いいモノ調査隊
祓い給い、清め給え!

真冬に「滝行」してきた! ボンクラ筆者の煩悩は消えるのか!?

「遅筆」に悩むライター、マリオ高野です。

当サイトをはじめ、これまで多くの編集部の皆さまにご迷惑をおかけしてきました。
干される前に遅筆を解消するべく、さまざまな対策を講じてはきましたが、あまり成果がありません。
遅筆の原因は、おそらく能力や技術というより精神面の問題が大きいと思われるので、軟弱な精神を抜本的に鍛える方法を検討。

昔から、一部のプロ野球選手がシーズン前によく行う「護摩行」もきわめて効果的のようですが、やはり真冬に心を鍛えるには「滝行」がよさそうだと考えました。

滝行は神事・修行の一環として行われてきた

「滝行」とは、文字どおり滝に打たれて修行をすることで、冷たさや水圧などに耐えながら煩悩を取り払い、無の境地となって心を静寂にする効果があるとされています。

神道では禊(みそぎ)・祓(はらい)の神事でもあり、仏教では修行の一環として古来より行われているとのこと。

調べてみると、関東の近郊にも滝行ができる場所がいくつかあり、しかもビギナーも大歓迎という雰囲気ではありませんか! 主催をする寺社としても、滝行を多くの人に知ってもらいたいという思いがあるようで、かなり親切な解説を掲載するサイトがたくさんあがっています。

「日帰り滝修行体験」に参加してみた

そこで今回は、埼玉県所沢市の自宅から比較的近い、東京都西多摩群檜原村にある「九頭龍の滝・龍神の滝」で実施中の「日帰り滝修行体験」に参加することにしました。

ホームページには「かなり水量の多い滝ですので、安易に挑むと大変なことになりかねません。しかし、指導者は経験豊富ですので、初心者でも安心して修行ができます」と書かれており、ビギナーでも無理なく安全、かつそこそこ本格的な修行ができそうな雰囲気であることが決め手に。

電話で予約をし、まだ真冬の寒さが続く2月中旬の朝に滝行をする運びとなったのでありました。

現場では、埼玉県飯能市平松の天神社宮司をされている西澤さんという神職の方に指示、指導を受けます。

入滝の前にまずは神社へ参拝

まずは、滝に打たれる前に近くの九頭龍神社の参拝から始まり、徒歩で少し移動をして、滝のある河原へ。

まずは九頭龍神社の参拝から。神職の西澤さん(右)がいろいろ教えてくださいます

まずは九頭龍神社の参拝から。神職の西澤さん(右)がいろいろ教えてくださいます

当日は参加者が多かったせいで駐車場がやや混雑しました。JR武蔵五日市駅からバスでのアクセスも可能です

当日は参加者が多かったせいで駐車場がやや混雑しました。JR武蔵五日市駅からバスでのアクセスも可能です

クルマをとめて徒歩数分で滝のある河原へ。滝の水量は予想よりも少なめでしたが、本来はこれの倍以上はあるようです

男性は河原で、女性は別室で更衣

入滝の前に、男性はそのまま河原で着替えますが、女性は別室で着替えられますのでご安心を。

男性はこの河原で衣服を脱ぎ、準備をします

男性はこの河原で衣服を脱ぎ、準備をします

幸か不幸か、当日は無風の晴天。でも朝の気温は2〜3度と低め。滝のごく一部が凍っていました

幸か不幸か、当日は無風の晴天。でも朝の気温は2〜3度と低め。滝のごく一部が凍っていました

筆者は「滝行衣」を着て挑む

男性はフンドシを、女性には白い行衣を貸してもらえるとのことでしたが(水着でも許されるとのこと)、一応、興味本位ではなく「修行」がしたいというのが動機なので「滝行衣」を用意して臨みます。多くのワカモノはフンドシ一丁の勇ましい姿でしたが、行衣を着たほうが「行者」としての気合いが高まります。

筆者が購入した行衣は、身長165cmの体には若干大きめですが、雰囲気はいい感じです。着るだけで、精神が引き締まりました

行衣のほかに、バスタオルとビーチサンダルを用意しましょう。

心が無になる心地よさ

滝に打たれるのは、合計3回。

最初は滝に体を慣らし、2回目では穢(けが)れを落とし、そして3回目では少し長く滝に打たれて体の中に自然の恵みを入れるという意味があるようです。

「祓(はら)い給い、清め給え」と読み上げたのち、「イエイッ!」と悪霊を振り払う気合の言葉を唱えて滝へ突入!

