レビュー

高機能有機ELディスプレイ&クアッドカメラ搭載で24,800円。シャオミ「Redmi Note 11」レビュー

シャオミのエントリー向けAndroidスマートフォン「Redmi Note 11」が、2022年3月10日に、家電量販店やECサイト、一部のMVNOから発売された。直販価格で24,800円という安さだが、フルHD+表示や90Hz駆動に対応した有機ELディスプレイやステレオスピーカーなど、低価格帯の製品では異例とも言える機能を備える高機能スマートフォンだ。

※本記事中の価格は税込で統一している。

ハイエンドモデル並みの高機能・有機ELディスプレイを搭載。ただしHDRには非対応

日本市場におけるシャオミのスマートフォンは、上位の「Xiaomi」および「Mi」シリーズと、価格性能比を追求した「Redmi」シリーズの2種類に分けられる。今回取り上げる「Redmi Note 11」は、今年1月下旬にグローバルで発表された「Redmi Note 11」シリーズ4機種のうち、最エントリーとなるモデルだ。直販価格は24,800円で、モトローラ「moto g31」、オッポ「OPPO A55s」といった、海外メーカーのエントリーモデルと競合する。

「Redmi Note 11」のサイズは、約73.87(幅)×159.87(高さ)×8.09(厚さ)mmで、重量は179gだ。「moto g31」や「OPPO A55s」ともほぼ同サイズとなる。IP53の防塵・防滴に対応しており、強めの雨や水しぶきに耐えることができる。生体認証として、ボディ側面に指紋認証センサーを備え、指紋認証を利用できるほか、顔認証にも対応している。なお、FeliCaやNFCポートは搭載されないので、注意されたい。

背面の樹脂製パネルは、汚れが目立ちにくいマット処理が施されている

背面の樹脂製パネルは、汚れが目立ちにくいマット処理が施されている

右側面にボリュームボタンと、指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンを配置する

右側面にボリュームボタンと、指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンを配置する

上側面は、写真左からヘッドホン端子、スピーカー、IRブラスターという並び。IRブラスターは、家電などのリモコンとして使うもの だが、国内向けモデルには設定項目がなく、製品パッケージだけでは使うことができなかった

上側面は、写真左からヘッドホン端子、スピーカー、IRブラスターという並び。IRブラスターは、家電などのリモコンとして使うもの だが、国内向けモデルには設定項目がなく、製品パッケージだけでは使うことができなかった

下側面は、写真左からスピーカー、USB Type-Cポートという配置だ

下側面は、写真左からスピーカー、USB Type-Cポートという配置だ

本機の強みはディスプレイだ。このクラスでは珍しい6.43インチの有機ELディスプレイを搭載しており、2,400×1,080のフルHD+表示に対応している。さらに、90Hzのリフレッシュレートと180Hzのタッチサンプリングレートにも対応し、最大輝度は1,000nitと上級モデルに迫るレベルだ。ただし、HDR表示には非対応で、YouTubeなどで配信されるHDR動画はSDR動画として再生される。

このディスプレイは輝度が高いため、明るい屋外でも見やすく、発色も安定している。周囲の環境に影響を受けにくいという点で、非常にすぐれたディスプレイだ。また、フロントカメラが収まるパンチホールがごく小径なので、見た目も高級感がある。なお、90Hzの駆動と180Hzのタッチサンプリングレートは、一般的なWebページやGoogleマップといった日常的に使うコンテンツ上でなめらかな表示と操作性を実感できた。

90Hzのリフレッシュレートと180Hzのタッチサンプリングレートに対応する、6.43インチの有機ELディスプレイ。最大輝度も1,000nitとかなり高い。なお、表面の保護ガラスには「Gorilla Glass3」が使われる

90Hzのリフレッシュレートと180Hzのタッチサンプリングレートに対応する、6.43インチの有機ELディスプレイ。最大輝度も1,000nitとかなり高い。なお、表面の保護ガラスには「Gorilla Glass3」が使われる

2,400×1,080のフルHD+と解像度も十分で、細かな文字も見やすい。また、色かぶりも抑えられており、電子書籍では、白い背景が自然な白に見える

2,400×1,080のフルHD+と解像度も十分で、細かな文字も見やすい。また、色かぶりも抑えられており、電子書籍では、白い背景が自然な白に見える

フロントカメラを収めるパンチホールはかなり小さい。視界のさえぎりが少ないという点で機能的だ

フロントカメラを収めるパンチホールはかなり小さい。視界のさえぎりが少ないという点で機能的だ

サウンド面では、ボディの上下にステレオスピーカーを備える。音質はそこそこという感じだが、最大音量にするとかなり大きな音が鳴る。このほか、ヘッドホン端子も備えている。ちなみに、立体音響技術の、Dolby Atmosなどには非対応で、イコライザーの搭載にとどまる。

