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ついに「ドラゴンクエストXI」が発表! PS4/3DS/NXの3つでリリース

今や国民的RPGとして知られている「ドラゴンクエスト」シリーズ。そのナンバリングタイトルの11作目となる「ドラゴンクエストXI」が、ついに発表となった。今回は、その発表会のレポートをお届けしよう。

ドラゴンクエストシリーズには欠かせない、堀井雄二さんや、すぎやまこういちさんも参加した。鳥山明先生は、残念ながら欠席だった。人物は左から、「ドラゴンクエストXI」プロデューサーの齋藤陽介さん、ゲームデザイナーの堀井雄二さん、作曲家のすぎやまこういちさん、Vジャンプの伊能昭夫編集長

「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」のタイトルロゴ

「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」のタイトルロゴ

「ドラゴンクエストXI」は3つのゲーム機でリリース!

今や誰もが知っているRPGとして完全に定着した「ドラゴンクエスト」シリーズは、1986年に1作目が発売されてから2015年で29年となるが、30周年を迎える2016年に発売されることになったのが、前作「ドラゴンクエストX」から約3年ぶりとなる、ナンバリングタイトル最新作「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」だ。気になる対応機種は、異例となる「プレイステーション 4」(PS4)と「ニンテンドー3DS」(3DS)、そして発表会の最後には任天堂が開発中の次世代ゲーム機「NX」でも、とアナウンスされた。「PS4と3DSで発売します」と聞こえた瞬間は、簡単には動じないはずの取材に来ていた取材陣からもどよめきが上がったほどで、いかにサプライズだったかを物語っていた。

このスライドが登場した途端、会場がざわついた。ある意味、百戦錬磨のクリエイターたちが集っているのだが、そんな彼らをもってしてもPS4と3DSというマルチプラットフォームでの展開は驚きだ

対応機種をPS4と3DSにしたことについては、ゲームデザイナーの堀井雄二さんが「多くの人に遊んでもらいたいため」と説明。本作プロデューサーの齋藤陽介さんからは「1人で遊べる、オンラインではない形です」と、1人プレイでじっくり遊べるスタイルになると公表された。

今回公開されたのは、PS4版と3DS版の実機を用いたプレイ画面。ステージでは、堀井さんと齋藤さん、そして、「ドラゴンクエストXI」ディレクターの内川毅さんが、プレイしながら両機種の違いなどを解説してくれた。

PS4版は、リアルな等身のキャラクターが広大なフィールドを移動しつつ、見えている敵に遭遇すると戦闘シーンに入るシステム。街や草原といった場所を軽快に移動・ジャンプしたり、高い位置へハシゴを使用して登るなど、臨場感が高いことが特徴だ。もちろん、戦闘はおなじみのコマンド選択式なので、従来のファンならばすぐに遊ぶことができる。

とにかく美しい画面と質感に圧倒されるPS4版。まだ開発初期段階と思われるが、フィールドの遠くに見える滝や虹などのクオリティには恐れ入る。モンスターはフィールドを動いており、触れると戦闘に突入。ゲームエンジンには、エピックゲームズが開発した「アンリアル・エンジン4」を採用している

3DS版は上下2画面という特徴を生かし、上画面は後方視点の3D描画、下画面はシリーズを通して慣れ親しんできた2Dドット絵画面を採用。スライドパッドで操作すると上画面で、十字キーでの操作ならば下画面にメッセージが出るようになっているだけでなく、どちらで操作しても画面がリンクして動く仕組みになっていた。こちらも、戦闘シーンはPS4版と同じくコマンド選択式だ。

3DS版は、上画面が3Dで下画面が2Dという構成。下画面だけに注目すれば、初期2D画面のドラゴンクエストしかプレイしていないという人がいきなり遊んでも違和感がない

3DS版でのプレイでは、PS4版では見られなかった戦闘シーンも披露された。フィールドでは、上画面はモンスターが表示されるシンボルエンカウント、下画面は従来通りの2D画面で敵が見えないようになっており、スライドパッドでエンカウントすると斜め上から見下ろしたアングルの戦闘画面、十字キーでバトルに入ると従来通りのアングルで戦闘シーンが表示される。

スライドパッドでエンカウントしたときの戦闘シーン。デフォルメ(発表会では3DSナイズと表現された)キャラが、敵と対峙する。コマンドを入力すると、攻撃などのモーションを行うのも3D表示の特徴

ゲーム中にはイベントシーンもある。もちろん、ここでも上下画面が連動して表示される

ゲーム中にはイベントシーンもある。もちろん、ここでも上下画面が連動して表示される

この後、残念ながら欠席となってしまったキャラクターデザインの鳥山明先生より、メッセージを預かった集英社「Vジャンプ」の伊能昭夫編集長が登壇し、鳥山先生からのメッセージを読み上げた。「今回は、キャラクターデザインのネタが尽きて何度もやり直したが、全身全霊で描かせてもらった」との言葉があり、何度もやり直したというくだりでは齋藤プロデューサーが申し訳なさそうな表情をするシーンも見られた。

