レビュー

最新作「グロー・ヒーロ」専用タバコスティック「ヴァルト」全8種の強烈喫味を吸い比べ!

BATジャパンは、「グロー・ハイパー」シリーズとの互換性がない、まったく新しい加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」を2025年6月9日に宮城県先行で発売した。

デバイス価格は従来モデルよりも少し高い3,980円(税込)で、同じく従来モデルとの互換性がない「グロー・ヒーロ」専用タバコスティック「virto(ヴァルト)」も、「グロー」史上最高価格の1箱20本入りで580円(税込)。はたしてそれだけの価値があるのか。全8種類のスティックの味わいを確かめてみた。

BATジャパンの新加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」のために、2025年6月9日に宮城県仙台市内の主要コンビニエンスストアと、宮城県在住者限定で「glo公式オンラインサイト」で同時発売となった専用タバコスティック「virto(ヴァルト)」(写真右下が「グロー・ヒーロ」)

BATジャパンの新加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」のために、2025年6月9日に宮城県仙台市内の主要コンビニエンスストアと、宮城県在住者限定で「glo公式オンラインサイト」で同時発売となった専用タバコスティック「virto(ヴァルト)」(写真右下が「グロー・ヒーロ」)

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わずか5秒で吸える! 新デバイス「グロー・ヒーロ」の基礎知識

従来モデル「グロー・ハイパー・プロ」および「グロー・ハイパー」は、加熱構造やブレンドを見直し、最高加熱温度を300度まで高めた。その専用スティックも、タバコ葉がこぼれないようにスティック先端を閉じた「スティックシール・テクノロジー」を採用するなど、ひと通りの進化は終わったように見えた。

そうしたなか、さらなる「グロー」の大躍進のために従来モデルとの互換性を廃して登場したのが、新・加熱式タバコデバイス「glo Hilo(グロー・ヒーロ)」だ。最大の特徴は、PMJの初代「アイコス」の加熱ブレードと同じように、タバコ葉の中心にピン型のクオーツを直接挿し込み、グロー史上最高温度の約370度で直接加熱(中心加熱)する「Turbostart(ターボスタート)テクノロジー」を採用していることである。

5分10秒使用できる「スタンダードモード」(下のボタン)か、喫味を強くして4分10秒使用できる「ブーストモード」(上のボタン)を選んで長押しで起動。わずか5秒で吸い始められる驚異の加熱スピードを実現している

5分10秒使用できる「スタンダードモード」(下のボタン)か、喫味を強くして4分10秒使用できる「ブーストモード」(上のボタン)を選んで長押しで起動。わずか5秒で吸い始められる驚異の加熱スピードを実現している

赤外線と熱が伝わりやすいクオーツの両方を使用し、タバコスティックを二重加熱する先進技術「ターボスタート・テクノロジー」

赤外線と熱が伝わりやすいクオーツの両方を使用し、タバコスティックを二重加熱する先進技術「ターボスタート・テクノロジー」

もちろん、かつての直接加熱モデルは、こぼれ落ちたタバコ葉でデバイス内部が汚れやすく、味が落ちやすく、ニオイが強いなどの問題があった。しかし「グロー・ヒーロ」では、先端を閉じたスティックにピン型クオーツを突き刺すことによって、内部のタバコ葉を直接加熱。強い喫味を得ながらも、タバコ葉がこぼれないおかげでニオイの問題も生じにくく、ほぼメンテナンスフリーを実現している。

内部にピンの形をした加熱用クオーツが見える

内部にピンの形をした加熱用クオーツが見える

スマートフォンアプリ「mygloアプリ」と連携することで、使用時間やセッション数のカスタマイズが可能

スマートフォンアプリ「mygloアプリ」と連携することで、使用時間やセッション数のカスタマイズが可能

「グロー・ヒーロ」専用スティック「ヴァルト」を解説

「グロー・ヒーロ」は加熱方式の変化にともない、従来スティック「ネオ」「ラッキー・ストライク」「ケント」は使用できず、新たに登場した8種類の専用スティック「virto(ヴァルト)」を使用する必要がある。ただ、その580円(税込)という価格設定には驚かされた。

