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KDDIがバーコード決済「au PAY」を4月にスタート

KDDIは2019年2月12日、バーコード決済サービス「au PAY」を4月に開始すると発表した。また、これを受けた措置として今年夏に、au IDのキャリアフリー化を実施する。それらの詳細を解説しよう。

KDDIの橋誠社長による発表が行われた。KDDIグループのかける意気込みと意味合いの大きさがわかる

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既存の会員向けプリペイド決済「au WALLET」を強化

KDDIのモバイル通信サービス「au」は、会員向けのプリペイド型決済サービス「au WALLET」を2014年から実施している。au WALLETは、クレジットカードのような「au WALLETカード」を使ったプリペイド型の決済サービス。クレジットカードのインフラを利用しているのが特徴で、MasterCardまたはVISAのクレジットカードが使えるお店なら世界中で利用可能だ。

今回発表された「au PAY」は、現在流行のバーコードを使った決済サービスで、「au WALLET アプリ」から簡単な手続きで利用可能なほか、毎月のauの支払いに際して発生する「au WALLETポイント」を決済に充てることができる。対象となるのはau IDを持つauユーザーだが、後述するようにauでは今夏にサービスのキャリアフリー化を実施するので、auの回線を持たないユーザーでも利用可能となる。4月よりサービスが開始されるが、協業関係にある「楽天PAY」対応店舗を含めて、対応店舗は地点ベースで約100万か所。また従来のように大型店舗に限らず中小の店舗への浸透をはかる方針を掲げている。

なお、「au PAY」の窓口となるau WALLET アプリでは、アプリ上から送金、「じぶん銀行」への払い出し、au WALLETポイントの運用、「おつりを投資に回す」、「少額ローン」、個人型確定拠出年金「auのiDeCo」、「Apple Pay」(iOS版のみ)といったサービスを一括して管理できるようになる。

au PAYは、1,000万円の取り扱い残高と、2.5兆円という既存のau経済圏をベースにしている

au PAYは、1,000万円の取り扱い残高と、2.5兆円という既存のau経済圏をベースにしている

スマホを中心にした金融系の諸サービスを開始。2018年秋にスタートした「auのiDeCo」などの既存サービスも統合される

これらの金融系サービスは「au WALLETアプリ」上にまとめられる予定だ。なお、iOS版についてはApple Payにも対応する

こうしたサービスの開始にともない、会社組織の大幅な変更も発表された。中間金融持株会社として新たに「auフィナンシャルホールディングス」を2019年4月に設立し、資本移動により「じぶん銀行」や「カブドットコム証券」を傘下に収めるなど、KDDIグループとして金融事業へ注力する体制を整える。

三菱UFJグループの合弁だった「じぶん銀行」はKDDIの連結子会社となる

三菱UFJグループの合弁だった「じぶん銀行」はKDDIの連結子会社となる

「au ID」のオープン化を今夏に実施

電子決済サービスでは、なるべく多くのユーザーを取り込むためにユーザーを限定しないことが重要となる。そのため、今までauの回線ユーザーに限られていた「au ID」を夏ごろを目処にキャリアフリー化し、他社回線のユーザーでもau PAYやポイントサービスが利用可能となるように改正する。「au PAY」以外のサービスがオープン化の対象になるかはまだ明らかにされていないが、従来の方針である「auのサービスやコンテンツはau回線のユーザーのもの」という路線を転換するものと言えよう。

なお、約2,000万人というau WALLETユーザーを抱えており、まったくの新規サービスというわけではないことを理由に、「PayPay」のような大規模な還元キャンペーンは行わないとのことだ。

競合他社のキャリアフリー路線とは一線を画していたauだが、au PAYの開始にともない、路線を変更することになった

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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