日本マイクロソフトは2018年10月10日、先週3日に発表した「Surface」シリーズの新モデルを国内の報道陣に披露した。米国本社のバイスプレジデントで、Surfaceの開発を統括するパノス・パネイ(Panos Panay)氏が、新モデルの特徴を説明した。
「Surface Pro 6」の新色となるブラックモデル
会の冒頭、パネイ氏はピアノを弾く自身の娘を例に、ユーザーがクリエイティビティに上手に集中(没入)できるようにするには、テクノロジーは裏側に隠れていなければならないと説明。日本語に訳しにくいと前置きしながら、「フローにどうやって入っていくかが重要。ツールはユーザーに順応し、その結果、ユーザーは目標や目的を達成することができる」とした。
少し抽象的だが、同社の企業ミッションである「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」に通じるところがある。
Surfaceシリーズの開発を統括するパネイ氏。Surfaceのキーパーソンだ
Surfaceに関しては、ツールとしての美しさと細部へのこだわりを強調。2in1タイプの「Surface Pro 6」とクラムシェルタイプの「Surface Laptop 2」の新色であるブラックモデルは、USBポートの中まで黒色に統一するなど細部までこだわったほか、質感や手触りにも力を入れたという。
Surface Pro 6、Surface Laptop 2ともに、インテルの第8世代Coreプロセッサーを搭載することで、基本性能の底上げを図っている。前モデルと比べると、Surface Pro 6は最大67%、Surface Laptop 2は最大85%パフォーマンスが向上しているという。ディスプレイサイズや外部インターフェイスなどは前モデルを踏襲する。価格はSurface Pro 6が119,800円(税別)から、Surface Laptop 2が126,800円(税別)から(どちらも参考価格)。価格は据え置きだが、CPUにCore i7を搭載する高性能モデルは、前モデルよりも価格を抑えている。発売は2018年10月16日。
Surface Pro 6のブラックモデルはしっとりした肌触り。実物は高級感のあるカラーリングだった。Surface Pro 6、Surface Laptop 2ともにモデルによって選べないカラーがあるので注意してほしい
黒くて見えにくいが、USBポートの奥まで黒色に塗装されている
Surface Laptop 2のブラックモデル
ブラック以外には、プラチナ、コバルトブルー、バーガンディを用意
Surface Laptop 2のウリは長時間のバッテリー駆動。アップルの「MacBook」シリーズと比べても優位性があるという
3日の発表時点では日本での発売が未定だった「Surface Headphones」と「Surface Studio 2」を2019年に発売することも発表された。
Surface Headphonesは、効果を13段階で調整できるアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した、Surfaceブランド初のヘッドホン。ノイズキャンセリングの効果は、ヘッドホンに搭載されるダイヤルを回して調整する。タップ操作で音量の調整や、電話の受話、音楽の再生/停止(曲送り/戻し)なども可能。音声アシスタントの「コルタナ」を使って、スケジュールの確認やタスクのリマインドなどもできるという。
来年2019年に日本でも発売されることが決まったSurface Headphones。価格は未定だ(米国でも未定)
ダイヤルでノイズキャンセリングの効果を13段階で調整できる
Surface Studio 2は、28型のディスプレイを搭載した高性能なデスクトップパソコン。ディスプレイ部分が傾き、手書き入力もサポートするクリエイター向けモデルだ。新モデルはグラフィック性能が1.5倍にアップしたほか、ディスプレイの輝度が38%、コントラストが22%向上している。
Surface Studio 2は2019年1月発売予定。価格は未定
新型Surfaceの気になるブラックカラー誕生の理由などを同社のロビン・セイラー(Robin Seiler)氏にも話を聞けたので、最後にお伝えしたい。
価格.comマガジン:新色ブラックを投入した理由は?
セイラー氏:自己表現という意味でカラーは重要です。黒色のSurfaceが欲しいというユーザーからのフィードバックが多かったほか、「Surface Laptop」のカラーモデルがよく売れたというのも理由です。仕事場でも家庭でも使いやすいカラーですし、普遍的でエレガントでもあります。
価格.comマガジン:2019年発売予定のSurface Headphonesは仕事用ですか?
セイラー氏:フリーアドレスなどで働く人にはぴったりでしょう。プライベートとビジネスの垣根を越えて使えるプロダクトだと考えています。ノイズキャンセリング機能はオフィスはもちろん、空港でも重宝するはずです。ゲーム用に最適化されてはいませんが、開発中にはXboxのチームとも話し合いました。
マイクロソフト デバイスのProgram ManagementのGeneral Managerであるセイラー氏
パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。