JTは2025年5月、従来モデル「Ploom X ADVANCED(アドバンスド)」を進化させた高温加熱式タバコデバイス「Ploom AURA(オーラ)」を発売した。本モデルで吸えるスティックは、現在「EVO(エボ)」シリーズ5種類と、「メビウス」シリーズ12種類、「キャメル」シリーズ7種類の計24種類だ。
なかでも、「エボ」は「プルーム・オーラ」の発売と同時にデビューした新ブランドで、「メビウス」と「キャメル」より50円高い。とはいえ、もちろん味わいは、プレミアムなテイストに仕上がっている。ここでは、現在ラインアップされている全銘柄のテイスティングレビューをお届けする。
「プルーム・オーラ」の専用タバコスティックは、全24種類。それぞれ20本入りで、「エボ」は各550円(税込)。「メビウス」と「キャメル」は各500円(税込)
2025年5月にデビューした第4世代モデル「プルーム・オーラ」は、従来モデルとはビジュアルからしてガラッと変わり、細長いフォルムを採用している。重量も、ひとつ前の第3世代モデル「プルームX アドバンスド」の約95gから75.5gへと軽量化。物理的にもスマートになっている。
「プルーム・オーラ」。メーカー希望小売価格は2,980円(税込)
「プルーム」の高温加熱式は、2019年の誕生以来、イノベーションを重ねている
「プルーム・オーラ」最大の特徴は、「スマート ヒートフロー(SMART HEATFROW)」にある。これは加熱温度の緻密な制御により、雑味や焦げ臭さを抑えつつ、タバコ葉の香味を引き出す最適な温度を長くキープすることで、味わいの一貫性を向上させる独自技術だ。
また、「精密深絞り加工」という、ミクロン単位の精巧な楕円状のカップ構造により、タバコスティックとの接触面積が増加。加熱効率がよくなり、味わいを余すことなく引き出せるようになった。
最高加熱温度である約320度は「プルームX アドバンスド」と同じだが、温度制御のテクノロジーが向上
そして、「スマート ヒートフロー」におけるもうひとつの重要なポイントが、「ヒート セレクト システム(HEAT SELECT SYSTEM)」の搭載だ。これはタバコの味わいや吸い応えを好みに合わせて変えられる機能で、タバコ1本あたりの使用可能時間は最長約6分、本数は最高約27本吸えるように進化。「プルームX アドバンスド」と比べて、タバコ1本あたりの最長使用可能時間が1分延び、最高本数は7本増えた。
デバイスを、専用アプリまたは「コネクトブラウザ」を経由し、スマホとBluetooth接続することで、4つの加熱モードから好みのモードを選べる
「プルーム・オーラ」とスマホの接続方法の詳細は「CLUB JT」にあるが、ここでも簡単に解説しよう。
まず、スマホがiOS (iPhone)の場合は「コネクトブラウザ」を、Androidの場合は「My Ploom」をダウンロードして、それぞれBluetooth接続を行う。
iOSは写真左側の手順。Androidは右側の流れで各アプリをダウンロードし、デバイスを登録して設定を行う
アプリでは加熱モード変更のほかにも、バッテリー残量と使用可能本数の確認、接続中のプルームデバイスを素早く見つけ出す「デバイスレーダー」、誤作動を防ぐためのデバイスロックなども操作可能。「プルーム・オーラ」を使うなら、ぜひ試してほしい。
iOSにおける画面。左下の「加熱モード」をタップすると、右側の「加熱モードを選んでください」の画面に遷移してモード変更できる
なお、「ヒート セレクト システム」における4つの加熱モードを喫味の面から解説すると、最も強いのが「ストロングモード」。「スタンダードモード」と「エコモード」の喫味は同じで、「ロングモード」はやさしい味わいとなる。
「ヒート セレクト システム」の一覧表
鮮烈なデビューを果たした「エボ」。今後のラインアップ拡充にも注目だ
ここからは、「プルーム・オーラ」で吸える専用タバコスティック全種類を、実際に吸い比べていく。ぜひ参考に、好みの一本を見つけてほしい。
※以下の製品画像下の●の数は、編集部独自の評価
香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●●
「エボ・ディープ・レギュラー」は、キャラメルのようなアロマと濃密な甘香ばしさを感じられる意欲作。どっしりとしたキックの後に、ウッディーなコクが甘やかなスモークともに広がり、まるで葉巻のような喫煙体験が楽しめる。
