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ASUSのちっちゃいハイエンド「Zenfone 10」がグローバルで登場

ASUSは2023年6月29日、同社のフラッグシップスマートフォン「Zenfone 10」を発表しました。ハイエンドスマートフォンらしい高いスペックや機能を備えつつ、5.9インチというコンパクトサイズは継承。さらに、片手操作をサポートする新機能や、新しい手ブレ補正機能などを搭載し、ほかのハイエンドスマートフォンといい感じに差別化が図られています。

ASUSのコンパクトハイエンドスマートフォン「Zenfone 10」

ASUSのコンパクトハイエンドスマートフォン「Zenfone 10」

なお、記事内のスペック、仕様、機能名については、すべてグローバル版のものとなっています。今後、日本版が発売されるかは現時点で不明ですが、例年どおりであれば発売される可能性は高いと思われます。

小さいけど「Snapdragon 8 Gen 2」搭載のバリバリハイエンド

「Zenfone 10」は5.9インチという、Androidスマートフォンではかなりコンパクトな部類に入るスマートフォン。従来機「Zenfone 9」で好評だった、背面に大きなカメラを2機搭載するデザインは継承されています。カラーバリエーションはオーロラグリーン、エクリプスレッド、コメットホワイト、スターリーブルー、ミッドナイトブラックの5種類。本体の小ささと相まってどのカラーもかわいい印象です。

クアルコムの最新ハイエンドスマホ向けSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、小さくても処理性能はAndroid最高峰クラス。メモリーは最大16GB、ストレージ容量は最大512GB。ストレージはUFS 4.0対応なので、読み書きも高速でしょう。

バッテリー容量は4300mAhと、このサイズとしては大容量。また、急速充電規格のQC 2.0に対応しており、最大30Wでの急速充電が可能。また、最大15Wのワイヤレス充電にも対応します。

電源ボタンにショートカット操作を割り当てる「ZenTouch 2.0」を搭載しており、長押しと2回押し、スライドという3つの動作に操作を割り当てることが可能で、たとえばスライドにスクロールアップ/ダウンを割り当てると、Webブラウジング時の画面のスクロールが電源ボタンで行えるようになります。

アプリや機能のショートカットをフローティングウィンドウとして表示し、素早くアクセスできるようにする「エッジツール」はバージョンが2.0へとアップグレード。「ZenTouch 2.0」と「エッジツール 2.0」により、片手操作がより行いやすくなったというわけです。

5.9インチの有機ELディスプレイは、リフレッシュレート最大144Hz駆動、色域DCI-P3 112%カバー、445ppi、最大輝度1100nitに対応。若干輝度が低いかなと思いますが、発色がよく滑らかな映像やゲーム体験が味わえそうですね。

このほか、ハイエンドスマートフォンでは珍しいイヤホンジャックを搭載。ボディはIP68等級の防塵・防水仕様です。

クロップ部分を少なくするアダプティブ電子式手ブレ補正

「Zenfone 10」のカメラは、背面に5000万画素の広角カメラと1300万画素の超広角カメラ、前面に3200万画素のフロントカメラを搭載。広角カメラはイメージセンサーなどが従来機と同様ですが、超広角カメラは有効画素数が若干アップ。フロントカメラに関しては1200万画素から3200万画素へと大幅にアップしています。

広角カメラはスペックこそ従来機から変わりないものの、従来機でひときわ力が入れられていた動画撮影における手ブレ補正が大幅に強化されています。

従来機は、X、Y、Z、ヨー、ピッチ、ロールに対応した「6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー」に対応し、ジンバルスタビライザーにほど近い手ブレ補正「Hyper Steady」が利用できました。

この「Hyper Steady」の手ブレ補正は超強力なのですが、電子式手ブレ補正を利用しているためクロップ範囲が大きくなってしまうのがデメリットでした。しかし、「Zenfone 10」は新たに「アダプティブ電子式手ブレ補正」という機能を搭載し、クロップ範囲を可能な限り少なくする試みが採用されています。

「アダプティブ電子式手ブレ補正」は、手ブレの大きさに応じてクロップ範囲を微調整し、最適な画角を提供してくれる機能です。簡単に言うと、手ブレが大きい場合は、補正を優先してクロップ範囲を大きくし、反対に手ブレが小さいときにはクロップ範囲を小さくしてくれます。手ブレを自動で認識して調節してくれるので、ユーザーが設定する必要もありません。

加えて、動画撮影では3Dのサラウンドサウンドの録音に対応しているのもトピック。高性能な手ブレ補正を含めて、動画撮影機能の充実ぶりが目立ちますね。

ハイエンドのAndroidスマートフォンは、カメラのスペックが上げ止まっている印象で、各社は画像処理エンジンやAI機能などで他社との差別化を図っています。この点、「Zenfone 10」は動画撮影に活用できる強力な手ブレ補正にフォーカスしているというわけです。取り回しが行いやすい小型ボディとの相乗効果も高そうです。

コンパクトハイエンドスマートフォンは日本市場においてかなり珍しい存在です。例年どおりに、「Zenfone 10」も日本市場に投入されるよう期待して待ちましょう。

水川悠士(編集部)
Writer / Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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