マイルといえばJALやANA、マイルを貯めるならJALカードやANAカードのイメージが強いかもしれませんが、意外にお得なのが、外資系航空会社のマイルが貯まるクレジットカードです。マイル還元率が1.5%と貯めやすい超高還元カードや航空会社の上級会員になれるカードなど、お宝カードがいくつも存在します。
数ある外資系航空会社の中でもおすすめしたいのが、日本発着の路線が多く、お得な特典航空券などがある米国の「ユナイテッド航空」と「デルタ航空」。2社の提携クレジットカードは、ANAカードやJALカードと比べてマイルが貯まりやすいなど、メリットがたくさんあります。それぞれおすすめの提携カードと、マイルを貯めるコツをご紹介します。
紹介するクレジットカード
・ユナイテッド航空の「マイレージプラス」でマイルを貯める人
1.MileagePlus セゾンカード
2〜3.MileagePlus セゾンゴールドカード、MileagePlus JCBゴールドカード
・デルタ航空の「スカイマイル」でマイルを貯める人
1.デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
2.デルタ スカイマイルJCB ゴールドカード
JALやANAといった日本の航空会社でなく、あえて外資系航空会社のマイルを貯めるメリットは何でしょうか。大きく分けると、以下の3つになります。
JALやANAのマイルは、有効期限が約3年となっており、期間を過ぎると失効します。一方で外資系航空会社のマイルは有効期限がないか、定められていても簡単に延長できます。
たとえば、ユナイテッド航空のマイルの有効期限はマイル獲得から18か月ですが、その間にネットモールの「マイレージプラスモール」で買い物をするなど、新たにマイルを獲得すれば、さらに18か月延長され、期限を気にせずマイルを貯められます。
提携クレジットカードが魅力的なことも、メリットです。ユナイテッド航空の提携クレジットカードはマイル還元率が高く、JALやANAの1.5倍! デルタ航空の提携カードは、提携カードを持つだけで搭乗時の優先チェックインや座席の無料アップグレードなど上級会員の特典が付く、というJALやANAにない魅力があります。
JALやANAの場合、マイルを使えるのは家族だけ。でも外資系航空会社なら、ほかの人のマイルを譲り受けて使うこともできます。マイルを直接購入することもできるので、「特典航空券に交換したいけどマイルが少しだけ足りない」というときにも便利です。
それでは、次にユナイテッド航空・デルタ航空でマイルを貯めるメリット、デメリットをくわしく見ていきましょう。
ユナイテッド航空でマイルを貯めるには、「マイレージプラス」というマイルプログラムに入会する必要があります。マイレージプラスに入会してマイルを貯めるとお得な人は、以下のとおりです。
国内線はよくANAを利用する
ユナイテッド航空は「スターアライアンス」という航空連合に所属しています。ANAも加盟しており、マイレージプラスで貯めたマイルは、海外では加盟航空会社、国内線ではANAの特典航空券に交換できます。すごいのは国内線の場合、ほとんどの路線でANAのマイルよりも少ないマイル数で特典航空券に換えられるところ。繁忙期でもANAのように必要マイル数の変動がありません。
特典航空券の必要マイル数(ANA国内線/片道)。ANAの必要マイル数は時期によって異なる
後述するマイルの貯まりやすさに加え、少ないマイルで特典航空券に交換できるため、旅行好きには断然おすすめです。
国際線はスターアライアンス加盟の航空会社をよく使う
スターアライアンスは、アジアならシンガポール航空やタイ国際航空、ヨーロッパはルフトハンザやスイスインターナショナルエアラインズ、オセアニアならニュージーランド航空など、幅広い就航エリアを持つ航空会社が加盟しているうえ、マイレージプラスのマイルも貯めたり、特典航空券に換えたりできます。
買い物でしっかりマイルを貯めたい
最初に述べたように、ユナイテッド航空の提携カードはマイル還元率が1.5%と、同1%程度のANAカードやJALカードと比べて貯まりやすいのが特徴です。有効期限が実質的にないマイルを買い物でしっかり貯めつつ、繁忙期でもお得に特典航空券に交換できる、というメリット盛りだくさんのサービスが、ユナイテッド航空の「マイレージプラス」です 。
では、「マイレージプラス」でマイルを貯める場合、どんな提携クレジットカードがよいのでしょうか。おすすめの3枚を紹介します。
「MileagePlus セゾンカード」のマイル還元率は通常0.5%(1,000円=5マイル)。しかし、