「グロー・ハイパー」用専用スティックは一時期、フラッグシップ・シリーズの「ネオ」が2022年に最高値の540円(税込)をマークしたことがあるものの、現在は値下げして500円(税込)。それが「グロー・ハイパー」用スティックの現在の最高価格なので、一気に80円の値上げとなる。1日1箱吸う場合、30日で2,400円のコストアップだ。これは痛い。ましてや、低価格帯の「ラッキー・ストライク」シリーズなら、1箱430円(税込)なので、150円の値上げ(30日で4,500円差!)。もはや別次元の価格帯である。

使用するときは、「スティックシール」されたスティック先端を、ピン型クオーツが突き破って内部から加熱する方式。とはいえ、スティックをセットするときにこれといった抵抗を感じないのが不思議だ。シート状に成型されたタバコ葉を最高370度で加熱するため、ブレンダーが調合を見直し、強い喫味を実現したという。

では、コストアップに見合う価値が「ヴァルト」にはあるのだろうか。実際に吸って確かめてみたい。

デバイスのデビューとともにリリースされたのは、レギュラー2種、カプセル入りメンソール3種、カプセル入りフレーバーメンソール3種の計8種。レギュラー以外はすべてカプセルを搭載している。1箱20本入り580円(税込)

デバイスのデビューとともにリリースされたのは、レギュラー2種、カプセル入りメンソール3種、カプセル入りフレーバーメンソール3種の計8種。レギュラー以外はすべてカプセルを搭載している。1箱20本入り580円(税込)

上が吸う前、下が喫煙後の「ヴァルト」。左側が吸い口だ。シート状のタバコ葉が炭のような黒色に変化した

上が吸う前、下が喫煙後の「ヴァルト」。左側が吸い口だ。シート状のタバコ葉が炭のような黒色に変化した

左が吸う前、右が喫煙後。確かにしっかり穴が開いている!

左が吸う前、右が喫煙後。確かにしっかり穴が開いている!

「グロー・ヒーロ」専用タバコスティックライブラリー/「ヴァルト」全8種

ここからは実際に「グロー・ヒーロ」専用タバコスティック「ヴァルト」全8種を吸っていきたい。基本的には「スタンダードモード」での評価を中心とした。

※以下の製品画像下の●の数は、編集部独自の評価

「ヴァルト」レギュラータイプ

シガー風味の深い味! 臭くないのに紙巻きテイスト/「ヴァルト・ダーク・タバコ」

香り:●●●●○、コク:●●●●●、強さ:●●●●●

香り:●●●●○、コク:●●●●●、強さ:●●●●●

「ヴァルト・ダーク・タバコ」は、シリーズでいちばん強い吸い応えと、深い味わいが特徴。基本的に最も濃厚とされるダーク系の製品は、香料でいぶした香りを追加することが多く、そのケミカルなニオイに辟易することも多いのだが、この製品は違った。

まず、キンとした紙巻きタバコ的ジャブが来た後に、弱めのシガー・フレーバーが来るのだが、全然イヤミのない味わいに驚く。シガーブランドの作った上質な紙巻きタバコのような感覚で、深く吸い込むほどに深く広がるタバコ葉のほろ苦い旨味が楽しめる。タール値8〜10mgのようなフルボディな旨味の広がりはクセになるし、従来のダークタバコの常識を覆す味わいだ。

「グロー」と言えば、こうしたキツめのタバコ味が来た後に、加熱式タバコ特有のいぶした酸味とポップコーン臭が来ていたが、今回は激減。ニオイも格段に減って、周囲に対しても「吸っていいですか」と聞きやすいレベルになったのではないか。

