加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー」シリーズ専用のタバコスティックの中でも人気なのが、「ラッキー・ストライク」だ。
今回、その「ラッキー・ストライク」から、「ラッキー・ストライク・トロピカル・スイッチ」と「ラッキー・ストライク・ベリー・スイッチ」というカプセルメンソールタイプが登場。以前よりカプセルメンソールタイプはラインアップされていたが、今回の新作は、始めは「メンソールタイプ」だが、カプセルを潰すと「フレーバーメンソールタイプ」に切り替えられる新タイプだという。従来タイプとどのように違うのかを、実際に吸って確かめてみた。
BATジャパン「ラッキー・ストライク・トロピカル・スイッチ」(左)と「ラッキー・ストライク・ベリー・スイッチ」(右)。2025年2月10日に発売され、20本入り各430円(税込)
まずはデバイスの話からおさらい。
2023年末に登場した「グロー・ハイパー・プロ」と2024年に登場した「グロー・ハイパー」は、最大加熱温度300度の「HEATBOOST(ヒートブースト)テクノロジー」を搭載。先端が閉じられており、タバコ葉がこぼれない「StickSeal(スティックシール)テクノロジー」採用のタバコスティックを使用すれば、メンテナンスフリーで、かつ強烈な喫味が楽しめる。もちろん、従来モデルから搭載されている「加熱温度の強弱(「スタンダード」/「ブースト」)の切り替え」も健在だ。
現在発売中の「グロー・ハイパー」用タバコスティックは、従来モデルとの互換性はあるものの、新構造のデバイスに合わせて味が調整されているので、スティックの実力を体験するには「グロー・ハイパー・プロ」と「グロー・ハイパー」(2024年モデル)を使用しよう。後者の「グロー・ハイパー」は、メーカー希望小売価格が2,480円(税込)だが、キャンペーンで値引きされることが多いので、入手タイミングは見極めたい。
今回レビューに使用した機種は、ブランドキャンペーン「Live Life in Color」第2弾となる「グロー・ハイパー エメラルドグリーン」。メーカー希望小売価格は2,480円(税込)。2025年2月17日より全4色で発売中
現在、BATジャパンは、「ネオ」「ケント」「ラッキー・ストライク」の3シリーズのスティックを展開しているが、加熱式タバコ用スティックとして、400円台という業界最安値を誇るのが、「ラッキー・ストライク」シリーズだ。ランニングコストを考えれば、それだけで大きな魅力である。
「ラッキー・ストライク」は、「マールボロ」とともに二大アメリカンタバコとして“古きよき時代”から人気を二分してきた銘柄。その加熱式タバコ用スティックは、ロースト風味で雑味(タール感)をしっかりと残したタバコ味の濃さと、吸い心地のキツさを紙巻きタバコから引き継いでいる。ニオイがそれなりに強めなところも紙巻きタバコ風だ。
現行ラインアップは、レギュラー系3種、メンソール系2種、フレーバーメンソール系1種、カプセルフレーバーメンソール系3種。そこに、新たにスイッチ型カプセルフレーバーメンソール系2種が加わって計11種類で展開される。
ラインアップには元々、「ラッキー・ストライク・トロピカル・ブースト」「ラッキー・ストライク・ベリー・ブースト」があった。今回の新作との違いはどこにあるのか。
パッケージから「トロピカル・ブースト」と「トロピカル・スイッチ」のスティックを両方取り出してみた。見た目からは色以外で区別は付かず、フィルターに仕込まれたカプセルを潰して味変するのも同じだ。
しかしながら、ニオイをかいでみると違いがわかった。「トロピカル・ブースト」は箱を開けた瞬間にふわりとトロピカルな風味がするのだが、「トロピカル・スイッチ」はメンソールの清涼感しか感じられないのだ。同じ「トロピカル」風味でも、「トロピカル・ブースト」は最初から南国風味が少々あり、カプセルを潰すことで、南国風味がさらに濃厚になる。いっぽうで「トロピカル・スイッチ」は、最初はシンプルなメンソール味そのもので、カプセルを潰して初めてトロピカルな味わいが登場するという。ずいぶんとニッチな違いを商品化したものである。
見た目は従来のカプセルフレーバーメンソール系とまったく同じ
中身の構造も同じ
そんなニッチな変更で、正直そんなに差が出るものなのかなと疑問に思いながら、実際に吸って確かめてみた。
似て非なる「トロピカル・ブースト」と「トロピカル・スイッチ」、「ベリー・ブースト」と「ベリー・スイッチ」の違いをチェック!
