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LINEの活用、宅配ボックスを選ぶポイントも

ネット通販全盛!“宅配便が受け取りやすくなる方法”を宅配事業者3社+国交省に聞いてみた

【4】LINEやメールを活用! 宅配事業者各社の受け取りサービスを知ろう

受け取り場所が増えても、指定方法が面倒だとなかなか利用が進みません。国土交通省の物流担当者は、再配達問題解決のポイントのひとつとして、宅配事業者によるコミュニケーションの強化をあげています。

「消費者と宅配事業者、さらに消費者と通販事業者の間でのコミュニケーションをとりやすくすることで、1度で配送できたり、不在時に再配達したりして荷物を持ち帰るといったことが減らせると期待しています。すでに不在連絡票がありますが、アプリやWebサイトのサービスで、配達日時の確認や指定の利便性を向上させている企業もあります」(国土交通省の物流担当者)

▼ヤマト運輸はLINEやメールで受け取りを便利に

すでにヤマト運輸が取り組んでいて好評なのが、LINEやメールで配達に関するお知らせが届くなどの便利な会員制サービス「クロネコメンバーズ」です。

ヤマト運輸のクロネコメンバーズになると、便利な機能が使えます。「何枚もご不在連絡票がお客さまのご自宅にあるということは、それだけ当社がお客様のご要望にお応えできていないということ。お客さまの受け取りストレスを軽減するためにも、サービスの改善に取り組んでいます」(ヤマト運輸 荒川さん)

クロネコメンバーズはサービス開始から10年が経過し、会員数は2,000万人を突破しています(2018年1月時点)。再配達依頼、集荷依頼、送り状作成などさまざまな機能がありますが、なかでも会員に好評なのが「お届け予定eメール」です。

「宅配が届いたときに、お客さまが受け取れない理由のほとんどが“いつ届くかわからない”ということだと思います。でも、事前に“お届け予定日時の通知”を受け取っていれば、家にいる時間帯に配達時間を変更することも可能です」(ヤマト運輸 荒川さん)

このほか、不在にしている時間帯や曜日があらかじめ決まっている人にオススメなのが「Myカレンダー」サービス。Myカレンダーにあらかじめ受け取りやすい日時やコンビニなどの場所を事前に設定しておけば、都度受取方法の変更の手間がなくなります。

Myカレンダーサービスはクロネコメンバーズのサイトから登録できます

Myカレンダーサービスはクロネコメンバーズのサイトから登録できます

「一部対応していない荷物もありますが、受け取りやすい曜日や時間帯をあらかじめ登録しておくことで、自動で受け取り可能な曜日・時間帯に初回の発送を変更するというものです。夜勤があるお客さま、小さなお子さまがいらっしゃるお客さまは、昼間にインターホンを押してほしくないという方が少なくありません。そういったお客さまにも好評です」(同前)

また、帰宅が遅いときなどに便利なのが「ご不在連絡eメール」。いわばメールで受け取れる不在票です。筆者もクロネコメンバーズに登録していますが、日中に「ご不在連絡eメール」を受け取った後、受け取り先を自宅付近のコンビニなどに変更して、翌日にコンビニで荷物を受け取り持ち帰っています。

ご不在連絡eメールは、配達先の変更がしやすくて便利。メールを受け取った後、発送先を自宅ではなくコンビニやヤマト運輸の営業所に指定するなどして利用している人が多いとか.LINEでも同様のサービスを展開中

登録すれば同居家族宛ての荷物の不在連絡も受け取れます

登録すれば同居家族宛ての荷物の不在連絡も受け取れます

このほか、クロネコメンバーズに登録したらぜひオススメしたいのが「クロネコメンバー割」だそうです。これは、クロネコメンバーズカードの中でヤマト運輸のサービスのみに使用できる「電子マネーカード」に事前にチャージして支払えば、宅配便の料金が割引になるというものです。

「クロネコメンバー割」は、ヤマト運輸の営業所に荷物を持ち込むと割引になる「持込割」、「送り状発行システムC2」で発行したデジタル送り状を使うと割引になる「デジタル割」といった、ほかの割引と併用できます

チャージや支払いの際、ヤマト運輸営業所の専用端末にかざすと「にゃん♪」と鳴いてかわいいです

チャージや支払いの際、ヤマト運輸営業所の専用端末にかざすと「にゃん♪」と鳴いてかわいいです

▼日本郵便は、再配達連絡が来るまで荷物を局留めしてくれる

2018年3月1日から、ゆうパックなどの配達サービスについて、変更を行ったのが日本郵便です。再配達の荷物は、初回の配達時に受取人が不在の場合、荷物を郵便局に持ち帰り、局内でいったん保管します。受取人から再配達の希望日時について連絡を受けてから、再配達をすることになりました。

「共働きの家庭が増えて、平日の昼間ご不在の世帯が増えています。月曜日の昼間に行って不在にしている家は、火曜日も不在のことが多いでしょう。不在票がポストに溜まると、お客さまのプレッシャーになりますし、配達効率を考えると、お客さまが確実に在宅している時に再配達を依頼していただくのが理想です」(日本郵便 指宿さん)