力強いタバコ葉の旨味と、ふくよかな厚み、長く続くまろやかな余韻は満足度も高く、紙巻きタバコにも近しいボリュームがある。濃厚なレギュラータイプのユーザーは、ぜひ試すべき銘柄だ。
香り:●●●●○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●●
「エボ・シャープ・コールド・メンソール」は、キリッとしたたかなミントのフレーバーが響きながら、厳選されたタバコ葉の旨味が寄り添い、なおかつスムースな吸い応えが、優雅な気分にいざなってくれる。
ベースにはタバコ葉の旨味がどっしり。そのうえで、突き刺さるような冷涼感とまろやかな喫味がバランスよく引き立て合い、吸い終わった後も、爽やかな余韻が心地よく感じられる。
香り:●●●●●、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●●
「エボ・ベリー・クリスタル」は、上品で伸びやかなミントと濃厚な果実味のハーモニーが印象的。連想できるフルーツは、ラズベリーやカシスといった、赤や赤紫のベリー調のニュアンスだ。
ひと口で感じられるのは、甘さをともなったメンソールの清々しい爽快感と、フレッシュベリーのジューシーなアロマ。そこにタバコ葉の絶妙なコクが調和し、エレガントとも形容できる、フレーバー系カプセルメンソールに仕上がっている。
香り:●●●●○、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●○
「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」は、したたかなメンソールと完熟マンゴーの濃厚な甘酸っぱさがベース。ここにタバコ葉のまろやかなコクがマッチし、これだけでもゴージャスな喫味を楽しめるが、カプセルを潰すと、複層的な果実味が楽しめる印象的な味わいに変化する。
カプセルによって放たれるのは、マンゴーにはない青々としたブルーベリーの甘酸っぱさ。この風味が加わることで、トロピカルなフレーバーが、よりフレッシュな印象に。また、ミントの爽快なニュアンスともあいまって、南国リゾートのような、贅沢なリラックス感を演出してくれる。
香り:●●●●○、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●○○
「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」は、フレーバータイプの中でも珍しい、バナナを用いた意欲作。ベースのマンゴーは「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」と近しいものの、メンソールは少々やさしく、その分、果実味もまろやかだ。
カプセルを潰すと、バナナらしいクリーミーな面影のある香りと、アクティブな甘さ、控えめの酸味が印象的に広がり、アクティブなスイーツ感を演出。涼しげなメンソールに、ジューシーで甘酸っぱいマンゴーと、ミルキーなバナナの果実味がしっかり調和し、きわ
めてリッチなおいしさに仕上がっている。
「メビウス」の全ラインアップ
香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●●
「メビウス・ディープ・レギュラー」は、ひと口目からほんのり甘い「メビウス」特有のアロマと、重厚でボリューム感のあるコクが押し寄せる。煙感も紙巻きタバコのそれと近しく、新採用された「アクティブブレンド フォー ジャパン」の効果が感じられた。ノドへのキックも十分で、シャープな焦げ感や酸味もしっかり。
タバコらしい満足度は、「プルーム・オーラ」で吸える専用タバコスティックの中でも上位に入る。とにかく気軽に濃厚な喫味を楽しむなら、「メビウス・ディープ・レギュラー」がおすすめだ。
香り:●●●●○、コク:●●●●○、強さ:●●●○○
「メビウス・スムース・レギュラー」は、タール値の低いマイルドな紙巻きタバコ「メビウス」(旧「マイルドセブン」)に近い感覚で楽しめるレギュラータイプ。リニューアルにより、ウッディー感とまろやかな甘みが、ひとまわりふくよかになったと感じた。
また、「スムース」とは言っても、吸い終わるまで旨味が持続するので満足感は高い。これも、フワッとした焦げ臭があり、紙巻きタバコらしい味わいに設計されている。
香り:●●●●●、コク:●●●●○、強さ:●●●●○
