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アップルが「M3チップ」ファミリー発表、「MacBook Pro」と「iMac」に搭載

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アップルは2023年10月30日(米国時間)、Apple Eventを開催し、自社製シリコン(Appleシリコン)の「M3チップ」ファミリー「M3」「M3 Pro」「M3 Max」を搭載した新型「MacBook Pro」と、「M3」を搭載した新型「24インチiMac」を発表した。

最新の「M3チップ」ファミリーを搭載した「MacBook Pro」(14インチ、16インチ)

最新の「M3チップ」ファミリーを搭載した「MacBook Pro」(14インチ、16インチ)

「M3」を搭載する「24インチiMac」

「M3」を搭載する「24インチiMac」

3ナノメートルプロセス技術で作られた「M3チップ」ファミリー、GPUが大幅強化

今回のApple Eventの主役は「M3チップ」ファミリー。自社製のAppleシリコンの第三世代目となる「M3チップ」ファミリーは、個人向けPCとしては初めて3ナノメートルプロセス技術で作られた。2020年に登場した「M1チップ」ファミリーは5ナノメートルチップだったので、この3年で大幅に進化しているのがわかる。

「M3チップ」ファミリー

「M3チップ」ファミリー

「M3チップ」ファミリーの大きな特徴が、次世代のGPUを搭載していること。リアルタイムでハードウェアのローカルメモリーの使用量を割り当てる「Dynamic Caching」という新技術により、GPUの平均使用率が向上し、プロ向けアプリやゲームのパフォーマンスが大幅に向上するという。

リアルタイムでハードウェアのローカルメモリーの使用量を割り当てる「Dynamic Caching」(右)

リアルタイムでハードウェアのローカルメモリーの使用量を割り当てる「Dynamic Caching」(右)

ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングとハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングというレンダリング機能も利用できるようになった。レイトレーシングは物理法則にしたがった光りの表現を可能にするもの。メッシュシェーディングが、ジオメトリ処理に効果を発揮し、より複雑なシーンの表現を可能にするものだ。これらは、プロ向けのアプリやゲームなどで効果を発揮する。

GPUパワーはアップしているが、Appleシリコンの特徴である電力効率は維持されている。「M3」のGPUは「M1」と同じパフォーマンスを約半分の電力で実現し、ピーク時には最大65%高いパフォーマンスを発揮するという。

CPUも改良されている。高性能コアは「M1」より最大30%、高効率コアは最大50%高速という。電力効率にもすぐれており、「M1」と同じマルチスレッドのパフォーマンスを半分の電力で実現し、ピーク電力で最大35%高いパフォーマンスを発揮するとのこと。

メモリーは引き続きユニファイドメモリーを採用。最大128GBに対応する。機械学習用の「Neural Engine」は、「M1チップ」ファミリーの「Neural Engine」より最大60%高速。AI画像処理ツールなどでその効果が発揮される。メディアエンジンはAV1デコードに対応し、電力効率の高い再生がストリーミングサービスで可能となった。

「M3」チップファミリーの概要

「M3」チップファミリーの概要

M3

トランジスタ数が250億個のベーシックなチップ。10コアGPUは「M1」のGPUより65%高速という。CPUのパフォーマンスも最大35%アップしている。ユニファイドメモリーは最大24GB

トランジスタ数が250億個のベーシックなチップ。10コアGPUは「M1」のGPUより65%高速という。CPUのパフォーマンスも最大35%アップしている。ユニファイドメモリーは最大24GB

M3 Pro

トランジスタ数が370億個の高性能チップ。18コアGPUを搭載し、グラフィックスを駆使するユーザー向け。ユニファイドメモリーは最大36GB。

トランジスタ数が370億個の高性能チップ。18コアGPUを搭載し、グラフィックスを駆使するユーザー向け。ユニファイドメモリーは最大36GB

M3 Max

トランジスタ数が920億個の最上位チップ。40コアGPU、最大128GBのユニファイドメモリーをサポートする。4台の外付けディスプレイに対応。AI開発者や高解像度な動画を扱うクリエイター向け。

