米マイクロソフトは2021年10月12日(現地時間)、「Surface」デバイスの新製品を発表した。大幅なデザイン変更などはないが、モバイル系のモデルにはインテルの「第12世代Coreプロセッサー」を搭載し、基本性能の底上げを図っている。
発表されたのは2in1タイプの「Surface Pro 9」、クラムシェルタイプの「Surface Laptop 5」、クリエイター向けのディスプレイ一体型デスクトップ「Surface Studio 2+」の3シリーズ
「Surface Pro 9」は、ノートパソコンのパワーとタブレットの柔軟性をあわせ持つ2in1パソコンの代名詞的モデル「Surface Pro」シリーズの最新モデル。「Surface Pro 8」と「Surface Pro X」の後継モデルで、インテルCPUを搭載するモデル(「Surface Pro 8」の後継)と、クアルコムの「Snapdragon」をベースとした「Microsoft SQ3」を搭載する「Surface Pro 9 with 5G」(「Surface Pro X」の後継)の2タイプをラインアップする。
ディスプレイは13型(2880×1920)でアスペクト比は3:2。リフレッシュレートは最大120Hzで、別売の「Surface スリム ペン 2」を使って滑らかに手書き入力ができる。「Dolby Vision IQ」(インテルCPUモデル)や10点マルチタッチをサポート。画面の表面には強固な「ゴリラガラス5」を採用する。
CPUは一般消費者向けモデルがCore i5-1235U/i7-1255U、法人向けモデルがCore i5-1245U/i7-1265U。いずれもWindows 11に最適化が図れている第12世代Coreプロセッサーだ。いっぽう、5Gに対応する「Surface Pro 9 With 5G」はクアルコムの「Snapdragon」をベースにする「Microsoft SQ 3」を搭載。製品名のとおり5G通信に対応し、ミリ波対応モデルとSub6対応モデルをラインアップする(記事執筆時点で日本のMicrosoft Storeで販売されているのはSub6対応モデルのみ)。
そのほか、メモリーとストレージはインテルCPUモデルが8GB/16GB/32GB+128GB/256GB/512GB/1TB、「Surface Pro 9 With 5G」が8GB/16GB+128GB/256GB/512GB。
ネットワークはWi-Fi 6E、Bluetooth 5.1をサポート。「Surface Pro 9 with 5G」の対応バンドは、ミリ波モデルがn257/n260/n261、Sub6モデルがn1/n2/n3/n5/n7/n8/n20/n25/n28/n38/n40/n41/n66/n71/n77/n78/n79。
外部インターフェイスにはThunderbolt 4ポート×2(インテルCPUモデル)/USB 3.2 Type-C×2(「Surface Pro 9 with 5G」)、Surface Connect Port、Surface Keyboard Portを備える。前面カメラは1080pでWindows Hello対応。背面カメラは1000万画素のAFカメラで4K動画の撮影もできる。
本体サイズは287(幅)×209(奥行)×9.3(高さ)mm、重量はインテルCPUモデルが879g、Surface Pro 9 with 5Gが883g(ミリ波モデル)/878g(Sub6モデル)。バッテリー駆動時間はインテルCPUモデルが最大15.5時間、Surface Pro 9 with 5Gが最大19時間。
カラーは「プラチナ」「グラファイト」に加え、新色の「サファイア」「フォレスト」の4色(「グラファイト」「サファイア」「フォレスト」はインテルCPUモデルのみ)。
Microsoft Storeでの価格はインテルCPUモデルが162,580円(税込)から。「Microsoft SQ 3」搭載モデルが216,480円(税込)から。発売は11月29日の予定。
新色の「サファイア」はブルーサファイアを思わせるさわやかな青色
13.5型モデルと15型モデルをラインアップする「Surface Laptop 5」
オーソドックスなノートパソコンの「Surface Laptop 5」には、13.5型と15型の2サイズをラインアップする。CPUにインテルの「第12世代Coreプロセッサー」を搭載し、インテルが定める「インテルEvoプラットフォーム」の基準も満たす。なお、今回はAMDの「Ryzen」を搭載したモデルは発表されていない。
13.5型モデルのディスプレイは13.5型(2256×1504、201ppi)。本体サイズは308(幅)×223(奥行)×14.5(高さ)mm、重量は1.272g(Alcantaraモデル)/1.297g(メタルモデル)。
15型モデルのディスプレイは15型(2496×1664)。本体サイズは340(幅)×244(奥行)×14.7(高さ)mm、重量は1.560g。ディスプレイはどちらも「Dolby Vision IQ」と10点マルチタッチをサポートする。