「メビウス・アロマリッチ・レギュラー」は、上品な甘さとタバコ葉の豊かな風味が特徴だ。ウッディーなスモークテイストに、ほんのり甘香ばしいアロマが調和。ひと口目から香り高く、濃厚な味わいを最後まで楽しめる。
この特徴的な“ほんのり甘香ばしいアロマ”をあえて表現するなら、キャラメルコーンやキャラメルラテを思わせるスイーツ感。まったりとしたニュアンスが、贅沢な気分を演出してくれるだろう。
香り:●●●●○、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●●
「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」は、タバコ葉の香りと、天然メンソール100%の絶妙なバランスが特徴。そのうえで、辛めの清涼感がノドの奥にビリビリ来る、突き抜けるような強冷メンソールタイプだ。
ペパーミント的な辛みとともに、スペアミント的な甘みも入っているので吸いやすい。天然メンソールならではの自然なおいしさだが、スロートキック感はメンソールの分強く、刺激的な味わいだ。個人的には、後半にミント感が落ち着いたあたりが、タバコ味とのバランスがよくておいしいと感じた。
香り:●●●●○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
「メビウス・コールド・メンソール」は、スースー感と言うよりは、冷感がじんわりと伝わってくるクールなメンソールタイプ。ほどよい喫味と爽快感のバランスが調和している。
落ち着いた深い味わいで、ゆっくり吸うと旨味が増す印象だ。そして吸い終わった後も、スッキリとした天然メンソール100%の余韻が楽しめる。
香り:●●〇〇〇、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●○
「メビウス・ミックス・ミント・メンソール」は、前述「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」と「メビウス・メンソール・コールド」と比べると、香りやコクはやさしめ。とはいえ、清涼感と煙の量はしっかりあるので物足りなさは感じられない。キックはやわらげつつも吸い応えは抑えすぎない、完成度の高いメンソールに仕上がっている。
吸い込むと、十分なミント感で刺激されたあと、口内には適度な喫味が広がり、それらがミックスされる。そして吐くと、煙がしっかりと出るがキレはよく、心地いい爽快感を享受できる。また、メンソールの味わいに、ミント系ガムを思わせるキャッチーなジューシー感があるのも特徴。その酸味には、どこかシトラス的な爽快感もあって、フレンドリーなメンソールフレーバーが楽しめる。
香り:●●●●●、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●●
「メビウス・ブラック・コールド・メンソール」は、天然メンソール100%に加え、メンソールフィルターを採用。さらに、フィルター表面に冷感コーティングを施したことで、圧倒的な極冷メンソール感を実現している。
その味わいは実にダイナミック。タバコ葉のモルト感やウッディーなコクは控えめながら、ファーストアタックから吸い込んでリリースするまでの刺激、そして余韻まで、質と量ともにパワフルな刺激を体感できる。ピリッと鼻を突くような鋭さがあり、口から出る白いスモークも濃く、非常に鮮烈なフレーバーだ。
ここからは、カプセルメンソールタイプ「メビウス・オプション」シリーズを解説。「メビウス・オプション」は、2021年11月に「プルームX」用「メビウス」シリーズに新たに追加され、2023年3月には名称とパッケージデザインがリニューアルされた。もちろん「プルーム・オーラ」でも使用できる。
味わいの特徴は、「キャメル」シリーズでは未採用の天然メンソールを使用していること。さらに、紙巻きタバコ版「メビウス」のオプションシリーズの流れをくみ、フィルター部にはカプセルを搭載している。
なお、BAT「グロー」シリーズのカプセルメンソールとは異なり、喫煙途中で味変するためにカプセルをつぶすのではなく、加熱前の段階でカプセルをつぶしておくことが推奨されている。加熱してつぶそうとすると、蒸気熱の問題で、カプセルがはじけにくくなってしまうのだとか。
ちなみに、加熱前にフィルター部分のカプセルをつぶしてみたが、これが結構硬めなので注意!
