NTTドコモは2025年2月、29歳以下限定のゴールドカード「dカード GOLD U」をリリースした。本カードの特徴は下記のとおり。
・入会対象は18〜29歳(学生可、高校生を除く)
・年会費はゴールドカードとしては格安の3,300円
・「満22歳以下」「年30万円以上の利用」などの条件クリアで年会費が実質無料に
・対象のドコモ料金プランの支払いで5%還元
・「ドコモでんき Green」料金の6〜10%還元
・携帯の紛失・盗難・修理不能時に最大10万円を補償
・積立投資の「dカード積立」で1.1%還元
・ahamoユーザーは毎月5GB増量
既存の「dカード GOLD」と共通する特典が多い半面、違いもある。共通点や相違点を中心に、「dカード GOLD U」のスペックを紹介していく。
「dカード GOLD U」は表面にカード番号などの記載がないナンバーレス。裏面は署名欄のないサインパネルレスとなっている(画像はNTTドコモ提供)
「dカード GOLD U」のオレンジ色の網掛けは、「dカード GOLD」と異なる部分
「dカード GOLD U」のスペックを説明する前に、このカードのベースとなっている「dカード GOLD」について紹介したい。
2015年にリリースされた「dカード GOLD」は、1100万人の会員数を誇る人気のカード。価格.com ゴールドカード人気ランキングでも上位の常連となっている。
年会費は11,000円(家族カードは1枚無料、2枚目以降1,100円)。通常利用では100円で「dポイント」が1P(1円相当)貯まり、基本のポイント還元率は1%だ。
「dカード GOLD」は、価格.com ゴールドカード人気ランキングで6位と人気のカードだ(2025年8月13日時点)
最大の特徴は、ドコモユーザーに対する高還元の特典だ。対象となるドコモの携帯、ドコモ光(ahamo、irumo、ahamo光は対象外)の支払い先に「dカード GOLD」を設定すると、税別1,000円ごとに100Pが還元される(10%還元)。
ドコモのサービスの利用状況によっては11,000円の年会費相当、あるいは大部分がポイント還元される計算になり、価格.comのユーザーレビューでも、「光・スマホが両方ともドコモの方ならオススメ」などの声が寄せられている。
なお、貯まる「dポイント」は、d払いでの支払いのほか、ドコモの携帯料金やdカード代金に充当できるなど、利便性が高いポイントプログラムだ。
ドコモならではの保険も付帯。携帯の購入から3年以内に紛失、盗難、修理不能となった場合、新たな携帯代金の購入費用として最大10万円を補償する「ケータイ補償」が付帯している(同一機種、同一カラーなどの条件あり)。
また、年間100万円以上のカード利用があれば1万円分のクーポンが配布されるほか、国内主要空港・ハワイの空港ラウンジが利用できるなど、旅に関連した特典も充実している。
29歳以下限定の「dカード GOLD U」が新登場。コスパ優秀なゴールドカードとして注目を集めそうだ
「dカード GOLD U」は「dカード GOLD」の特典の多くを踏襲しつつ、条件をクリアすれば年会費が実質無料で保有できる点に大きな特徴がある。詳しく見ていこう。
まず注目すべきは年会費。ゴールドカードの年会費は5,000〜10,000円程度が一般的だが、「dカード GOLD U」は格安と言える3,300円だ(家族カードは1枚1,100円)。
さらに、下記の3つの条件のいずれかを満たせば、翌年の年会費請求時に前年分の年会費が減算され、年会費が実質的に無料になる(初年度の年会費は必ず請求される)。
(1)満22歳以下
(2)年間で30万円以上のショッピング利用
(3)eximo、eximoポイ活、ahamoを契約して支払い設定
※(3)は初年度のみ年会費が実質無料
注目すべきは(1)と(2)の条件。入会初年度の年会費を無料とするゴールドカードは珍しくないが、一定の年齢以下を一律で無料とするのは貴重な存在だ。
また(2)の条件も、類似のゴールドカードと比べてハードルはさほど高くない。たとえば、年会費無料となる条件は、
・「三井住友カード ゴールド(NL)」(年会費5,500円):年間100万円以上のカード利用
・「エポスゴールド」(同5,000円):年間50万円以上のカード利用
となっている。
「dカード GOLD U」は年間30万円、月平均だと25,000円となり、日常生活で利用していけば達成はさほど難しくなさそうだ。
ただし、「三井住友カード ゴールド(NL)」や「エポスゴールド」は1度条件をクリアすれば、翌年度以降の年会費が永年で無料になる。その点、「dカード GOLD U」の「年間30万円の利用」では、毎年条件をクリアしないと、年会費分の減額が行われない点は要注意だ。
「dカード GOLD U」は「dカード GOLD」同様、基本のポイント還元率は1%。ドコモ料金に対する還元の特典もあり、eximo、eximo ポイ活、ドコモ光、爆アゲセレクションなどの利用料金1,000円(税別)ごとに50Pが還元される(「dカード GOLD U」を支払い先に設定することが条件)。
