まったくの新製品と言うよりはリニューアル。でも、これはユーザーにとって細かいところまで手が行き届いた“うれしいリニューアル”です。
2024年でデビュー10周年を迎えた、フィリップ モリス ジャパンの加熱式タバコデバイス「アイコス」から、新モデル「IQOS ILUMA i(アイコス イルマ アイ)」シリーズが2024年3月13日に発売されました。
発売日に行われた発表会にて。新シリーズ「アイコス イルマ アイ」の全ラインアップ
新シリーズには、「アイコス イルマ アイ プライム」「アイコス イルマ アイ」「アイコス イルマ アイ ワン」の3機種がラインアップ。既存の「アイコス イルマ」シリーズとデバイスの形状や重量はほぼ同じですが、新機能がいくつか追加され、利便性が向上しています。しかもそれでいて、価格は据え置き! なお、使用するタバコスティックは、従来モデルと同じ「テリア」と「センティア」です。
左から、「アイコス イルマ アイ」6,980円、「アイコス イルマ アイ プライム」9,980円、「アイコス イルマ アイ ワン」3,980円。価格はすべて税込
2021年8月にクリーニング不要の「スマートコア・インダクション・システム」を搭載した「アイコス イルマ」シリーズが登場してから約2年半、そして2022年3月に「アイコス イルマ ワン」が仲間入りしてから約2年が経ちました。そんな従来モデルとの違いを明らかにしつつ、新シリーズの魅力を徹底レポートします。
新シリーズ「アイコス イルマ アイ」は、従来シリーズ「アイコス イルマ」と一見ルックスがほぼ同じなので違いがわかりづらいのですが、大きく4つの新機能が追加されました。
新製品発表会では、フィリップ モリス インターナショナルのヤツェック・オルザックCEO(写真右端)が来日して登壇。同氏によると、世界の「アイコス」ユーザー数は約2,860万人(2023年12月末時点)で、そのうち日本人ユーザーは850万人だとか
新機能のひとつめは、「タッチスクリーン」。必要なデバイス情報をひと目でチェックできるほか、スワイプによって直感的に操作できます。確認できる情報は以下のとおり。
・加熱ステータス(加熱中と加熱完了)
・残りの使用可能時間
・残りの使用可能本数
「アイコス イルマ アイ プライム」と「アイコス イルマ アイ」はホルダーにタッチスクリーンを搭載。ちなみに、「アイコス イルマ アイ ワン」は非搭載
2つめは「ポーズモード」。使用中、加熱を最長8分間一時停止でき、その後再開できるようになりました。これにより、「吸ったとたんに電話がかかってきて1本ムダになった」「ゲーム中に吸い始めたら、急に山場が来て手が離せなくなった」といった残念なロスを回避できるようになったわけです。
ちなみに、使用条件としては、「パフォーマンスモード」(後述)設定中であることや、使用を開始して最初の3分間または8パフに達する前であること、そしてホルダーで吸える2本のうち、1本目と2本目どちらかで1回のみ使用できることがあげられます。
「ポーズモード」は、「タッチスクリーン」で操作。4つのLEDライトが点灯し、一時停止すると同時にホルダーが振動して知らせてくれます
一時停止したい場合は、「タッチスクリーン」を上から下に向かってスワイプ。再開したい場合は、一時停止と逆方向の下から上に向かってスワイプします。なお、「ポーズモード」を使った場合、使用は14パフあるいは最大6分に制限されます(一時停止前後のすべてのパフ数を含みます。後述する「フレックスパフ」は作動しません)。また、一時停止の終了時間が近づくとホルダーが1回振動してくれるいっぽう、8分間以内に使用を再開しない場合、ホルダーの電源は切れる仕組みです。
ちなみに、「アイコス イルマ アイ ワン」は非搭載。
「タッチスクリーン」の表示例(発表会時の資料より)。「ポーズモード」の操作のほか、「タッチスクリーン」の明るさもここで調整できます
3つめは「フレックスバッテリー」。こちらは、好みのスタイルに合わせて、ホルダーのバッテリーを2つのモードから選べる機能です。「アイコスアプリ」(公式サイトから接続)と本体をBluetoothかUSBケーブルで連携させることで、アプリ上で「パフォーマンスモード」か「エコモード」かを選んで設定できます。なお、本機能は「アイコス イルマ アイ ワン」には非搭載。
「アイコスアプリ」の設定画面。設定変更は、全国に7店舗ある「アイコスストア」でスタッフにやってもらうことも可能です
バッテリーモードでは、初期設定の「パフォーマンスモード」なら最大3スティック(ポーズモードを使用しなかった場合のみ)までホルダーの連続使用が可能に。いっぽう、「エコモード」は1スティックだけ使用可能になる分、ホルダーのバッテリー寿命が最長1年間延びます(使用頻度にもよるものの、初回から「エコモード」のみを使用した場合)。なお、「エコモード」では「ポーズモード」を使用できません。
