レビュー
3Dオーディオやハプティックフィードバックも体験すべし

PS5独占! 死に戻りでループする「Returnal」が唯一無二の面白さ

厳しい抽選を乗り越えてようやく入手したのに遊ぶゲームがない、と悩んでいるPS5ユーザーのみなさん。ようやく、PS5でしか遊べない独占タイトル「Returnal(リターナル)」が2021年4月30日に発売されます。

これまでに発売されたPS5向けゲームは、PS4でも遊べるタイトルが多くを占めており、画質やFPS、ロード時間の向上は見られるものの、「PS5ならではの体験がしたい!」という人にはちょっと物足りなかったのではないでしょうか。しかし、「Returnal」は、PS5ならではの要素が詰まりまくったAAA級タイトルです。一体どのようなゲームなのか、レビューを通して解説します。

「Returnal」とは?

「Returnal」を開発したのは、フィンランドのスタジオ「Housemarque」です。日本ではそこまで知られていませんが、スピード感にあふれるスリリングな展開のアクションや、極彩色を多用したVFXなどが特徴で、PS4でも「Resogun」や「ALIENATION」といったタイトルをリリースしています。

このHousemarqueが、4年という長い歳月をかけて開発した渾身のタイトルが「Returnal」です。本作は、宇宙科学者である主人公のセレーナが、謎の信号に引き寄せられ、人類未到の「惑星アトロポス」に到着し、その謎を解明するというSFの世界をテーマにしています。

主人公のセレーナ。謎の信号に引き寄せられ、「惑星アトロポス」を調査することに

主人公のセレーナ。謎の信号に引き寄せられ、「惑星アトロポス」を調査することに

セレーナが惑星アトロポスに不時着したところから物語がスタートするのですが、調査開始からほどなくして、セレーナは自分自身の遺体に遭遇。そして自分自身が残したと思われるログを聞き、恐怖とパニックのどん底に突き落とされることになります。

道中でまさかの自分の遺体に遭遇。残されたログには、自分自身の声が残されていました

道中でまさかの自分の遺体に遭遇。残されたログには、自分自身の声が残されていました

惑星アトロポスには古代文明の遺跡や、未知のテクノロジーが残されており、明らかに知的生命体がいた、もしくは、いるということがわかってくるのですが、そのすべては謎に包まれたまま。先のまったく読めないストーリーに序盤から引き込まれること間違いなしでしょう。

そして、探索を続けていくと、セレーナに襲いかかってくる生命体にも遭遇します。必死で戦うものの、あっけなく死亡。すると、フラッシュバックとともにセレーナは、スタート地点である宇宙船が不時着した場所にまで戻されてしまいます。しかし、セレーナの記憶はそのまま残っており、これがゲームオーバーではなく、何らかの影響でループしているということに気づかされるのです。

死ぬとフラッシュバックを経て、スタート地点に戻ります。何度も繰り返すと、徐々にセレーナが正気を失っていってしまい……

死ぬとフラッシュバックを経て、スタート地点に戻ります。何度も繰り返すと、徐々にセレーナが正気を失っていってしまい……

このゲームは、死ぬとすべてを失いスタート地点に死に戻りします。しかも、ループするたびに、ステージは変化します。古いかもしれませんが、「トルネコの大冒険」と同様に、マップが自動生成されるローグライクのシステムを導入しており、何回やり直しても新鮮な気持ちで遊べるというわけです。

死ぬたびに変化するステージ。何度やり直しても飽きのこない設計です

死ぬたびに変化するステージ。何度やり直しても飽きのこない設計です

ただし、死んでしまってもすべてが無駄になるわけではありません。ゲームの基本的な流れは、「謎の信号にたどりつく」「特定のドアを解除する」など目標が設定されており、それを順番にクリアしてステージを進めて行き、最後にボスを倒すと次のステージへ、というようになっています。

たとえば、目標を3つクリアしたのに死んでしまったとしても、それらをすべてやり直すというわけではありません。ボスを倒して次のステージで死んでしまっても、あう装置を使うことで直前のステージまで移動することが可能です。つまり、進行状況はリセットされないというわけです。ただし、入手したアイテムや武器はすべて失ってしまいます。

何回も死ぬと、知識と経験がプレイヤーに蓄積され、それを駆使しながら進めるのが、「Returnal」の醍醐味のひとつです。いっぽうで、死ぬことを前提として作られているため、ゲームの難度は高めです。ザコモンスターでも、油断すると大きなダメージをくらってしまいますし、回復リソースも少ないため、なるべくダメージをくらわないように、かつ、素早く敵を倒すことが求められます。

道中に現れるモンスターは、大小さまざま。序盤でも油断は禁物です

道中に現れるモンスターは、大小さまざま。序盤でも油断は禁物です

マップの自動生成については、そこまで多くのパターンがあるわけではなく、何度もループしていると、同じエリアが以前とは異なるタイミングででてくることに気づきます。敵がいるエリアといないエリア、重要アイテムがあるエリア、そして大量の敵が登場するエリアなどが、自動で組み合わされているといった印象です。

これが長所でもあり、短所でもあるという感じなのです。HPが低い状態で敵がワンサカいるエリアに意図せず来てしまい、瞬殺されることもあります。これが、ボス寸前だと壮絶な絶望感を味わうことになり、筆者は数年ぶりに台パンならぬソファパンをしてしまいました(笑) 反対に、難度の高いエリアを序盤にクリアすると、その後はちょっと楽に進められます。