追加で年会費5,000円+消費税を支払いマイルアップメンバーズというオプションを利用すると、1.5%(1,000円=15マイル)の”超”高還元カードに変身! JALカードやANAカードのマイル還元率は1%程度なので、断然お得です。
また、最高3000万円までの海外旅行傷害保険が自動付帯で、海外旅行でも安心です。コスモ石油で給油などした場合には1,000円につき20マイル(マイル還元率2%)、西友で5%オフとなる日があるのも魅力です(開催がない場合あり) 。
1.5%還元になるのは年3万マイルまで
注意したいのは、1.5%還元で貯められるマイルには年間3万マイルの上限があること。上限を超えた分は0.5%還元に下がります。家族カードも作れません。クレジットカードでの決済額が年間200万円(3万マイル÷1.5%=200万円)を超えたり、家族カードが必要だったりする場合は、「MileagePlus セゾンゴールドカード」「MileagePlus JCBゴールドカード」がおすすめです。
MileagePlus セゾンカード
発行元/クレディセゾン
国際ブランド/Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレス
年会費/1500円+消費税
ポイント/マイル(マイルアップメンバーズ入会で1.5%、未入会で0.5%)
クレジットカード決済額が年間200万円を超える場合は「MileagePlus セゾンゴールドカード」や「MileagePlus JCBカード ゴールドカード」がおすすめです。どちらもマイル還元率は1.5%。「MileagePlus セゾンゴールドカード」は年7万5000マイル(年間500万円、7万5000マイル÷1.5%=500万円、超えた分は還元率0.5%)まで 、「MileagePlus JCBカード ゴールドカード」は上限なく好きなだけ高還元率でマイルを貯められます。
マイルの上限以外のスペックに大差なし。選ぶなら細かい違いをみて判断
年会費はどちらも 本人が1万5000円+消費税、家族会員が5,000円+消費税とまったく同じ。海外・国内旅行傷害保険は自動付帯、利用付帯で金額が変わりますが、ほぼ同等。空港ラウンジが利用できる場所も、大差ありません。
(関連記事:空港ラウンジとは? サービス内容とラウンジが使える"お得な"クレジットカードを紹介!)
比べるとしたら、ショッピング時のサービスでしょうか。「MileagePlus セゾンゴールドカード」は西友で5%オフの日があり(開催がない場合あり)、「MileagePlus JCBカード ゴールドカード」は空港内のANA系免税店で10%オフなど、細かい違いをみて判断してください。
MileagePlus セゾンゴールドカード
発行元/クレディセゾン
国際ブランド/Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレス
年会費/1万5000円+消費税
ポイント/マイル 1.5%
MileagePlus JCBカード ゴールドカード
発行元/ジェーシービー
国際ブランド/JCB
年会費/1万5000円+消費税
ポイント/マイル 1.5%
デルタ航空でマイルが貯められるマイルプログラム「スカイマイル」。スカイマイルへの入会でお得になるのは、こんな人です。
デルタ航空や航空連合「スカイチーム」の航空会社を利用する機会が多い人
デルタ航空は「スカイチーム」という航空連合に加盟しています。加盟社数はスターアライアンスより少なく、国内の航空会社も参加していませんが、アジア、中東、欧州などの航空会社が加盟しています。「スカイマイル」で貯めたマイルは、各社の特典航空券に交換できます。
また、スカイチームには加盟していないものの、国内線のみ運行しているスカイマークの特典航空券(往復1万5000〜2万マイル)やJTBの国内旅行券(1万マイル=1万円相当)にも換えられます。スカイマイルに有効期限はありません。
国内線に乗る機会が多い人はマイルが貯まりやすい
スカイマイル会員限定のユニークなサービスとして、国内線1フライトにつき500マイルがもらえる「ニッポン500マイルキャンペーン」も実施しています。航空会社や航空券の種類を問わず、タダでマイルをもらえます(一般会員は年間10フライト、5,000マイルまで。上級会員のメダリオン会員は2万マイルまで)。
そのため、出張や旅行で日本を飛び回っている人は、マイルを稼ぐチャンス大! キャンペーンは2019年3月31日までの期間限定ですが、ここ数年は毎年更新されているので、今後も続くことが期待されます。
