Googleが2019年11月に発表したスマートフォン「Pixel 4/4 XL」には、手をかざして本体を操作する「Motion Sense」という目玉機能が搭載されていましたが、日本では電波法の関係で提供が見送られていました。しかし、本日2020年2月4日から同機能がついに使えるようになります。
「Motion Sense」がようやく日本に上陸。利用できるのは「Pixel 4/4 XL」に限られます
「Pixel 4/4 XL」の前面上部には、Soliレーダーというセンサーが埋め込まれています。あらゆるもののモーション、つまり、動きを検知するセンサーで、これを活用することでタッチ操作や音声操作に続く、人や手の動きで端末を操作することが可能になります。
「Pixel 4/4 XL」の前面上部にはさまざまなセンサーが搭載されていますが、そのうちのひとつがSoliレーダーです(右から4番目)
ロールアウト時点では、プレゼンス、リーチ、スワイプジェスチャーという3つの機能が提供されます。プレゼンスは端末から半径0.6mの距離にいるユーザーを認識するというもの。リーチは、ユーザーが端末を取り上げようとする手の動きを検知する機能。そしてスワイプジェスチャーは、ユーザーの手の動きを検知する機能です。Googleは。これらを組み合わせることで、より人間らしく、シームレスで自然な形でスマートフォンを操作できるようになると言います。
たとえば、プレゼンスを利用することで、人が端末に近づいたり離れたりするのを感知して画面のオン、オフを自動で切り替えることが可能になります。リーチは、ユーザーの手の動きを感知して画面をオンにしたり、着信中の音量を徐々に小さくしたり、顔認証モードを準備状態にしたりすることができます。
手の動きを感知して顔認証の準備状態に移行することで、認証スピードは世界最速になるという
スワイプジェスチャーは、端末の上で手を振るだけで鳴っているアラームをオフにしたり、再生中の楽曲の曲送りや、曲戻し(Google Play Music、YouTube Musicおよびサードパーティー製アプリで利用可能)などが行えます。これは、料理や運動、運転、入浴中など、端末に手を触れられないシーンでの利用が想定されています。
手を振るだけでアラームをオフに
発表会では、手を端末の上で振って着信中のスマホをサイレントにするデモが行われました。かなり速いスピードで手を振っても正確に認識されていたことから、センサーの認識精度やレスポンスも高いように感じました。
また、アプリ「Pokémon Wave Hello」でもスワイプジェスチャー操作が利用できるようになります。端末の前で手を振ると、ポケモンたちが反応してくれ、インタラクティブ性の高い操作を楽しめます。
ポケモンとハンドジェスチャーでコミュニケーションができるアプリ「Pokémon Wave Hello」。「Motion Sense」のAPIについては、今後解放される予定ですが、現時点で具体的な話はなし
Googleは、Soliレーダーの開発を5年前からスタートし、センサーの小型化、そして読み取ったモーションデータの処理方法について課題解決に取り組んできたとのこと。実験段階では、指をこすり合わせたり、2本の指で人が歩くようなジェスチャーをしたりなど、細かい指の動きを認識できるまでに技術が向上したとのことですが、「Motion Sense」のローンチ段階では、手を振るといった大きな動きを読み取る機能に限定したとしています。
プロジェクト開始時のSoliレーダーは大きな箱くらいの大きさでしたが、開発を重ねてスマートフォンに埋め込めるほどの大きさに(写真一番右)
しかし、今後は指先の動きを反映するような操作方法についても新機能として提供していったり、Pixel 4のようなスマートフォンだけではなくスマートウォッチなど小型のデバイスにもMotion Senseを提供していければ、とコメントしていたので、今後の展開に期待がかかります。
将来的には指先をこすることでスマートウォッチの時刻を合わせるなど、指の細かな動きも認識する機能が登場するかも
Motion Senseは本日2月4日よりソフトウェアアップデートで提供される予定ですが、記事作成時点で手元の「Pixel 4」にはアップデートの通知が届いていません。端末に触れずにハンドジェスチャーで操作する、というのは、映画に登場しそうなセンセーショナルな機能に感じるいっぽうで、実用性や実際の使用感など気になる点も多いのが正直なところ。今後、利用できるようになったらレビューをお届けできればと思います。
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。