5Gには非対応。Snapdragon 480搭載機よりグラフィック性能は低め

次に、本機の基本スペックを見てみよう。SoCにはミドルレンジ向けの「Snapdragon 680」を採用しており、4GBのメモリーと64GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 11をベースにしたシャオミ独自の「MIUI 13」が使われる。なお「Snapdragon 680」搭載機は国内では本機が初となる。定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」(いずれもバージョン9.X。グラフィック計測は「AnTuTu 3D Lite」を使用)で処理性能を計測したところ、総合スコアは247,150(内訳、CPU:83,811、GPU:38,281、MEM:65,190、UX:59,868)となった。比較対象として、エントリースマホで近ごろ広く使われるSoC「Snadpragon 480」を搭載するオッポ「OPPO A55s」のスコアと比べてみると、こちらは284,400(内訳、CPU:97,937、GPU:66,538、MEM:51,587、UX:68,338)だった。両機の総合スコアの差は約40,000ポイントだが、そのうちグラフィック性能を示す「GPU」の差が大きな割合を占めている。最新のグラフィックを使ったゲームのプレイでもやや厳しい面が見られるなど、処理速度的な面では、あまり過度な期待はしないほうがよさそうだ。

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機、右は「Snapdragon 480 5G」を搭載するオッポ「OPPO A55s」のもの。グラフィック性能を示す「GPU」でかなり大きな差がある

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機、右は「Snapdragon 480 5G」を搭載するオッポ「OPPO A55s」のもの。グラフィック性能を示す「GPU」でかなり大きな差がある

「Redmi Note 11」のグラフィック性能は2022年春時点のエントリーモデルとして見ると、あまり高いほうとは言えない。グラフィック性能が重要なゲームでは「Snapdragon 480 5G」を搭載する製品とはっきりと違いを実感する。「原神」では、グラフィックの初期設定は下から2段目の「低」にとどまっており、同ゲームの魅力である高精細なグラフィックを楽しむには少々厳しい。

高負荷なゲームで知られる「原神」の初期状態におけるグラフィック設定は「低」となった。ただし、この設定でもコマ落ちは皆無ではない

高負荷なゲームで知られる「原神」の初期状態におけるグラフィック設定は「低」となった。ただし、この設定でもコマ落ちは皆無ではない

メモリーは4GBと少なめではあるが、64GBのストレージのうち1GBをメモリーとして利用できる「メモリー増設」機能を備えている。いわゆる仮想メモリーだが、体感速度の低下は感じられなかったので実用性は高い。なお、OSであるMIUI 13は、新機能としてストレージのデフラグ機能「リキッドストレージ」や、バックグランドで動作するアプリのメモリーを節約するメモリー最適化機能、アプリを素早く起動するサイドバーを搭載。システム最適化による処理性能の向上や、約10%のバッテリーの節約も実現しているという。

ネットワーク機能については、3Gと4Gのみに対応しており、5Gには対応していない。4Gの対応周波数帯はB1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/38/40/41/66で、NTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイル(MNO)の各ネットワークで、メーカーによる動作確認済みだ。また、microSDXCメモリーカードスロットと独立した2基のnanoSIMカードスロットを備えるトリプルスロット仕様で、ストレージを増設しつつ2枚のSIMカードを使ったDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)を利用できる。なお、eSIMには対応していない。

2基のnanoSIMカードスロットとmicroSDXCメモリーカードを搭載するトリプルスロット仕様だ

2基のnanoSIMカードスロットとmicroSDXCメモリーカードを搭載するトリプルスロット仕様だ

メインカメラはクアッド仕様。カメラ間の画質のばらつき、ホワイトバランスの精度にやや難あり

搭載されるメインカメラは、約5,000万画素の広角カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラ、約200万画素の深度センサーという組み合わせのクアッドカメラで、AIを使ったシーン認識機能やポートレート撮影機能を備える。2万円台という価格を考えれば、カメラはかなり豪華といえる。