上級会員のサービスを体験してみたい人
スカイマイルに入会すると、実際にフライトしたマイル数などに応じて、さらに上級の会員クラスである「メダリオン会員」になれます。メダリオン会員はランクが高い順にダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバーの4つがあり、それぞれに応じた特別サービスが受けられます。
以下で紹介する提携クレジットカード「デルタ スカイマイル・アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」を持っていれば、すぐに「ゴールドメダリオン」の資格がもらえ、手荷物の優先受け取り、優先チェックインなどの特典が受けられ、旅が快適になります。
スカイマイルにはデメリットも
デメリットもあります。一般的に、搭乗したときに貯まるフライトマイルは飛行距離や航空券の種類に応じて貯まりますが、スカイマイルは支払金額と会員ランクに応じて貯まる仕組みを採用しています。そのため、安い航空券を買う人や会員ランクが低い人はマイルが貯まりにくい、というデメリットもあります。
では、「スカイマイル」でマイルを貯めるなら、どんな提携カードがよいのでしょうか。おすすめの2枚は以下のとおりです。
「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード 」の魅力は、何といっても、先ほど説明した上級会員資格「ゴールドメダリオン」が付帯していること。優先チェックインや優先搭乗、優先キャンセル待ち、空席に応じた座席の無料アップグレードなど、上級会員ならではの特別なサービスを満喫できます。
通常のマイル還元率は1%。デルタ航空の航空券購入時には3%と大幅にアップします! デルタ航空を利用する機会が多いなら、年会費以上の価値を実感できるでしょう。毎年のカード継続でボーナスマイルが3,000マイルもらえます。家族カードの年会費は1枚無料です。
無条件での「ゴールドメダリオン」期間は入会後1年まで。決済金額の見極めをしっかりと
ただし、無条件でゴールドメダリオンのサービスを受けられるのは、入会後1年間。このカードで決済した金額が年間150万円以上であれば、翌年もゴールドメダリオンが維持できます。100万円以上であれば、シルバーメダリオンにランクダウンします。100万円未満なら、翌年はメダリオン資格がありません。年会費は2万6000円+消費税とコストがかさむので、決済金額がいくらになりそうか、ある程度見極めてから申し込みましょう。
デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
発行元/アメリカン・エキスプレス
国際ブランド/アメリカン・エキスプレス
年会費/2万6000円+消費税
ポイント/マイル 1%
クレジットカードの普段使いでマイルを貯めたいなら「デルタ スカイマイルJCB ゴールドカード 」がおすすめです。マイル還元率が1.5%と高く、買い物や食事のたびにマイルがどんどん貯まっていきます。年会費は1万8000円+消費税です。
「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード」と同じように、デルタ航空の航空券購入時には3%還元になります。また、カード継続で毎年2,000 マイルが もらえます。海外・国内旅行傷害保険や国内外の空港ラウンジサービスなど、ゴールドカードならではの特典も充実しています。
デルタ スカイマイルJCB ゴールドカード
発行元/ジェーシービー
国際ブランド/JCB
年会費/1万8000円+消費税(初年度1万円+消費税)
ポイント/マイル 1.5%
ユナイテッド航空とデルタ航空は、どちらも日本発着の路線が多いため、フライトマイルを貯めやすく、使いやすいといえます。たとえ「陸マイラー」であっても、ショッピング時のマイル還元率が1.5%など、たくさん貯められるでしょう。上級会員資格で快適な旅行も期待できます。
ただし、ある日突然、サービス内容が変わってしまう、というリスクも捨て切れません。最新情報はこまめにチェックするのがおすすめです。
※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。
編集者兼マイラー。JAL、ANAはもちろん、海外航空会社のマイレージにも詳しく、仕事の合間を縫って旅を楽しむ。ポイント、マイルの交換などカードの裏技にも精通。