のほか、画像や音楽、動画などの各種データを保存できる「nasne」
「nasne」本体は片手で持てるくらいの大きさで、ブルーレイレコーダーとは比べ物にならなくらいコンパクト。これなら設置場所に悩むことはないでしょう。ただし、「nasne」は、アンテナケーブルでアンテナ端子(壁)とテレビに、LANケーブルで無線LAN(Wi-Fi)ルーターに接続する必要があります。ですので、アンテナ端子と無線LANルーターが離れた場所に設置されている場合は、延長ケーブルなどを別途揃える必要がでてくるため、注意してください。
「nasne」の本体サイズは、約189(幅)×136(高さ)×43mmで非常にコンパクト
形状はPlayStation 3を思い出すようなスリムな楕円形です
前面にはPlayStationのロゴと各種動作ランプを備えます
背面にはUSBポート、LANポート、アンテナ出力端子、アンテナ入力端子、DC端子(12V)を搭載。なおUSBポートに外付けハードディスクを接続すれば、ストレージ容量を拡張可能です
同梱されている付属品は、説明書のほか、ACアダプター、電源コード、LANケーブル(1m)、アンテナケーブル(1.5m)、B-CASカード。なお、場合によっては、長めのLANケーブルやアンテナケーブル、分波器をそろえる必要があるので注意してください
「nasne」は、壁側のアンテナ端子とテレビ側のアンテナ端子の間に挟みこむ形で接続します。あとは、LANケーブルでブロードバンドルーターに接続するだけ。特にややこしくはなく、めちゃくちゃシンプルです。なお、PS4はLANケーブルで「nasne」と同じブロードバンドルーターに接続するよう推奨されていますが、IEEE 802.11nやIEEE 802.11acなどの高速無線規格を利用できるのであれば、無線LAN(Wi-Fi)経由でも問題なく動作します。
「nasne」とPS4、テレビの接続方法(画像はPlayStation公式サイトより)
実際の接続手順は以下から確認してください。
まずは、同梱されていたB-CASカードを「nasne」の背面にあるスロットに差し込みます
次に、アンテナケーブルを「nasne」のアンテナ入力端子に接続
いっぽうを、壁に設置されているアンテナ端子に接続します
次にテレビ側のアンテナケーブル(写真上)を「nasne」のアンテナ出力端子に差し込みます。テレビ側のアンテナ端子は、一般的にBS/110度CSの2種類がそろっているため、地上波とBS/CSの両方を録画したい場合は、別途分波器を用意する必要があります
最後に「nasne」をLANケーブルでルーターに接続し、電源コードをつなげれば準備完了。なお、今回はPS4を有線ではなく無線LAN(Wi-Fi)でインターネットに接続しました
「nasne」の接続が済んだら、実際にPS4からテレビ番組を録画してみます。PS4で「nasne」を操作するのには、アプリ「torne PlayStation 4」(以下、torne)を使用します。知っている人もいると思いますが、「torne」はもともとPS3専用で発売されていた地デジレコーダーキットに内蔵されていたアプリケーションのこと。この「torne」が、PS4対応になったのが「torne PlayStation 4」です。ちなみに、PS3の地デジレコーダーキットをPS4で使うことはできません。
PS4で「torne」をダウンロードし、「nasne」をセットアップ。これもまた、手順どおりに進めるだけの簡単作業で数分で終わります。「torne」では、ブルーレイレコーダーと同じように番組表から録画番組を選んだり、番組をジャンルやキーワードで検索することが可能。PS4のプロセッサーが高性能なので、自宅のブルーレイレコーダーと比べると、UIのレスポンスがめちゃくちゃ速く、番組表のカーソルが動くスピードは段違いでした。
自宅のブルーレイレコーダーだけかもしれませんが、リモコンのボタンを何回押しても画面のカーソルは反応なし。数秒後に押した回数が一気に反映され、カーソルが思いもよらぬ場所まで移動してしまうなんてことがあり、イライラさせられることもありました。その点、「nasne」はレスポンスが速いので、ストレスフリーで使えます。1チューナーしか搭載していないため、複数番組の同時録画は行えませんが、レコーダーとしての機能性は十分です。
「nasne」の設定方法は以下から確認できます。
PS4でPS Storeにアクセスして「torne」をダウンロード。価格は無料
インストールした「torne」を起動したら、すぐに初期設定が開始されます。○ボタンを押して次へ
先ほど接続した「nasne」が使用デバイスとして表示されるはずなので、カーソルを合わせて○ボタンを押します。ここに表示されない場合は、「nasne」がインターネットに接続されていない可能性があるため、ブロードバンドルーターにきちんと接続されているか確認してください。もちろん、大前提として「nasne」の電源がオンになっていないと表示されません
ここでは「nasne」の名前を設定できます
次にチャンネルスキャンを行いますが、レビュー時はチャンネルスキャン済みでした
次の画面では「torneオンラインサービス」の登録の有無を尋ねられます。オススメ番組や、「torne」ユーザー対象のアンケート、Twitter連携機能、ニコニコ実況連携機能などを利用できます。無料なので、気になる人は有効にしておきましょう。もちろん、セッティング後からでも変更できます
「アクティベーションが完了しました。」というメッセージが表示されたら設定完了
これが「nasne」のホーム画面。円形に並んでいるアイコンが、テレビ・録画・番組表など各種メニューになります。見た目がシンプルでわかりやすい
ブルーレイレコーダーと同じように番組表から番組を選んで録画可能。レスポンスが非常に早く、ストレスフリーで使えるのはポイント高め
ジャンルやキーワード、放送時間帯などの細かな条件を指定して番組を検索して録画予約することもできます。一回録画や毎週録画、標準/3倍モードなどを指定可能。ただし、複数番組の同時録画は行えません
「nasne」のストレージ容量は1TBですが、ハードディスクを1基(上限2TB)接続して容量を拡張できます。最大録画件数は30000件となっており、録画した番組を残しておきたい人にも向いているでしょう
スマートフォンにアプリ「torne mobile」をインストールすれば、外出先からでも自宅の「nasne」の録画設定ができるため、見たい番組を録画し忘れたときなどに重宝します。なお、録画した番組をスマートフォンから視聴するには、アプリ内で「視聴再生機能」(税込500円)を購入する必要があります。
スマートフォンから「nasne」の操作を可能にするアプリ「torne mobile」(画像はAndroid版)
torne mobileは、PS4のtorneと同じようなUI。異なるプラットフォームのアプリでもデザインが統一されているのは使いやすいですね
録画設定や、録画番組の確認などを外出先からできるのは便利
テレビ番組を録画したいのにブルーレイレコーダーを持っていないPS4ユーザーは、「nasne」の購入を検討すべきでしょう。「nasne」は編集機能や複数番組録画に対応していないものの、ブルーレイレコーダー(1TB)がどんなに安くても3万円くらいはするのに対して、2万円ちょっとで買える「nasne」がお買い得なのは間違いなし。もちろん、値段だけを考えれば、テレビ+HDDという方法もありますが、サクサク動作に加えてスマホからでも操作できるというのは、HDDにはない利点です。
PS4を今後購入予定のユーザーも、テレビ番組を録画するなら、ブルーレイレコーダーやHDDのほかに、「nasne」という選択肢があるということを覚えておけば、余計な出費をせずとも済みそうです。
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。