10%還元の「dカード GOLD」の半分ではあるものの、これらの料金として月5,000円を支払っていた場合、年間3,000P(月250P)と、年会費にほぼ匹敵するポイントを獲得できるのはメリットと言えそうだ。
ただし、この特典は「ahamo」「irumo」「ahamo光」の料金のほか、端末代金や各種手数料は対象外となる。また、ポイント還元は「税別金額」で計算される点も留意しておいたほうがよいだろう。
対象のドコモの料金プラン(eximo、ahamo、irumoなど)契約者が、新電力サービス「ドコモでんき Green」を利用していると、ポイント還元を受けられる特典も用意されている。
還元率は利用するエリアで異なり、
中部・関西・九州電力エリア:10%還元
北海道・東北・東京・北陸・中国・四国電力エリア:6%還元
となる。
「dカード GOLD U」には、購入から3年以内の携帯が紛失、盗難、修理不能などの状態になったときに、新たに購入する機種代金を補償する「ケータイ補償」が最高10万円付帯。これは「dカード GOLD」と同様の金額で、年会費3,300円、場合によっては無料で持てるカードとしてはかなり手厚い。
iPhoneをはじめ、年々スマホの端末代金が高止まりしている中では、10万円の補償が付いてくるのは心強いサービスと言えそうだ。
dカードではマネックス証券と連携し、積立投資に対してポイントを還元する「dカード積立」を行っている。「dカード GOLD U」もポイント還元の対象となり、NISA口座では一律で積立額の1.1%のポイントが還元される(課税口座の場合、積立額に応じて0.2〜1.1%で変動)。
たとえば、月3万円積み立てると、年間で獲得できるポイントは3,960P(月330P)、月5万円だと年間6,600P(月550P)、積立の上限金額である月10万円だと年間13,200P(月1,100P)が還元される。投資に対する20代の関心が高まっている中、こちらも魅力的な特典になりそうだ。
空港ラウンジについても、国内の主要34空港とハワイの空港ラウンジが利用可能だ。年会費が安い格安ゴールドの場合、使える空港ラウンジが限定されることもあるが、対象ラウンジが「dカード GOLD」と変わらないのもうれしい点だ。
関連HP:「dカード GOLD U」会員が利用可能な空港ラウンジ
空港ラウンジの利用も、ゴールドカードならではの特典
これまで、「dカード GOLD U」のメリットを説明してきたが、留意しておくべき点もある。
これまで見てきたとおり、「dカード GOLD U」の特典はドコモユーザー、あるいはドコモ経済圏とかかわりのあるユーザー向けのものが大半だ。
ドコモ料金の5%還元やケータイ補償は魅力的なサービスだが、ドコモの利用が前提となる。本カードは「22歳以下」「年間30万円以上のショッピング利用」という条件をクリアすると年会費が実質的に無料になるので、選択肢に入れることも可能だが、やはりドコモ経済圏にいないユーザーが保有しても、そのメリットはあまり感じられなそうだ。
「dカード GOLD」は年間100万円以上の利用があると1万円分のクーポンが配布され、「dショッピング」「ソニーストア」などで使うことができる。しかし、「dカード GOLD U」には、この年間利用特典は付帯していない。
また、旅行傷害保険は海外2000万円、国内1000万円でいずれも旅行代金の決済が必要な「利用付帯」。補償金額や条件などを見ても、ゴールドカードに付帯する旅行傷害保険としては少し弱い点は注意が必要だ。
「dカード GOLD U」会員は、満30歳以降のカード更新時に自動で「dカード GOLD」に切り替わることになる(その際に審査あり)。現状、「dカード GOLD」は無条件で11,000円の年会費が発生するので、この点は頭に入れておいたほうがよさそうだ。
以上、29歳以下限定の「dカード GOLD U」の特徴について説明してきた。
本カードの魅力は、ゴールドカードでありながら年会費が3,300円、条件をクリアすると、実質無料で保有できる点にある。
それでいて、ドコモ料金の5%還元や最高10万円のケータイ補償など、「dカード GOLD」の特典内容をおおむね取り入れており、コスパ面ではかなり優秀だ。
現在、7,000ポイントがプレゼントされる入会キャンペーンも実施中。29歳以下で、なおかつドコモユーザーであるなら、十分に検討する価値のあるカードと言えそうだ。
また、NTTドコモは2024年11月にプラチナカード「dカード PLATINUM」をリリースした。ドコモ料金の最大20%が還元され、ケータイ補償は最高20万円にアップするほか、世界各地の空港ラウンジも利用可能だ(年間10回まで)。年会費は29,700円かかるが、使い方次第ではそれを上回る価値がある。
ユーザーからの人気も上々で、リリース後わずか半年で会員数は60万人を突破(2025年5月時点)。価格.comプラチナカード人気ランキングでも2位に入るなど、注目を集めている(2025年8月13日時点)。気になる方はこのカードもチェックしてみてほしい。
なお、下記の記事では、「dカード GOLD U」同様に条件付きで無料になったり、特定のシーンで10%ものポイント還元を受けられたりする、価格.comで人気のゴールドカードを紹介している。気になる方はぜひチェックしてみてほしい。