レビュー

「グロー」の完成形か!? 5秒で吸える史上最強喫味の最新作「グロー・ヒーロ」をいち早く吸ってみた

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(以下、BAT)の加熱式タバコデバイスと言えば、近年は「グロー・ハイパー」シリーズだったが、2025年6月9日、従来スティックとの互換性のない、まったく新しいシリーズとして「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」が宮城県で先行発売された。

2016年末の初代「グロー」登場(当時も宮城県先行発売)から見つめ続けてきた筆者が、その進化のほどをレビューする。

BATの新・加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」(税込3,980円)。2025年6月9日より宮城県仙台市内の主要コンビニエンスストアと、宮城県在住者限定で「glo公式オンラインサイト」で販売。初代「アイコス」の加熱ブレードのような、タバコ葉を直加熱する中心加熱方式を採用している。従来の「グロー・ハイパー」シリーズと互換性のない新・専用スティック「virto(ヴァルト)」は8種類で展開

BATの新・加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」(税込3,980円)。2025年6月9日より宮城県仙台市内の主要コンビニエンスストアと、宮城県在住者限定で「glo公式オンラインサイト」で販売。初代「アイコス」のブレードのような、タバコ葉を直加熱する中心加熱方式を採用している。従来製品と互換性のない新・専用スティック「virto(ヴァルト)」は8種類で展開

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BATの従来モデルとはまったく異なる加熱式タバコ「グロー・ヒーロ」

2016年に宮城県仙台市で在住者限定発売を開始した初代「グロー」。2017年10月には全国で発売されたが、細身のスティックが特徴で、決して喫味の強い製品ではなかった。その後、2020年に互換性を廃した太い専用スティックを使用する「グロー・ハイパー」が登場。2024年末からは加熱構造を見直して、最高加熱温度を300度まで高めた「グロー・ハイパー・プロ」「グロー・ハイパー」(2025年)を投入して一気に喫味を強め、人気を博している。

そうしたなか、さらなる喫味の大進化を遂げて登場したのが、「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」である。驚いたのは、初代「アイコス」の加熱ブレード(※現在は内部金属片の誘導加熱)と同じように、タバコ葉にピン型クオーツを直挿しして、「グロー」史上最高の約370度の超高温加熱を行う「Turbostart(ターボスタート)テクノロジー」を採用したことだ。

「グロー・ハイパー」シリーズは太くて短いボディだったが、「グロー・ヒーロ」は薄くて長いボディを採用。高級感のあるデザインも好印象だ。ちなみに、名称「ヒーロ」は太陽の光の輪「halos」やあいさつの「Hello」を語源とする造語だとか

「グロー・ハイパー」シリーズは太くて短いボディだったが、「グロー・ヒーロ」は薄くて長いボディを採用。高級感のあるデザインも好印象だ。ちなみに、名称「ヒーロ」は太陽の光の輪「halos」やあいさつの「Hello」を語源とする造語だとか

フォルムのよく似たPMJ「アイコス イルマ アイ ワン 」(写真右)のサイズは、30.6(幅)×16.4(奥行)×121.4(高さ)mm/73gに対し、「グロー・ヒーロ」(写真)のサイズは、30.3(幅)×16(奥行)×123.4(高さ)/75g。その差はほとんどない

フォルムのよく似たPMJ「アイコス イルマ アイ ワン 」(写真右)のサイズは、30.6(幅)×16.4(奥行)×121.4(高さ)mm/73gに対し、「グロー・ヒーロ」(写真)のサイズは、30.3(幅)×16(奥行)×123.4(高さ)/75g。その差はほとんどない

中にピンが見える!

中にピンが見える!

スティックを周囲から加熱する「周辺加熱式」を頑なに採用してきたBATの歴史が、従来機種との2回目の互換性排除を行い、大変化。当然のことながら、従来のスティックは使用できず、新たなる専用スティック「virto(ヴァルト)」を使用する必要がある。

わずか5秒で加熱を完了する「ターボスタート・テクノロジー」

「グロー・ヒーロ」の核心機能が「ターボスタート・テクノロジー」だ。赤外線と、熱が伝わりやすいクオーツを使用した二重加熱で、加熱式タバコ史上最高速の「わずか5秒」で吸い始められる。紙巻きタバコとライターを取り出して、火がしっかりつくようにスパスパしているのと同じくらいの短時間だ。

