あれこれ通信

PS4飛躍の年とのコメントも出た「PlayStation Awards 2015」をレポート

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初代プレイステーションが発売された1994年12月3日を記念して、毎年12月3日に開催されている、ヒットしたプレイステーション関連タイトルの授賞式「PlayStation Awards」。今年も、昨年同様に東京・品川の新高輪プリンスホテルにて行われ、数々のタイトルが受賞した。その様子を、じっくりとお伝えしよう。

東京・品川の新高輪プリンスホテルにて行われた「PlayStation Awards 2015」

東京・品川の新高輪プリンスホテルにて行われた「PlayStation Awards 2015」

新たに2つの賞が加わった「PlayStation Awards 2015」。冒頭には、PS4好調とのコメントも

2015年12月3日、品川の新高輪プリンスホテルにて「PlayStation Awards 2015」が開催された。「PlayStation Awards」は、クリエイターへの創作活動に敬意を表しヒットしたタイトルへと賞を授与する、1994年12月3日にプレイステーションが誕生して以来、毎年開催されているイベントだ。今年も記念すべき12月3日に行われたが、昨年までの部門に加え、新たに「PlayStation Network Awards」「アジア特別賞」という枠が設けられた。「PlayStation Network Awards」は、PlayStation Networkでの売り上げ上位3タイトルに、「アジア特別賞」はアジアビジネスに貢献した3タイトルに、それぞれ贈られる。

YouTube Liveとニコニコ生放送での中継が行われるなか、イベントはSCEJAのプレジデント盛田厚氏の挨拶から始まった。最初にPS4の売り上げに言及し、2015年10月1日の価格改定によって5,000円安くなったPS4は、全世界での販売台数が2015年11月22日時点で3000万台を突破。国内販売も、2015年10月11月の販売が昨年と比べて3倍になるなど、売り上げが加速していることを明らかにした。PS Vitaも、2015年9月17日に発売されたカラーバリエーションが好評で、こちらも同じく昨年の実売数を上回っているとのこと。それらはすべて、各社が良いタイトルを出してくれたからとコメントし、礼を述べて壇上を後にした。

SCEJAのプレジデント盛田厚氏

SCEJAのプレジデント盛田厚氏

各賞ごとの受賞タイトルとコメントを、詳細に掲載!

ここからは、各賞ごとに分けての受賞タイトルが発表された。最初は、ユーザーの投票で決定するユーザーズチョイス賞。ジャパン部門5タイトル、アジア部門5タイトル枠が用意され、ジャパン部門は「メタルギア ソリッド V ファントムペイン」「グランド・セフト・オートV」「Bloodborne」「ウィッチャー3 ワイルドハント」「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」が、アジア部門は「The Witcher 3:Wild Hunt」「メタルギア ソリッド V ファントムペイン」「グランド・セフト・オートV」「龍が如く0 誓いの場所」「Bloodborne」となった。ただし、残念ながら「グランド・セフト・オートV」で受賞を果たしたロックスター・ゲームスの関係者は、日程が合わなかったということで出席できず。トロフィーは後日、送られることとなった。

ユーザーの投票で決定するユーザーズチョイス賞

ユーザーの投票で決定するユーザーズチョイス賞

次は、アジア特別賞。選出された3タイトル「Witcher 3:Wild Hunt」「グランド・セフト・オートV」「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」の代表が、SCEJAデピュティプレジデントの織田博之氏よりトロフィーと目録を手渡され、それぞれコメントしてくれた。「Witcher 3:Wild Hunt」のCD PROJEKT RED開発トップであるADAM BADOWSKI氏は「賞をいただいたことを光栄に思っていますし、アジアのみなさまにタイトルを好きになってもらえたことを非常に嬉しく思っています。われわれのゲームはウェスタンRPGと呼ばれているのですが、アジアのみさなまに好かれていたことを今回スタジオを代表して感謝したいと思います。ありがとうございました」。

スクウェア・エニックス「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」プロジェクトマネージャーの野口ショーン氏は「アジアでは中国本土で初めての試みとして「最終幻想」として発売し、好評を得ることができました。今後も、このような賞をもらえるよう頑張っていきたいと思います」とのことで、両名ともにじみ出るうれしさを隠さない笑顔が印象的だった。

CD PROJEKT RED開発トップADAM BADOWSKI氏

CD PROJEKT RED開発トップADAM BADOWSKI氏

スクウェア・エニックス「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」プロジェクトマネージャー野口ショーン氏