2万円台という価格ながらメインカメラはクアッドカメラとなる。価格を考えればなかなか充実したハードウェアと言える

2万円台という価格ながらメインカメラはクアッドカメラとなる。価格を考えればなかなか充実したハードウェアと言える

以下に本機のメインカメラを使った静止画の作例を掲載する。いずれも初期設定のまま、カメラ任せのAIオートで撮影を行っている。

広角カメラで撮影

明暗差の少ない日中というシーンで狛犬を撮影。石の質感や表面の細工など狙ったとおりの仕上がりとなった

明暗差の少ない日中というシーンで狛犬を撮影。石の質感や表面の細工など狙ったとおりの仕上がりとなった

超広角カメラで撮影

上と同じ構図で超広角カメラに切り替えて撮影。全般にシアン気味でコントラストもやや低い。両カメラで画質の統一感は乏しい

上と同じ構図で超広角カメラに切り替えて撮影。全般にシアン気味でコントラストもやや低い。両カメラで画質の統一感は乏しい

広角カメラで撮影

暗い店内で撮影。明るさは十分確保されており比較的鮮明だ。ただし、構図中央の米にピントを合わせているのだが、解像感は高くない

暗い店内で撮影。明るさは十分確保されており比較的鮮明だ。ただし、構図中央の米にピントを合わせているのだが、解像感は高くない

超広角カメラで撮影

上と同じ構図を、超広角カメラに切り替えて撮影。こちらもコントラストが低めかつ寒色系の仕上がりだ

上と同じ構図を、超広角カメラに切り替えて撮影。こちらもコントラストが低めかつ寒色系の仕上がりだ

マクロカメラで撮影

パクチーだけをマクロカメラで撮影。200万画素と少なめだが、ディテールを残したマクロ撮影らしさは楽しめる。明るいとは言えないシーンだったが、手ブレは見られなかった

パクチーだけをマクロカメラで撮影。200万画素と少なめだが、ディテールを残したマクロ撮影らしさは楽しめる。明るいとは言えないシーンだったが、手ブレは見られなかった

広角カメラで撮影

明るめの夜景を撮影。ハイライトが白飛びしているほか、構図の微妙な変化でホワイトバランスが影響を受けやすい。手持ちで20ショットほど撮ったが極端な手ブレは見られなかった。広角カメラに限り長時間露光のナイトモードもあるが、これくらいの明るさなら通常モードでも十分だろう

明るめの夜景を撮影。ハイライトが白飛びしているほか、構図の微妙な変化でホワイトバランスが影響を受けやすい。手持ちで20ショットほど撮ったが極端な手ブレは見られなかった。広角カメラに限り長時間露光のナイトモードもあるが、これくらいの明るさなら通常モードでも十分だろう

超広角カメラで撮影

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。 ハイライトの白飛びはこちらのほうが少ない。超広角カメラにもホワイトバランスの不安定さが見られた

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。 ハイライトの白飛びはこちらのほうが少ない。超広角カメラにもホワイトバランスの不安定さが見られた

4基のカメラを備えた本機のメインカメラは、本機の2万円台前半という価格を考えればかなり豪華なものだ。ただし、画質の点で見る標準カメラが比較的安定しているが、超広角カメラは、コントラストが低めで、スマートフォンの写真で求められる鮮やかさには乏しい。また、AIシーン認識は搭載されているものの、いずれのカメラも、構図の微妙な変化に引きずられるようにホワイトバランスも変化しやすい。キレイな写真を撮るには、カメラとシーンの相性をよく把握することが必要だろう。

同梱の充電器なら61分でフル充電可能

本機に搭載されるバッテリーは容量5,000mAhで、シャオミでは2日以上のバッテリー持ちを実現しているという。いっぽう、充電では、33Wの出力に対応する同梱のACアダプターを利用すれば約61分でフル充電が可能となり、並のハイエンドモデルよりもはるかに充電速度は速い。検証で7日間使ったが、1日1時間以内の待ち受け主体なら4日以上、ゲームなどある程度使い込んでも2日以上はバッテリーが持つ。処理負荷のかかる処理が続いても極端に電池持ちが悪化するようなこともなく、発熱も不快なほどではなかった。

同梱のACアダプターは33Wの急速充電に対応。60分余りで残量ゼロからフル充電が行え

同梱のACアダプターは33Wの急速充電に対応。60分余りで残量ゼロからフル充電が行え

ヘビーユーザー向けの2台目モデル、あるいはライトユーザー向けの乗り換えモデルとしては有望な高コスパ機

シャオミの製品は、いずれもコスパが魅力だ。ただし、コスパをより高めるために、各モデルで機能にメリハリが付けられており、本機の場合、エントリーモデルでありながらも、上位モデルに迫る高機能ディスプレイやステレオスピーカーの搭載、急速充電機能、トリプルスロットのDSDVに対応する点などが魅力だ。そのいっぽうで、5Gには対応しておらず、特にグラフィック性能は余裕に乏しい。クアッドカメラは魅力のひとつだが、若干ホワイトバランス精度が低く、カメラ間で画質の統一感が低い点も気になる。総合して考えると、本機はエントリーモデルとしてはかなりの高コスパモデルであることは間違いなく、ある程度スマートフォンを使いこなせる人の2台目モデルとして、または、Web閲覧やSNS、スナップでのカメラ撮影など、あくまで基本的な使い方が前提のライトユーザーの乗り換えモデルとしてなら、魅力的なモデルと言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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