レビュー

ビジネスを止めない圧倒的なタフネスさ! パナソニック「Let’s note FV5 CF-FV5」

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パナソニックの「Let’s note」シリーズは、今では貴重な純国産のノートパソコン。本体の丈夫さやサポートの手厚さが特徴で、”確実に動く”という何にも代えがたい信頼性を生んでおり、ビジネス用途などに人気です。2025年2月ごろには、SNS上で「パソコン内部にアリが巣を作っても問題なく使えた」という投稿が話題となったこともありました。そこで今回は「Let’s note FV5 CF-FV5FDNCR」をレビュー。その実力を解説していきます。

パナソニック「Let’s note FV5 CF-FV5FDNCR(以下Let’s note FV5)」、277,298円(税込/価格.com最安価格。以下ページ内の情報はすべて2025年3月10日時点のもの)

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「Let’s note FV5」ってどんなパソコン?

筆者の主観で、「Let’s note FV5」を使ってみた印象をまとめました。

・軽量かつコンパクトなボディで、持ち運びが軽快
・厳しい試験をクリアした高い堅牢性と、純国産らしい迅速なサポート
・ユーザー自身で取り外しできる、バッテリー交換機能

「Let’s note FV5」筆者による評価チャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・製品カテゴリーや価格を考慮して評価しています。ノートパソコンとしての絶対的な評価ではありません。
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも 参考程度にとどめてください。
価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビュー一覧
https://review.kakaku.com/review/newreview/CategoryCD=0020/

本機の重量は約1.1kgで、持ち運びによるストレスはほとんどなし。「壊れない」ことを重んじる「Let’s note」は、ノートパソコンをていねいに扱うのではなく、ガシガシ使いたい人にとってベストな選択肢と言えます。バッテリーについてもユーザー自身で交換できるユニークな仕様のおかげでパフォーマンスの回復が容易です。

いっぽうで、CPUやメモリーなどといったスペックに対しての価格が業界水準から見ても割高で、コストパフォーマンスがよいとは言えません。極端な話、外に持ち出さず自宅や社内で使うことをメインとする場合、「Let’s note」の持ち味は生かせません。ビジネスや出張、アウトドアでのフィールドワークなど、アクティブな人が使ってこそ真価を実感できるノートパソコンだと言えます。

それ以外の詳細な特徴は、次項以降のレビューをご確認ください。

「Let’s note FV5」を詳しくチェック

ここからは「Let’s note FV5」について実際に触った感触などより詳しくレビューしていきます。

「Let’s note」のラインアップと「Let’s note FV5」の立ち位置

「Let’s note」には「FV」「SR」「QR」シリーズが存在します。今回レビューする「Let’s note FV5」は、現行「Let’s note」中最大となる14型の大画面と軽量性を両立させた、「FV」シリーズに該当するモデルです。

一般的に14型は大画面とは言えないかもしれませんが、小型軽量の「Let’s note」においては別です。実際、ほかのシリーズは12.4型で展開されています。

メーカー公式サイトを基に制作。2025年時点で現行とされているのは上記3シリーズ。「大画面」「高性能モバイル」「2in1モバイル」と違いのわかりやすいラインアップです

メーカー公式サイトを基に制作。2025年時点で現行とされているのは上記3シリーズ。「大画面」「高性能モバイル」「2in1モバイル」と違いのわかりやすいラインアップです

パソコンに詳しい人であれば、「Let’s note」=ビジネスマンが使う野暮ったいノートパソコンというイメージがあるかもしれません。少なからずそれは事実で、筆者もカフェやコワーキングスペースで「Let’s note」を広げているサラリーマンを見かけたことは一度や二度ではありません。しかしそれは言い換えると、ビジネスシーンにも耐えうる信頼できるマシンとして選ばれている証でもあります。国産パソコンゆえのサポートの迅速さもスペックには表れない魅力で、ユーザー心理としては「何かあっても大丈夫」という大きな信頼感にもつながります。

また、野暮ったそうに感じていたデザインについても、改めて実機を触るうちに「意外とカッコいいかも?」と感じるようになってきました。そのあたりも写真を交えて紹介します。

「Let’s note」と言えば、この天板デザイン

「Let’s note」と言えば、この天板デザイン

約1.1kgの軽量ボディ、なのに超頑丈

本機の重量は1.109kg。軽さについては文句なく、持ち運び性能は抜群です。外装には軽量かつ頑丈なマグネシウム合金を用いており、独自のボンネット構造でたわみにも強い耐性があります。

76cmの高さからの落下試験もクリアしており、万が一デスクから落下させても安心。さらに「100kgf加圧振動試験」「高温高湿度試験」など実際の使用を想定した各種の試験を実施しています。そこから生まれる頑丈さこそ「Let’s note」が長く愛される理由でもあり、多少手荒に扱っても問題ないという精神的な使いやすさにもつながっているのです。