スクウェア・エニックス「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」プロジェクトマネージャー野口ショーン氏

PlayStation Network Awardに選ばれた3タイトルは「Minecraft」「ファンタシースターオンライン2」「ファイナルファンタジーXIV」。ここでは、日程の都合がつかず「Minecraft」の発売元Mojang ABの関係者が欠席だった。セガゲームス「ファンタシースターオンライン2」プロデューサーの酒井智史氏が「PSO2は4年目を迎え、来年からはテレビアニメ化、そしてエピソード4という大型アップデート、PS4でのサービスも控えています。2016年はプレイステーション4と一緒に盛り上がって、再びここに立てるよう、新鮮な驚きを与えるよう頑張っていきます」と、スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏は「酒井さんとコメントが被っていて、どうしようかと思っています(笑)。たまにマイナスの修正があったりしてお叱りを受けることもありますが、今後もみなさんとともに歩みたいと思っていますのでよろしくお願いします」と、それぞれコメントを残した。

セガゲームス「ファンタシースターオンライン2」プロデューサーの酒井智史氏

セガゲームス「ファンタシースターオンライン2」プロデューサーの酒井智史氏

スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏

スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏

50万本のゴールドプライズと100万本のプラチナプライズ

ここからは例年通りの賞となる、ゴールドプライズとプラチナプライズの発表へと移った。ゴールドプライズは、日本とアジアでの累計の出荷・販売本数が50万本を超えたタイトルに贈られる賞で、PS4やPS3などと複数プラットフォームの同一タイトルは合算した数値として数えられている。

ゴールドタイトルは5タイトルあり、1本目はバンダイナムコエンターテインメントの「GOD EATER 2 RAGE BURST」。シリーズプロデューサーの富澤祐介氏と総合ディレクターの吉村広氏が登壇し、トロフィーと目録を受け取った。受賞のスピーチとして富澤氏は「前作に続き賞をいただけてうれしいが、今作はチャレンジもありました。1つは、この作品で初めてアジア展開をするために国内版と同時期開発を行い、結果としてアジアでも多くの人に支えてもらえました。もう1つのチャレンジは、PS Vitaに加えてPS4での開発も同時に行い、クロスプレイも実現したことです。これによって、PSフォーマットの大勢のユーザーに遊んでもらうことができました。

今年、シリーズ5周年を向かえるにあたり、2月のタイトル発売に続きテレビアニメ放映など、さまざまな取り組みを行った年でした。これから6年目、そしてこの先10年を目指して、まだまだがんばっていきたいと思います」。吉村氏は「爽快なアクションを、シリーズを重ねるごとに常にチャレンジし続けてきました。今作ではより挑戦的なシステムを導入したものの、最初は敷居の高さからお叱りも受けました。しかし、それを受けて作った結果、多数の支持をもらえたのが嬉しいです。これからも挑戦し続けるタイトルとして、せいいっぱいがんばります。」と、それぞれ胸の内を語ってくれた。

左が富澤氏、右が吉村氏

左が富澤氏、右が吉村氏

次のゴールドプライズ受賞タイトルは、「ワンピース海賊無双3」。同じくバンダイナムコエンターテインメント・プロデューサーの中島光司氏と鯉沼久史氏が賞を受け取り、スピーチを行った。「長年続けてこられたのは、関係者だけでなく遊んでくれたユーザーの皆さんがあってこそです。この場を借りて、「海賊無双」シリーズを愛してくれたことにお礼を申し上げます」との中島氏に続き、「1作目と2作目はPS3とPS Vitaでしたが、今作はPS4も対応ということでいろいろなチャレンジをしてきました。今後も偉大な賞をもらえるよう、ぜひ応援よろしくお願いします」と鯉沼氏が語り、ステージを後にした。

左が中島氏、右が鯉沼氏

左が中島氏、右が鯉沼氏

受賞3タイトル目は、「龍が如く0 誓いの場所」。セガゲームスの取締役・名越稔洋氏とチーフプロデューサーの横山昌義氏が、それぞれトロフィーと目録を受け取った。名越氏は「10年前の12月に1作目「龍が如く」が発売され、そのときは“自分の思ったものを作れた”と思っていました。それが、1年に1作のペースで作り続けるという、背筋の寒くなるようなスケジュールとの戦いの出発点とは当時想像していませんでしたが、それを乗り越えて10年経ってここに立っているのは事実であり、そして幸せだと思っています。本当にうれしいです」とスピーチした。

