ガーミンからカジュアルユーザー向けスマートウォッチの新作「vivoactive 5」が登場しました。従来モデルのスポーティーな雰囲気を継承しながら、普段使いしやすいデザインを採用しています。機能性についても上位モデルと並ぶほど高く、それでいて公式サイトの販売価格は39,800円(税込)とお手ごろです。
ガーミンの高コスパスマートウォッチ「vivoactive 5」
数年前まではガチアスリートのためのスポーツ系メーカー、というイメージがあったガーミンですが、そんな印象も今ではすっかり薄まり、普段の健康管理に使っているという人も増えています。今回取り上げる「vivoactive」シリーズなど、カジュアルユーザー向けの製品が多くラインアップされていることも大きな要因です。
カジュアルユーザー向けのモデルというと、スポーツ向けに作られたモデルや、タフな設計のアウトドアモデルと比べて、機能が控えめというイメージがあるかもしれませんが、「vivoactive 5」はそれに当てはまりません。
万人受けしそうなシンプルなデザインの中身は、スポーツに真剣に取り組む人でも要チェックな最新機能が満載。見た目に反して本格的な機能性を備えています。
カラーバリエーションは上記画像のオーキッドに、ブラック、アイボリー、ブルーを加えた全4種類。付属するバンドは薄手のシリコン製。装着感は滑らかで肌触りも良好です
ディスプレイは約1.2インチとスマートウォッチではコンパクトな部類ですが、有機ELディスプレイを採用しているため、表示がきめ細かく視認性は高いです。薄型のベゼルを採用していることもあって、実際のサイズよりも大きく感じます。
細かなグラフも見やすいディスプレイ
操作性では、タッチ操作に加えて物理ボタンが用意されているのがポイント。時と場合に応じて、タッチと物理ボタン操作を使い分けられます。
物理ボタンが右側に2つというシンプルなデザイン
位置情報システムは、カジュアルユーザー向けながら、上位モデルと同等のものを搭載。正確な移動ログを計測できるのは、ガーミンが得意とする分野です。背面の光学式心拍数センサーにより、心拍数のほかストレスレベルや血中酸素濃度も測定できます。
GPS、GLONASSなど複数の衛星を捕捉するGNSSに対応
「vivoactive 5」が従来モデルから最も強化されたのが睡眠トラッキング。「睡眠コーチ」や「お昼寝(仮眠)検出」が追加されました。
睡眠習慣の改善に役立つ睡眠トラッキングが強化
「睡眠コーチ」は、過去数日間計測した睡眠時間から、当日必要とする睡眠時間を提示する機能です。睡眠が足りていない場合、その「負債分」を解消するべく普段よりも長めの時間を提案してくれる、まさにコーチになってくれる機能です。
「睡眠負債」を取り戻すためのアドバイスが受けられる「睡眠コーチ」
さらに、昼寝や仮眠の計測をする「お昼寝検出」も追加。自身のコンディションに合わせた理想的な仮眠のタイミングや長さのアドバイスを行ってくれます。これに加えて、自律神経の状態を可視化する「HRV(心拍変動)ステータス」が搭載されており、交感神経と副交感神経のバランスも把握できるようになっています。
前日の運動量や睡眠時間、質などから、身体の状態を数値化するガーミンの人気機能「ボディバッテリー」も利用できます。睡眠を取ると数値が増えて、朝から活動していくと数値が減っていくという、身体の状態をバッテリーに見立てたものです。その日のコンディションを一発で把握できるので体調管理に役立ちます。
昼寝は「ボディバッテリー」へのチャージも行われる
「vivoactive 5」は、ウォーク、ラン、筋トレ、ヨガなど30種類のスポーツの計測に対応。人気どころのスポーツは押さえています。趣味のランニングで試してみましたが、ランニングのペースや移動距離なども、ガーミンのほかのモデルと同様、正確に計測されている印象でした。
移動軌跡のほか、ピッチなど走力を高めるためのデータもしっかり計測できます。ここはスポーツ全般で強いガーミンのスマートウォッチらしいポイントです
バッテリー駆動時間は、カタログでは一般的な使用状態であるスマートウォッチモードで約11日間、位置情報機能を駆動させたGPSモードで約21時間。実際に試してみた限り、フル充電の状態から24時間(GPSオンのランニング計測2時間含む)使用した際のバッテリー残量は90%くらいでした。カタログ値よりは少し短いですが、優秀と言えるレベルです。
「vivoactive 5」は、ガーミンのスマートウォッチらしくGPSやスポーツのトラッキング精度にすぐれるうえ、視認性の高い大きな画面や上位モデルと同等の睡眠トラッキングなど、カジュアルユーザー向けとは思えないほど充実した機能を搭載しています。レビューでは触れませんでしたが、Suicaにも対応しており、電車の乗り降りから買い物まで、スマートウォッチ本体を決済端末にかざすだけで決済が完了します。
価格を抑えるためでしょうか、ひとつ前の世代の光学式心拍センサーを採用していますが、正直なところひと目でわかるような大きな違いは感じません。バッテリー駆動時間が上位モデルから若干短いなど、細かい差異があるものの、普通に使用する分にはまったく問題ないレベルです。
大会に出場するようなレベルで運動に取り組んでいるのであれば、上位モデルをおすすめしますが、そうでない人には、「vivoactive 5」は上位モデルが有する機能をお得に体験できるスマートウォッチと言えるでしょう。