5秒で一服を始められる「ターボスタート・テクノロジー」のイメージ図

5秒で一服を始められる「ターボスタート・テクノロジー」のイメージ図

「グロー・ハイパー」シリーズでは、加熱の速い「ブーストモード」でも吸えるまで15秒待っていたことを考えると、本モデルの5秒はとてつもない速さ。「グロー・ハイパー・プロ」でもおなじみのカラフルな「EasyView(イージービュー)スクリーン」を本モデルでも搭載しているが、加熱の進行メーターが息をのむ速さで上がっていくのは、ただただ圧巻だ。

あっという間に吸える状態に! すぐに一服できるこの快感はほかにはない。ちなみに上部ボタンが「ブーストモード」で下部ボタンが「スタンダードモード」

あっという間に吸える状態に! すぐに一服できるこの快感はほかにはない。ちなみに上部ボタンが「ブーストモード」で下部ボタンが「スタンダードモード」

吸う前(左)と吸った後(右)。きっちり穴が開いている!

吸う前(左)と吸った後(右)。きっちり穴が開いている!

切り開いて中をのぞくとこのとおり。上が使用前、下が使用後。粘度高く固められたタバコ葉が使用後はチャコールのような状態に。吸い口の逆側のほうだけが茶色く汚れているのがわかる

切り開いて中をのぞくとこのとおり。上が使用前、下が使用後。粘度高く固められたタバコ葉が使用後はチャコールのような状態に。吸い口の逆側のほうだけが茶色く汚れているのがわかる

1回のセッションは、「スタンダードモード」で5分10秒、「ブーストモード」で4分10秒。バッテリーはUSB Type-Cケーブル経由の高速充電により、40分で80%までの充電が可能だ。90 分でフル充電され、20本分が吸える。

また、筆者の環境では試せなかったが、新スマートフォンアプリ「mygloアプリ」との連携により、以下のようなデータの閲覧やカスタマイズができる。

【「mygloアプリ」の機能】
●使用回数のトラッキング
●セッションの長さのカスタマイズ
・「ノーマル」5分10秒/20セッション
・「ミディアム」4分/25セッション
・「ショート」3分/30セッション
●ディスプレイの“あいさつメッセージ”のカスタマイズ(漢字も可!)
●「グロー・ヒーロ」の位置情報の確認
●ロック機能

アプリ×Bluetooth接続は、加熱式タバコのトレンド

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新・専用タバコスティック「virto(ヴァルト)」を解説!

「ヴァルト」は、ブレンダーが改めて「グロー・ヒーロ」用にタバコ葉をブレンド。「グロー・ハイパー」専用タバコスティックでも実装されている、スティック先端からタバコ葉が落ちないようにフタをした「StickSeal(スティックシール)テクノロジー」を搭載しているが、そのフタを「グロー・ヒーロ」に内蔵されているピン型クオーツが貫通し、内部のタバコ葉を直接加熱するという新仕様が面白い。

「グロー・ヒーロ」とともにリリースされたのは、レギュラー×2、カプセル入りメンソール×3、カプセル入りフレーバーメンソール×3の全8種類。レギュラー以外はすべてカプセルを採用しているのも面白い。ただ、お手ごろ価格が特徴の1つだった「グロー」としては、1箱580円という価格は挑戦的!

「グロー・ヒーロ」とともにリリースされたのは、レギュラー×2、カプセル入りメンソール×3、カプセル入りフレーバーメンソール×3の全8種類。レギュラー以外はすべてカプセルを採用しているのも面白い。ただ、お手ごろ価格が特徴の1つだった「グロー」としては、1箱580円という価格は挑戦的!

「グロー・ヒーロ」×「ヴァルト」を体験!

それではワクワクしながら、「グロー・ヒーロ」×「ヴァルト」を体験してみたい。

まずは、濃厚レギュラーの「ヴァルト・ダーク・タバコ」から。スティックの挿入は穴を開ける分、抵抗感があるかと思ったが意外にもサクッとはまる。

「スタンダードモード」で吸ってみた。ボタンを1秒ほど長押しした後、本当にすぐに喫煙できるこのスピードにはビックリ。味わいは重厚で、少しだけシガー感のある味仕立て。「スタンダードモード」であるのに関わらず、重くてビリビリ来て、ニコチン特有の辛味もあるという三本柱で圧倒してきた。特筆すべきは吐く蒸気のいがらっぽさ。紙巻きを感じさせるこの辛味が実にウマい。

「スタンダードモード」でこれなら、「ブーストモード」ではどうなっちゃうのか!?

なんとひと吸い目には紙巻きでしか味わえないと思っていたあの“金属的フィール”がある! 「ヴァルト・バランスド・タバコ」ではその傾向が顕著に出た。特に「ブーストモード」では、酸味がガンと来て、ニコチンの辛味が広がるという、まさに紙巻き感が強い。ついに加熱式タバコで、紙巻きならではの味わいが少し実現できている気がして感動!

