レビュー
従来機でネックだった欠点は改善されたのか?

新生FREETELのSIMフリースマホ「REI 2 Dual」レビュー

2017年12月に経営破たんしたプラスワン・マーケティングより「FREETEL」の端末事業とブランド名を引き継いだMAYA SYSTEM(マヤシステム)。同社から発売された「新生FREETEL」のSIMフリースマートフォン「REI 2 Dual」を取り上げてレビューする。従来のFREETEL機で全般的にネックだったハードウェア面はどのように変化したのだろうか。

3万円台というSIMフリースマホの激戦区に投入された、新生FREETEL「REI 2 Dual」。従来ネックだったハードウェアの作りはどのように変わったのだろうか

画面サイズ(解像度):約5.5インチ(1080×1920)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約75×152×7.9mm
重量:158g
CPU:Snapdragon 625 MSM8953(2.0GHz×8)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大256GB)
OS:Android 7.1.1
SIMカードスロット:nanoSIM×2(DSDS対応、スロット2はmicroSDカードと排他利用)
LTE対応バンド:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28B/38
キャリアアグリゲーション:対応
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:非搭載
FeliCa:非搭載
指紋認証センサー:搭載
メインカメラ:約1,300万画素×2
フロントカメラ:約1,600万画素
バッテリー容量:3,300mAh
USBポート:USB Type-C(USB2.0)

指摘されていた旧機種のネガを徹底的に排除したボディ

「REI 2 Dual」は、1080×1920のフルHD表示に対応する約5.5インチの液晶ディスプレイを搭載する大型スマートフォンだ。製品の企画と設計は、旧プラスワン・マーケティングが行い、2017年末の発売を予定していたが、同社の経営の破綻のため、発売が危ぶまれていたという経緯がある。だが、その後を引き継いだMAYA SYSTEMにより、2018年2月16日に発売された。

なお、新生FREETELでは、この「REI 2 Dual」および「Prior 5」の2機種が、自社企画・設計であることを強調している。と言うのも、旧FREETELの各製品は、和風のネーミングや“国内設計”など日本製であることを強調しつつも、実際は中国メーカーのODM向けモデルをベースにしていた。しかし、今回発表された新生FREETELの2機種については、真にオリジナル機と言ってよい成り立ちとなっている。

REI 2 Dualは、前モデル「REI」からひと回りボディが大型化し、表面素材も、樹脂主体からガラス製に変更されている。名前こそ継承しているが、前モデルの面影はない。ボディサイズは約75(幅)×152(高さ)×7.9(厚さ)mm、重量約158gで、5.5インチの画面サイズを持ったスマホとしてみれば、標準的なもの。曲面ガラスのボディは非常に滑らかかつ左右の側面が丸められているので、手に持ちやすい。

光が複雑に反射する背面パネルなど、どこかで見たようなデザインという指摘も散見されるが、高級感はある

光が複雑に反射する背面パネルなど、どこかで見たようなデザインという指摘も散見されるが、高級感はある

背面は左右がゆるやかに丸められている、ガラスの滑らかさもあって、手触りはかなりよい

背面は左右がゆるやかに丸められている、ガラスの滑らかさもあって、手触りはかなりよい

従来のFREETEL製スマートフォンは、液晶の保護ガラスや側面の金属フレームに傷が目立つことが指摘されていた。だが、本機は、液晶および背面の保護ガラスに、“アルミノシリケートガラス”と呼ばれる硬度と衝撃に強いものを採用している。なお、米国コーニング社の「ゴリラガラス」や、AGCの「Dragontrail(ドラゴントレイル)」もアルミノシリケートガラスの一種だ。側面のアルミ製フレームも、従来の1円玉のような質感から、表面にアルマイト加工が施され耐久性が高められている。ボディ表面の耐久性については、従来のFRETEL製品からのイメージ払拭が図られている。

