自宅練習に最適な静粛性に加え、空気感豊かな音を実現

ヤマハ、音がよくなった!サイレントバイオリンの新モデル「YSV104」を発表

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ヤマハは、2017年2月7日、静粛性を備えた「サイレントバイオリン」シリーズの最新モデルとして、「YSV104」を発表。4月下旬より発売する。本体カラーは、ブラウン(BR)、レッド(RD)、ブラック(BL)の3種類が用意される。いずれも価格は99,800円(税別)。このほか、製品本体に弓と特性ケース、松脂をセットにしたセットモデル「YSV104S」も用意され、こちらの価格は130,000円(税別)となる。

プロバイオリン奏者の石亀協子さんと「YSV104」

プロバイオリン奏者の石亀協子さんと「YSV104」

「サイレントバイオリン」は、楽器学習者が自宅などでの練習に使えるようにヤマハが開発した、静粛性を備えた楽器。一般のバイオリンの胴体部をなくし、駒の部分に仕込まれたピックアップによって集音した音を電気信号に変えて、ヘッドホンやアンプなどから出力する仕組みだ。1997年に初号機「SV100」が発売されてから今年で20周年を迎える「サイレントバイオリン」だが、今回発表された「YSV104」は、20周年を迎えるにあたって練習用楽器としての原点に立ち返り、練習に最適な機能や演奏性を追求して開発されたという。

「YSV104」。左から、ブラウン(BR)、ブラック(BL)、レッド(RD)の3種類が用意される

「YSV104」。左から、ブラウン(BR)、ブラック(BL)、レッド(RD)の3種類が用意される

「YSV104」の最大の進化ポイントは、音作りの要となるピックアップとプリアンプシステムに新技術「SRTパワードシステム」を採用した点。この技術は、同社の「サイレントギター」に搭載されているもので、従来製品よりも、バイオリンならではの胴鳴りの空気感や音色の変化を再現できるようになったという。具体的には、録音したアコースティックバイオリンの楽器の音の分析結果をもとに、従来の「サイレントバイオリン」で出力される音色データとの差分を計算。この差分をエフェクトとして補ってやることで、アコースティックバイオリンの音色に近い空気感を持った音が、ヘッドホンなどから出力できるというものだ。

駒の部分に仕込まれているピエゾ式のピックアップ。ここから集音された音が電気信号に変換されて、外部のコントロールボックスに送られる

外部のコントロールボックス。「YSV104」からの信号入力のほか、外部音声入力のAUX端子も用意されており、内部でミキシングも行える。出力はヘッドホン端子のみ(すべてミニフォンジャック)。ボリューム調整ダイヤルが備わるほか、サウンドタイプの切り替えスイッチと電源スイッチが備わる。電源は単三形アルカリ乾電池、あるいはニッケル水素電池×2本

また、演奏者がアコースティックバイオリンを左手で構えて演奏する場合には、楽器に近い左耳から聞こえる音と、右耳から聞こえる音は異なってくる。ヘッドホンで練習する場合に、こうした点が不自然に聞こえないように、ヘッドホンの左右チャンネルの音を最適に調整するなど、細かい点も工夫されている。これらの技術によって、サイレントバイオリンでありながらも、従来よりいっそうアコースティックバイオリンに近い、空気感の豊かな自然な音色を楽しめるようになった。

石亀さんによる試奏。騒音レベルのチェックと、従来モデルとの音の聞き比べが行われた

石亀さんによる試奏。騒音レベルのチェックと、従来モデルとの音の聞き比べが行われた

この日の発表会では、ゲストとしてプロのバイオリン奏者である石亀協子さんがデモ演奏を行い、従来製品と「YSV104」での音色の違いをイヤホンで聞き比べることができたが、従来製品との音色の違いは歴然で、奥行きのある自然な音色であることが確認できた。実際に演奏した石亀さんも、「以前使ったことのあるサイレントバイオリンは、正直、電気音に近い音がしたが、『YSV104』は空間を感じられる、ふくよかな響きがする」とコメントしていた。なお、「YSV104」は、はっきりとした音色で短めのリバーブの「ROOM」と、やわらかい音色で長めのリバーブの「HALL」の2種類のサウンドタイプを搭載。場合によって使い分けることができる。

また、石亀さんが「YSV104」を持って最初に驚いたのは、本体がとても軽いということだったという。それもそのはずで、本機は、従来は本体側に搭載していた電子回路部分を、外部のコントロールボックス側に移しており、この設計により、アコースティックバイオリンに近い約490g(従来製品は約650g)という軽さを実現したのだ。さらに、アコースティックバイオリン用の肩当てをそのまま使える形状としたことで、アコースティックバイオリンから持ち替えても、違和感なく演奏できるようになっているという。

肩当ては、一般のアコースティックバイオリン用のもの(ブリッジタイプ)が装着可能

肩当ては、一般のアコースティックバイオリン用のもの(ブリッジタイプ)が装着可能

なお、発表会では、現在、東京都内に住むバイオリン演奏者へのアンケート結果として、多くの人が、自宅での練習には金属製の「ミュート」を使って消音しながら練習していることを説明。そこで、実際に、アコースティックバイオリンにミュートをかぶせた状態での演奏と、「YSV104」での演奏での騒音レベルを、騒音計を使って計測するというデモも行われた。結果としては、どちらの場合も約60〜65dBという騒音レベルになったが、同じくらいの騒音レベルでも、実際に耳に聞こえてくる音としては、サイレントバイオリンの「YSV104」のほうが圧倒的に小さく聞こえた。こうした点からも、サイレントバイオリンの静粛性がすぐれていることが明らかとなった。

このほか、「YSV104」を使った新たな楽しみ方の提案として、動画サイトと連携させた演奏方法が披露された。これは、本機のコントロールボックスに新たに設けられた外部音声入力端子(AUX端子)に、パソコンやスマートフォンで視聴する動画サイトの音声を入力することで、サイレントバイオリンの音と、動画サイトの音をミキシングして、イヤホンで聞けるようにするというもの。動画サイトにアップされているプロのオーケストラなどの映像に合わせて、さも一緒に演奏しているような形で練習することができるのは、「YSV104」ならではの新たな楽しみ方と言えるだろう。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.8.17 更新
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