搭載するCPUは、13.5型モデルがCore i5-1235U/Core i7-1265U、15型モデルがCore i7-1265U。メモリーは8GB/16GB/32GB(LPDDR5x)、ストレージは256GB/512GB/1TB SSD。
外部インターフェイスにはThunderbolt 4ポート、USB 3.1 Type-A、3.5mmヘッドホン出力/マイク入力、Surface Connect Portを備える。Webカメラは720p。バッテリー駆動時間は13.5型モデルが最大18時間、15型モデルが最大17時間。
カラーは13.5型が「プラチナ(Alcantara)」「セージ(メタル)」「ブラック(メタル)」「サンドストーン(メタル)」の4色。15型が「プラチナ(メタル)」「ブラック(メタル) 」の2色。
Microsoft Storeでの価格は13.5型モデルが151,580円(税込)から。15型モデルが197,780円(税込)から。発売は10月25日の予定。
13.5型モデルのカラーバリエーション
新色の「セージ」は淡いグリーン系
2019年に日本で発売された「Surface Studio 2」の後継モデル。28型の4.5Kディスプレイ(4500×3000)を搭載したディスプレイ一体型デスクトップで、主にクリエイターをターゲットとした高性能なモデルだ。
CPUとGPUを刷新した「Surface Studio 2+」
「Surface Studio 2」と同様、「ゼログラビティヒンジ」を搭載。独自のヒンジ機構で、軽い力で画面の角度をスムーズに変えられる。これにより、ペンを使うときは寝かせ、キーボードとマウスで作業するときは画面を起こすなどが簡単に行える。
「ゼログラビティヒンジ」で画面の角度を軽い力でスムーズに変えられる
CPUにCore i7-11370H(第11世代H35プロセッサー)を、GPUにGeForce RTX 3060を搭載することで、「Surface Studio 2」よりCPU性能は最大50%高速になり、グラフィックパフォーマンスは2倍にアップしているという。メモリーは32GB、ストレージは1TB SSDを搭載。外部インターフェイスにはThunderbolt 4×3、USB 3.1 Type-A×2などを備える。
無線LANはWi-Fi 6とBluetooth 5.1をサポート。前面には1080pのWindows Hello対応Webカメラを備える。
Microsoft Storeでの価格は719,180円(税込)から。発売日は11月1日の予定だ。
新型アクセサリーとして、「Audio Dock」「Presenter+」「Microsoft Adaptive Accessories」も発表された。
「Audio Dock」はスピーカーフォンとドッキングステーションを一体化させたアクセサリー。ノイズリダクションマイクを内蔵しており、クリアな音声でビデオ会議の通話が行える。本体上部には「Teams」ボタン、再生/停止、ボリューム、マイクのミュートボタンを搭載。5Wのツイーターと15Wのウーハーを内蔵しておりスピーカーとしてもすぐれたサウンドが期待できる。
「Audio Dock」
ドッキングステーションとしては、HDMI出力、USB 3.1 Type-C(Gen 2)、USB 3.1 Type-C(Gen2)、USB 3.1 Type-A(Gen2)を搭載。最大60WのUSB PD充電もできる。
本体サイズは167.6(幅)×80.2(奥行)×81(高さ)mm、重量は約650g。ビデオ会議は「Teams」だけでなく、「Zoom」や「Google Meet」にも利用できる。
ドッキングステーションとして豊富なインターフェイスを備える。PCとはUSB Type-Cケーブルで接続する
「Presenter+」はハイブリッドワーク環境での利用を想定したプレゼンテーションコントローラー。
プレゼンテーションコントローラー「Presenter+」
BluetoothでPCなどと接続し、プレゼンテーション資料の送り/戻し、マイクのミュート、スクリーンポインターの表示などが行える。
本体サイズは93.86(幅)×29.5(奥行)×9.4(高さ)mm、重量は25.6g。内蔵バッテリーで最大6日間動作する。対応OSはWindows 11/10、macOS 12以降。PowerPointやKeynoteといったプレゼンテーションアプリで利用できる。
充電は付属のスタンドを利用する
「Microsoft Adaptive Accessories」は誰でもパソコンを快適に使えるように、使う人のことを考えたアクセサリー群。通常のマウスが使いにくい人のために、十字キーを組み合わせたものや凹型のデバイスなどさまざまなものをラインアップする。
「Microsoft Adaptive Accessories」
ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!