ソニーは、2021年10月26日、映像のプロ向けのハイエンドスマートフォン「Xperia PRO-I」および、「Xperia 1 III」のSIMフリーモデルを発表した。なかでも今回初登場の「Xperia PRO-I」は、コンパクトデジカメ並みの1インチ・イメージセンサーを搭載しており、よりカメラ性能を強化した製品となっている。
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「Xperia PRO-I(プロ・アイ)」は、今年2月に発売されたプロの映像クリエイター向けスマートフォン「Xperia PRO」に続く、シリーズの最上位に位置づけられるスマートフォン。1インチのイメージセンサーを含む3基のカメラと3D iToFセンサーを搭載しており、本格的なコンパクトデジカメ並みの高性能カメラを備えた製品となっている。
ボディサイズは、約72(幅)×166(高さ)×8.9(厚さ)mmで、重量は約211g。ディスプレイは、3,840×1,644の4K表示に対応する約6.5インチの有機ELディスプレイで、10bitの階調やBT.2020の色域に対応。プロ用モニターの画質を再現した「クリエイターモード」や、残像低減機能付きの240Hz駆動に対応する。また、ボディはIPX65/68等級の防水・防塵仕様に対応するほか、FeliCaポート、ヘッドホン端子、ステレオスピーカーなどを備え、全体的なスペックは「Xperia 1 III」に近いが、5Gのミリ波とワイヤレス充電のQiには非対応となっている点が目立った違いだ。バッテリー容量は4,500mAhだ。
背面の大きなレンズのカメラが、1インチセンサーを備えた広角カメラとなる
搭載されるSoCは「Snapdragon 888」で、12GBのメモリーと512GBのストレージを組み合わせる。OSはAndroid 11がプリインストールされ、次期バージョンであるAndroid 12へのバージョンアップも予定されている。通信機能では、2基のnanoSIMカードスロットを備えたDSDV対応(eSIM非対応)で、4G・5GともにNTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイル(MNO)の4キャリアのネットワークでの動作が確認済みだ。5G通信では、専用周波数帯としてSub 6帯(n77/78/79)に対応するほか、4Gからの転用周波数帯(n3/28)にも対応している。
注目のカメラを見てみよう。メインカメラは約1,220万画素の超広角カメラ(焦点距離16mm)、約1,220万画素の広角カメラ(焦点距離24mm)、約1,220万画素の望遠カメラ(焦点距離50mm)、構図認識用の3D iToFセンサーという組み合わせのクアッドカメラだ。このうち、超広角カメラは「Xperia 1 III」と同じものだが、広角カメラと望遠カメラは本機独自のものとなる。フロントカメラは約800万画素だ。
メインカメラとして搭載される、超広角カメラ、広角カメラ、望遠カメラは、いずれもレンズにソニーのデジタルカメラではおなじみのT*コーティングが施されている。なお、望遠カメラはペリスコープ構造の可変式ではなく、50mm固定の望遠となる
広角カメラはF2.0とF4.0の絞りの切り替え機能が搭載されている
側面に備わるシャッターボタンのメカには、デジタルカメラ「RX100 VII」と同じものが使われる
本機独自の広角カメラは、1インチという大型のイメージセンサーに、F2.0とF4.0の絞り切り替え機能が付いたZEISS監修のレンズ「Tessar(テッサー)」を組み合わせたもの。この1インチセンサーはソニーのコンパクトデジカメ「RX100 VII」に搭載されるものをスマートフォン向けに最適化したもので、2.4μmのピクセルピッチによって高いダイナミックレンジを実現しているのが特徴だ。なお、この1インチセンサーと映像エンジンとの組み合わせにより、12bit階調のRAW撮影も行える。
オートフォーカス性能も高い。本機のベースとなる「Xperia 1 III」と同じく、リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキング、AE/AF追従毎秒20コマ撮影といった機能を利用できる。なお、広角カメラについては、像面位相差AFに対応しており、約90%のAFカバー率を実現している。
広角カメラは、像面位相差AFに対応しており、約90%のAFカバー率を実現している
以下に、本機の広角カメラで撮影した作例(ソニー提供)を掲載する。
構図中央の解像感もさることながら、大きなセンサーサイズのため、遠景に大きなボケが生まれ、スマートフォン離れした自然な仕上がりが得られる
