南井正弘の「毎日走って、わかった!」

ガーミンの新GPSウォッチを着けて走ったら「リカバリーの重要性」を実感できた!

GARMIN(ガーミン)は、GPS機能を搭載するランニングウォッチのカテゴリーにおいて、長きにわたりNo.1のポジションをキープしている。同社製品の機能性の高さとあらゆるタイプのユーザーにマッチするバリエーションの豊富さが、トップシェアを維持してきた大きな理由だ。

そんなガーミンのラインアップにおいて、機能的にもデザイン的にもプレミアな存在と言えるのが、「FORERUNNER 965(フォーランナー 965)」である。ディスプレイに色鮮やかなAMOLEDを初めて採用するなど、前作からの大幅なスペックアップに成功している。

ガーミン「フォーランナー 965」(品番:010-02809-60)。公式サイト価格は84,800円(税込)

ガーミン「フォーランナー 965」(品番:010-02809-60)。公式サイト価格は84,800円(税込)

業界トップレベルの機能を多数搭載した“GPSランニングウォッチ”!

ガーミンの「フォーランナー 965」は、色鮮やかなAMOLEDタッチディスプレイと丈夫で軽量なチタンベゼルを備えたGPSランニングウォッチ。効果的なトレーニングや日頃の健康管理のための計測機能や、フルカラーの地図が搭載されているため、どこでも安心してトレーニングが可能である。たとえば、1週間の睡眠やストレスの履歴から数値が算出されることで、その日の最適なトレーニング負荷が知れる「トレーニングレディネス」を始め、大会の日程と目標タイムをウォッチに入力すると、それにマッチしたトレーニングメニューを自動で作成してくれる「トレーニングウィジェット」、走りたい距離を入力するとスタート地点に戻ってくるまでのコースが作成されるうえ、ナビゲーションもしてくれるので初めての場所で走るときに特に便利な「ラウンドトリップコース」、スマートウォッチモードで約23日間の「ロングバッテリーライフ」といった業界トップレベルの機能を多数搭載しており、これまでのランニングウォッチに不満を持っていたランナーも「フォーランナー 965」なら満足できる点は多いだろう。

睡眠モニタリングと睡眠スコアは、睡眠段階の分析に加え、睡眠中の心拍数や血中酸素レベル、呼吸数をトラッキングでき、睡眠の質をスコアで評価。また、睡眠改善のためのアドバイスを受け取ることも可能になった

睡眠モニタリングと睡眠スコアは、睡眠段階の分析に加え、睡眠中の心拍数や血中酸素レベル、呼吸数をトラッキングでき、睡眠の質をスコアで評価。また、睡眠改善のためのアドバイスを受け取ることも可能になった

先述の睡眠の質やリカバリータイム、トレーニング負荷などに基づいて判定される「トレーニングレディネス」によって、その日がトレーニングを頑張る日なのか、あるいは休息のために気楽に過ごしていい日なのかが知れる

先述の睡眠の質やリカバリータイム、トレーニング負荷などに基づいて判定される「トレーニングレディネス」によって、その日がトレーニングを頑張る日なのか、あるいは休息のために気楽に過ごしていい日なのかが知れる

トレーニングとリカバリーの状況や、専用アプリ「Garmin Connect Mobile」のカレンダーにスケジュールされたレースの予定を考慮して、おすすめワークアウトが提案される

トレーニングとリカバリーの状況や、専用アプリ「Garmin Connect Mobile」のカレンダーにスケジュールされたレースの予定を考慮して、おすすめワークアウトが提案される

フィンランドのテクノロジー企業「Firstbeat Analytics」が開発した技術に基づく「HRVステータス」によって、健康とトレーニングパフォーマンスについて深く理解できる

フィンランドのテクノロジー企業「Firstbeat Analytics」が開発した技術に基づく「HRVステータス」によって、健康とトレーニングパフォーマンスについて深く理解できる

回復の遅れが生じた際には、写真のようなアラートが通知され、無理なトレーニングを避けるようにうながされる

回復の遅れが生じた際には、写真のようなアラートが通知され、無理なトレーニングを避けるようにうながされる

回復までの目安時間も通知され、オーバーワークを防止

回復までの目安時間も通知され、オーバーワークを防止

アプリ「Garmin Connect Mobile」には、走行データが蓄積されるだけでなく、リカバリー状況なども確認できる

アプリ「Garmin Connect Mobile」には、走行データが蓄積されるだけでなく、リカバリー状況なども確認できる

使えば使うほどリカバリーに関するデータの重要性を実感!

「フォーランナー 965」を実際に着けて走ってみた!

「フォーランナー 965」を実際に着けて走ってみた!

