格安SIMの通信速度を徹底調査

格安SIM&メインキャリアの通信速度ランキング! 人気14回線をチェック【2025年10月】

大手携帯キャリアのメインブランドと比べて毎月のスマホ料金が安い、オンラインプランやMVNOの格安SIM。料金が安いのはうれしいが、通信速度も気になるところ。実際はどうなのかを探るべく実施している人気回線の通信速度調査。2025年10月7日・9日に実施した今回は、前回の9月と比べてスピードテストの上り・下り平均速度とアプリダウンロード平均速度がすべて、大幅にスピードダウンする結果となった。

関連記事
格安SIMのおすすめ11選! あなたに最適なプランは?【2025年10月】
推しの格安SIM料金プランを探そう!
格安SIMのおすすめ11選! あなたに最適なプランは?【2025年10月】
スマホ料金を安くしたいなら格安SIMにするべきです。そこで、あなたのスマホの使い方に応じたおすすめプランと選び方。さらに最新の通信速度の検証結果を紹介します。
2025/10/07 11:00

1.【はじめに】通信速度の調査方法

スマートフォンの通信速度は時間帯や場所によって変化する。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所では、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域と低い地域にて、通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、各回線の通信速度を調査している。

人口密度の高い地域を東京都渋谷区の渋谷駅周辺。対照となる低い地域は、長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定した。調査対象の回線も追加・入れ替えを行い、2025年8月からは合計14回線とした。

今回の調査日は渋谷駅周辺が2025年10月7日(火)、佐久平駅周辺が10月9日(木)。測定にはモトローラの「moto g50 5G」を用いた。

調査方法は以下のように「Googleのインターネット速度テスト」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
端末のブラウザー(Chrome)でGoogleが提供しているインターネット速度テストを使用し、各地点・各時間帯で3回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移を「moto g50 5G」の動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査対象の回線は以下のとおりだ。本調査はこれまでメインキャリアのサブブランドとオンラインプラン、およびMVNOの格安SIMを対象に実施してきたが、前述の通り今回から対象回線を刷新し、メインキャリアのドコモ・au・ソフトバンクから格安SIMまで、合計14回線を選択した。すべて5Gネットワークを利用できる状態で調査を行っている。

調査した14種類の回線

(1)ドコモ
(2)au
(3)ソフトバンク
(4)ahamo
(5)povo2.0
(6)LINEMO
(7)楽天モバイル
(8)ワイモバイル
(9)UQ mobile
(10)IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
(11)mineo(Aプラン・マイピタ)
(12)イオンモバイル(タイプ1(NTTドコモ回線))
(13)NUROモバイル(NTTドコモ回線・バリュープラス)
(14)HISモバイル(NTTドコモ回線・自由自在2.0プラン)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

12時台の測定結果の平均値(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施。単位はMbps、以下同様)

12時台の測定結果の平均値(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施。単位はMbps、以下同様)

12時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

12時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は下りが40.58Mbps(前回は57.20Mbps)、上りが11.94Mbps(同15.35Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はソフトバンクが147.05Mbpsで最も速く、ワイモバイルが131.08Mbps、LINEMOが90.77Mbpsと続いた。上り通信速度はHISモバイルが21.18Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が22.88Mbps(同42.80Mbps)だ。回線別に見てみると、ソフトバンクが75.57Mbpsで最も速く、ワイモバイルが46.80Mbps、LINEMOが45.41Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(12時台)
1位 ソフトバンク:147.05Mbps
2位 ワイモバイル:131.08Mbps
3位 LINEMO:90.77Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台)
1位 ソフトバンク:75.57Mbps
2位 ワイモバイル:46.80Mbps
3位 LINEMO:45.41Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

14時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施)

14時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施)

14時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

14時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は、下りが55.43Mbps(前回は82.20Mbps)、上りが12.63Mbps(同16.55Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はahamoが88.57Mbpsで最も速く、ワイモバイルが86.18Mbps、UQ mobileが83.89Mbpsと続いた。上り通信速度もahamoが21.21Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が37.82Mbps(同55.68Mbps)だ。回線別に見てみると、ワイモバイルが62.04Mbpsで最も速く、HISモバイルが58.43Mbps、LINEMOが56.83Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(14時台)
1位 ahamo:88.57Mbps
2位 ワイモバイル:86.18Mbps
3位 UQ mobile:83.89Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台)
1位 ワイモバイル:62.04Mbps
2位 HISモバイル:58.43Mbps
3位 LINEMO:56.83Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

