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「年会費無料」「ポイント最大○倍」「最大○万円補償」…

クレジットカードを作るなら、覚えておきたい5つのキーワードを深掘り

2019年10月1日からの消費税増税にともない、経済産業省が主導する「キャッシュレス・消費者還元事業」も始まっている。対象の中小店舗などで買い物をすると5%(コンビニなどのフランチャイズ店舗などでは2%)の還元となり、増税分2%を上回る効果があるため、これを機に改めてクレジットカードを作ろうと考えている人もいるだろう。

カード選びの際は、各社の公式サイトなどを見て検討する人が多いと思うが、そこに書いてある宣伝文句には正しく理解していないと誤解しやすいものも少なくない。今回はカードを賢く使いこなすために、知っておくべき言葉の意味やチェックポイントについて解説する。

〈解説する言葉やチェックポイント〉
【1】年会費無料
・チェックポイント1:「初年度の年会費無料!」。2年目以降は?
・チェックポイント2:「初年度」はいつから始まる? 起算日は各社で異なる
・チェックポイント3:年会費無料の条件はクリア可能?

【2】ポイント最大◯倍
・チェックポイント1:注目するべきは「最大○倍」の数字よりも還元率
・チェックポイント2:ポイント機能付きクレカと、ポイントカードの優待内容に違いは?
・チェックポイント3:日常的に利用する店舗で、何倍になるかを冷静に見極めよう
・チェックポイント4:「ETCカード利用分は○倍」。発行手数料と比較しよう

【3】ポイント付与の条件
・チェックポイント1:「税込金額」で計算が基本だが、一部の利用先では「税抜金額」のカードも
・チェックポイント2:「1,000円で10P」より「100円で1P」のほうが無駄が少ない
・チェックポイント3:電子マネーへのチャージや保険料など、付与対象外の利用法を要確認
・チェックポイント4:ポイントを失効させないよう、有効期限も気にしよう

【4】ポイントの使い道(交換先)
・チェックポイント1:「○○に交換できる」と宣伝していたら、何に交換できないかを確認
・チェックポイント2:交換レートも調べておこう
・チェックポイント3:ポイントの最低利用数にも目配りを

【5】付帯保険
・チェックポイント1:旅行傷害保険は自動付帯? 利用付帯?
・チェックポイント2:PRされるのは「死亡・後遺傷害」。それ以外の補償額も見ておこう
・チェックポイント3:ショッピング保険は、購入方法や対象品目が限定されているケースも

公式サイトには、メリットが強調される傾向

クレジットカードを選ぶ際には、必ず発行会社の公式サイトを確認するべきだが、基本的に公式サイトにはメリットしか書かれていない。たとえば「電子マネーのチャージはポイント付与の対象外」といったデメリットは、小さく目立たない場所に書かれているか、別のページを見なければ確認できないこともある。

記載されているサービスの中には、「◯◯を満たした場合」など条件が定められていることも多い。大きくアピールされている文字だけでなく、小さく表記された注意書きまでしっかり目を通すべきだろう。

また、普通のサービスがあたかも特別であるかのように表現されているケースも多い。利用したいと思うサービスを見つけた際は、類似サービスがないか調べてみることをおすすめする。
では、ここからが本題。具体的な事例について紹介していこう。

【1】年会費無料

チェックポイント1:「初年度の年会費無料!」。2年目以降は?

カードを選ぶ際に、真っ先にチェックすべき項目が年会費だ。「初年度年会費無料」としているカードも多いが、2年目以降の年会費は目立たない場所にしか記載されていないことがあるので、しっかりチェックしよう。

チェックポイント2:「初年度」はいつから始まる? 起算日は各社で異なる

また、初年度が入会から1年間とは限らない。「元日から計算」「4月から計算」「入会日から計算」など、カード会社またはカードごとに年度の起点は異なる。1月1日から年度が始まるカードに、前月の12月に入会した場合は、実質1か月足らずしか無料で使えないことになるので、申し込みのタイミングには気をつけよう。

チェックポイント3:年会費無料の条件はクリア可能?