 ACアダプターとケーブルの総重量は、約290g

ACアダプターとケーブルの総重量は、約290g

ボンネット構造によるラインは、デザインとしての意匠にもなっています

ボンネット構造によるラインは、デザインとしての意匠にもなっています

厳しい自然の中でも壊れることなく動く「Let’s note」の耐久性は、日本のビジネスシーンにも心強い味方になってくれるでしょう。「雑に扱っても壊れない」これこそが、現場に求められる何よりの性能であると言えるためです。万が一壊してしまった場合も、電話なら18時まで、メールは24時間受付でサポートが迅速に対応してくれます。

3:2のディスプレイはビジネスに最適

本機のディスプレイは14型で、画面比率は3:2(2160×1440)。多くのノートパソコンが採用している16:10や16:9よりもやや縦長で、エクセルやpdf文書などを縦方向に広く表示できます。全画面にすると横向きのA4紙の比率に近く(A4の比率は1:1.414)、印刷する前提の文書を作るにも向いています。

また、縦方向に長い分、14型ノートとしてはやや横幅が短い設計です。数センチの違いではあるものの、新幹線のテーブルや丸いカフェテーブルといった狭いスペースで作業をする場合、この差が作業のしやすさや快適さに違いを生み出します。ビジネス利用を最優先に考えたこういった細やかな仕様も、ビジネスマンと相性がよいのでしょう。

アンチグレア(非光沢)加工の反射しにくいディスプレイは、屋外でも作業がしやすい

アンチグレア(非光沢)加工の反射しにくいディスプレイは、屋外でも作業がしやすい

ユーザー自身で簡単にバッテリー交換が可能

「Let’s note」シリーズの大きな特徴のひとつと言えるのが、ユーザー自身によるバッテリー交換機能です。背面のトリガーを操作すると簡単に取り外すことが可能で、ドライバーなどの工具類は不要。取り付け方法も間違えようがないため、機械が苦手な人でも難なくこなせるでしょう。交換バッテリーは公式から販売されています。

ツマミを押さえながら手前に引くだけでバッテリーを取り外せる

ツマミを押さえながら手前に引くだけでバッテリーを取り外せる

バッテリーは薄型で持ち運びもしやすい。バッテリーのみの重量は約300g

バッテリーは薄型で持ち運びもしやすい。バッテリーのみの重量は約300g

バッテリー交換のメリットは多岐にわたります。たとえばパソコンを使い続けて数年が経ち、バッテリーの劣化によってフル充電ができなくなった場合でも、パソコンを買い替えることなくバッテリー交換だけで同じモデルを継続利用できます。本体設定やソフトのインストールなどパソコンの買い替えは意外に手間なため、これは正直ありがたいです。

また、交換バッテリーをパソコンと一緒に持ち歩くことで、予備バッテリーとして使うことも可能。これなら、充電ができない環境でもスペック以上に長時間使えます。後述しますが、本機は同梱の電源アダプターのほかにUSB Type-Cでも充電ができます。交換バッテリー、電源アダプター、USB端子と、電源へのアプローチが豊富なのも魅力です。

続いてそんなバッテリーの駆動時間をチェックしてみました。YouTubeの4K動画を画面最大化・ミュート状態で再生し続けたところ、9時間で満充電から24%までバッテリーが減りました。本機の公称バッテリー駆動時間はJEITA 3.0での計測(動画再生時)で9時間、アイドル時間は18.1時間となっており、それを超えるバッテリー性能だったと言えます。

バッテリーの減り方は公称値よりも優秀

バッテリーの減り方は公称値よりも優秀

なお、バッテリー駆動に移行した際(充電をやめたタイミング)には、推定残り時間をポップアップで表示してくれます。作業時間の目安となる、便利な機能です。

ACアダプターやUSB Type-Cによる充電状態から端子を外すと、このようなポップアップが表示される

ACアダプターやUSB Type-Cによる充電状態から端子を外すと、このようなポップアップが表示される

4K動画編集にも耐えうる処理能力

ビジネス用とはいえその処理能力も当然気になるところ。「Let’s note FV5」のスペックは、CPUがインテルCore Ultra 7 155H、メモリーは16GBです。さっそくベンチマークをとっていきましょう(ベンチマークは電源を接続した状態で実施)。

「PCMark10」で測定できるのは以下の3つです。

・「Essentials(簡単な作業を行うための一般的なPC向け)」
・「Productivity(一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向け)」
・「Digital Content Creation(写真、動画、そのほかのデジタルコンテンツ編集向け)」
それぞれ公式にスコアの目安が提示されているので、それと実際のスコアを比較してみます。

・Essentials:[目安]4100以上推奨/測定結果…9523
・Productivity:[目安]4500以上推奨/測定結果…7918
・Digital Content Creation:[目安]3450以上推奨/測定結果…8142