多忙ななか、時間を割いて描いたなど、鳥山先生の苦労が垣間見えた。代読した伊能編集長は、最後に鳥山先生のサインをカメラに披露した

さらに、ドラゴンクエストシリーズには欠かせない人物として、作曲家のすぎやまこういちさんも登場。全曲を新曲にするということで作曲数がとても多いため、「寝ても覚めてもご飯を食べているときも曲のことを考えている」とコメント。「数は多いものの、今回も期待に応えられる素晴らしい曲を作ります」と、頼もしい言葉で締めた。

ステージで、しっかり握手を交わす堀井さんとすぎやまさん。すぎやまさんの口からは、これまでにドラゴンクエストシリーズだけで数百曲を手がけたなどの話も飛び出した

齋藤プロデューサーからは、従来にないPS4と3DSというマルチプラットフォームでの発売ということで「制作陣は(PS4版と3DS上画面版、下画面版の)ほぼ3本のソフトを作っているような慌ただしさがありますが、頑張っています」との発言があった。開発規模が大きいため、PS4版が株式会社オルカと、3DS版が株式会社トイロジックと協力して制作に臨んでいるとも公表。2社とも、前作の「ドラゴンクエストX」の制作にも協力している。

気になる発売日だが、齋藤プロデューサーが「30周年内にはリリースすべく、鋭意制作中です」と発表したことで2016年には登場すると思われるが、現時点では未定だ。

PS4版は、「ドラゴンクエストヒーローズ」などで見慣れた新世代「ドラクエ」を、3DS版は慣れ親しんだ従来シリーズの延長にある「ドラクエ」を目指して作られているという印象を受けた。マップやストーリーなどは両機種とも同じということだが、ここまで見た目が違うと両方購入してプレイしたくなる人も出てくるだろう。今のところは、セーブデータが共通なのか? などの点は不明だが、このあたりも徐々に発表されていくはずなので続報を待ちたい。

大いに盛り上がった発表会の最後に、さりげなく発表されたのがドラゴンクエストXIのNX版。まだ詳細が不明な任天堂の次世代ゲーム機での発売に、あまりにもサラリと告げられたため、周りも驚いていた

「ドラゴンクエスト」シリーズ関連タイトルも盛りだくさん!

ドラゴンクエストXI以外にも、数多くの作品がプレゼンされていた。最初に登壇したドラゴンクエストシリーズのエグゼクティブプロデューサーの三宅有さんが、スマートフォン向けとしてリリースされている「ドラゴンクエストモンスターズ SUPER LIGHT」を紹介。現在、1400万ダウンロードを突破したほか、コラボカフェも展開中とのことだ。次いで、パソコン用ブラウザゲームとして稼働中の「ドラゴンクエスト モンスターパレード」が、スマートフォン向けに「ドラゴンクエスト どこでもモンスターパレード」という名前で登場したと発表。2015年の6月25日に配信を開始してから早くも200万ダウンロードを突破したということで、これからますます盛り上がっていくことが期待される。

スマートフォン向けアプリの最新作となるのが、「2015年秋ごろにお届けしたい」(三宅エグゼクティブプロデューサー)という「星のドラゴンクエスト」だ。先日発表されたばかりの新作で、特筆すべきは惑星1つを舞台としたスケールの大きさ。仲間と協力しながらプレイする、ドラゴンクエストシリーズ作品らしい仕上がりになっているのが魅力だ。

惑星スケールで物語が展開していく「星のドラゴンクエスト」。2015年秋ごろには遊べるようになりそうだ

惑星スケールで物語が展開していく「星のドラゴンクエスト」。2015年秋ごろには遊べるようになりそうだ

なお、ドラゴンクエストシリーズの最新情報を掲載している「ドラゴンクエストポータルアプリ」が500万ダウンロードを突破したことを記念して、「ドラゴンクエストIII」のセールが実施されている。2015年7月28日から8月10日まで、通常1,200円のところが30%オフの840円で購入可能だ。まだダウンロードしていないという人は、この機会にどうだろうか。

次に披露されたのは、プレイステーション 2にて発売されていた「ドラゴンクエストVIII」を3DSへと移植した「ドラゴンクエストVIII 空と海と呪われし姫君」。新規追加要素として、イベントシーンのフルボイス化、新シナリオ・新イベントの追加、音楽にオーケストラ音源を採用したほか、新しい仲間としてゲルダとモリーが登場する。また、初回生産特典・ダウンロード早期購入特典として、ゲーム内で「いにしえのロトの剣」が先行入手できるプレゼントコードが付属。いち早くソフトを手に入れて、いにしえのロトの剣を手中に収めよう!