「年間◯万円利用すれば次年度無料」といった条件が設定されているケースもあるので、まず、自分が達成可能な金額についてある程度、把握しておくべきだろう。なかには計算対象が特定の店での利用に限られている場合や、電子マネーのチャージなどに使った金額は計算対象外となる場合もある。確認不足で条件を達成できない事態にならないように注意したい。

このほかにも「WEB明細利用で年会費無料」については、「年間○回以上発行」などと無料の条件を定めているカードもある。そもそもカード利用がなければ、請求書も発行されないので、利用が少ない人は注意が必要だ。「リボ払いサービス登録で年会費無料」についても、利用額が少なくてリボ手数料が発生していない場合は、年会費無料にならないこともある。

【2】ポイント最大◯倍

チェックポイント1:注目するべきは「最大○倍」の数字よりも還元率

ポイントに関する落とし穴は非常に多い。まず「ポイント◯倍」の表記は、必ずしも数字が大きいほど得するわけではない。たとえば、以下の2種類のカードがあった場合、どちらが得だろうか。

(A)100円利用につき1P(1円分)付与されるカードでポイント2倍→還元率2%
(B)200円利用につき1P(1円分)付与のカードでポイント3倍→還元率1.5%
両者を比較した場合、1Pの価値が同じ1円ならば、ポイント3倍の(B)のカードより、2倍の(A)のカードのほうが得することになる。「◯倍」の数字に惑わされず、常に還元率に換算して比較しよう。

チェックポイント2:ポイント機能付きクレカと、ポイントカードの優待内容に違いは?

また、「ポイント◯倍」はクレジットカードの利用に対しての数字とは限らない。たとえば、ポイントカードを提示すると、支払い方法を問わず100円につき1Pが貯まる店で、同種のポイントが100円につき1P貯まるクレジットカードで支払った場合でも、「ポイント2倍」と表記されることがある。

この場合、他店でもカード払いで貯まるポイントが100円につき1Pであれば、クレジットカードのポイントは2倍にはなっていない。あくまで「現金払いと比べてポイント2倍」なだけである。他店でのカード払いで貯まるポイントが200円につき1Pで、当該店舗では100円につき1Pになるのであれば、「クレジットカードのポイントが2倍」となる。

こうした例は、ポイントカードとクレジットカードが合体したポイント機能付きクレジットカード(またはクレジット機能付きポイントカード)、ポイント制度のある通販サイトと提携したクレジットカードに多い。非常に紛らわしいが、混同しないように気をつけてほしい。

ポイント機能付きクレジットカードの場合は、ポイントカードとの違いもチェックしておきたい。ポイント機能付きクレジットカードで優待を受けられると書かれていても、よく見たら無料のポイントカードと同じ優待内容だったということもある。これは一般カードとゴールドカードを比較する際なども意識しておいたほうがいい。

チェックポイント3:日常的に利用する店舗で、何倍になるかを冷静に見極めよう

「最大◯倍」という表記にも注意が必要だ。特に、カード会社が運営する「ポイントモール」を利用して買い物をすると、「最大20倍」「最大30倍」などとPRする広告も少なくないが、そのほとんどはごく限られた店でしか適用されない。企業と提携したカードでも、ポイントが倍増するのは提携先で使った場合のみとなることは多い。景気のいい数字にまどわされず、自分が利用する店で何倍になるのか、冷静に確かめよう

「最大◯倍」には条件が設定されている場合も多い。たとえば年間100万円利用するとポイント10倍だが、年間10万円利用ではポイント2倍など、利用額によって大きな差が出ることもある。「最大」という表記を見かけた際は、自分が利用する場合は何倍になりそうのか、シミュレーションすることが大切だ。

チェックポイント4:「ETCカード利用分は○倍」。発行手数料と比較しよう

「ETCカード利用分はポイント2倍」、「携帯電話料金はポイント2倍」、「海外利用分はポイント2倍」といった表記にも気をつけたい。ETCカードの中には発行手数料や年会費が取られるものもあり、携帯電話料金についてはMVNO(格安スマホ、格安SIM)は対象外だったり、基本料や通話料のみが対象だったりすることがある。

