選び方・特集
M.2 SSD用クーラー9製品を徹底検証!

高速なM.2 SSDをガッツリ冷却できるヒートシンクはこれだ!

M.2 SSD用ヒートシンクの定番モデル
Aquacomputer「kryoM.2」

Aquacomputer「kryoM.2」。変換基板、ヒートシンク、熱伝導パッド2枚、各種ネジを付属する

Aquacomputer「kryoM.2」。変換基板、ヒートシンク、熱伝導パッド2枚、各種ネジを付属する

M.2 SSD用ヒートシンクの定番モデルと言えるAquacomputer「kryoM.2」は、M.2 SSD用PCI Express x4接続の変換カードと、ウェーブ状の大型ヒートシンクをセットにしたモデル。ヒートシンクはネジ止めというシンプルな製品だ。

M.2 SSDのウラ(変換基板)側に貼り付けられる1.8mm厚の熱伝導パッドも付属し、M.2 SSDの熱を変換基板に逃がすことで冷却性能を向上させている。なお、M.2 SSDのウラ側にチップが実装されている製品では、付属している熱伝導パッドが使えない可能性がある。そのときは前述のように市販されている熱伝導パッドを別途購入してみるといいだろう。

その冷却性能は驚異的だった。アイドル時が33℃、負荷時はCrystalDiskMark UWP版が39℃で、ATTO Disk Benchmark 3.05が36℃。アイドル時と負荷時の差が最大6℃に収まっており、温度変化がとてもゆるやかなのが印象的だ。また、ATTO Disk Benchmark実行時の温度は、素の状態のちょうど半分という驚くべき結果に! テスト後アイドル時の温度に戻るまで7分かかった素の状態に比べて6分と、こちらもわずかに早く、ポテンシャルの高さが垣間見えた。実勢価格は3,500円(税込)とリーズナブルだが、その性能は高く、コストパフォーマンスにすぐれた製品と言えるだろう。

「kryoM.2」の冷却効果

「kryoM.2」の冷却効果

テスト終了後約6分かけてアイドル時の温度に戻った(ブルーの網掛け部分)。全体的に温度変化はゆるやかだ

テスト終了後約6分かけてアイドル時の温度に戻った(ブルーの網掛け部分)。全体的に温度変化はゆるやかだ

大小2枚のヒートシンクで冷却強化。LED発光のギミックも
Aquacomputer「kryoM.2 evo」

Aquacomputer「kryoM.2 evo」。変換基板、大型ヒートシンク、小型ヒートシンク、熱伝導パッド2枚、シリコンシートを付属する

Aquacomputer「kryoM.2 evo」は、上述の「kryoM.2」の上位モデル。M.2 SSDのウラ側に装着できる小型ヒートシンクを付属し、両面実装タイプのM.2 SSDをよりしっかり冷却できるのが特徴だ。またオモテ側のヒートシンクの形状も若干大きくなっている。そのほか、アクセスランプ用LEDを無数に搭載し、魅せるギミックもポイントだ。

冷却性能は「kryoM.2」をわずかに上回った。アイドル時が32℃、負荷時はCrystalDiskMark UWP版が37℃で、ATTO Disk Benchmark 3.05が34℃。いずれも「kryoM.2」に比べて1〜2℃低く上位版なりの性能は感じられた。今回検証で使用しているM.2 SSDはチップ片面実装タイプなので、これが両面実装であれば、より効果が出るのかもしれない。実勢価格は5,000円(税込)とかなりお高いが、大型ヒートシンクでお手軽にとにかく冷やしたい方や、両面実装タイプのM.2 SSDもしっかり冷やしたい人には価値ある製品だろう。

「kryoM.2 evo」の冷却効果

「kryoM.2 evo」の冷却効果

起動後のアイドル時は31℃を示し、負荷テスト終了後のアイドル時は32℃となった。そのため本機では、アイドル時の温度を32℃としている。負荷テスト終了後32℃になるまで要した時間は約4分とかなり短い

小型ファンを搭載するロープロファイル対応モデル
Aotech「AOK-M2DPCIEX4WF」

Aotech「AOK-M2DPCIEX4WF」。変換基板、ロープロファイルブラケット、各種ネジ/金具が付属する

Aotech「AOK-M2DPCIEX4WF」。変換基板、ロープロファイルブラケット、各種ネジ/金具が付属する

デュアルM.2スロットを備える一風変わったモデル。M.2スロットは、いっぽうがPCI Express x4接続を、もういっぽうがSATA接続をサポートする。インターフェイスの異なるM.2 SSDを2枚同時使用できるうえ、冷却も行えるのが特徴だ。基板は細長だがロープロファイルサイズに対応しているので、小型PCへ装着できる。冷却機構は約40mmのブローファン1基で、ブラケット側に搭載されている。外の空気も吸い込みつつチップに風を送ることで冷却するものだ。今回紹介する製品の中では唯一、ヒートシンクを使わないファンのみの冷却による製品となっている。

測定温度は比較的高めの、アイドル時が36℃、負荷時はCrystalDiskMark UWP版が51℃で、ATTO Disk Benchmark 3.05が48℃となった。小型ヒートシンクタイプより冷えるが、大型ヒートシンクを搭載する製品には負ける、というちょうど中間の冷却性能といえそうだ。ただ、ピーク温度は50℃を超えてしまったが、負荷テスト終了後は2分強でアイドル時の温度に戻っている。負荷時とアイドル時が頻繁に切り変わるようなシチュエーションでは、意外にハマるアイテムかもしれない。ファンの動作音もPCケースの中に入ってしまえばまず気にならない。

「AOK-M2DPCIEX4WF」の冷却効果

「AOK-M2DPCIEX4WF」の冷却効果

負荷テスト終了後2分40秒ほどでアイドル時の温度36℃に戻った(網掛け部分)

