Googleは、2022年5月11日(日本時間5月12日)に開発者向け会議「Google I/O」を開催。2019年以来、久しぶりのリアルイベントとなった「Google I/O」では、最新スマートフォン「Pixel 6a」や完全ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds Pro」、さらには今後投入予定の製品としてGoogle初のスマートウォッチ「Pixel Watch」、「Pixel 7」、「Pixel Tablet」が発表されました。
怒濤のハードウェア製品発表となった「Google I/O」
2021年10月に発売された「Pixel 6」の廉価版に位置づけられる「Pixel 6a」。「Pixel 6」で初めて搭載されたGoogle独自開発のチップ「Google Tensor」を搭載しており、強力なAI機能やカメラ機能が利用できます。
ディスプレイは、「Pixel 6」の6.4インチから少し小さくなった6.1インチ(2400×1080)、HDR対応の有機ELディスプレイ。リフレッシュレートは最大60Hz駆動と、「Pixel 6」の最大90Hz駆動からスペックダウンしています。デザインは、背面にカメラバーを備える「Pixel 6」を踏襲。本体サイズは71.8(横)、152.2(縦)、8.9(厚さ)mmで、重量は178g。207gだった「Pixel 6」と比べてかなり軽量化されており、小型化したことも相まって持ちやすくなっていそうです。
6.1インチ有機ELディスプレイ搭載の「Pixel 6a」
基本スペックは、SoCが「Google Tensor」で、メモリーが6GB、ストレージ容量が128GB、バッテリー容量が4410mAh。「Pixel 6」からスペックダウンしているものの、「Google Tensor」を搭載しているのはうれしいポイントです。
「Pixel 6」で注目されたSoc「Google Tensor」を「Pixel 6a」も搭載します
「Google Tensor」により、文字起こし機能付きのレコーダー、動画や音声などの自動字幕起こし、リアルタイム翻訳など、高精度の音声認識技術を活用する機能が利用可能。「Pixel 6」の目玉機能として用意されていたものが、廉価版「Pixel 6a」でも使えるということになります。
カメラは、1220万画素の広角カメラ(F1.7、画角77°、1/2.55インチセンサー)と1200万画素の超広角カメラ(F2.2、画角144°)を搭載。広角カメラは最大7倍の「超解像ズーム」が利用できるほか、両カメラともに光学式と電子式の手ブレ補正に対応します。フロントカメラは、800万画素、F2.0、画角84°となっています。
カメラ機能に関しても、「Google Tensor」を搭載したことで、背景に映り込んだ不要なものを消去できる「消しゴムマジック」が利用可能。そのほかのカメラ機能は以下に列挙しますが、「Pixel 6」とほぼ同等です。
・リアルトーン
・顔フォーカス
・パノラマ
・手動によるホワイトバランス調整
・ロックされたフォルダ
・夜景モード
・トップショット
・ポートレートモード
・ポートレートライト
・超解像ズーム
・モーション オートフォーカス
・「よく撮影する人」機能
・デュアル露出補正
・Live HDR+
・シネマティック撮影
そのほかの機能は、ディスプレイ内指紋認証、デュアルSIM(nanoSIM&eSIM)、ステレオスピーカー、5G(Sub 6)、IP67準拠の防水・防塵ボディなど。廉価モデルのみの定番だったイヤホンジャックは搭載していません。
カラバリは、Charcoal、Chalk、Sageの3種類
「Pixel 6a」のGoogleストア公式サイトでの販売価格は53,900 円(税込)。2022年7月21日から予約受付開始で、発売日は7月28日です。Googleストアのほか、ソフトバンクと、KDDI、および沖縄セルラー電話からも発売されます。
なお、Googleは、「Pixel 6」の後継機となる「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」を2022年秋に投入することも発表しました。イベントでは外観のみが公開。カメラバーの素材がアルミニウムに変更されるほか、次世代版「Google Tensor」を搭載すると言います。詳細は、秋まで待ちましょう。
2022年秋に発表予定の「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」。画像では4種類のカラバリが確認できます