海外利用は事務処理手数料(為替手数料)がカード会社ごとに異なるので、ポイントが倍になっても事務処理手数料が高くて相殺されてしまうこともある。また、VisaとMastercard以外の国際ブランドは、海外では利用できる店が少ないことも考慮したほうがいい。これらのことを踏まえて、発行手数料や年会費が発生しても、それを上回るポイント還元を得られるかどうか、確認しておくべきだろう。

【3】ポイント付与の条件

チェックポイント1:「税込金額」で計算が基本だが、一部の利用先では「税抜金額」のカードも

先に常に還元率に換算して比較すべきと書いたが、その還元率に関しても、税抜金額に対して計算される場合と、税込金額に対して計算される場合がある。同じ100円につき1Pでも、税込であれば還元率1%だが、税抜に対して計算される場合は消費税10%時で還元率0.909%と下がってしまう。クレジットカードは基本的に税込金額に対してポイント計算されるが、一部の利用先については税抜金額に対して計算されるカードもある。

チェックポイント2:「1,000円で10P」より「100円で1P」のほうが無駄が少ない

ポイントの発生条件についても意識しておきたい。「還元率1%」で1Pの価値が同じであっても、100円利用につき1Pが貯まるカードと、1,000円利用につき10Pが貯まるカードなら、前者のほうが無駄が少ない。また、1回の利用ごとにポイントが計算されるカードよりも、毎月の合計利用額に対して計算されるカードのほうが、端数の発生は抑えられる。

チェックポイント3:電子マネーへのチャージや保険料など、付与対象外の利用法を要確認

冒頭でも触れたが、電子マネーのチャージなどはポイント付与の対象外となる場合が多い。このほかにも国民年金をはじめとする保険料、税金や公共料金、病院、ETCを含む有料道路通行料金、モバイルSuicaでの特急券などの購入といった項目は、ポイント対象外だったり、ポイント付与率が下がったりすることもある。また、カード年会費、キャッシング利用分、分割払いやリボ払いの手数料などは、どのカードもポイント対象外だ。

チェックポイント4:ポイントを失効させないよう、有効期限も気にしよう

還元率が高くても、ポイントの有効期限が短い、利用できる先が少ないといったケースもあるので注意しよう。ポイントの有効期限は、言うまでもなく長ければ長いほどいいが、なかには端数を翌年に繰り越せないカードや、年間獲得ポイントが一定数に満たなければ失効するカードもある。また、通常ポイントとは別に、有効期限の異なる期間限定ポイントが発行されたり、交換率が異なるボーナスポイントが発行されたりするカードもある。

【4】ポイントの使い道(交換先)

チェックポイント1:「○○に交換できる」と宣伝していたら、何には交換できないかを確認

ポイントの利用先に関しても、選択肢は多いほど好ましいが、系列の店でしかポイントを使えないカードもある。ポイントを「◯◯に交換できる」と宣伝しているカードは、「◯◯以外には交換できない」を意味している場合もあるので、一見ポジティブに見える言葉でも注意が必要だ。

たとえ、ポイントの利用先が少なくても、自分のライフスタイルにおいて利用機会があるなら問題ない。ただし、もし引っ越しや転職などでライフスタイルが変わってしまうと、ポイントの使い道がなくなってしまう可能性がある。カードを長く使うことを想定して、使い道についてチェックしておいたほうが、失効のリスクは抑えられるだろう。

チェックポイント2:交換レートも調べておこう

近年はポイントをキャッシュバックや電子マネーのチャージ、大手の共通ポイントなどに交換できるカードも増えている。こうした現金に近いものは使い道には困らないが、カードによっては他の交換先に比べて交換レートが落ちたり、手数料が必要になったりすることもあるので、申し込み前に調べておこう。

チェックポイント3:ポイントの最低利用数にも目配りを

もうひとつ大切なのは、ポイントの最低利用数。貯めたポイントは1P単位で使えるとは限らない。できるだけ少ない単位で利用できるほうが望ましいが、なかには10万円以上使わなければ最低利用数に達しないカードもある。有効期限や利用先とのバランスも考えて、ポイントを失効しないように気をつけよう。

【5】付帯保険

クレジットカードには旅行傷害保険やショッピング保険を付帯しているものが多いが、ここにもわかりにくい言葉がある。まずは保険の適用条件だ。

チェックポイント1:旅行傷害保険は自動付帯? 利用付帯?