配達時に受取人不在の荷物は、再配達の連絡が来るまで最寄りの郵便局で預かっておくスタイルに

配達時に受取人不在の荷物は、再配達の連絡が来るまで最寄りの郵便局で預かっておくスタイルに

東京にお勤めの方では、通勤に1時間以上かかる場合も少なくありません。1番遅い便で配達を依頼したとしても、20時までに荷物を受け取るためには、18時くらいには職場を出なくてはならず、なかなかできない人が多いですよね。土日に配達を指定したくても、金曜日にならないと週末の予定が固まらないことも多々あります。局留めになっていることがわかれば、帰宅や外出のついでに郵便局に取りにいくこともできるので便利ですね。

また、初回受取日時・場所の指定ができるサービスも拡充中。初回配達の前に、配達日時の指定や勤務先への無料転送、全国の郵便局での受け取りへの変更を、ゆうパックの追跡サイト等からできるようにしています。初回配達前に、「はこぽす」やコンビニでの受け取りへの変更にも対応します。

日本郵便では、郵便局、はこぽす、コンビニでゆうパックを受け取ると、ポイント(Pontaポイント、WAON POINT、dポイント、エコ・アクションポイント、楽天スーパーポイントのいずれか)を付与するサービスも実施中。初回の配達を郵便局で受け取ると60ポイント、不在配達のゆうパックを郵便局で受け取る場合は10ポイント付与されちゃいますよ(詳しくはこちら)

また、小さな荷物なら、ポストに投函できる「ゆうパケット」を利用すれば、郵便と同じ感覚で荷物を送ることができます

普通の郵便と同じように、ポストに投函できるのが便利な「ゆうパケット」(画像は日本郵便の公式サイトより)

「日本郵便は、バイクで配達しているので小回りがききます。小さな荷物の配達は得意とするところ。“ゆうパケット”は、ゆうパックに比べるとコストも抑えられるので、通販事業者の方や、ネットオークションなどで発送する場合にはぜひ、ゆうパケットのご利用をご検討いただきたいです」(同前)

▼佐川急便はピーク時に人員配置を厚く、日本郵便は配達時間帯を増加

佐川急便は現在のところ、ポイント発行などには対応していませんが、朝7〜10時の朝の時間帯の人員と、夕方から夜間の人員を増員し、ピーク時に対応しています。同社のサイトから再配達の依頼可能で、8時〜21時までの間で7つの時間帯を用意するなど、ユーザーの受け取りやすさに配慮したサービスに取り組んでいます。

佐川急便では、要望が集中するピーク時間帯の人員配置を厚くして対応しています

ちなみに人員配置ではなく、夕方の配達時間帯を増やしたのは日本郵便。従来の18時〜20
時、20時〜21時に加えて、新たに19時〜21時という時間帯を増やしました。夕方以降の便の選択肢が増えることで、確実に家にいる時間を配達時間帯に指定できますね。

【5】質が高い日本の宅配サービスを、うまく使いこなすために

今回取材に答えてくださった各社の皆さまに、「最後に、あえて宅配を使うお客さまにお願いしたいことはありますか?」と質問すると、次のような答えが返ってきました。

▼高齢者のスタッフもいるので、できる範囲でお願いしたいことが……

ヤマト運輸の荒川さんは、アプリやサイトのサービスを積極的に活用してもらいたいとコメント。「今はメールやLINEなど、お客さまとのコミュニケーションツールが増えています。事前の通知や、不在連絡通知などをご活用いただいて、ストレスがないよう宅配を利用していただければうれしいですね。さまざまなサービスを用意している中で、お客さまのライフスタイルにあわせた受け取り方法をご利用いただきたいです」(ヤマト運輸 荒川さん)

佐川急便の染谷さんと城さんが語ったお願いは、ものすごくシンプルなもの。「通販などをご利用された際には、できるだけ確実に在宅している日付と時間帯をその都度ご指定していただけると、再配達の数を減らせると思います。お客さまのご希望に添えるよう、ご要望が集中する時間帯の人員配置を手厚くしています。またエリアによってはPUDOステーションも利用可能としていますので、在宅時間がわからない場合など、ご活用ください」(佐川急便 東京本社 営業部営業課の染谷さんと城さん)。

日本郵便の指宿さんは、配送スタッフにシニアや女性も増えているという現状を踏まえて語ってくださいました。「2Lのペットボトルが入った段ボールを複数まとめて1口で送られる荷物の場合、人員配置が難しいときもあります。もちろん可能な範囲で結構ですので、1度に送る荷物が重すぎないよう調整いただけるとスムーズです」(日本郵便 指宿さん)

今回の取材を通して筆者が実感したのは、日本の宅配サービスの“質の高さ”です。「時間指定」や「配達場所指定」などのサービスは、海外では有料オプションになります。日本の宅配サービスでは無料で使えるうえ、しかも再配達をお願いしたらすぐに届けてくれます。

「現在の日本の高いレベルの宅配サービスが今後も維持されるためには、配達スタッフへの負担軽減がポイントになります。そのためには、できるだけ「初回の配達で荷物を受け取る」「自宅以外への配達も利用する」「メールやアプリなどの便利なツールの利用」等について、国民の皆さまにご協力いただければと考えています。それらのサービスを多くの方に知っていただけるよう、私たちも取り組んでまいります」(国土交通省の物流担当者)

以前は、荷物が届いているかどうかの確認方法は不在連絡票ぐらいしかありませんでしたが、今ではアプリから再配達指定をかけられますし、荷物を受け取れる場所の選択肢も広がっています。ネット通販が隆盛で買い物がますます便利になっていく今こそ、自分のライフスタイルにあわせて、宅配の受け取り方法を賢く選択していきませんか。

伊森ちづる

伊森ちづる

家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。

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