トランジスタ数が920億個の最上位チップ。40コアGPU、最大128GBのユニファイドメモリーをサポートする。4台の外付けディスプレイに対応。AI開発者や高解像度な動画を扱うクリエイター向け

新色の「スペースブラック」に注目! 「MacBook Pro」

「M3チップ」ファミリーを搭載した「MacBook Pro」は14インチモデルと16インチモデル。

「14インチMacBook Pro」は、「M3」搭載モデルと、「M3 Pro」「M3 Max」搭載モデルをラインアップ。「16インチMacBook Pro」には「M3」モデルはラインアップされず、「M3 Pro」または「M3 Max」搭載モデルを用意する。

「M3 Pro」および「M3 Max」モデルは、新色の「スペースブラック」が選択可能。100%再生アルミニウムボディで、環境にも配慮している。

チップ以外に大きな変化はないが、「Liquid Retina XDRディスプレイ」のSDR輝度が最大500ニトから600ニトに引き上げられている。

すでに予約を受け付けており、11月7日から順次発売する。

「MacBook Pro」の概要

「MacBook Pro」の概要

「MacBook Pro」。「M3 Pro」または「M3 Max」搭載モデルには、新色の「スペースブラック」モデルを用意

「MacBook Pro」。「M3 Pro」または「M3 Max」搭載モデルには、新色の「スペースブラック」モデルを用意

14インチMacBook Proのラインアップと価格
・M3(8コアCPU、10コアGPU)、8GBユニファイドメモリー、512GB SSDを搭載したモデルのアップストア価格は248,800円(税込)
・M3(8コアCPU、10コアGPU)、8GBユニファイドメモリー、1TB SSDを搭載したモデルのアップストア価格は276,800円(税込)
・M3 Pro(11コアCPU、14コアGPU)、18GBユニファイドメモリー、512GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は328,800円(税込)
・M3 Pro(12コアCPU、18コアGPU)、18GBユニファイドメモリー、1TB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は398,800円(税込)
・M3 Max(14コアCPU、30コアGPU)、36GBユニファイドメモリー、1TB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は538,800円(税込)

16インチMacBook Proのラインアップと価格
・M3 Pro(12コアCPU、18コアGPU)、18GBユニファイドメモリー、512GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は398,800円(税込)
・M3 Pro(12コアCPU、18コアGPU)、36GBユニファイドメモリー、512GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は454,800円(税込)
・M3 Max(14コアCPU、30コアGPU)、36GBユニファイドメモリー、1TB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は554,800円(税込)
・M3 Max(16コアCPU、40コアGPU)、48GBユニファイドメモリー、1TB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は644,800円(税込)

前世代モデルより最大2倍高速な新型「24インチiMac」

デスクトップでは「24インチiMac」に「M3」を搭載。「M1」を搭載した前世代モデルよりも最大2倍高速という。インテルCPUを搭載した27インチiMacより最大2.5倍高速と、インテルCPUを搭載した数年前のモデルからの乗り換えにも最適とアピール。

ブルー、グリーン、ピンク、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの鮮やかなカラーを用意。24インチの4.5KRetinaディスプレイ、iPhoneとのシームレスな連係など、家族からスモールビジネス、学生、クリエイターを目指す人、ゲーマーなど幅広い層をターゲットとしたモデルだ。

すでに予約を受け付けており、11月7日に発売する。

「24インチiMac」の概要

「24インチiMac」の概要

幅広い層をターゲットとする「24インチiMac」

幅広い層をターゲットとする「24インチiMac」

24インチiMacのラインアップと価格
・M3(8コアCPU、8コアGPU)、8GBユニファイドメモリー、256GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は199,800円(税込)
・M3(8コアCPU、10コアGPU)、8GBユニファイドメモリー、256GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は234,800円(税込)
・M3(8コアCPU、10コアGPU)、8GBユニファイドメモリー、512GB SSDを搭載したモデルのアップルストア価格は262,800円(税込)

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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