レビュー
「ROG Zephyrus Duo 15」と「ROG Strix SCAR 15」

2画面と300Hz、“画面”にこだわったASUSの超高性能ゲーミングノートPC 2台をレビュー

ASUS JAPANは2020年7月22日、ゲーミングPCの新モデルとして9シリーズ20モデルを発表した。同社は国内のゲーミングノートPC市場でシェア1位(同社調べ、期間は2020年1月〜5月)を獲得しており、5月にも「Ryzen 9 4900HS」を搭載した「ROG Zephyrus G14」を発売するなど、ゲーミングノートPCに注力している。今回は新モデルの中から、「ROG Zephyrus Duo 15」と「ROG Strix SCAR 15」の2モデルのレビューをお届けしたい。

左がROG Strix SCAR 15、右がROG Zephyrus Duo 15。どちらもCPUにはノートPC向けの第10世代Coreプロセッサーとしては最上位の「Core i9-10980HK」を搭載する超高性能なゲーミングノートPCだ

2画面ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus Duo 15」

ROG Zephyrus Duo 15は、キーボードの奥にセカンドディスプレイを搭載する2画面ゲーミングノートPC。発売は2020年8月7日の予定。希望小売価格は636,182円(税別)となかなかインパクトのあるプライスとなっている

まずはROG Zephyrus Duo 15から見ていこう。“Duo”という名称から想像できるかもしれないが、本モデルは同社の2画面ノートPC「ZenBook Pro Duo」「ZenBook Duo」と同様、キーボードの奥に「ScreenPad+」というセカンドディスプレイを搭載した2画面のゲーミングノートPCだ。

セカンドディスプレイにゲームに関係する情報を表示しながら、15.6型のメインディスプレイでプレイする(ゲームがマルチウィンドウ対応という条件はある)といった使い方のほか、ゲームを配信しているユーザーなら配信画面やSNSなどをセカンドディスプレイに表示するといった使い方を想定しているという。ただ、セカンドディスプレイは細長い形状で、多くの情報を表示するという使い方には向いていない。メインディスプレイを補助するという役割がメインになりそうだ。

ゲーム以外でもクリエイティブ用途や日常作業のマルチタスクを2画面で行うなどの使い方もできるだろう。セカンドディスプレイはタッチ操作にも対応しており、キーボードを操作する延長でタッチ操作できるのもポイントだ。使い方や機能はZenBook Pro DuoやZenBook Duoとほとんど同じだ。

画面サイズはメインディスプレイが15.6型、セカンドディスプレイが14型。セカンドディスプレイはゲーム画面のような壁紙となっている

機能はZenBook Pro DuoやZenBook DuoのScreenPad+とほぼ同じように感じた。手書き入力で文字を入力したり、メインとセカンドディスプレイの表示を素早く入れ替えたりできる。チュートリアルや使い方をサポートする画面が追加されており、使いやすさはアップしている印象を受けた

このセカンドディスプレイはゲーミングノートPCにとって重要な冷却性能の向上にも一役買っている。ちょうど空いたスペースを吸気と排気に利用することで、エアフローが従来の冷却機構より30%も向上しているという。冷却機能に関しては、Thermal Grizzly(サーマルグリズリー)の液体金属グリスを使うことで、最大14℃の温度低下を実現。同社のゲーミングノートPCではおなじみの自動でほこりを排出するアンチダストトンネルや5本のヒートパイプなどパフォーマンス維持に欠かせない冷却性能には強いこだわりが感じられる。

セカンドディスプレイの下にはファンのようなものが見える。ここから吸気することで、冷却性能を高めているのだ

15.6型のメインディスプレイは3840×2160の4Kディスプレイ。Adobe RGB100%の広色域で、G-Syncにも対応している。視野角はIPSレベルをうたっており、広視野角なディスプレイだ。セカンドディスプレイは3840×1100の14型。こちらも高精細な表示で、sRGB100%の色域をカバーしている。