「タッチスクリーン」や一部パーツの素材以外は、基本的に従来モデルと同じ。また、バッテリーの充電サイクル(20本ごとに充電)とポケットチャージャーの充電時間(約135分で、「ワン」は約90分)も変更ありません
ちなみに、「アイコスアプリ」で設定できる項目は以下のとおり。
・フレックスバッテリーの設定
・フレックスパフのオン/オフ
・LEDライトの明るさ強/弱
・バイブレーションのオン/オフとカスタマイズ
・オートスタートのオン/オフ
・スマートジェスチャーのオン/オフ
・アイコスの名前変更
・ファームウェアのアップデート
・アイコスのリセット
・アイコスをバイブレーションで探す
最後の4つめは、「フレックスパフ」。1回のパフで吸う量や1本のスティックで吸うペースを内蔵システムが分析し、最大4回までパフの回数が増加する機能です。ちなみに、こちらは「アイコス イルマ アイ ワン」にも搭載。
「タッチスクリーン」搭載のデバイスは、追加されたかどうかをLED表示で確認可能。「アイコス イルマ アイ ワン」は機能は搭載しているものの、表示による確認はできません
なお、追加された最大4パフは初期設定の14パフと同じく、使用開始から6分間以内に使用しなくてはなりません。また、システムが自動的に使用状況を分析するため、ユーザー側はこれを設定できず、また「ポーズモード」を使用した場合は作動しません。
「アイコス イルマ アイ ワン」のみ、新機能を一部搭載。とはいえ、これまで上位モデルにしかなかったあの機能が追加!
以上が新シリーズに追加された新しい機能ですが、「アイコス イルマ アイ ワン」は3,980円と低価格な分、「タッチスクリーン」などのいくつかの機能が非搭載です。しかし、従来の「アイコス イルマ ワン」にはなかった、タバコスティックを入れたら自動で加熱開始、逆に抜いたら加熱を停止する「オートスタート/オートストップ」機能が追加されています。
「アイコス イルマ アイ」シリーズの形状は、従来の「アイコス イルマ」シリーズとほぼ同じなのは先述のとおり。サイズにおいては、「アイコス イルマ アイ プライム」のポケットチャージャーの縦幅だけ0.2mm大きくなっていますが、それ以外は全モデル変更なく、重量においても変更はありません。
外見の変更点は、サイズよりもカラーリングなどのビジュアル面が印象的
ただ、カラーリングやパーツの素材などに一部変更があり、同系色を使っていますが、全体的に「アイコス イルマ アイ」のほうが明るくポップな色が採用されています。たとえば、「アイコス イルマ プライム」の緑系の「ジェイドグリーン」は淡い青緑系の色でしたが、「アイコス イルマ アイ プライム」では「ブリーズブルー」という、より明るいイメージの配色を採用しています。
左が従来の「アイコス イルマ プライム」の「ジェイドグリーン」で、右が「アイコス イルマ アイ プライム」の「ブリーズブルー」。このカラーに限り、ポケットチャージャーのラップカバーがファブリックからシボ加工のレザー調に変更されている点にも注目です
こちらは「アイコス イルマ アイ」の「デジタルバイオレット」。ポケットチャージャーのドアカバー表面に、波のような凹凸加工が施されています
アクセサリーも「アイコス イルマ アイ」に合わせた新デザインが登場し、一部は新価格に。各モデルに合わせた、リングセット、ラップカバー、ドアカバー、スリーブなどが用意されています。
各モデルに合わせた、多彩なアクセサリーがラインアップ。好みのカスタマイズが可能です
本稿冒頭で「まったくの新製品と言うよりもリニューアル」と述べましたが、8分間の一時停止機能「ポーズモード」や、最大4パフ多く吸える「フレックスパフ」など、タバコスティック1本1本を無駄なく吸えるようになったのが「アイコス イルマ アイ」シリーズの最大のリニューアルポイントと言えるでしょう。
吸い応えや吸い味などはこれまで同じ
デザイン面は従来モデルを踏襲しているとはいえ、機能面は「ユーザーがあればいいのにな」と望んでいた機能を追加しているからこそ、「うれしいリニューアル」と断言できるのです。タバコスティックを無駄なく吸えるようになったことでランニングコストが多少下がるため、買い替えを検討している人は早めに買ったほうがその分お得なのは間違いありません。
10周年ということで、2024年はタバコスティックの新フレーバーや、「アイコス イルマ アイ」の限定デザインモデルにも注目です
ちなみに、本シリーズはまずは公式のオンラインストアや全国の「アイコスショップ」「アイコスコーナー」で先行発売。コンビニエンスストアやタバコ取扱店での販売は2024年4月16日からです。