カメラバーがアルミニウムになったことで洗練された雰囲気に。また、「Pixel 7」はデュアルカメラ、「Pixel 7 Pro」はトリプルカメラ搭載です
Googleが展開する完全ワイヤレスイヤホンシリーズの最新モデル「Pixel Buds Pro」。待望のアクティブノイズキャンセリングに対応するほか、2022年後半にはアップデートで「空間オーディオ」もサポートします。
これまでのシリーズと同様に、ポップなデザインの「Pixel Buds Pro」。カラバリは、Coral、Lemongrass、Fog、Charcoalが用意されます
左右の各イヤホンの重量は6.2gです
「Pixel Buds Pro」は、同社の音響チームによりチューニングが行われ、独自開発のアルゴリズムを処理する新しい6コアのカスタムオーディオプロセッサー、11mmのカスタムドライバーを搭載します。
アクティブノイズキャンセリングは、オーディオプロセッサーに採用されているニューラル・プロセッシング・エンジンにより、外部のノイズを強力に低減するとのこと。また、耳の形に合わせて調整を行う「Silent Seal テクノロジー」を採用することで、ノイズ低減の効果を増幅。加えて、内蔵のセンサーが耳の奥の気圧を測定して自動的に減圧を行い、長時間の使用でも耳の圧迫感を軽減するとのことです。
Google初のアクティブノイズキャンセリング搭載。その実力が気になるところです
アクティブノイズキャンセリングのほかにも、周囲の音を取り込む「外部音取り込みモード」を搭載。「ボリュームEQ」という機能が、音量に合わせてチューニングを調整し、高音、中音、低音のバランスがとれた音質を実現していると言います。
マイクは、左右のそれぞれに3基ずつ搭載されており、風切り音を低減するメッシュカバーを備えます。このほか、イヤホン本体はIPX4、充電ケースはIPX2の防滴仕様。バッテリー駆動時間は、アクティブノイズキャンセリングがオフの場合、イヤホン単体で最長11時間、充電ケースの併用で最長31時間。オンの場合、イヤホン単体で最長7時間、充電ケースの併用で最長20時間です。
マルチポイント接続にも対応しており、スマートフォンとノートPCなどデバイス間の接続を自動で切り替えてくれます。
「Pixel Buds Pro」のGoogleストア公式サイトでの販売価格は23,800 円(税込)。「Pixel 6a」と同じく、2022 年7月21日から予約受付開始、7月28日に発売開始です。
「Pixel 7」と並び、2022年秋の投入が明らかになった「Pixel Watch」。これまで、Googleはスマートウォッチの領域でソフトウェアのみ手がけていましたが、本機はGoogleが初めてハードウェアとソフトウェアの両方を開発するスマートウォッチです。
円形ディスプレイにステンレスチール製のケースを採用し、手動操作を行うクラウンも搭載。ディスプレイのタッチ操作のほか、音声入力による操作にも対応します。「Googleウォレット」(日本での提供未定)によるキャッシュレス支払いや、スマートホーム製品の操作などにも対応するとのことです。
「Pixel Watch」
バンドはシリコン系の素材ですが、別素材が用意されるのかも気になるところ。また、背面に「GPS」「Water Resistant 50m」の文字が見えることから、GPS内蔵、50m防水に対応していると見られます
健康管理や運動トラッキングについては、2021年に買収したFitbitの機能を統合し、心拍数や体温、睡眠トラッキングなどの機能を備えると言います。
健康管理や運動トラッキングは、Fitbitと同様の機能性になるのか、それともGoogle独自の機能が盛り込まれるのでしょうか?
発売の予告にとどまったため、詳細については多くが語られませんでしたが、日本のGoogleストアにて専用ページが公開されているため、日本市場への投入は確実だと考えられます。2022年秋の発表を楽しみに待ちましょう。
外観のチラ見せにとどまりましたが、2023年にはタブレット「Pixel Tablet」を発売することも明らかにされました。「Google Tensor」を採用し、スマホ「Pixel」シリーズの最良のお供になるとのことで、こちらも今から発表が楽しみです。
画像右側に映り込んでいるのが「Pixel Tablet」
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。