フレームに使われるアルミ素材は、表面にアルマイト加工が施され、傷がつきにくい

フレームに使われるアルミ素材は、表面にアルマイト加工が施され、傷がつきにくい

表裏のガラスは、いずれも“アルミノシリケートガラス”と呼ばれる耐久性の高いもの。従来のFREETEL機で指摘が目立った傷の付きやすさも改善されている

SIMカードとmicroSDカードのトレイは、厚みのある金属製でしっかりした作りだ

SIMカードとmicroSDカードのトレイは、厚みのある金属製でしっかりした作りだ

約5.5型の液晶ディスプレイは、サイズに余裕があるので、視認性はよい。ややマゼンタ系の色かぶりが見られたが、従来のFREETEL製スマートフォンにあった画質調整機能「MiraVision」は、本機には搭載されておらず、調整できないのが残念。また、照度センサーの感度が不安定で、特に薄暗い場所で輝度の調整がうまくいかないケースが目立った。なお、タッチパネルは10点のマルチタッチ対応となる。

電子書籍の白い背景が、ややマゼンタがかって見える。従来機にあった「MiraVision」が非搭載となり、画質をユーザーで調整できなくなった

スタンダードCPU「Snapdragon 625」を採用

次に処理性能を見てみよう。従来のFREETEL機では台湾・MediaTek社のCPU「MT」シリーズを採用してきたが、REI 2 Dualでは、米・Qualcomm社の「Snapdragon」シリーズに変更された。本機が採用する「Snapdragon 625(2.0GHz×8)」は、2016年登場のもので最新世代ではないが、京セラ「Torque G03」や、ASUS「ZenFone 3 Deluxe ZS550KL」、モトローラ「Moto G5 Plus」など、ミドルレンジ機で採用される例が多い。RAMは4GB、ストレージは64GBといずれも大容量で、SIM2カードスロットと共用のmicroSDXCメモリーカードスロットは256GBまで対応する。OSは、Android 7.1.1だ。

FREETELによると、「Snapdragon」シリーズを採用した大きな理由として、特に3D描画におけるアプリの画質改善をあげている。国内で人気のあるゲームタイトルの多くは、Snapdragonシリーズを優先して描画を最適化させており、それ以外のCPUでは画質が粗くなりやすい。そのため一部の3Dを使ったゲームの愛好家の中には、一部に「MT」シリーズを敬遠するケースもある。そうした意味では、より安定性が増したと言える。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(7.04)」の総合スコアは、77,757(内訳、CPU:38,049、GPU:13,718、UX:20,628、MEM:5,362)となった。AnTuTuベンチマークはバージョン7.Xになって、内容が大幅に変わり、バージョン6.Xまでのスコアと比較して2割程度総合スコアがアップしていると言われる。その補正をざっとかけると、バージョン6.Xでは6万点台前半のスコアだ。

体感速度はミドルレンジ機として妥当なところだが、ストレージが64GBと余裕があるので、アプリやデータ類を大量に保存できるのはうれしい。この点で、一般的なエントリー機よりも優位性がある。

ミドルレンジ機としては相応のスコア。3Dゲームも画質を調整すれば十分楽しめる

ミドルレンジ機としては相応のスコア。3Dゲームも画質を調整すれば十分楽しめる

CPUにSnapdragonを採用したため、3Dを使ったゲームの画質が向上している。旧モデルで目立ったジャギーなども見られない

「ミリシタ」の描画は「3D軽量」と判定された

「ミリシタ」の描画は「3D軽量」

「デレステ」の描画は「3D標準」

「デレステ」の描画は「3D標準」と判定された

REI 2 Dualのバッテリー容量は、3,300mAhとこのクラスではやや大きめ。今回の検証は5日間行い、その間にバッテリーの充電は3回行った。筆者は検証ではSNSの確認から内蔵カメラを使った撮影、データのダウンロード、処理の重いゲームなど多方面で、かなりひんぱんに使用するが、そのペースだと24時間程度でバッテリーがゼロになる。いっぽう、待ち受け主体の利用ペースでは3日弱はバッテリーが持った。ただ、トータルで見ると、低消費電力の最新CPUを備えるミドルレンジ機であるOPPO「R11s」あたりと比較して、バッテリーの持ちはいまひとつといったところだ。

なお、QuickChargeやUSB PDといった急速充電には対応していないが、同梱のUSB Type-Cの充電器を使ったところ、残量1%からフル充電まで約2時間20分ほどで済んだ。本機は容量3,300mAhという比較的大きめのバッテリーを搭載しているが、思ったよりも充電時間は短時間で済んだ。