目安となる数値の2倍に迫る測定結果が並んでおり、文句なしの高性能! 実際の操作感もストレスフリーで、ビジネス向けのノートパソコンとしてきわめて満足度の高い結果です。

「PCMark 10」でのテスト結果

「PCMark 10」でのテスト結果

総合的な性能を評価できる「Geekbench 6」での測定結果は、「Single-Core Score」が2349、「Multi-Core Score」が11042、グラフィック性能を示す「OpenCL Score」が23451となりました。

意外にもグラフィック性能が高かったため、参考までに動画編集ソフトの「DaVinci Resolve 19」でも確認。4K動画の編集と書き出しをテストしてみたところ。1分の動画を2分で書き出せましたが、プレビューはややカクつきが見られました。シンプルな編集であれば4Kでも可能、カラーグレーディングやエフェクトをガンガン加えたいならFHD編集が現実的、といったところでした。

「Geekbench 6」でのテスト結果

「Geekbench 6」でのテスト結果

LUTとエフェクトをあてた1分の4K動画を書き出し

LUTとエフェクトをあてた1分の4K動画を書き出し

CPUとGPUの総合性能をテストする「Cinebench 2024」でのベンチマーク結果は、「Single Core」が101pts、Multi Coreが509 pts。2025年2月発売の「Zenbook SORA UX3407QA Snapdragon X X1-26-100・16GBメモリ・512GB SSD搭載モデル」を、やや上回るスコアです。

「Cinebench 2024」のテスト結果

「Cinebench 2024」のテスト結果

ゲーミング性能を評価する「3DMark Fire Strike」でのベンチマーク結果は5812となり、中程度のグラフィック性能であることがわかりました。

「3DMark Fire Strike」でのテスト結果

「3DMark Fire Strike」でのテスト結果

豊富な端子類でハブいらず

インターフェイスは、現代のノートパソコンに求める理想形と言ってもよいほど充実しています。Thunderbolt4兼用のUSB Type-C端子からは本機への充電も可能です。SDカードスロット搭載で、デジタルカメラで撮影した写真の取り込みもスピーディー。さらにVGA(アナログRGB)ポートというきわめてレガシーな出力端子も備えており、万が一、出張先で使うプロジェクターが古いタイプであっても対応可能です。これらのほかに欲しい端子はほぼないので、ノートパソコンのインターフェイスとしてはほぼ完璧な布陣と言えます。

写真上は左側面。電源端子、HDMIポート、USB3.1 Gen2 Type-C(Thunderbolt4兼用)が2ポート、ヘッドホン/ヘッドセット・コンボジャック、USB3.0 Type-Aポートを搭載。写真下は右側面で、有線LANポート、USB3.0 Type-Aが2ポート、SDカードスロット、VGAポートを搭載

写真上は左側面。電源端子、HDMIポート、USB3.1 Gen2 Type-C(Thunderbolt4兼用)が2ポート、ヘッドホン/ヘッドセット・コンボジャック、USB3.0 Type-Aポートを搭載。写真下は右側面で、有線LANポート、USB3.0 Type-Aが2ポート、SDカードスロット、VGAポートを搭載

【まとめ】安心と高性能を両立させた質実剛健マシン

さてここまで見てきた「Let’s note FV5」ですが、約28万円という価格帯は、ノートパソコンとしてはかなりハイエンド寄り。14型の同価格帯ではASUS「Zephyrus G14」や、アップル製品ではあるものの「MacBook Pro 14.2インチ」などが競合となります。本機のスペックはそれらには及びませんが、逆に本機にしかない個性もあります。

それは物理的な信頼性です。どんな高性能なノートパソコンでも、壊れてしまえばおしまいです。本機の頑丈さはスペックに対して割高な価格を充分に正当化できるものであり、SNSなどに散見される「Let’s noteじゃなかったらアウトだった」といった多くの意見は、その事実を示しています。またスペックもビジネス用途であれば充分に軽快そのものですし、軽さやバッテリー交換に惹かれて本機を選ぶのもアリでしょう。

壊れず常に動作する「Let’s note FV5」ならビジネスを止めてしまうことがありません。間違いなく、長く使える相棒になるはずです。

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2024/05/28 12:46 新製品ニュース
ヤマダユウス型
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ヤマダユウス型
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柴田崇志(編集部)
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柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
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Let's note FV5 CF-FV5FDNCR [ブラック]の製品画像
  • パナソニック
  • Let's note FV5 CF-FV5FDNCR [ブラック]
  • 価格.com最安価格331,000 ( 発売日:2024年7月19日 )
  • 売れ筋ランキング972
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14型(インチ)
CPU
Core Ultra 7
CPUスコア
24819
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SSD:512GB
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Microsoft Office有り
OS
Windows 11 Pro
重量
1.109kg
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