クレジットカード、電子マネー、QRコード決済……。めまぐるしく変化を続けるキャッシュレス決済の動向をコンパクトに伝える連載企画「おトクの真相! 月刊キャッシュレス展望」。最近のキャッシュレス関連のニュースの中から、マネー編集部員やマネー担当ライターが気になったニュースをピックアップしてお届けします。記事内や記事の最後には、記事公開時点で参加可能なキャンペーン情報も掲載していますので、こちらもぜひチェックを。この連載は、毎月月初の公開予定です。
今回は、SBI証券とdポイントの連携開始の話題から紹介します。
各種共通ポイントとの連携を進めるSBI証券。2月からはdポイントとも連携
ネット証券大手のSBI証券は、2022年2月にNTTドコモとの提携を発表。同証券での取引内容に応じて「dポイント」を付与する、「dポイントサービス」を始めました。dポイントはNTTドコモが運営する共通ポイントで、2015年12月にサービスを開始。コンビニや飲食店をはじめ、生活インフラ、ネットサービスまで全国の約8万店舗で利用でき、約8,500万人の会員を抱えています。かつてはドコモグループ内でのみ利用できるポイントでしたが、ドコモグループ外でも利用できる「共通ポイント化」して以降、一気に加盟店とユーザーが増えてきた経緯があります。
今回の提携を記念した関連キャンペーンも開催中(本文で後述)
SBI証券はこれまでにも、2019年7月に「Tポイント」、2021年6月に「Vポイント」、2021年11月に「Pontaポイント」とそれぞれ連携し、取引内容に応じてポイントを付与するサービスを提供してきました。今回、ここにdポイントが加わる形になります。
SBI証券のポイントサービス(2022年3月1日時点)
口座開設や株式の取引、投資信託の保有額などに応じてポイント付与
・Tポイント
・Pontaポイント
・dポイント
三井住友カードのクレジットカードでの積立投資額や投資信託の保有額などでポイント付与
・Vポイント
SBI証券でdポイントサービスを利用するには、SBI証券のサイト上の「メインポイントの設定画面」でdポイントを選ぶ必要があります。これで、SBI証券での取引に応じてdポイントを貯められるようになります。
SBI証券のサイト上でdポイントとの連携が可能。画像はSBI証券のプレスリリースより
dポイントサービスで獲得できるポイント数は、「新規口座開設」で100ポイント、「国内株式現物取引」の月間手数料の1.1%分(スタンダードプラン及び現物PTS取引)、「投資信託取引」の月間保有額の年率0.1〜0.25%分などとなっています。
たとえば、「投資信託取引」で「通常銘柄の月間保有額が500万円」の場合は、月に424ポイント貯まる計算です(500万円×0.1%÷365日×31日=424。1円未満切り捨て、月間31日の場合。一部ファンドは付与率が異なります)。
dポイントサービスでdポイントが貯まる取引例。画像は、SBI証券のプレスリリースより
SBI証券以外にも、楽天証券の「楽天ポイント」、マネックス証券の「マネックスポイント」、松井証券の「松井証券ポイント」、auカブコム証券の「Pontaポイント」など、証券会社が取引内容に応じてポイントを付与するサービスが近年広がりつつあります。ただし、これらの証券会社に共通するのは、ポイントの選択肢がグループ内のポイント1種類のみということ。
それに対してSBI証券は、他社と提携することで、ユーザーが貯められるポイントを複数から選べるのが強みとなっています。SBI証券はこの後も、2022年4月より、東急カードと提携し「東急ポイント」が貯まるサービスも始める予定で、各種ポイントサービスとの連携をさらに強める構えです。
SBI証券とNTTドコモの提携を記念し、2022年3月31日まで、「お取引応援dポイント還元キャンペーン!」が実施されています。期間中にエントリーし、SBI証券ポイントサービスに申し込みのうえdポイントをメインポイントに設定すると、米国株式や国内株式、FXの取引に応じて最大3万ポイントが付与されます。
キャンペーン期間:開催中〜2022年3月31日
https://go.sbisec.co.jp/lp/lp_dpoint_campaign_220221.html
また、SBI証券の総合口座未開設の人を対象に、2022年4月20日まで「【dポイント×SBI証券 提携開始記念】マクドナルド・マツモトキヨシ・ココカラファイン 50%還元キャンペーン」も実施されています。期間中にエントリーのうえ、SBI証券の証券総合口座開設、dアカウントの連携を行い、対象の店舗でdポイントカードを提示して買い物をすると、支払い金額の50%分のdポイントが還元されます。
キャンペーン期間:開催中〜2022年4月20日
https://dpoint.jp/cp_2/sbi-point_220221_3003/index.html?waad=CPBEHVUL
アメリカン・エキスプレスとマリオット・インターナショナルは、2022年2月24日より新たな提携クレジットカード、「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」と「Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カード」の発行を始めました。
これにともない、両社が提携して発行していた「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード」、通称「SPGアメックスカード」の新規申し込みが終了。現在発行済みのSPGアメックスカードは有効期限まで使えますが、その後はMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードに切り替わります。
SPGアメックスカードの後継カードとなるMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(上)と、その一般カードとの位置付けとなるMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カード(下)。画像はマリオット・インターナショナルのプレスリリースより
前身のSPGアメックスカードは、旅行好きの人の間で高い人気を集めるカードとして知られていました。年会費は3万4,100円と高額ながら、通常、マリオット系列のホテルに年間で25泊以上しないと獲得できない、同ホテルの会員プログラム「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」のゴールドエリート資格が付帯。無料の居室アップグレードやレイトチェックアウトといった特典が受けられるカードでした。
