KDDI(au)は、2019年8月28日、同社の発表会「au UNLIMITED WORLD」において、新料金プラン「au データMAXプラン Netflixパック」を発表した。データ通信が使い放題で、Netflixのアカウントがセットとなっており、動画を思う存分視聴できるのが大きな特徴だ。あわせて、同料金プランとともに発表されたauの5G戦略についてもレポートする。
※記事中の料金は税別で統一している。
auの新料金プラン「au データMAXプラン Netflixパック」は、データ通信容量が無制限で(テザリング、データシェア、世界データ定額については月間2GBの制限あり)、「Netflix」のベーシックプラン(月額800円)をセットにしたもの。月額料金は7,880円(「2年契約N」適用時。詳細は後述)。auでは、従来プランと比較して、実質的に最大で2,400円相当の値下げになるとしている。
なお、この新料金プランに適用できる割引メニューとして、固定電話回線とセットで月額1,000円の割引を受けられる「auスマートバリュー」と、月額1,000円の割引となる「家族割プラス」(家族2回線の契約から)が用意され、最大で月額2,000円の割引を永続して受けることができる。これに加えて、月額1,000円の割引が契約当初6か月間のみに適用される「スマホ応援割プラス」も用意される。これらを適用すると、最大で3,000円の割引となり、月額料金は4,880円となる。従来の料金には7,280円だったので、この場合、最大で2,400円の割引となる計算だ。
「au データMAXプラン Netflixパック」に用意される2年縛り契約は、10月から施行される改正電気通信事業法に準拠した新しい「2年契約N」だ。この契約では、毎月の料金割引は170円と少なめだが、2年契約の途中で解約した場合の違約金(契約解除料)が1,000円に抑えられており、解約の敷居が大幅に下げられている。「2年契約N」を使わない場合、月額料金は170円アップの8,050円となる。なお、このほかのプランについても新しい法令に適応した「2年契約N」に準じた新しい2年縛り契約が近日中に発表される予定だ。
なお、Netflixのアカウントは、月額400円のオプションで「スタンダードプラン」に、月額1,000円のオプションで「プレミアムプラン」にアップグレードできる。このほか、音声通話オプションとして、月額1,700円で国内通話が24時間無料になる「通話定額」と、月額700円(契約当初12か月は月額200円の割引が適用される)で5分以内の音声通話が24時間無料になる「通話定額ライト」が用意される。「au データMAXプラン Netflixパック」の受け付け開始は9月13日から。
追加料金を気にせずにNetflixが見放題になる「au データMAXプラン Netflixパック」は、5G時代を先取りしたサービスの一環と言えそうだ
発表会では同時に、5Gネットワークを含む当面のネットワークに対する戦略も明らかにされた。auでは、2020年3月のサービス開始に向けて、5G用の基地局を4万局以上準備中だ。この数自体は、競合他社よりかなり多い。そのうえで、2022年3月には予定通りに3G(CDMA 1X WIN)のサービスを終了させ、4Gと5Gの2本立てのネットワークに移行する。ただし、4G(LTE)の登場のときのように、一気に5Gへ移行が進むようなことにならないという。4Gサービスはそのままで、効率よくエリア展開を行えるプラチナバンドを引き続き4Gで運用しつつ、通信ニーズの高いエリアに5Gのエリアを重ねていくことになる。
5Gサービスの中身についても、サービス開始後に段階的なアップグレードが行われる模様だ。5Gサービス開始時点では、4Gの設備を併用するノンスタンドアローンモードで運用するが、2022年にはスタンドアローンモードのサービスを開始する。スタンドアローンモードは、ネットワークの性能を仮想的に調整するネットワークスライシングや、超低遅延などを実現できるので、5Gのネットワークにおいては、こちらが主力になるものと思われる。
なお、2019年10月24日から開催される「東京モーターショー」内で行われるドロンレースイベント「DRONE TOKYO 2019」にて、5Gのプレサービスを行う予定も明らかにされた。
従来のコーポレートカラーであるオレンジから、メタリック調にリニューアルされた新たな5Gのロゴも発表された
「DRONE TOKYO 2019」では、5Gの技術や設備それ自体ではなく、5Gによる新しい体験をユーザーにもたらすプレサービスが行われる
5Gを使った実証実験は、日本各地でさまざまなユースケースで行われている
また、auが展開しているスマホ決済サービス「au PAY」が、8月29日から、auと回線契約をしていないユーザーにも解放されることも発表された。au WALLETのポイント還元率は、auユーザーと同じで200円につき1ポイント。対応するのは、iOS8.0以上のiOSデバイスと、Android 4.2以上のAndroidデバイスとなる。au PAYの特徴であるクレジットカード型のプリペイドカードの発行も可能で、「au WALLET」アプリ上から申し込みを行い、「じぶん銀行」と連携することで利用可能となる。
au WALLETポイントを効率的に貯められる新しいポイントプログラムも準備中。詳細は後日発表される予定だ
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。