ここでは、チェコのプラハで収録された、テレビで放映される実写CM撮影の様子も映像として流された。シリーズの実写CMは恒例で、今回も楽しみにしてほしいと映像内の堀井さんからメッセージが送られた。

楽しそうな雰囲気が、写真からも伝わってくるCM収録。テレビでの放映は、発売少し前から開始されるそうだ

楽しそうな雰囲気が、写真からも伝わってくるCM収録。テレビでの放映は、発売少し前から開始されるそうだ

先日発表されたばかりの「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」も、今回初公開の情報が数多く発表された。舞台は、竜王によって世界が支配されてしまったアレフガルド。闇に包まれてしまった世界に、数年後に少年が現れるのだが、プレイヤーは、その少年となりアレフガルドを復活させていく。世界はブロックでできており、素材を集め家や城、街だけでなく、武器や防具なども作り出せる。それらを利用して街を復興させながら、各地にはびこる敵を倒していく。「一から作り出すのは初心者プレイヤーにとっては大変なので、壊れた建物などを用意して修復するだけでも良いようにしてある」と堀井さんが語ってくれたのを聞く限り、誰でも楽しめるタイトルに完成しそうだ。PS4とPS3、PS Vitaで今冬発売予定となっている。

ブロックで世界を復興させていくだけでなく、それを利用して武器を作ったり、敵の攻撃からブロックで身を守ることも! これまでとはひと味違う「ドラゴンクエスト」の世界を楽しめる

2015年の2月にPS4・PS3用タイトルとして発売され、ドラゴンクエストシリーズの新たな世界を生み出した「ドラゴンクエストヒーローズ」。その第2作目が、早くも登場する。主人公が一新されるほか、ストーリーもまったく新しいものに。新たな歴代シリーズキャラが登場し、最大4人でのマルチプレイにも対応する。今回は1枚のイラストのみが公開となったが、そこにはマリベルとハッサンが描かれていた。また、これまでにはいなかった、バルザックやイエティなどのモンスターも見つけることができたので、新たな敵の登場も予想される。

唯一公開されたイラストには、1作目には登場していないキャラクターやモンスターたちの姿が見える。彼らは、どんな戦いを見せてくれるのだろうか

これまでにシリーズ9作品を重ね、累計出荷本数1050万本以上を記録している「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズに、最新作「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3」が登場! 今作ではすべてのモンスターに乗ることができるとのことだが、「スライムナイトのようにすでに乗っているモンスターはどうなるのか?」などの発言が飛び出し、会場を笑いに誘っていた。こちらも1枚だけキャラクター画像が公開され、耳に付けている装置や、中央に見えるキャラクターがシナリオと密接に関係していると紹介された。発売予定は「ドラゴンクエストビルダーズ」より後になるものの、そんなに遅くない時期ということで、楽しみに待ちたい。

新キャラクターと一緒に中央に描かれているのは、モンスターではなくキャラクターとのこと。彼を助けたりする、との発言が堀井さんから飛び出したが、果たして真実は!?

アーケード用タイトルとして紹介されたのが、「ドラゴンクエスト バトルロード」の流れを汲んだ「ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー」。親子で楽しいんでほしいタイトルとして開発されており、その名前の通り「モンスターのカードをスキャンして、バトルさせる」ゲームとのこと。開発を手がけるのは、カプコンの「モンスターハンター スピリッツ」などにも関わるマーベラス。キッズ向けの開発運営ノウハウを持っていることから、本作の完成度にも大いに期待できるだろう。

主人公の左手にはカード、右手には剣らしきものが見える。ここでも、堀井さんが秘密情報をポロリ(笑)

主人公の左手にはカード、右手には剣らしきものが見える。ここでも、堀井さんが秘密情報をポロリ(笑)

関連タイトルのトリを務めたのは、「ドラゴンクエストX」。最新情報として、3DS向けに無料体験版の配信が決定したと発表された。ただし、サーバーの能力が大きく関係するので、そこを考慮しながらダウンロード番号を発行していくとのこと。

そして、サプライズ発表となったのが、PS4版の開発表明だ。齋藤プロデューサーによると、ソニー・コンピュータエンタテインメントとの協力が不可欠ということで、調整をしながら開発を進めているとのこと。詳細発表はもう少し先になりそうだが、楽しみに待ちたい。

3DSの無料体験版や、PS4での開発表明など、まだまだサプライズが尽きない「ドラゴンクエストX」

3DSの無料体験版や、PS4での開発表明など、まだまだサプライズが尽きない「ドラゴンクエストX」

音無 欒
Writer
音無 欒
主にコンシューマ&ソーシャルゲームの記事を手がけるMac好きIT系ライター。ゲーム歴は40年弱。80年代のマイコン弄りや深夜アニメなどが元気の素。
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山野 徹(編集部)
Editor
山野 徹(編集部)
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。
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