滝に打たれる最中にも「祓い給い、清め給え」を3回唱え、滝から出る際にも「イエイッ!」と気合いを入れます。

この「イエイッ!」というのが、ちょっと意外性のあるセリフで、不謹慎ながら最初は微妙な言葉だと思ってしまいましたが、実際にやってみると、気合いを入れるには最適の言葉だと実感しました。

まずは一礼をし、気合いを入れる「イエイッ!」の掛け声とともに滝へ入ります。準備体操などで体を温めておきましょう

まさに「心頭滅却」の境地に達したがごとく、心が無になる心地よさに浸れました。ビギナー向け体験会でも効果は十分に得られると実感

意外にも!? 若者の参加も目立った

関東地方は去年秋から冬にかけて降水量が極端に少なかったせいか、実はこの日は普段よりも滝の水量が少なく、幸か不幸か、真上から降る滝の水圧は弱かったのでした。それでもやはり水はとてつもなく冷たく、滝つぼに突入した瞬間から全身が凍りつくようなつらさを感じます。

滝の勢いが予想よりも弱かったため、筆者はなるべく滝の奥に身を置き、可能なかぎり多くの滝が頭上に直撃するような態勢で臨みましたが、そのせいか、カラダよりもアタマが冷えることがつらく思えました。

当日は思いのほかたくさんの参加者が集まっていて驚きました。しかも、年齢層が若い! この日集まった約30名の半分は20歳代と見受けられました。

参加前の予想としては、心を病んでいるか、暗くて重い過去を背負った修行僧のような渋い中高年が1人か2人いる程度だと思っていましたが、それは大間違い。滝行は今、若い人の間で静かなブームになっている様子です。

ワカモノたちに参加動機を聞いてみると、「SNS映え」や「好きなユーチューバーの影響」、「結婚式のムービーネタ」など、いかにも今時な理由でありました。

一応、本気の精神修行のつもりで来た身としては、いささか拍子抜けではありましたが、動機は何にせよ、滝行が若い世代に受け継がれているのはすばらしいことだと思います。

確かにSNS映えはします。ここでは写真や動画の撮影もオールOKでしたが、中にはNGな場所もあるようなので、事前にご確認ください

3回目は約40秒間、滝に打たれるのですが「脳が急激に冷える」ことは本気でキツく、人生未曾有の苦行が襲いかかります。40秒がとてつもなく長く感じられ、正直、本気でギブアップ寸前まで追い込まれたので、予想以上の「修行に耐えた感」を得ることができました。その刹那は、あらゆる煩悩が排除されたのは確かであり、おぼろげながら「無の境地」が見えかかった気がします。

最初から、誰よりも気合いを入れて臨んだせいか、3回目の直前には宮司の西澤さんから「般若心経をご自分で唱えますか?」と尋ねられるなど、どうやらガチの行者に見えた様子。その点においても達成感を得るにいたります。

骨の髄まで体が冷えたことで、終わってからもしばらく全身が縮み上がった感が解消されず、足腰もガタガタしていたので、肉体的にもそれなりに過酷でした。

感想としては、滝の勢いが弱い状態でも、筆者のようにあえて多くの滝に当たるように心掛ければ、真冬ならかなりの心身鍛錬になるでしょう。ですが、脳が冷えすぎるのはおそらく良くないので、そこはあまり真似をしないようご注意願いします。筆者も、次からは頭部への直撃はなるべく避けようと思いました。

残念ながら、その後の原稿執筆が早くなったとの実感はまったくありませんが、定期的に滝行を行うことで、心身ともに何かが大きく変わっていきそう予感はあります。

若い女子の2人組の参加も少なくないので、そういう煩悩をモチベーションにしてでも滝に足を運べば、いつか自分の煩悩に打ち勝つことができるのでしょう。フンドシ一丁姿がサマになるよう、筋トレにも励もうかという、別の意欲も湧いてきました。

滝行、ぜひまたやりたいです。

誇張抜きで、心身ともにかなり過酷でした。気軽に体験できるとはいえ、それなりの覚悟と自己責任の意識を持って臨む必要があります

<今回の滝行の詳細はこちら

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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