筆者にとって最初のGPS機能搭載ランニングウォッチは、ガーミンの「フォーランナー 605」だった。2008年の「ラスベガスマラソン」のために購入したが、GPSランニングウォッチはまだまだ使用しているランナーは少なく、周囲のランナーから注目を集めたものだった。その次は、2012年の「ロックンロールマラソン ラスベガス」のエキスポで購入したガーミンの「フォーランナー 610」で、ランニングに対するモチベーションアップに貢献してくれた。その後、北欧ブランドならではの洗練されたデザインに惹かれて、SUUNTO(スント)の製品を使用した時期が長かったが、最近はその軽量性からCOROS(カロス)の製品を愛用している。いっぽうで、筆者の周囲ではガーミンのシェアが1位だ。

筆者がガーミンのGPSランニングウォッチを使用するのは、タフネスが売りの「インスティンクト」以来で、知り合いのランナーの間で「フォーランナー 955」の機能面での評判がよく、その後継モデルである「フォーランナー 965」に興味を持ったからだ。

まず手に取ってみると、チタンベゼルを使用していることもあり、高級感がある。身に付けてみると、若干重く感じた。これは最近、35gと超軽量のカロス「ペース2」を使うことが多く、さらにそれ以前にメインウォッチだったスント「スント5ピーク」が39gだったから仕方ないのかもしれない。

事前に使い方をある程度学習してから使い始めたが、他ブランドとは勝手が異なるので、最初は戸惑ったが、数回使ううちにマスターできた。タッチパネルは直感で操作できる点がいいと思う。しばらくは、反対側の手首にカロス「ペース2」も身に付けてランニングを行ってみた。距離の差異は、6kmランにおいて10m前後で収まったので許容範囲。気になったのは、場所によって「フォーランナー 965」のほうが、距離が短くなったり長くなったりすることくらいだ。

最初はあまり気にしなかったが、使えば使うほど「トレーニングレディネス」や睡眠の質の管理など、リカバリーに関するデータの重要性を実感するようになった。「トレーニングレディネス」の数値がいい状態で走ると、速めのペースでも無理なくストライドが伸びるような気がしたし、逆に数値が悪い状態だとペースが上がらないし、翌日の疲労回復も遅れる気がした。

カロス「ペース2」が機能を絞っているのとは対照的に、同モデルの多機能だ。先述の機能のほかにも、「トレーニングウィジェット」や「ラウンドトリップコース」にもトライしたが、使ってみる価値があるものだった。ランニングウォッチに限らず多機能な製品は、操作が複雑すぎて機能の一部しか使えないということも少なくないが、このプロダクトにはそれは当てはまらない。日々のランを記録するという基本機能以外も使ってみたくなるはずだ。

また、高級感があるので、ライフスタイルシーンにおけるスーツやジャケット&パンツといったタイドアップスタイルにもマッチ。「ランニングウォッチはさすがにビジネスシーンには使えないでしょ?!」とこれまで考えていたランナーも、この「フォーランナー 965」なら問題なく使えると思うはずだ。

【まとめ】安くはない! でも大人のランナーも納得の出来栄えだった

以上のように、「フォーランナー 965」は、期待していた以上に機能性が高く、高級感もあった。個人的には、ガーミンのランニングウォッチはポップなデザインのイメージが強い。いっぽうで、ガーミンの高級ライン「フェニックス」シリーズとなると、そのデザインテイストには強く惹かれたものの、ロードランニングのイメージからはかけ離れていると感じていた。しかし、「フォーランナー 965」は大人のランナーも納得の出来栄えである。

84,000円(税込)と価格は安くないが、そのすぐれた機能性や高級感を考慮すれば決して高くない。もちろん、スマートフォンからのアプリ通知にも対応しており、スマートウォッチとしての使い勝手もよい。

そして、忘れてはならないのがAMOLEDの液晶の美しさ。その視認性の高さは「Apple Watch Ultra」のRetinaディスプレイと双璧を成すほどだ。47.2mmという大きめの文字板サイズもあって、走行中でもデータを確認しやすいのはランナーにとって特にありがたいだろう。

機能としては先述した以外にも、「セーフティ&トラッキング」「血中酸素トラッキング」「ストレスレベル計測」といったものも備えていることも付け加えておこう。

総括として「フォーランナー 965」は、「ランニングウォッチの機能性に関しては一切妥協したくない!」「走行データの管理だけでなく、日々のコンディショニングにもランニングウォッチを活用したい!」「普段使いでも恥ずかしくない高級感のあるランニングウォッチが欲しい!」といったランナーにピッタリな1本に仕上がっていた。

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間50分50秒。

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