セガゲームスの取締役・名越稔洋氏

セガゲームスの取締役・名越稔洋氏

ゴールドプライズ4タイトル目として発表されたのは「Bloodborne」。フロム・ソフトウェアのディレクター宮崎英高氏と、SCEプロデューサー山際眞晃氏がトロフィーと目録を受け取り、山際氏がスピーチをしてくれた。「売り上げ関連のイベントは縁がないので、緊張しています(笑)。いつものことながら、作っていくうちに暗くて売りにくそうなものになってしまい深く反省しているのですが、それでも買ってもらえてありがたいです。僕自身こういう場に立つとは思わなかったので、本当にうれしいです」と、“慣れていない感”を出しながらも見事に大役を果たした。

フロム・ソフトウェアのディレクター宮崎英高氏

フロム・ソフトウェアのディレクター宮崎英高氏

もう1タイトルは、ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」だったが、こちらは前述のように関係者の日程が合わなかったため、残念ながらスピーチはなかった。

累計生産出荷数(配信数)が100万枚(DL)を超えたタイトルに贈られるプラチナプライズを受賞したのは、3タイトル。そのうち、Mojang ABの「Minecraft」は、こちらも前述の通り関係者欠席のためスピーチなしとなった。

栄えあるプラチナプライズ2タイトル目は、コナミデジタルエンタテインメント「メタルギア ソリッド V ファントムペイン」。ここで小島監督が登場するのではと思われたが、今回登壇したのは広報宣伝本部本部長の米田恵美子氏。トロフィーと目録を受け取った後に、スピーチを行った。「力不足で大変恐縮ではありますが、お礼の挨拶を。100万本という数値を達成できたのは、ユーザーや関係者の方々のおかげです。制作者の熱い思いと情熱がいっぱいに詰まっているので、ぜひ何十時間でも、何百時間でも潜入を楽しんで遊んでもらいたいです。まだ購入していない人は、年末年始にこれを機会に遊んでもらえればうれしいです」と、かなり緊張した面持ちで語っていた。

コナミデジタルエンタテインメントの広報宣伝本部本部長の米田恵美子氏

コナミデジタルエンタテインメントの広報宣伝本部本部長の米田恵美子氏

プラチナプライズ、そしてイベントの最後を飾ったタイトルは、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」。盛大な拍手とともにステージに現れたのは、ゲームデザイナーの堀井雄二氏とコーエーテクモゲームスのゼネラル・プロデューサーシブサワ・コウ氏、プロデューサーの小笠原賢一氏、そしてスクウェア・エニックスのプロデューサー青海亮太氏の4名。登壇中、E3の会場で堀井氏とシブサワ氏が「いつか一緒にゲームを作ってみたいですね」と話をしたことがきっかけで「ドラゴンクエストヒーローズ」が誕生したとのエピソードが、司会進行のジョン・カビラ氏の口から語られた。

堀井氏がトロフィーを、目録をシブサワ氏が受け取ると、まずは受賞のスピーチを堀井氏が行った。「プレイステーションアワードで賞をもらうのは10年ぶりです。「ドラゴンクエストヒーローズ」は、登場人物がしゃべるというとても挑戦的な作品でしたが、アジアと日本で100万人以上に遊んでもらえて感謝しています。来年は「ドラゴンクエスト」シリーズ30周年なので、これをきっかけに歴代のシリーズも一緒に遊んでもらえるとうれしいです」とコメント。続いてシブサワ氏が「堀井さんと一緒に作った作品が賞をいただけるということで、非常にうれしく思っています。開発を担当したωフォースの全力を出し切って作ったタイトルが、高い評価を受けたのもうれしいです。現在は、次回作『ドラゴンクエストヒーローズ2』で全力を出し切って作っているので、ぜひご期待いただければと思います」と、しっかり次回作の宣伝をして受賞のコメントを締めた。

「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」でプラチナプライズを受賞

「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」でプラチナプライズを受賞

音無 欒
Writer
音無 欒
主にコンシューマ&ソーシャルゲームの記事を手がけるMac好きIT系ライター。ゲーム歴は40年弱。80年代のマイコン弄りや深夜アニメなどが元気の素。
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山野 徹(編集部)
Editor
山野 徹(編集部)
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。
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