旅行傷害保険には「自動付帯」と「利用付帯」があり、前者はカードを持っているだけで保険の対象となる。後者は交通費や宿泊費など、所定の旅行代金を当該カードで事前に支払っていた場合のみ保険の対象となる。「所定の旅行代金」の定義も、カードによって微妙に異なるので、あらかじめチェックしておきたい。

チェックポイント2:PRされるのは「死亡・後遺傷害」。それ以外の補償額も見ておこう

補償内容についても、「最高◯万円補償」という表現が多くわかりづらい。たとえば旅行傷害保険で最高2,000万円補償と書かれていた場合、これは通常、死亡・後遺障害時の最高補償額となる(賠償責任時の最高補償額)。このクラスの補償額のカードであれば、疾病治療は最高200万円前後、携行品損害は最高50万円前後に設定されていることが一般的だが、死亡・後遺障害時の最高補償額だけ高くほかの項目は補償額が低い、もしくは補償がないということもまれにあるので、この点も確認しておきたいポイントだ。

なお、死亡・後遺障害時であっても、満額が2,000万円なだけで、被害の程度に応じて実際の補償額は最高額から減額される。また、自動付帯は最高100万円だけで、利用付帯で最高2,000万円となるようなケースもある。

手荷物などの破損や盗難などをカバーする携行品損害に関しては、1個あたり、1旅行あたり、そして年間での最高補償額がそれぞれ異なることもあり、大きく表記されるのは年間最高額となる。また、携行品損害の補償を受ける際は、3,000円から1万円程度の自己負担額が発生する。

チェックポイント3:ショッピング保険は、購入方法や対象品目が限定されているケースも

カードで購入した商品が壊れたり、盗まれたりしたときに補償が受けられるショッピング保険の場合も、年会費の安いカードでは、海外で購入した場合やリボ払いで購入した場合のみにしか適用されないこともある。また、カードによってショッピング保険の対象品目は微妙に異なり、パソコンや携帯電話端末などは対象外とされることも多い。これは公式サイトにも明記されていないことが多いので、ショッピング保険を目的にカードを作りたい場合は、事前に電話などで問い合わせたほうがいいだろう。

保険についての注意点を細かくあげだすとキリがないため、このあたりで終わりにするが、一度補償内容に目を通すことをおすすめする。どういった場合に保険の対象となるのか、どういった補償項目があるのかだけでも理解しておくと、不測の事態が起きたときにあわてずに済むだろう。

まとめ

冒頭で触れたとおり、今は「キャッシュレス・消費者還元事業」も始まっている。さらに、この施策を追い風に複数のカード会社がさまざまなキャンペーンを活発に行っており、ユーザーにとって、クレジットカードの入り時とも言える。

そのいっぽう、クレジットカードの商品説明は簡略化されがちで、慣れていない人にはわかりにくい部分が数多くあるので、要点だけでも把握しておくことが大切だ。公式サイトでカードの詳細まですべて説明すると、膨大な文字量になってしまうため、便宜上仕方ない部分もあるが、なかにはメリットのみを強調しているサイトもある。

「最大」や「最高」と書かれていれば、それにあてはまらないときはどうなのか。「○○ができる」と書かれていれば、「できない場合」はどのようなケースか。「通常」と書かれていれば、どういうときが例外になるのか。書かれている言葉の意味を額面どおりに受け止めず、逆側から考える癖を身につけることで、自分に合ったクレジットカード選びに役立てることができるはずだ。

※本記事は、執筆者個⼈または執筆者が所属する団体等の⾒解です。また、各サービスには⼀部対象外となる店舗や商品があります。ご利⽤の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

タナカヒロシ

タナカヒロシ

普段は⾳楽やエンタメ関係の仕事が多いが、2008年に当時勤めていた会社の都合でクレジットカード本を制作。以降、クレジットカード、電⼦マネー、ポイントなどに詳しくなり、各種媒体で編集・執筆を手がける。

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