2023年開催の「東京ゲームショウ2023」にてティザーイメージが公開され、多くの反響があったBenQの4Kゲーミングモニター「EX321UX」の発売が5月31日(15日予約開始)に決定。発売に先んじて製品発表会が開催されたため、その模様をお伝えします。
BenQのゲーミングモニターブランド「MOBIUZ」の最上位機となる4Kモニター「EX321UX」
モニターサイズ:31.5型(インチ)
パネル種類:IPS
解像度:3840x2160
輝度(標準):700 cd/u
輝度(最大)(HDR):1000 cd/u
HDR:HDR10、VESA DisplayHDR 1000
視野角(上下/左右):178°/178°
応答速度:1 ms
コントラスト比:1000:1
リフレッシュレート(垂直走査周波数):144
色域:99% Adobe RGB, 99% DCI-P3
アスペクト比:16:9
ティルト(下/上):5度/15度
スウィーベル(左/右):15度/15度
高さ調整:100 mm
サイズ:714.4(幅)×598.7(高さ)×306(奥行き)(ベース含む)、714.4(幅)×433.3(高さ)×98.1(奥行き)(ベースなし)
重量:約9.7kg (ベース含む)
入力端子:HDMI 2.1 eARC、HDMI2.1×2、DisplayPort2.1、USB Type-C(65W給電, DisplayPort Alt Mode, データ転送)、USB Type-C 上りポート (USB 3.2 Gen 1, 5 Gbps, データのみ)、USB Type-A 下りポート (USB 3.2 Gen 1, 5 Gbps, パワーチャージング 4.5W)×3、USB Type-C 下りポート (USB 3.2 Gen 1, 5 Gbps, パワーチャージング 7.5W)
「EX321UX」は同社の一般向けゲーミングモニター「MOBIUZ」シリーズの最上位モデルです。
本製品は同社で初めて「ミニLED」をバックライトに採用。画面を1152のゾーンに分割して発光を制御し、従来のLEDと比べてコントラスト比を高めつつ、きめ細やかな調節を可能にしています。さらに、一般的な液晶のカラーフィルターの代わりに、「量子ドット」を採用。これによって広色域での色彩表現が可能になりました。
これによりディスプレイのHDR規格では上位に当たる「VESA DisplayHDR 1000」を取得。加えて「Adobe RGB 99%」「DCI-P3 99%」にも対応。写真家やデザイナーなど色にシビアなユーザーが使う製品と同等のスペックを実現しています。
簡単に説明すると、ミニLEDがよりくっきりした映像を表示可能にし、同時に量子ドットフィルターでより色鮮やかな映像を作りだせるということです。
また、「EX321UX」は工場出荷時”ディスプレイが正しい色を表示しているか””グラデーションが滑らかに表示されているか”を1台ずつ調整しています。単に技術を搭載しただけではない点も上位機種らしいこだわりです
同社初のミニLEDと量子ドット、さらにAIを採用
さらに注目なのが、画面の色や明るさの制御にAIエンジン「PixSoulエンジン」を採用している点です。
このAIは主に4つの要素で構成されており、ひとつが画面の色むらをなくして、正確な色と明るさを均一に表示する「パネルの均一化」。もうひとつがコンテンツの状態に応じた輝度やコントラストの調整を行う「自動コントラスト調整」。3つ目がゲームタイトルごとに分析した色味のデータベースから、タイトルごとに最適な色味調整を行う「色彩の最適化」。この3つの要素に加えて、輝度、色彩、コントラストをリアルタイムで最適化する「AI自動調整」(Shadow Phage)が含まれています。
パネルの性能を生かすために「PixSoulエンジン」を採用
「AI自動調整」は「Shadow Phage」と銘打たれており、HDRi技術と比べても高精度な調整が可能
「Shadow Phage」をONにすると、画面がより見やすくなります。調整も自然です
さらに、従来機では「RPG」や「FPS」などゲームのカテゴリに応じたカラーモードを搭載していましたが、本機は世界観をベースとした新たな3種のカラーモード「Sci-fi」「ファンタジー」「リアリスティック」を搭載。よりコンテンツに適したカラーモードを選択できるようになりました。
ゲームカテゴリではなく、コンテンツの中身に応じて選びやすくなったカラーモード
そのほか、ゲームに最適なカラー設定をプリセットとして保存可能な「Color Shuttle」ソフトウェアにも対応しています。保存したプリセットはクラウドへのアップロードができ、同じく「Color Shuttle」に対応するモニター同士で共有できるほか、ほかのユーザーとの共有も可能。なお、こちらはPC版のみの配布となります。
また、OSDが新デザインになったほか、モニターの情報をリアルタイム表示可能なHUD機能を搭載しています。
「EX321UX」の体験ではPlayStation 5の「エルデンリング」がプレイできました。実際にプレイしてみたが、ふれこみどおり画面の表現に余裕があり、世界観を引き立てていると感じました。また、新機能の「Shadow Phage」も優秀です。
筆者はコントラストが強くてパキッとしたわかりやすい画面よりも、もう少し落ち着いた質感の映像が好みです。そのため少し暗めの「シネマモード」がいい感じだったんですが、状況によってはやや暗すぎと感じることがありました。かといって全体を明るくしてしまうと台なしなんですよね。
しかし「Shadow Phage」をオンにすると、暗い部分をほどよく明るめに表現するため、全体としては映像の雰囲気を落とさず落ち着いた表示を保ちつつ、アンダー気味の部分をしっかりと見やすくしてくれました。
ちなみに、本機はリモコンが付属しますが、本体下のスティックでの設定も直感的で操作しやすかったです。
夜空を背景に輝く大樹が立っているシーン。暗い夜空とのコントラストにより、重要な存在であることを感じさせてくれます。ディスプレイ情報を表示するHUDにより、現在の設定がわかりやすい
画面の奥が非常に明るく、左手前の石垣の影の部分も黒つぶれせずにしっかりと描写されています。こういった部分にも「Shadow Phage」の効果を感じます
存在感がある脚部。ただし、面サイズが31.5インチあるので、デスクの上のスペースは購入前にチェックしておいたほうがいいでしょう
本体背面下部には接続端子を装備
「Color Shuttle」は、ゲームタイトルごとの設定を保存、共有できます。ほかのプレイヤーの設定を参考にすると、より見やすくなるかもしれません
オーディオについてですが、本機にはスピーカーが内蔵されていないため、スピーカーやヘッドホンなどのサウンドシステムに接続する必要があります。なお、HDMI eARCに対応しており、最大7.1チャンネルのサラウンド再生が可能です。
店頭想定価格は265,000円(税込)で、5月31日発売です。一部店舗での展示も開始されているため、いち早く実機を見たい人はぜひチェックしてみてください。