香り:●●●●●、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●●
「メビウス・パープル・オプション」は、2025年3月のリニューアルタイミングで、「メビウス・ベリー・オプション」に名称が変更された。「オプション」シリーズは全体的に中身は変えず、名称で何味かをわかりやすく表現する方向に舵を切ったようだ。
味わいは、天然メンソールならではの“強いけれど、辛さは少ない”スッキリ爽快な清涼感が大きく広がるのが特徴。そのうえで、みずみずしい紫色のブドウのような味わいが、タバコの旨味とともにやってくる。これは、世に数あるベリー系メンソールタイプのなかでも、おいしい部類に入る味わいだ。
香り:●●●●●、コク:●●●○○、強さ:●●●●●
こちらも2025年3月のリニューアルタイミングで、「メビウス・イエロー・オプション」から「メビウス・シトラス・オプション」に名称変更。
他社のシトラス系メンソールはケミカルさを感じやすい製品が多いが、「メビウス・シトラス・オプション」はそれをまったく感じさせない。渦巻く清涼感の中で、緑や黄色の果皮を持つ柑橘類の酸味とわずかな甘みを見事に再現している。こちらも、数あるシトラス系メンソールタイプの中でも無類のおいしさを誇る。後半にメンソール感が落ち着いてくると、タバコ感が増し、より大人の味わいに変わった。
香り:●●●●●、コク:●●●●○、強さ:●●●●●
2025年3月のリニューアルにともない、「メビウス・マスカットグリーン・オプション」は「メビウス・マスカット・オプション」に名称変更となった。
黒ブドウタイプのベリーフレーバーが「メビウス・ベリー・オプション」であれば、「メビウス・マスカット・オプション」は白ブドウタイプ。「マスカット」の名称のとおり、みずみずしく弾けるフルーティーさが特徴だ。
吸ってみると、ほぼマスカットの果実そのものの風味が飛び込んでくる。ベイプリキッドはもちろん、清涼飲料水やケーキ類に至るまで、とかくケミカルな味わいになりがちなマスカットフレーバーだが、これはフルーツとしてのマスカット風味が忠実に再現されている。
果肉と果皮部分の味わいさえ立体的に感じられる繊細さや、必要以上の派手さはない抑制された味わいが、吸いやすくてウマい。ここまでリアルなマスカット味を再現できているスティックには、出会ったことがない。
香り:●●●●●、コク:●●●○○、強さ:●●●●●
リニューアルとともに「レッド」から「アップル」に名称変更して、わかりやすくなった。
1服目は、みずみずしいすりおろしリンゴのような風味。しかし、それほど強くないフレーバーだ。さらに吸ってみると、今度はリンゴの甘さがふんわりと広がって、清涼感と混じり合ってグンとおいしくなった。
後半にさしかかると、今度はタバコ葉特有の深い味わいとほんの少しの苦みが感じられ、リンゴは次第に脇役に徹するようになる。
前半はアップルフレーバーのメンソール、後半はタバコ感強めという楽しみが味わえるのに感動。また、リンゴと言えば通常甘酸っぱさが強調されがちだが、「メビウス・アップル・オプション」は酸味よりも甘みをフィーチャーした印象だ。決して派手ではないが、しっかりウマい。さすが高品質な「メビウス・オプション」シリーズだ。
香り:●●●●●、コク:●●○○○、強さ:●●●○○
「メビウス・ベイズ・オプション」という洋梨っぽい織物を表す謎の名称から、そのものずばりの「ペアー(洋梨)・オプション」に名称変更。
味わいの特徴は、洋梨の甘みや果実感を表現したみずみずしいテイスト。カプセルを潰すと、一気に洋梨の果実味があふれ出て、実にジューシーだ。柑橘やベリー系のフルーティーさとはまた違い、どこかやわらかくクリーミーで、キュートな方向性。とはいえ、子どもっぽさはなく、ラ・フランスのようにまろやかで洗練された風味である。
また、ほかのフレーバー系メンソールに比べ、酸味が控えめな分、甘みとまろやかさが印象的。そこにメンソールの爽快感や、モルティーなコクが加わり、全体としては上品なおいしさだ。爽快感はメンソールだけでよく、酸っぱい果実味は不要という人には非常におすすめできる。
「キャメル」のラインアップ一覧
香り:●●●●○、コク:●●●●○、強さ:●●●●●
「キャメル」ブランドのスタンダードレギュラー。「メビウス・リッチ」より少々マイルドだが、香ばしさの強いレギュラータイプだ。ラクダから連想されるようなオリエンタル葉特有のクセが抑えられ、都会的でシャープなレギュラーに変化している。
香り:●●○○○、コク:●●●●○、強さ:●●●○○
2023年5月に販売が終了していた「キャメル・スムース」が2025年4月に復活!