負荷テスト終了後2分40秒ほどでアイドル時の温度36℃に戻った(網掛け部分)

ちなみに、親和産業のヒートシンク「SS-M2S-HS02」を取り付けてハイブリッドで冷やしてみたが、アイドル時は36℃から37℃に上がったいっぽうで、負荷時はCrystalDiskMark UWP版が49℃から47℃に、ATTO Disk Benchmark 3.05では48℃から45℃に低下。アイドル時の効果は見られなかったものの、ピーク温度は若干だが低くなった。しかし、「AOK-M2DPCIEX4WF」の実勢価格は3,500円(税別)前後になっており、併用するヒートシンクによっては割高に感じることも。まずは単体で使用してから、必要になったときにヒートシンクを購入すればいいだろう。なお、親和産業の「SS-M2S-HS01」はヒートシンクが5.9mmと厚みがあったため、取り付けられなかった。ヒートシンクを併用する場合は、使うヒートシンクの高さにも気をつけたい。

親和産業のヒートシンク「SS-M2S-HS02」を取り付けてハイブリッドで冷却してみたところ、わずかだが冷却性能が向上した

M.2 SSD用水冷ブロック
Aquacomputer「kryoM.2 with water block」

Aquacomputer「kryoM.2 with water block」。変換基板、熱伝導パッド2枚、各種ネジを付属する

Aquacomputer「kryoM.2 with water block」。変換基板、熱伝導パッド2枚、各種ネジを付属する

Aquacomputer の「kryoM.2 with water block」はM.2 SSD用の水冷ブロック。水冷ブロックとは液体を使って熱を吸収し冷やす装置のことで、「kryoM.2 with water block」は基本的に、「kryoM.2」の大型ヒートシンクが水冷ブロックに置き換わった製品だ。

ちなみに、単体では使えず、PC水冷用のラジエーターやリザーバー、ポンプやパイプ、冷媒などをひと通りそろえる必要がある(CPU用の簡易水冷キットでも使えない)。これから本格的にPCの水冷システムを組もうとしているか、すでにそうした環境がある人向けの製品となっている。

SSDに取り付けた状態での総重量は387g。今回チェックした製品の中では一番重かった

SSDに取り付けた状態での総重量は387g。今回チェックした製品の中では一番重かった

使用した水冷パーツは次の通り。ラジエーター:Hardware Labs「Black Ice SR-1 240」、リザーバー:BitsPower「Water Tank Z-Multi 250」(型番:BP-WTZM250AC-CL)、ポンプ:AquaComputer「D5」(型番:41091)、ファン:Noctua製120mm角×2個

測定温度は圧倒的に低かった。いずれも室温(26℃)に近く、アイドル時が28℃。負荷時はCrystalDiskMark UWP版とATTO Disk Benchmark 3.05ともに30℃となった。これまでのテストで、CrystalDiskMarkの温度は、ATTO Disk Benchmarkより若干高めになる傾向が見えたが、今回は同一温度をキープするなど、水冷の威力が感じられた。なお、PC水冷環境は、使う機材によりその性能は変わるので、ひとつの目安として見ていただきたい。実勢価格は10,000円(税込)と今回ピックアップした製品の中では一番高い製品となっているが、水冷環境に興味がある方には、気になる存在といえるだろう。

「kryoM.2 with water block」の冷却効果

「kryoM.2 with water block」の冷却効果

テスト終了後30秒でアイドル時の温度に戻った。今回の製品ではもっとも早い

テスト終了後30秒でアイドル時の温度に戻った。今回の製品ではもっとも早い

まとめ

ブルーの網掛け部分は、テスト終了後の温度変化を表している

ブルーの網掛け部分は、テスト終了後の温度変化を表している

各製品の負荷時温度

各製品の負荷時温度

上記グラフのとおり、冷却性能トップ3はAquacomputer製品が独占した。1位の水冷ブロックはまず順当な結果と言えるが、そこから引き離されてはいるものの大型ヒートシンクを搭載する2位の「kryoM.2 evo」と、その下位モデルとなる3位の「kryoM.2」もかなり健闘している。

特に2位の「kryoM.2 evo」は大型ヒートシンクを搭載する空冷タイプの中では一番冷えるモデルとなっており、手軽にとにかく冷やしたいならまずこの製品を選びたいところ。ネックは実勢価格が5,000円とお高めなところだろう。それが気になる方は3位の「kryoM.2」が狙い目だ。冷却性能の差はわずかで、実勢価格も3,500円とリーズナブル。今回紹介したものの中ではもっともコストパフォーマンスにすぐれる製品と言える。

次に存在感を示したのが4位のAotech「AOK-M2DPCIEX4WF」。変換カードタイプの中では冷却性能は低いが、小型ヒートシンクより上という、ちょうど中間的な性能を実現している。負荷時の温度はやや高めなものの、アイドル時に切り替わったときはファンにより即座に冷却しており、低負荷な作業が続くならこうしたファンによる冷却も実用十分だろう。

小型ヒートシンクタイプでは、AWESOME「AWD-MCS01」が底力を見せた。同様の製品の中ではやや大きめヒートシンクを採用することで、かなり冷えるようになっている。厚みがあるためほかのパーツに干渉しやすいことや、取り付けにやや難はあるものの、そこさえ気をつければいいモデルと言える。

なお、小型ヒートシンクの中で個人的に注目したのが、親和産業の「SS-M2S-HS01」だ。冷却性能はほどほどだったが、扱いやすさが一番の魅力で、始めてM.2 SSD用ヒートシンクを取り付ける方でも、安心して使用できるモデルと感じた。取り付けに自信のない方はこのモデルから始めてみるといいかもしれない。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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