スペックはゲーミングノートPCとしては最強クラス。CPUはノートPC向けの第10世代Coreプロセッサーとしては最上位である「Core i9-10980HK」(2.4GHz、最大5.3GHz、8コア16スレッド)、外部GPUもノートPC向けのGeForce RTXシリーズの最上位である「GeForce RTX 2080 Super with Max-Q design」を搭載している。メモリーはDDR4-3200の32GB、ストレージには2TB SSD(1TB×2 RAID 0)を備える。RAID 0なので故障は心配だが、非常に高速な読み書きを実現している。

各種ベンチマークテストの結果は以下の通りだが、最強クラスのスペックだけにすべてがハイスコアだ。なお、Core i9-10980HKはオーバークロックに対応しているが、今回はオーバークロックをしていない。

●CINEBENCH R20.060
CPU:3283pts
CPU(Single Core):465pts
●PCMark 10 Professional Edition
PCMARK 10:6901
Essential:10068
Productivity:8861
Digital Content Creation:9999
●3DMarkProfessional Edition
Fire Strike:20108
Fire Strike Extreme:10589
Fire Strike Ultra:5531
Port Royal:5453
Time Spy Extreme:4062
Time Spy:8952

ベンチマーク中はACアダプターを接続して、動作モードを「Turbo」にしているため、ファンが盛大に回り、動作音はかなり大きかった。「Turbo」は一番パフォーマンスを発揮するモードなので、必要に応じて、「パフォーマンス」「サイレント」「Windows」に変更するといいだろう。

外部インターフェイスは両側面と背面に搭載されている。有線LANポート、Thunderbolt 3、4K出力対応のHDMIなど豊富な外部インターフェイスを備える

キーボードはZenBook Pro DuoやZenBook Duoと同じく、ScreenPad+を搭載する関係で、手前に配置されている。キーボードの右側にはテンキーとしても使えるタッチパッドを搭載

本体サイズは約360(幅)×268(奥行)×20.9〜23.0(高さ)mm、重量は約2.5kg。これだけのスペックなので、なかなか大きくて重い筐体だが、一昔前のゲーミングノートPCと比べればスリムで軽い。なお、付属のACアダプターも巨大なので注意したい。去年発売した2画面ノートPCの第一弾モデルの価格は361,500円(税別、発売時の希望小売価格)から高価だったが、ROG Zephyrus Duo 15は希望小売価格60万円を超える、超高価なモデルだ。

超高性能マシンにふさわしい高級感のある金属ボディ

超高性能マシンにふさわしい高級感のある金属ボディ

リフレッシュレート300Hzのディスプレイを搭載する「ROG Strix SCAR 15」

ROG Strix SCAR 15はリフレッシュレート300Hz、応答速度3msという高速駆動の液晶ディスプレイを搭載する。発売は2020年7月22日(本日)で、希望小売価格は327,091円(税別)

ROG Zephyrus Duo 15は、先進的すぎる(価格が高すぎる)という人に注目してほしいのがROG Strix SCAR 15だ。BMWのグループ会社であるBMW Design worksとコラボレーションしたデザインが見どころのひとつだが、決して奇抜なデザインではなく、ゲーミングノートPCとしては比較的落ち着いた見た目となっている。もちろん、ゲーミングPCらしく光らせたいというユーザーのために底面には「ラパラウンドライトバー」というU字型のライトバーが搭載されており、個性を発揮することも可能。もちろん、キーボードの光らせ方や色のカスタマイズもできる。

シンプルな見た目だが、ヒンジ部分の階段状のデザインなど細かな部分にこだわりを感じる

シンプルな見た目だが、ヒンジ部分の階段状のデザインなど細かな部分にこだわりを感じる

「ラパラウンドライトバー」というU字型のLEDライトが底面に搭載されている

「ラパラウンドライトバー」というU字型のLEDライトが底面に搭載されている

ROG Strix SCAR 15のもうひとつの特徴が、リフレッシュレート300Hzの高速駆動の液晶を搭載していること。リフレッシュレートは1秒間に何回画面を更新するかを表すもので、一般的なディスプレイのリフレッシュレートは60Hzとなっている。ゲーミングディスプレイには144Hzや240Hzというものもあるが、300Hzは現状トップクラスのリフレッシュレートと言える。