以前の「キャメル・スムース」は甘さ香るライトタバコの味わいが特徴だったが、同系統の「メビウス・スムース・レギュラー」の影に隠れがちな存在だった。
新「キャメル・スムース」が「メビウス・スムース・レギュラー」と何が違うかというと、ほんのりした甘さだ。その特徴が、「スティックシール」構造で先端を閉じたことでさらに際立っているのだ。喫味はマイルドだが、ニコチン感はピリッと来る蒸気が魅力だ。
香り:●●●●●、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●●
ノドに強烈な刺激を与えるメンソールタイプ。冷感も感じられるが、辛口メンソールのビリビリ感のほうが優勢だ。タバコ感より、メンソール感を優先で味わいたい人におすすめ。
香り:●●●○○、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●○○○
ノドにダイレクトにキック感を与える「キャメル・メンソール・フレッシュ」。ほどよい甘みのあるスペアミント系のメンソールタバコ味でバランスがいい。
メンソールの清涼感で加熱式タバコ特有のニオイは抑えてもらいたいが、味わいではタバコ感をしっかりと感じたいという人のためのひと箱だ。
香り:●●●●●、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
人気のパープルメンソールに属する、ベリー系のフレーバー系メンソールタイプ。「メビウス」同様、カラーで表現されていた「メンソール・パープル」は素直に「メンソール・ベリー」と名称が変更された。
味わいはアロマが少々強めで、ケミカルな印象。フルーティーさは、ブドウなどの果実というよりも、海外製のバブルガムやチューインガムの味に近い。
香り:●●●●●、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●○
「キャメル・メンソール・パープル」とは異なる、もうひとつのブドウ系フレーバーのメンソールタイプ「キャメル・メンソール・マスカットグリーン」は、「メンソール・マスカット」に名称を変更。元々グリーン感は感じなかったので順当な変更だ。
味わいは、酸味と少々ケミカルな白ブドウアロマが香るので、好き嫌いは分かれそう。
香り:●●●●●、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
かつていったんなくなり、2024年10月に復活した「キャメル・パープル・オプション」は「ベリー・オプション」に名称を変更。すでに「キャメル・メンソール・ベリー」が存在するが、こちらはベリー系カプセル搭載メンソールタイプだ。
吸う前に硬めのカプセルをつぶすと、広がるのは圧倒的なメンソール感で、ベリーは二の次。鼻を通り抜ける強めのメンソールに驚く。あくまでベリーは甘みと旨味を添える脇役に徹しており、いわば“パープル感のあるメンソールタバコ”に仕上がっている。
加熱式タバコ大手3社の歴史をたどると、JTはデバイスの創造もタバコスティックの開発も、後手に回った感が否めなかった。しかし、だからこそ本気の巻き返しが見逃せない。
特に2025年3月には、「メビウス」と「キャメル」を刷新し、スティックの先端を閉じる対応を行い、タバコ葉のチリを防ぐとともに、自然とゆっくり吸い込む仕様を実現して味わいの濃さも向上。加えて「プルームX アドバンスド」には「バランスドモード」を実装し、味の重厚感もアップさせた。
この先端を閉じたスティックが、思った以上にいい仕事をしていた!
そして同年5月には、「プルーム・オーラ」と「エボ」を上市。おいしさのクオリティーアップを実現し、タバコスティックのプレミアムステージを創出した。こうしたイノベーションの背景には、業界1位の「アイコス」ブランドがあることは間違いない。そして、喫味の強さという点では、レギュラー系ではむしろ「アイコス」のタバコスティック「イルマ」「センティア」を超えている部分もあると思う。
JTが狙うマーケットの立ち位置。ちなみに、インフューズドタイプの「ウィズ2」を含めれば、すでに市場で2位のシェアを築いている
レギュラー系以外でも、メンソールタイプは、JTのお家芸である天然メンソールを使用しているので、すこぶるおいしい。そして、フレーバー系メンソールタイプにも、JTならではの天然感へのこだわりがあふれているので、ケミカルさを嫌う人におすすめだ。デビューしたての「エボ」は銘柄数こそまだ少ないが、今後ラインアップは広がるはずで、引き続き目が離せない。