「ブーストモード」にしてもそのベースは変わらないが、ひと吸い目に紙巻き特有のキンとした雑味(タール風味)のパンチがある。この感覚は、紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えて久しい人にとっては、きっと懐かしい感覚を呼び起こされるはずだ。

紙巻きタバコと一瞬錯覚するひと吸い目の罪深いタール感/「ヴァルト・バランスド・タバコ」

香り:●●●○○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○

香り:●●●○○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○

ひと吸い目の紙巻きタバコのような、キンとしたニコチンとタールのような雑味の感覚に驚く「ヴァルト・バランスド・タバコ」。酸味とともに生み出されるまろやかさと、ニコチンの辛味が特徴のタール値6〜7mgのマイルドな紙巻きタバコの中でも、バニラ香がほんのり香るタイプの味わいを見事に再現している。

吐き出す蒸気もきちんといがらっぽく、これも紙巻きフィール。それでいて、そのニオイは半径50cm程度に留まっていそう。周囲にはニオイをあまりまき散らさずに、自分は喫味を強烈に感じるというミステリアスな喫煙空間を生み出す。

「ブーストモード」で味わうと、ニコチンの辛味が増し、ますます紙巻き感が高まった。

「ヴァルト」カプセル入りメンソール

喉奥へ強烈冷感ストレートパンチを繰り出すブラメン系/「ヴァルト・アイスド・メンソール・クリック」

香り:●●●●●、コク:●●●●○、強さ:●●●●●

香り:●●●●●、コク:●●●●○、強さ:●●●●●

「ヴァルト」はレギュラータイプ以外、すべてカプセル入りで展開されている。確かに、メンソールやフレーバーをフィルターに染み込ませているタイプだと、パッケージを開けた瞬間から清涼感は劣化しはじめるので、この作戦は正解だと思う。カプセルなら、潰したときが“開けたて”ということになる。

「アイスド・メンソール・クリック」は、いわゆる「マールボロ・ブラックメンソール」をルーツにブームを呼んだ、ブラメン系甘さ控えめ冷感メンソール製品だ。その味わいは、喉奥への冷感ストレートパンチから、一気に強制クールダウンする本格派。その後に追いかけてくるタバコ葉の旨味とメンソールの苦味がなんとも言えない満足感を与えてくれる。これ以降のカプセルタイプすべてに言えることだが、ひと吸い目だけはカプセルを潰さずに味わうと、キンと来る紙巻きフィールを堪能できるのでおすすめ。

「ブーストモード」ではニコチンのシャープな切れ味と、冷涼感が相まって、喉奥へのヒリヒリする強烈刺激が楽しめた後、ざらつく蒸気を吐き出せる。

タバコの旨味とスースー感が互角の共演!/「ヴァルト・メンソール・クリック」

香り:●●●●○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○

香り:●●●●○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○

しっかりとしたタバコ葉の旨味と苦味、そこに甘すぎないメンソールが調和する「ヴァルト・メンソール・クリック」。「ぶっといメンソール感」という表現が正しいかどうかわからないが、辛すぎない清涼感がまっすぐに喉奥に向かってくるタイプだ。

ひと吸い目でニコチンやタール感を堪能したら、カプセルをオン。一気にケミカルさのない辛口ペパーミント感が全体に広がり、ビリビリとしたタバコ葉の苦味が共演。タバコ味と清涼感のマリアージュが堪能できる。

やわらかな清涼感が癒やしのひとときを与えてくれる!/「ヴァルト・ミント・クリック」

香り:●●●○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

香り:●●●○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

マックスな刺激よりも、メンソールはあくまでタバコ葉の味わいを引き立てる存在であってほしいと願う人のための「ヴァルト・ミント・クリック」。決して刺激が弱いわけではないのだが、甘さよりもやわらかさの創出に特化した、“喉が痛くない”王道メンソールタバコの味わいが楽しめる。雑味も少なめだ。