新規申し込みが終了したSPGアメックスカード
また、獲得ポイントやマイルへの交換のしやすさや、カードの継続で宿泊優待が付帯するなどの特典も充実。特に、同社ポイントで「5万ポイント相当」の宿泊優待については、時期によってその価値は変動するものの、1泊5万円相当以上のホテルにも宿泊可能なことから、高額な年会費でも「元が取れるカード」との評価を受けていました。
では、後継カードとなるMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの実力はどうなのでしょうか? 下記は2枚のスペックを抜粋して比較した表です。
2022年3月8日時点
Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの年会費は4万9,500円(家族カードは1枚無料、2枚目以降2万4,750円)。SPGアメックスカードと比較すると約1万5,000円の大幅アップとなっています。ただし、家族カードの年会費については1枚目が無料となったため、家族カードを1枚発行すれば、本カードの年会費の値上がり分が相殺されます。
そのほかで目立つのが、「カードの利用」の重要度が上がった点です。まずポジティブな面から見ていきます。会員プログラムの「Marriott Bonvoyゴールドエリート」が付帯するのは SPGアメックスカードと同じですが、これに加えて、カードを年400万円以上利用すると、通常は年間50泊以上した場合に付与される「Marriott Bonvoyプラチナエリート」を取得できます。Marriott Bonvoyプラチナエリートは、一部スイートを含む居室のアップグレードやラウンジ利用、朝食無料サービスを含むウェルカムギフト、宿泊時の50%のボーナスポイントなどワンランク上の特典やサービスを楽しむこができる会員資格です。
いっぽう、SPGアメックスカードでは、カードの継続特典として付帯してきた無料宿泊特典(5万ポイント相当)が、新カードでは「カード継続及び年150万円以上の利用で獲得」と、こちらも条件に「カードの利用」が追加されたのはネガティブな変化と言えます。SPGアメックスカードではカード利用なしでも適用されていた海外旅行傷害保険(最高5,000万円)も、新カードでは「カード利用」が条件となります。
前出のとおり、SPGアメックスカードは、カード継続での宿泊特典の存在から「持っているだけで元の取れるカード」という評価がなされてきました。しかしMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードは、そのメリットを享受するのに相応額を利用することが求められるようになり、ユーザーにとっては条件が厳しくなったとの見方ができそうです。
なお、Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの一般カードに相当するMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カードの年会費は2万3,100円(家族カードは1枚無料、2枚目以降1万1,550円)と比較的安く、その分特典も全体的に“小粒”な印象を受けます。付帯する会員資格は「Marriott Bonvoyシルバーエリート」で、年間100万円以上の利用で「Marriott Bonvoyゴールドエリート」が取得できます。また、「継続及び年間150万以上の利用」で無料宿泊特典(3万5,000ポイント相当)が付く条件はプレミアムカードと同じです。
Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードとMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カードのスペック比較表。画像はマリオット・インターナショナルのプレスリリースより
決済サービスのPayPayは、現在付与している独自ポイントの「PayPayボーナス」の名称を、2022年4月1日より「PayPayポイント」に変更することを発表しました。
画像はPayPayのプレスリリースより
PayPayポイントは、名称を変更した後も、現行のPayPayボーナスと使い勝手自体は変わりません。これまでと同じく、PayPayを利用した際に特典やキャンペーンなどで付与され、貯めたPayPayポイントは、PayPay加盟店での決済時に1ポイント1円相当で支払いに使えます。PayPayユーザー間での送金や譲渡、銀行口座への出金ができない点にも変更はありません。
また、この名称変更にともない、PayPayボーナスを運用できる人気サービス「PayPayボーナス運用」も「PayPayポイント運用」に名称が変わります。このほか、「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ヤフオク!」「PayPayフリマ」など、ヤフーの関連サービスで付与されるポイントも、2022年4月1日以降順次、PayPayボーナスからPayPayポイントに変更されます。
これまでPayPayボーナスは、「ボーナス」という名称からややその内容が伝わりにくかった面がありましたが、名称が「ポイント」となることで、その実態がより伝わりやすくなるのではないでしょうか。
期間中にJCBオリジナルシリーズの新デザインカードへ新規入会、または切り替えのうえ、会員専用Webサービス「MyJCB」にログイン。JCBのタッチ決済をキャンペーンの対象店舗で利用すると、利用金額の20%(上限は一般カード1,000円。ゴールドカード以上3,000円)がキャッシュバックされます。
キャンペーン期間:開催中〜2022年3月31日
https://www.jcb.co.jp/campaign/contactless_cashback2112.html
期間中にマネックスカードによる投信積立サービスを利用(約定)すると、初回(初月)の積立金額に応じて最大1,000ポイントのマネックスポイントがもらえます。
キャンペーン期間:開催中〜2022年4月7日
https://info.monex.co.jp/news/2022/20220215_01.html
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