「ラッキー・ストライク・トロピカル・スイッチ」。ロゴが中央にあり、「黒」が使われていないので、パッケージの印象は「ブースト」とずいぶん異なる
従来品「トロピカル・ブースト」を改めて吸ってみると、カプセルを潰す前でも南国風の香り立ちがあることがわかる。メインはスペアミント系の甘みのある控えめなメンソール味だが、トロピカル味も弱めだがちゃんといる。
新作「トロピカル・スイッチ」は、最初は本当に純粋な辛口ペパーミント系メンソール。喉奥にピリピリくる辛さで、トロピカル感はまったくない。
カプセルを潰してみると、辛口メンソールにふんわりマンゴー感のあるトロピカルな甘みと香りが加わってきた。「トロピカル・ブースト」に比べると爽やかだが、その一気に変わるコントラストが楽しい。
最初は、喉奥に唐辛子のような刺激が来る超辛口メンソール。吸い始めの蒸気の熱との相乗効果により、舌先がビリビリと強く刺激されるので要注意だ。
カプセルを潰した後は、まろみのあるおいしいトロピカル風味が現れ、若干甘みも出てくる。この甘みは旨味にもつながるいい甘みで、蒸気も濃厚になってウマい。
「ラッキー・ストライク・ベリー・スイッチ」
従来品「ベリー・ブースト」は、最初ほんのりベリーで、カプセルを潰すと熟した紫色のジューシーなベリー味が濃厚に襲ってくる、人気が高いベリーメンソール製品だ。
いっぽう、「ベリー・スイッチ」は、ずいぶんとキャラクターが異なるようだ。
最初は、鼻がスッと通りそうな辛口ペパーミント系メンソールなのは「トロピカル・スイッチ」と同じ。ただ、カプセルを潰した後も、酸味は感じるものの、スースー感と相まって、ジューシーさは強くない。「ベリー味」と言われればそうなのだが、「ベリー・ブースト」に比べると、薄味で少々ケミカルさが目立ってしまう微妙な味わいに……。
最初は、喉奥に唐辛子のような刺激が来る辛口メンソールなのは「トロピカル・スイッチ」と同じ。カプセルを潰した後も、その印象が拭えず、ベリーが弱め。ただ、「スタンダードモード」に比べれば、だいぶベリー味は感じられるものの、ケミカル感がちょっと気になってしまうのがやはり惜しい。爽やかな喫味ではあるのだけれど……。
「スイッチ」は基本、辛口メンソール。喫煙時間後半に出てくる嫌な酸味をフレーバーでマスキングすることが目的のような味仕立てだ
「ラッキー・ストライク・トロピカル・スイッチ」は、素直な強メンソールからトロピカル風味へのコントラストがよい仕事をしていると思った。
対して「ラッキー・ストライク・ベリー・スイッチ」は、ベリーメンソールならではの甘酸っぱさが物足りない、爽やかな仕上がり。これは好みが分かれるだろう。
したがって、「スイッチ」を選ぶべき人は、あくまで辛口メンソールが好きで、濃厚さや甘みは二の次でいい人。その味の割合は、よく見るとパッケージのカラーでも表現されている。「ブースト」はフレーバーカラー一色でかつ濃厚だが、「スイッチ」はメンソールのグリーンがメインで、スイッチ後にほんのりフレーバーが加わるイメージ。そのくらい味の濃度に差があることをわかったうえで試してみてほしい。
●取材協力:BATジャパン