「ブーストモード」に切り替えると、一気にニコチン感が前面に出てきて主役が交代。タバコ7:メンソール3くらいのバランスとなり、これもウマい。

「ヴァルト」カプセル入りフレーバーメンソール

ブラメン系ベリーメンソールの心意気!/「ヴァルト・アイスド・ベリー・クリック」

香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●○

香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●○

先述の「ヴァルト・アイスド・メンソール・クリック」に爽やかなベリー風味を加えた、いわゆるブラメン系の硬派な冷感フレーバーメンソール「アイスド・ベリー・クリック」。清涼感が喉にはしっかりとビリビリ届いてくるが、ベリー風味がうまくフォローして、いくぶんまろやかに味わえるところが吸いやすい。

「ブーストモード」では、紙巻きテイストがアップ。それでもベリー風味がうまく雑味をマスキングしているところが絶妙だ。ただ、時折ケミカルさを感じるときもあった。

素直においしいと感じる自然なベリーメンソール/「ヴァルト・ベリー・クリック」

香り:●●●○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

香り:●●●○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

人気の爽やかな王道ベリーメンソール「ヴァルト・ベリー・クリック」。先述の「アイスド・ベリー・クリック」と同じベリータイプでも、ジューシーさを味わいたいならこちら。甘酸っぱいベリーならではのフレーバーに、ほどよく追加されているタバコ味がスパイシーに彩る。

この製品では、「ブーストモード」で吸ったほうがケミカル感がほどよく飛んでおいしく味わえると思う。

なじみのある自然なメロンフレーバー/「ヴァルト・メロン・クリック」

香り:●●●●●、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

香り:●●●●●、コク:●●●○○、強さ:●●●○○

「メロン」フレーバーと言われると、今まで素直においしいと思えたものがなかったので、ちょっと警戒しながら吸ってみた。ところが、実に爽やかなメンソールと、上質な国産赤肉メロンの香りのような、なじみのある自然なメロンフレーバーが楽しめる。タバコ味との相性がよいのにも驚き。これはブレンドの妙だろう。

「ブーストモード」でも香りはケミカルに感じないし、バブルガム感もなく、自然なまま。それでいて吐き出す蒸気は、紙巻きフィールのニコチン&タール味なのが不思議だ。

【まとめ】わずか5秒で吸える紙巻き感! 強烈なニコチン&タール感とニオイ低減で紙巻きユーザーを魅了するかも

紙巻きタバコとライターを取り出し、しっかり火をつけるためにスパスパふかして、グッと吸うのとほぼ同じく、わずか5秒でパンチのある吸い応えを楽しめるところもまた、紙巻き感覚なのだと改めて感じた。

世間的に加熱式タバコは吸えても、紙巻きタバコはNGという環境が増えるなか、切り替え先の決定版とも言うべき存在が、現時点ではこの「グロー・ヒーロ」×「ヴァルト」なのだと思う。「加熱式独特のニオイがイヤだ」「喫味が物足りない」という不満に対しては、かなりイイ線まで解消していると思う。コスパは少し悪くなったにしても、それを補う魅力はあると感じた。

問題は、まだこの製品が、宮城県仙台市内の主要コンビニエンスストアおよび「glo公式オンラインサイト」(宮城県在住者限定)でしか購入できないこと。一刻も早い全国発売を望んでいる。

加熱式タバコユーザーなら、この5秒待ちはまさに奇跡に感じるはず!

加熱式タバコユーザーなら、この5秒待ちはまさに奇跡に感じるはず!

●取材協力:BATジャパン

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清水りょういち
Writer
清水りょういち
嗜好品評論家。20年間、情報誌「月刊歌謡曲」編集長を務めた後、Webメディアを中心に執筆活動を開始。現在は買物情報サイト「特選街web」ディレクターとして活動している。「Forbes JAPAN」「ダイヤモンドオンライン」などへの寄稿多数。専門分野はタバコをはじめとする嗜好品、新商品・新技術、シェーバーなど。深い知識と鋭い視点で、商品の魅力や価値をわかりやすく解説する。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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