リフレッシュレートが高いと表示が滑らかになり、レースゲームやFPSゲームなど動きの激しいゲームで特に威力を発揮すると言われている。動きの激しいタイトルをプレイするゲーマーにとって、ROG Strix SCAR 15の300Hz駆動のディスプレイはひとつの武器になるかもしれない。応答速度も3msと非常に高速だ。

「300Hz/3ms」のシールが大きく貼られたディスプレイ。ライトゲーマーの筆者が試した限りでは滑らかさをはっきりと体感することはできなかったが、本モデルを使った後に60HzのROG Zephyrus Duo 15を使って同じゲームをプレイすると、表現は難しいが、残像というか微妙な遅さを感じた

リフレッシュレートの設定画面。「300ヘルツ」という見慣れない数字となっている

リフレッシュレートの設定画面。「300ヘルツ」という見慣れない数字となっている

冷却性能は、ROG Zephyrus Duo 15と同じく、CPUグリスにThermal Grizzlyの液体金属グリスを使うことで、こちらは12℃の温度低下を実現している。主なスペックは、CPUがCore i9-10980HK、外部GPUが「GeForce RTX 2070 Super with Max-Q Design」。ROG Zephyrus Duo 15よりも外部GPUは少しだけ劣るが十分すぎるほど高性能なスペックだ。メモリーはDDR4-3200の32GB、ストレージには2TB SSD(1TB×2 RAID 0)を備える。M.2 SSDをもうひとつ拡張できるスペースが内部にあり、保証対象外となるがユーザー自身で拡張することも可能だ。拡張する場合は、同社の「ASUSのあんしん保証」に入っておけば、万一拡張に失敗しても保証の対象となるので、ぜひ保証に入ってから挑戦するといいだろう。

各種ベンチマークテストの結果は以下の通りだが、最強クラスのスペックだけにすべてがハイスコアだ。なお、Core i9-10980HKはオーバークロックに対応していないが、今回はオーバークロックをしていない。

●CINEBENCH R20.060
CPU:4094pts
CPU(Single Core):447pts
●PCMark 10 Professional Edition
PCMARK 10:5771
Essential:10199
Productivity:8907
Digital Content Creation:5744
●3DMarkProfessional Edition
Fire Strike:19695
Fire Strike Extreme:10223
Fire Strike Ultra:5279
Port Royal:5035
Time Spy Extreme:4013
Time Spy:8591

このほか、「Keystone II」というユニークな機能も備えている。NFCで取り付ける物理キーで、装着すると好きなアプリを起動したり、隠しファイルをオープンしたり、Windowsのログアウトをしたりできる。

磁石で固定できるKeystone II。NFCで本体とは接続され、各種機能を起動する鍵の役割を果たす

磁石で固定できるKeystone II。NFCで本体とは接続され、各種機能を起動する鍵の役割を果たす

Keystone IIの設定は、「ROG Armoury Crate」から行える

Keystone IIの設定は、「ROG Armoury Crate」から行える

外部インターフェイスは背面と左側面に配置されている。パソコンの右側でマウスを操作するときにケーブルなどがじゃまにならないのがうれしい。外部イータフェイスは、USB 3.0×3、USB 3.1 Gen 2 Type-C、有線LANポート、HDMI 2.0bなどを備える

Nキーロールオーバー対応のキーボードを搭載。各キートップのバックライトLEDの色はそれぞれ変更できる

Nキーロールオーバー対応のキーボードを搭載。各キートップのバックライトLEDの色はそれぞれ変更できる

本体サイズは約360(幅)×275(奥行)×21〜24.9(高さ)mm、重量は約2.35kg。バッテリー駆動時間はカタログスペックで約8.0時間。こちらもかなり大型のACアダプターが付いている。

まとめ

以上、2台の超高性能ゲーミングノートPCをチェックしてきたが、どちらも圧倒的なパワーを求めるゲーマー向けのモデルだ。もちろん、4Kかつ2画面のROG Zephyrus Duo 15はゲーマーだけでなく、ハイパワーなPCを探しているクリエイターにもいいだろう。

今回紹介したモデルのほかにも、「ROG Strix G15」や「ROG Strix G17」といった希望小売価格で20万円を切るモデルもラインアップされている。予算重視という方はこちらのモデルをチェックしてみてほしい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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