18時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施)

18時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年10月7日、佐久平駅周辺:2025年10月9日実施)

18時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

18時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は下りが43.42Mbps(前回は65.51Mbps)、上りが11.03Mbps(同16.22Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はLINEMOが136.57Mbpsで最も速く、ソフトバンクが103.93Mbps、ワイモバイルが78.69Mbpsと続いた。上り通信速度はahamoが19.95Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が36.31Mbps(同43.79Mbps)だ。回線別に見てみると、ソフトバンクが97.97Mbpsで最も速く、LINEMOが90.69Mbps、ワイモバイルが61.81Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(18時台)
1位 LINEMO:136.57Mbps
2位 ソフトバンク:103.93Mbps
3位 ワイモバイル:78.69Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台)
1位 ソフトバンク:97.97Mbps
2位 LINEMO:90.69Mbps
3位 ワイモバイル:61.81Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度を基にランキングを求めてみよう。参考として前回(2025年9月)と前々回(2025年8月)の調査結果も併記する。まずはスピードテストの下り通信速度からだ。

スピードテストの下り通信速度ランキング

スピードテストの下り通信速度ランキング

今回の1位はソフトバンクで109.89Mbps(前回は103.96Mbps)、2位はLINEMOで98.97Mbps(前回は125.15Mbps)、3位はワイモバイルで98.65Mbps(前回は150.69Mbps)だ。14回線全体の平均速度は46.48Mbps(前回は68.30Mbps)だった。

次は、スピードテストの上り通信速度の結果だ。

スピードテストの上り通信速度ランキング

スピードテストの上り通信速度ランキング

今回の1位はHISモバイルで18.49Mbps(前回は19.05Mbps)、2位はドコモで16.47Mbps(前回は18.72Mbps)、3位はahamoで16.35Mbps(前回は17.27Mbps)だ。14回線全体の平均速度は11.87Mbps(前回は16.04Mbps)だった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今回の1位はソフトバンクで75.94Mbps(前回は63.91Mbps)、2位はLINEMOで64.31Mbps(前回は78.85Mbps)、3位はワイモバイルで56.89Mbps(前回は62.84Mbps)だ。14回線全体の平均速度は32.34Mbps(前回は47.43Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2025年10月の調査では、前回9月と比べてスピードテスト下り平均速度とアプリダウンロード平均速度がどちらもマイナス32%、スピードテスト上り平均速度はマイナス26%と、大幅にスピードダウンした。

詳しく見てみると、特にau回線のスピードダウンが目立つ。前回に対して、スピードテスト下り通信速度はメインブランドのauが43%、オンラインプランのpovo2.0が29%、サブブランドのUQ mobileが46%、au回線を利用するmineo(Aプラン)が21%だ。au回線ほどではないものの、ソフトバンク回線も前回と比べて全体的にスピードダウンの傾向がみられる。

また、今回は渋谷駅周辺と佐久平駅周辺の地域差が目立った。14時台の結果を振り返ると、渋谷駅周辺ではau回線とソフトバンク回線がほぼすべて10Mbps以下、佐久平駅周辺では反対にドコモ回線がほぼすべて20Mbps以下だった。

渋谷駅周辺のau回線は12時台と18時台も全体的に遅く、前述の平均速度における前回からのスピードダウンにつながっている。ソフトバンク回線は最終的なランキングこそ上位を占めているものの、渋谷駅周辺の14時台はメインブランドのソフトバンクを含めてドコモ回線を利用するMVNOよりも遅い状態だったため、ほかの時間帯や佐久平駅周辺での数値に支えられた形だ。

全体の平均速度推移(2024年10月〜2025年10月、2025年4月は欠測。2025年7月から調査地点と対象回線を変更している点に注意)

全体の平均速度推移(2024年10月〜2025年10月、2025年4月は欠測。2025年7月から調査地点と対象回線を変更している点に注意)

次回の調査は2025年11月上旬〜中旬の実施を予定している。今回のような地域差が現れるかどうかも含め、各社の通信速度がどのように変化していくか、引き続き注目したい。

松村武宏
Writer
松村武宏
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
記事一覧へ
関原元気(編集部)
Editor
関原元気(編集部)
出版社にてメンズファッション誌やWebメディアの編集に長年従事し、現在は「価格.comマガジン」にて、PC、スマートフォン、スマートウォッチ分野を担当。ユーザー目線で、デジタルガジェットの面白さを届けます。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×