検証5日間のバッテリー消費の推移。待ち受け主体で3日弱、さまざまな用途で使い倒すと24時間ほどでバッテリーがなくなる

デュアルカメラはノイズが少なく、使い勝手がよい

「Dual」というネーミングにからもわかるように、本機の最大の特徴は、約1,300万画素のイメージセンサーを2個組み合わせたデュアルレンズカメラだ。このカメラはカラー情報とグレースケールの階調情報をそれぞれのカメラで撮影するというもので、その概要は、ファーウェイの「P」シリーズに搭載されるものと似ている。諧調をより深く読み取れるので一眼レフカメラのような背景をぼかした撮影も行える。また、フロントカメラも自撮り撮影を強く意識した約1,600万画素の高画素イメージセンサーを採用している。

なお、美肌機能はFREETEL自社開発のもので、自然な効果が得られるとしている。また、メインカメラでは4K動画や、スーパースロー動画の撮影も行える。

最大の特徴であるデュアルカメラ。2つのカメラはレンズやイメージセンサーのスペックは共通だが、いっぽうはカラー情報の映像を、もういっぽうは階調情報をそれぞれ別々に検知する

2個のレンズを使うことで、構図の立体感を把握できる。この情報を使い、背景を撮影後にぼかすこともできる

2個のレンズを使うことで、構図の立体感を把握できる。この情報を使い、背景を撮影後にぼかすこともできる

LED照明の下店内で撮影。ホワイトバランスの影響か、ややブルーの色かぶりが現れた

LED照明の下店内で撮影。ホワイトバランスの影響か、ややブルーの色かぶりが現れた

夜景モードでの撮影。ISO1600というかなりの高感度だが、ノイズは思いのほか抑えられているようだ

夜景モードでの撮影。ISO1600というかなりの高感度だが、ノイズは思いのほか抑えられているようだ

こちらも夜景モードで街灯を撮影。ISO512でシャッター速度1/20秒だが意外と手ぶれも目立たない

こちらも夜景モードで街灯を撮影。ISO512でシャッター速度1/20秒だが意外と手ぶれも目立たない

フロントカメラは約1,600万画素。自撮り用途を想定して高画素のセンサーを採用している

フロントカメラは約1,600万画素。自撮り用途を想定して高画素のセンサーを採用している

自社で開発したという美肌機能は、類似するものと比べて自然なエフェクトを心がけたとのこと。なお、左は美肌オフ、右が美肌オンの撮影サンプル(FREETEL提供)

従来機の欠点は改良されたしっかりとした製品。問題は競合機との差別化

国内市場ではSIMフリースマートフォンのさきがけ的存在だったFREETELだが、価格.comに寄せられるユーザーの意見は必ずしも好意的なものばかりではなく、安いなりの製品という意見が目立った。しかし、MAYA SYSTEMによる新生FREETELの第一弾モデルとなった「REI 2 Dual」は。従来モデルで指摘されていた欠点をかなり払拭してきた。また、デュアルカメラのメインカメラは、暗所のノイズも意外と少なく、手ブレも現れにくく、扱いやすい。

本機が投入される3万円台のミドルレンジ機は、ファーウェイ、ASUS、モトローラなど大手メーカーがしのぎを削る激戦区だ。同じCPU「Snapdragon 625」を搭載する5.5インチモデルだけを選別しても、ASUS「ZenFone 3 (ZE552KL)」や、モトローラ「Moto G5s Plus」などいずれも人気の高い強豪機である。特に、「Moto G5s Plus」は価格.comの最安価格が本機よりも2割ほど安く(2018年3月上旬現在)、この価格差を納得できるだけの優位性が本機にあるかといえば、率直に言って難しい。そんな中、2018年3月16日より7,000円のキャッシュバックが行われるキャンペーンが始まった。購入を考えている場合はこのタイミングを利用したい。なお、購入済みのユーザーもキャッシュバックの対象となっている。

ただ、MAYA SYSTEMの基幹業務のひとつにサポートセンターの運営があるので、サポート体制については期待が持てる。そんな、製品以外のプラスワンの魅力が確立できるか、新生FREETELに注目したい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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