この紙巻きを思い出す味わい。これが加熱式タバコ専用エリアでも楽しめるようになるとは!

この紙巻きを思い出す味わい。これが加熱式タバコ専用エリアでも楽しめるようになるとは!

メンソール系もまたスゴい。

いわゆる"ブラメン系"冷感メンソールの「ヴァルト・アイスド・メンソール・クリック」と、辛口の「ヴァルト・メンソール・クリック」は、ストレートな清涼感を感じつつ、しっかりとしたタバコ味がドスンと来る。「ヴァルト・ミント・クリック」は「スタンダードモード」でゆっくり味わいたいと思わせるタバコ主体の清涼感を実にバランスよくまとめている。

また面白いのは、"ブラメン系"の硬派な味わいのする「ヴァルト・アイスド・ベリー・クリック」と、フルーティーなジューシーさを堪能できる「ヴァルト・ベリー・クリック」と、ベリー系を2種類に分けているところだ。

そして今回最も注目なのが、「ヴァルト・メロン・クリック」。この手のフレーバーはどうしても香料が強すぎてケミカルな印象になる場合が多いが、この製品は思ったよりも素直なメロン。上品な国産メロン(赤肉っぽい感じ)の味わいが楽しめるうえ、それがストレートなメンソール感ととてもマッチしていておいしい。こちらも「スタンダードモード」がおすすめかも。

こうした自然なタバコらしい味わいは、ケミカル感を抑えた絶妙なブレンドも理由の1つだと思うが、レギュラータイプ以外はすべてカプセル入りメンソールに統一したという点も大きいと思う。フィルターにフレーバーを染み込ませておくタイプでは香りは飛びがちだし、パッケージの中で妙な熟成香が生まれることも少なくない。潔く、すべてカプセル入りというのは正解だと思う。

ちなみに、カプセル入りメンソール愛用者の8割は、初めからカプセルを潰して吸っているという。確かに、喫煙中にカプセルを潰すのは力の入れ具合ではスティックが折れやすいし、とにかく忙しい。スティックを挿す前に潰しておけば、そうした心配もなくなるので、おすすめである。

レギュラータイプ以外をすべてカプセル入りにしたのは大成功!

レギュラータイプ以外をすべてカプセル入りにしたのは大成功!

【まとめ】これぞ「グロー」の完成形! さっさと全国発売してほしい

「グロー」は、特に「グロー・ハイパー」シリーズでは、喫味の強さが魅力の1つだったと思う。しかし、周辺加熱方式には限界があるなと思っていたところもある。周囲からいくら温度を上げても、内部でタバコ葉がくすぶってしまうのだ。それが今までの「グロー・ハイパー」の限界だったんだと思う。

とはいえまさか、タバコ葉を直接加熱する“先祖返り”を敢行するとは思いもしなかった。初代「アイコス」の加熱ブレード仕様ではタバコ葉で汚れやすかったが、「スティックシール」が採用された分、タバコ葉はこぼれなくなったし、メンテナンスもフリーに近い状態だと言える。

そして最大の成果は、「グローは喫味が強いけれど、ニオイも強い」という常識を覆したことだ。「グロー・ヒーロ」は、いぶしたポップコーン臭がほとんど感じられにくくなっており、残り香もあまりない。家族などに嫌がられる機会もこれでだいぶ減ると思うし、「加熱式タバコはどうしても特有のクセがあって苦手」という人の救世主になるはず。早めに全国発売してもらいたいものである。

「グロー・ヒーロ」のカラバリは、「ルビー」「オニキス」「サファイア」「アンバー」の4種類で展開。「サファイア」と「アンバー」は公式オンラインショップ限定販売

「グロー・ヒーロ」のカラバリは、「ルビー」「オニキス」「サファイア」「アンバー」の4種類で展開。「サファイア」と「アンバー」は公式オンラインショップ限定販売

●取材協力:BATジャパン

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清水りょういち
Writer
清水りょういち
嗜好品評論家。20年間、情報誌「月刊歌謡曲」編集長を務めた後、Webメディアを中心に執筆活動を開始。現在は買物情報サイト「特選街web」ディレクターとして活動している。「Forbes JAPAN」「ダイヤモンドオンライン」などへの寄稿多数。専門分野はタバコをはじめとする嗜好品、新商品・新技術、シェーバーなど。深い知識と鋭い視点で、商品の魅力や価値をわかりやすく解説する。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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