ステージの後半でHPが少ないときに、強敵やたくさんの敵と遭遇すると、バトルに超集中してしまいます。ここから死に戻るのは、さすがにキツいのです

ステージの後半でHPが少ないときに、強敵やたくさんの敵と遭遇すると、バトルに超集中してしまいます。ここから死に戻るのは、さすがにキツいのです

通常のゲームの場合、次のエリアは強敵が現れるから別の場所でアイテムを探そう、など戦略を立てられるのですが、「Returnal」では、それができません。そのため、探索は毎回非常に緊張感があふれるものになります。これが好きかどうかは、プレイヤーで好みが分かれるところかもしれません。

かと言って、戦略性がないというわけではありません。何度も死ぬことで、敵やボスの攻撃パターンが見え、その対策を立てて次に臨むというように、プレイヤー自身の成長を感じることができるのです。ループを重ねた末にステージをクリアしたときの喜びは、サクサク進められるゲームでは味わえない達成感があります。

ちなみに、ループ時にかかる読み込み時間は数秒のため、ストレスフリーです。これは、PS5に搭載されている高速SSDのおかげですね。

映像とハプティックフィードバックが盛り上げるスピード系アクション

ここからは本作のアクションパートを解説します。基本はTPS(3人称視点)で、惑星アトロポスで入手できる、知的生命体のテクノロジーが詰まった銃撃系の武器を使いこなして進めます。

武器はピストルやライフル、ショットガンをベースとする近未来ウェポン。ホーミングなどの特殊効果も備えます

武器はピストルやライフル、ショットガンをベースとする近未来ウェポン。ホーミングなどの特殊効果も備えます

セレーナは科学者でありつつも、ジャンプやダッシュを駆使してめちゃくちゃ俊敏に動きます。敵の生命体は、口からエネルギー弾を放ったり、レーザーを放出したり、はたまた、近接で殴りにきたりと、多彩な攻撃でセレーナを阻止。その攻撃をジャンプやダッシュでかわしつつ、敵を撃つ、というのがアクションパートの基本です。

セレーナや敵の攻撃による弾道が青や赤などカラフルな色使いのため、弾丸が飛び乱れると、ステージがド派手に光りまくり、シューティングの楽しさと同時に、VFXの美しさも感じられます。

乱れ舞う攻撃をかわしながら、敵を撃破するのが気持ちいい。カラフルで美しいVFXもバトルを盛り上げる

乱れ舞う攻撃をかわしながら、敵を撃破するのが気持ちいい。カラフルで美しいVFXもバトルを盛り上げる

不気味ながらも、疾走感のあるビートのBGMがバトルをもりあげつつ、PS5の3Dオーディオによる包み込まれるような立体感のあるサウンドが迫力満点。敵の位置が立体的にわかるようになっており、いわゆる定位もしっかり取れます。

そして、忘れてはいけないのが、PS5のコントローラー「DualSense」に搭載されているハプティックフィードバック機能がフルに生かされていることです。歩いたり、走ったりなど足の踏み込む力が伝わってくるような振動や、高いところから着地したり、攻撃をくらったときの反動といった強い振動まで、ゲーム内の動きが非常に細かく振動で再現されています。冒頭の宇宙船が不時着するシーンでは、衝撃によって異なる機内の揺れが手に伝わってきて、これには感動するばかりでした。

PS5の「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」をプレイしたときにも驚きましたが、「Returnal」のハプティックフィードバック機能は、それを上回るレベルの完成度です。

最後になりますが、「Returnal」のアートや造形についても触れておきたい部分です。最初のステージである遺跡や、そこで発見する知的生命体の痕跡、そして未知のテクノロジーは、まるで映画「エイリアン」や「プロメテウス」を見ているかのようでした。おそらくですが、このゲームのアートディレクターの方は、アーティストのH・R・ギーガーの影響を色濃く受けているのではないでしょうか。

H・R・ギーガー臭がプンプンするオブジェクトや遺跡。ファンにとってはたまりません

H・R・ギーガー臭がプンプンするオブジェクトや遺跡。ファンにとってはたまりません

そのため、映画「エイリアン」や「プロメテウス」大好き人間の筆者にはドンピシャでした。不気味ながらもかっこいいアート、そしてじっとりとした薄気味悪い空気が漂う世界観は、スリラー系のSF作品が好きな人にはたまらないと思います。

まとめ

「Returnal」は、SFをベースとしたサイコスリラー、ローグライク、シューティングの要素がバランスよく融合した稀有な作品です。ほかのゲームにはない独特な世界観は、ぜひ体験してほしいと思います。

ただし、前述しましたが、ループを前提としているため、難度が高いです。軽い気持ちで手を出すと、心が折れてしまうかもしれません。どちらかと言うと、サクサク進められるライトなゲームが好きな人よりも、何度もやり直すほど難しいゲームに魅力を見いだせる人がハマるタイトルです。

死にゲーとして有名なフロム・ソフトウェアの「ソウル」シリーズと比べるとかなりやさしいですが、ライトなゲーマーにはチャレンジになるかと思います。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ゲーム ハードのその他のカテゴリー
ページトップへ戻る