空のハイライト部分の表現力が高く、ダイナミックレンジの広さがうかがえる。また、高いAF性能のため、飛び跳ねる犬にしっかりピントが合っていることもわかる
合成ではないので遠景と花の境界部分が自然だ
女性にしっかりピントを合わせつつ、大きな前ボケを確保している
夕焼けのグラデーションが自然な階調で仕上がっている
明るめな夜景を撮影。女性を明るくハッキリと写しつつ、窓のハイライト部分や暗い空までディテールが保たれている
夜景。ハイライト部分の表現もさることながら、空の諧調やうっすらと映る雲の表現力も高い
動画撮影機能も強化されている。従来の動画撮影アプリ「Cinematography PRO」に加えて、即時撮影向けの新しいアプリ「Videography PRO」を搭載する。Videography PROでは、動画撮影時にも瞳AFとオブジェクトトラッキングが利用可能なほか、4K・120fpsでの高速撮影も行える。
音声の記録に関しても、ボディの左右に配置されるステレオマイクに加えて、リアのメインカメラの近くにモノラルカメラを搭載。これによりカメラに近い場所の人の声などをよりクリアに録音可能だ。
新しい動画撮影アプリ「Videography PRO」。焦点距離やピントを画面右にあるスライドで自在に変更できるなど、操作性により配慮された仕様だ
動画撮影時でもオブジェクトトラッキングや瞳AFが使えるようになった
ステレオマイクに加えて、メインカメラの近くにモノラルマイクを搭載。人の声などがよりはっきりと記録できるようになった
本機専用のアクセサリーセット「Vlog Monitor」。3.5インチの液晶モニター、アタッチメント、ケーブルのセットで、メインカメラでのセルフィー撮影などを手軽に行えるという(写真のマイクとシューティンググリップは別売り)
カラーバリエーションはフロストブラック1色。ソニーの直販サイトや直販店、家電量販店、ECサイトに加えて、「au +1 collection」でも取り扱われる。メーカー直販およびauオンラインショップ「au +1 collection」での販売価格はいずれも19万8,000円(税込)だ。
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各通信キャリアから現在発売中の「Xperia 1 III」にSIMフリーモデルが加わった。
サイズは約71(幅)×165(高さ)×8.2(厚さ)で、重量は約188g。ディスプレイは3,840×1,644の4K表示に対応する約6.5インチの有機ELディスプレイを採用する。通信キャリア版と同様、IPX65/68等級の防水・防塵仕様に対応するほか、交通系ICカードの併用に対応したFeliCaポートやワイヤレス充電のQi(チー)ポートも備える。
SoCは「Snapdragon 888」で、12GBのメモリーと、通信キャリア版から倍増した512GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 11だ。カメラ機能も通信キャリア版と共通で、メインカメラは、約1,220万画素の超広角カメラ(16mm)、約1,220万画素の広角カメラ(24mm)、約1,220万画素の望遠カメラ(70mm/105mm)に、構図認識のためのToFセンサーを組み合わせた4眼カメラだ。
通信機能は通信キャリア版と違う部分で、2基のnanoSIMカードスロットを備えたDSDV対応機となっている。5Gは、ミリ波が非対応となり、5G専用周波数帯としてはSub 6帯(n77/78/79)のみに対応。これに加えて、4Gからの転用周波数帯(n3/28)が利用できる。4GはB/1/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/21/26/28/38/39/40/41/42に対応。NTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイル(MNO)の5Gと4Gのネットワークで動作確認済みとのことだ。
カラーバリエーションは、フロストブラック、フロストグレー、フロストパープルに加えて、特別色となるフロストグリーンの4色のラインアップとなる。ソニーの直販サイトや直販店、家電量販店、ECサイトで取り扱われる。市場想定価格は16万円前後(税込)だ。
多機能な「Xperia 1 III」のSIMフリーモデル。キャリア向けモデルとのハードウェアの違いはストレージ容量と通信機能だ
ソニー独自の映像配信サービス「BRAVIA CORE」のスマートフォン版「BRAVIA CORE for XPERIA」にも対応している
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。